ワイングラスでおいしい日本酒アワードとは|香りと飲みやすさで選ぶ日本酒の見方

ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、日本酒をワイングラスで楽しむスタイルを広げることを目的とした日本酒コンテストです。

日本酒の鑑評会やコンテストには、酒蔵の醸造技術を評価するもの、市販酒の完成度を見るもの、海外市場での評価を重視するもの、料理との相性を見るものなどがあります。その中で、ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、ワイングラスで飲んだ時に香りや味わいがどのように感じられるかを重視する点に特徴があります。

従来の日本酒は、お猪口、ぐい呑み、徳利などの和酒器で飲まれることが多い酒でした。しかし、ワイングラスを使うことで、香りの立ち方、口当たり、余韻、見た目の印象が変わります。

つまり、ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、日本酒を「和食と和酒器の中だけで楽しむ酒」ではなく、ワイングラス、洋食、カジュアルな食卓、海外市場にも広げるためのコンテストです。


結論|ワイングラスでおいしい日本酒アワードは「香り・飲みやすさ・新しい飲用シーン」を見るコンテスト

ワイングラスでおいしい日本酒アワードを一言で表すなら、

日本酒をワイングラスで飲んだ時の香り、飲みやすさ、食卓での広がりを評価する飲用シーン型の日本酒コンテスト

です。

全国新酒鑑評会が酒蔵の醸造技術を評価する技術鑑評型、SAKE COMPETITIONが市販酒としての完成度を評価するコンテスト、IWC SAKE部門が国際的な酒類審査の枠組みで日本酒を評価するコンテスト、Kura Masterがフランス市場・欧州飲食文化との相性を重視するコンクールであるのに対し、ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、ワイングラスで飲むスタイルそのものを広げる性格が強いコンテストです。

そのため、このアワードで評価された日本酒は、香りが分かりやすい、グラスで飲みやすい、洋食やカジュアルな食事にも合わせやすい、初心者にすすめやすいといった特徴を持つ可能性があります。

一方で、ワイングラスでの評価だけでは、燗酒でおいしいか、和食との細かな相性がよいか、日常酒として価格に見合うか、地域性やテロワールが表現されているかまでは判断しきれません。

したがって、このアワードの受賞歴は、「ワイングラスで楽しみやすい日本酒を探すための手がかり」として使うのが適切です。


ワイングラスでおいしい日本酒アワードの基本情報

名称 ワイングラスでおいしい日本酒アワード
英語表記 The Fine SAKE Award, Japan
開催主体 ワイングラスでおいしい日本酒アワード実行委員会
事務局 株式会社酒文化研究所
後援 日本酒造組合中央会
協賛 RSN JAPAN株式会社、リーデル・ジャパン
開始年 2011年
性格 ワイングラス飲用シーン提案型の日本酒アワード
主な目的 ワイングラスで日本酒を飲むスタイルを訴求し、世代・国・料理ジャンルを超えて日本酒を飲むシーンを広げること
2026年の部門数 8部門
2026年の出品数 1,148点
2026年の出品社数 260社
2026年の最高金賞 58点
2026年の金賞 290点
2026年の審査会 2026年2月24日
出品料・費用 各部門1点目は審査料無料。審査個票フィードバックは5,000円(税別)。同一部門2点目から追加審査料5,000円/点(税別)。認定料は最高金賞50,000円、金賞30,000円(税別)

ワイングラスでおいしい日本酒アワードの目的

このアワードの目的は、日本酒をワイングラスで楽しむスタイルを広げることです。

日本酒は、これまで和食、居酒屋、旅館、酒蔵、和酒器といった文脈で語られることが多い酒でした。しかし、日本酒の可能性はそれだけに限られません。

ワイングラスを使うことで、日本酒の香りは広がりやすくなり、見た目も華やかになります。これにより、普段ワインを飲む人、洋食と合わせたい人、海外の人、日本酒初心者にも日本酒の魅力が伝わりやすくなります。

そのため、ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、単に「おいしい酒」を選ぶだけではなく、日本酒の飲まれ方を広げるためのアワードといえます。


出品条件|広く販売可能な商品が対象

ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、広く販売可能な商品であることが応募条件とされています。

季節限定酒やプライベートブランド商品は応募対象外とされており、受賞酒を購入できないという問題を避けるため、一般消費者が手に取りやすい商品であることが重視されています。

