浦野合資会社(酒蔵ガイド)

― 三河の霊峰・猿投山の麓、豊田・四郷で、山田錦・五百万石・夢吟香を使い、「菊石」を醸す1864年創業の老舗酒蔵。越後流と南部流を融合した酒造りで、“やさしい米の旨味・柔らかな口当たり・澄んだ後味”を磨き続ける、豊田を代表する手造り地酒蔵。 ―

① 一行定義

浦野合資会社は、愛知県豊田市四郷町で「菊石」を醸す、1864年創業・猿投山麓・手造り・山田錦・五百万石・夢吟香・越後流×南部流・柔らかな旨味・清らかな後口・食中酒・高い鑑評会実績を強みとする、豊田を代表する地域密着型酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 愛知県豊田市四郷町下古屋48
会社名: 浦野合資会社
創業: 元治元年・1864年
代表社員: 浦野 治郎
代表銘柄: 菊石
地域: 豊田市北部・猿投山麓・四郷
酒名由来: 猿投山の天然記念物「菊石」
主要酒米: 山田錦・五百万石・夢吟香・豊田産コシヒカリなど
主力酒質: 大吟醸・純米吟醸・純米酒・本醸造・季節酒
酒質思想: 米の旨味・やわらかさ・きれいな後味
杜氏: 新井康裕
技術背景: 越後流と南部流の技を融合
直売: 蔵元直売あり
店頭試飲: あり
営業時間: 平日10:00〜18:00/土曜10:00〜15:00
定休日: 日曜・祝日
アクセス: 愛知環状鉄道「四郷駅」から徒歩約7分
駐車場: あり

👉 “米の旨味をやさしく引き出し、最後は澄んで消える『柔らか・きれい』型の豊田地酒。”

浦野合資会社は1864年、猿投山の麓で創業した。

代表銘柄「菊石」は、猿投山にある天然記念物「菊石」の名を、猿投神社から拝受したことに由来する。現在も、伝統的な手造りを大切にしながら、日本酒本来の旨さを追求している。

酒質の中心にあるのは、

やさしい米の旨味
+柔らかな口当たり
+澄んだ後味
+飲み飽きしにくさ

である。


③ 味ポジション

香り  :★★★☆☆〜★★★★☆
甘味  :★★★☆☆
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★★
キレ  :★★★★☆〜★★★★★
コク  :★★★☆☆〜★★★★☆

👉 “淡麗すぎず、濃醇すぎない。米の旨味を柔らかく残し、清らかに切るバランス型。”

杜氏・新井康裕氏は「菊石」を、

柔らかく綺麗

というイメージで説明している。

淡麗ではあるものの、極端な辛口にはせず、

やさしく飲みやすい
+水のようにきれい
+澄んだ酒

を目指している。

商品ごとには、

大吟醸
=華やか・芳醇・やや辛口

純米吟醸
=上品・きれい・中庸

山田錦純米
=旨味・バランス・食中

夢ゆたか
=やさしい・すっきり・やや辛口

本醸造
=柔らかな旨味・キレ

と、軸を大きくぶらさずに幅を持たせている。


④ 強み

① 1864年創業、160年以上の歴史
② 猿投山・猿投神社と結びつく明確な地域性
③ 天然記念物「菊石」に由来するブランド名
④ 日本酒本来の旨さを重視する手造り姿勢
⑤ 越後流と南部流の技術を融合した新井杜氏の酒造り
⑥ 山田錦35%精米の大吟醸
⑦ 五百万石55%精米の純米吟醸
⑧ 山田錦55%精米の食中純米酒
⑨ 愛知県産夢吟香を使う季節酒
⑩ 豊田産コシヒカリを使う地元酒の実績
⑪ 冷酒からぬる燗まで幅広い温度適性
⑫ 2026年全国新酒鑑評会 金賞
⑬ 2024・2023・2022・2021年も全国新酒鑑評会で高評価
⑭ 2022年名古屋国税局酒類鑑評会・吟醸酒の部 局長賞
⑮ 純米吟醸・燗酒でも優等賞実績
⑯ 愛知県新酒品評会で複数部門の受賞実績
⑰ 直売・試飲・季節酒で地域との接点が強い