この点は、一般消費者にとって大きな意味があります。受賞歴を見て「飲んでみたい」と思った時に、実際に購入できる可能性が高いからです。


2026年の出品部門

ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026では、次の8部門で審査が行われました。

部門 価格条件・対象 見られやすい特徴
メイン部門1500 1.8L 3,000円以下、または720ml 1,500円以下の清酒 手頃な価格帯で、ワイングラスでも楽しみやすい酒質
メイン部門2000 1.8L 4,000円以下、または720ml 2,000円以下の清酒 日常酒と上質感のバランス、食卓での使いやすさ
スパークリングSAKE部門 720ml 2,000円以下、または300ml 1,000円以下の発泡性清酒 泡の質、甘酸バランス、乾杯酒・食前酒としての魅力
生酒部門 チルド流通管理される生酒で、720ml 2,000円以下、または300ml 1,000円以下 フレッシュ感、香りの立ち方、冷酒での飲みやすさ
プレミアム大吟醸部門 メイン部門を超える価格の大吟醸・純米大吟醸酒 華やかさ、透明感、ワイングラスでの香味表現
プレミアム純米部門 メイン部門を超える価格の純米酒・純米吟醸酒 米の旨味、酸、味幅、食中酒としての奥行き
プレミアム熟成酒部門 常温貯蔵3年以上で、熟成酒としての特性があるもの 熟成香、複雑性、余韻、料理との相性
プレミアムスパークリングSAKE部門 スパークリングSAKE部門の価格を超える発泡性清酒 高品質な泡、上質感、乾杯酒・ギフト酒としての魅力

2026年の部門別出品数と受賞数

2026年は、260社から1,148点のエントリーがあり、最高金賞58点、金賞290点が選出されました。

部門 出品数 最高金賞 金賞 読み方
メイン部門1500 253点 12点 61点 手頃な価格帯でグラス飲用に向く酒を探す時に有効
メイン部門2000 287点 14点 76点 日常酒より少し上質な価格帯の酒を探す時に有効
スパークリングSAKE部門 41点 2点 10点 乾杯酒・食前酒・初心者向けの酒を探す時に有効
生酒部門 95点 6点 23点 フレッシュで香りの立つ冷酒を探す時に有効
プレミアム大吟醸部門 299点 15点 78点 華やかで上質なグラス向き日本酒を探す時に有効
プレミアム純米部門 97点 5点 23点 米の旨味や食中酒適性を重視する時に有効
プレミアム熟成酒部門 39点 2点 10点 熟成香や複雑性のある酒を探す時に有効
プレミアムスパークリングSAKE部門 37点 2点 9点 高品質な発泡性日本酒やギフト酒を探す時に有効

審査方法|ブラインド官能審査とグラス指定

ワイングラスでおいしい日本酒アワードの審査は、ブラインドの官能審査で行われます。

審査員は、銘柄名やブランドの先入観に左右されず、酒そのものの香りや味わいを評価します。評価は7段階で行われます。

また、このアワードの最も大きな特徴は、部門ごとに審査に使用するグラスと温度が決められていることです。

部門 使用グラス 審査温度
メイン部門 リーデル「大吟醸グラス」 室温
プレミアム大吟醸部門 リーデル「大吟醸グラス」 室温
プレミアム熟成酒部門 リーデル「大吟醸グラス」 室温
生酒部門 リーデル「大吟醸グラス」 10℃前後
スパークリングSAKE部門 シャンパングラス 10℃前後
プレミアムスパークリングSAKE部門 シャンパングラス 10℃前後
プレミアム純米部門 リーデル「純米グラス」 室温

つまり、このアワードは「日本酒をワイングラスで飲む」という条件を明確にしたうえで、その条件下で魅力が出る酒を評価しているといえます。


審査員の特徴

審査員は、酒造技術者を審査チームリーダーとし、流通関係者、酒類ジャーナリストなどで構成されます。

このため、単なる一般人気投票ではなく、日本酒の品質、流通、消費者への伝わりやすさを理解した専門家による評価です。

一方で、全国新酒鑑評会のように酒蔵の醸造技術そのものを主目的に評価する鑑評会とは異なり、ワイングラスで飲んだ時の香味や、新しい飲用シーンへの広がりが強く意識されています。


最高金賞・金賞・推奨の読み方

ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは、主に次の評価が発表されます。

  • 最高金賞
  • 金賞
  • 推奨

最高金賞は、スコア上位5%に与えられる上位評価です。

金賞は、スコア上位30%に与えられる評価です。

推奨は、メイン部門のみで、金賞に準じる上位50%までに与えられる評価です。

一般消費者が見る場合、最高金賞は「ワイングラスで飲んだ時に特に高く評価された酒」、金賞は「同部門内でグラス飲用に適した酒」、推奨は「メイン部門の中で一定以上の評価を得た手頃な酒」と理解すると分かりやすいです。


ワイングラスでおいしい日本酒アワードで評価されやすい酒質

このアワードでは、次のような酒質が評価されやすいと考えられます。

  • ワイングラスで香りが広がりやすい酒
  • 第一印象が分かりやすい酒
  • 口当たりがなめらかで飲みやすい酒
  • 酸味、甘味、旨味のバランスがよい酒
  • 冷酒や室温で魅力が出やすい酒
  • 洋食やカジュアルな食事と合わせやすい酒
  • 初心者にもすすめやすい酒
  • グラスに注いだ時の華やかさがある酒

特に重要なのは、香りと飲みやすさです。

ワイングラスは、お猪口よりも香りが広がりやすいため、吟醸香、果実感、フレッシュ感、熟成香、泡の印象などが分かりやすくなります。そのため、香味の立ち方が美しい酒は評価されやすいと考えられます。


ワイングラスでおいしい日本酒アワードで分かること

このアワードの結果から、主に次のようなことが分かります。

  • ワイングラスで飲んだ時に魅力が出やすいか
  • 香りが分かりやすく広がるか
  • 初心者にもすすめやすい酒か
  • 洋食やカジュアルな食事に合わせやすい可能性があるか
  • 乾杯酒、食前酒、グラス飲用に向くか
  • 手頃な価格帯で楽しめる酒か
  • 実際に購入しやすい商品か

特に、メイン部門1500やメイン部門2000は価格条件が明確なため、消費者にとって使いやすい部門です。

「高級酒ではなく、普段の食卓でワイングラスに注いで楽しみたい」という人には、非常に参考にしやすいアワードです。


ワイングラスでおいしい日本酒アワードでは分からないこと

一方で、このアワードの結果だけでは、次のようなことまでは判断できません。

  • お猪口やぐい呑みで飲んだ時においしいか
  • 燗酒に向いているか
  • 和食との細かな相性がよいか
  • 日常酒として毎日飲み続けやすいか
  • 価格に対してどれだけ満足できるか
  • 地域性やテロワールが表現されているか
  • 酒蔵の他の商品も同じ方向性か
  • 開栓後に味が伸びるか
  • 熟成によって魅力が増すか

ワイングラスで魅力が出る酒と、燗酒で魅力が出る酒は同じではありません。

また、グラスで香りが華やかに出る酒が、必ずしも毎日の食事に合わせやすいとは限りません。そのため、受賞歴は「ワイングラスで楽しみやすい酒の目安」として使い、飲む温度や料理との相性は別に確認する必要があります。


一般消費者はどう使うべきか

ワイングラスでおいしい日本酒アワードの受賞歴は、次のような使い方をすると有効です。

  • ワイングラスで飲みやすい日本酒を探す
  • 日本酒初心者にすすめる酒を探す
  • 洋食やカジュアルな食事に合う酒を探す
  • 乾杯酒や食前酒に向く酒を探す
  • 香りが分かりやすい酒を探す
  • 手頃な価格帯で受賞歴のある酒を探す
  • ワイン好きにすすめやすい日本酒を探す
  • ギフトやホームパーティー向きの酒を探す

特に、日本酒に慣れていない人や、普段ワインを飲む人に日本酒をすすめたい場合、このアワードは非常に使いやすいです。

なぜなら、ワイングラスで飲むことを前提に評価されているため、ワイン感覚で日本酒を楽しむ入口になりやすいからです。


向いている人・向かない人

向いている人 向かない人
ワイングラスで日本酒を楽しみたい人 燗酒向きの酒だけを探している人
日本酒初心者にすすめる酒を探したい人 昔ながらの和酒器での味わいだけを重視する人
洋食やカジュアルな料理に合う酒を探したい人 地域性やテロワールだけを重視する人
香りが分かりやすい日本酒を探したい人 辛口・燗酒・居酒屋酒だけを基準に選びたい人

他の日本酒コンテストとの違い

コンテスト・鑑評会 主な性格 ワイングラスでおいしい日本酒アワードとの違い
全国新酒鑑評会 酒蔵の技術力を評価する技術鑑評型 全国新酒鑑評会は醸造技術の評価が中心。ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、グラス飲用での香味や飲用シーンの広がりを重視する
SAKE COMPETITION 市販酒の完成度を競うコンテスト SAKE COMPETITIONは市販酒としての総合的な完成度を重視。ワイングラスでおいしい日本酒アワードはグラスでの飲みやすさや香りを重視する
IWC SAKE部門 国際的な酒類審査の枠組みで評価するコンテスト IWCは国際的な酒類市場での評価が中心。ワイングラスでおいしい日本酒アワードは国内外の飲用シーン拡大に近い
Kura Master フランス市場・欧州飲食文化の視点で評価するコンクール Kura Masterはフランス市場や料理とのマリアージュ色が強い。ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、より日本国内の飲用スタイル提案に近い

サイト独自評価

当サイトでは、ワイングラスでおいしい日本酒アワードを一般消費者が酒選びに使う場合、次のように評価します。

評価項目 評価 理由
初心者への分かりやすさ 非常に高い ワイングラスで飲むという提案が直感的で、香りや飲みやすさを理解しやすいため
ワイングラス適性 非常に高い 部門ごとにグラスや温度を指定して審査しているため
購入判断への使いやすさ 高い 広く販売可能な商品が対象で、価格帯別の部門も設定されているため
食中酒判断 中程度 洋食やカジュアルな食事との相性は見やすいが、料理ジャンル別の詳細評価ではないため
燗酒判断 低い 審査はワイングラスでの室温または冷酒条件が中心で、燗酒評価ではないため
テロワール判断 低〜中程度 地域性や米・水・土地性を直接評価するコンテストではないため

ワイングラスでおいしい日本酒アワードの本質

このアワードの本質は、日本酒の飲用シーンを広げることにあります。

日本酒は、和食や和酒器の中だけで楽しむ酒ではありません。ワイングラスで飲むことで、香りが立ち、見た目が華やかになり、洋食やカジュアルな食卓にも合わせやすくなります。

ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、その新しい飲み方に合う酒を可視化するコンテストです。

日本酒初心者、ワイン好き、海外の人、洋食と日本酒を合わせたい人にとって、このアワードの受賞歴は分かりやすい入口になります。

一方で、日本酒の価値はワイングラスだけで決まるものではありません。燗酒、和食、地域文化、酒蔵の思想、米や水の個性など、別の軸でこそ見える魅力もあります。


ワイングラスでおいしい日本酒アワードの受賞歴を見る時の注意点

  • ワイングラスで飲んだ時の魅力を見るアワードである
  • 香りや飲みやすさが分かりやすい酒を探す時に有効
  • 燗酒でのおいしさを判断するものではない
  • 和食との細かな相性を直接評価するものではない
  • 部門ごとに価格帯や酒質条件が異なる
  • 最高金賞、金賞、推奨では意味が異なる
  • 地域性やテロワールを直接評価するコンテストではない
  • 受賞歴だけで自分の好みに合うとは限らない

まとめ|ワイングラスでおいしい日本酒アワードは「日本酒の入口」を広げる指標

ワイングラスでおいしい日本酒アワードは、日本酒をワイングラスで楽しむスタイルを広げるための日本酒コンテストです。

ブラインド官能審査により、ワイングラスで飲んだ時の香り、味わい、飲みやすさ、飲用シーンの広がりが評価されます。

特に、日本酒初心者、ワイン好き、洋食と日本酒を合わせたい人、ホームパーティーやギフト向きの酒を探す人にとって、受賞歴は使いやすい手がかりになります。

一方で、このアワードの評価だけでは、燗酒適性、和食との細かな相性、地域性やテロワール、日常酒としての価格満足度までは判断できません。

そのため、ワイングラスでおいしい日本酒アワードの受賞歴は、「ワイングラスで楽しみやすい日本酒を知るための入口」として使うのが最も適切です。

日本酒を選ぶ時は、受賞歴に加えて、味の方向性、飲む温度、料理との相性、価格、酒蔵の背景まで合わせて見ることで、より満足度の高い酒選びにつながります。

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