👉 “高級大吟醸だけでなく、純米・本醸造・燗酒まで評価される総合力。”

2026年全国新酒鑑評会では「菊石」が金賞を受賞。公式受賞歴では、2024年、2023年、2022年、2021年にも金賞を重ねている。

さらに2022年の名古屋国税局酒類鑑評会では、

吟醸酒の部:名古屋国税局長賞
純米吟醸酒の部:優等賞
燗酒の部:優等賞

を獲得している。

浦野合資会社の強みは、

一つの品評会向け大吟醸だけではなく、酒質全体の完成度が高いこと

にある。


⑤ 向いている人

・豊田の地酒を飲みたい人
・米の旨味をしっかり感じたい人
・柔らかな口当たりの酒が好きな人
・後味がきれいな酒を好む人
・淡麗すぎない食中酒を求める人
・山田錦の大吟醸を飲みたい人
・五百万石の純米吟醸を楽しみたい人
・夢吟香に興味がある人
・刺身や魚料理と日本酒を合わせたい人
・冷酒だけでなくぬる燗も楽しみたい人
・季節酒を追いかけたい人
・手造りの地酒蔵を評価する人
・受賞実績のある酒を選びたい人
・豊田・猿投山の地域文化に興味がある人

👉 “華やかさより、飲み続けた時の心地よさを重視する人向け。”

菊石は、

一杯目で強烈に驚かせる酒

というより、

料理と一緒に飲み進めるほど良さが分かる酒

と考えると理解しやすい。


⑥ 向かない人

・極端な甘旨モダン酒だけを求める人
・高酸系日本酒だけを追う人
・超低アルコール酒だけを好む人
・無濾過生原酒だけを求める人
・生酛・山廃だけを重視する人
・香りが極端に華やかな酒だけを求める人
・大型観光施設型の酒蔵を期待する人

👉 “派手さより、旨味・柔らかさ・後味の良さを評価する人向け。”

菊石は、

やさしい
+きれい
+飲み飽きしない

という軸が明確。

極端な味覚より、

日常の食中酒としての完成度

に価値がある。


⑦ 商品カテゴリ

■ 清酒 菊石 大吟醸

浦野合資会社の技術を象徴する上位酒。

使用米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール:17〜18%
酒質:やや辛口

特徴は、

華やかな香り
+芳醇な味わい
+繊細さ
+高い透明感

である。

冷酒5〜10℃が基本。

👉 “菊石の柔らかさを、高精白山田錦で研ぎ澄ませた最高峰。”


■ 清酒 菊石 純米吟醸

菊石の中心的な純米吟醸。

使用米:五百万石
精米歩合:55%
アルコール:15〜16%
酒質:甘辛中間

特徴は、

上品な香り
+きれいな口当たり
+清らかな後味

である。

クリーム系料理とも合わせやすい。

👉 “『柔らかく、きれい』という菊石の基本を最も理解しやすい一本。”


■ 清酒 菊石 山田錦 純米酒

食中酒として重要な定番。

使用米:山田錦
精米歩合:55%
アルコール:15〜16%

特徴は、

バランス
+米の旨味
+柔らかさ
+料理との合わせやすさ

である。

冷酒からぬる燗まで対応。

👉 “山田錦を高級酒だけでなく、毎日の食中酒へ落とし込む菊石。”


■ 清酒 菊石 純米酒 夢ゆたか

日常酒として分かりやすい純米酒。

使用米:五百万石
精米歩合:60%
アルコール:15〜16%

特徴は、

やさしい
+すっきり
+軽快
+やや辛口

である。

魚料理との相性が良く、冷酒・ぬる燗の両方に向く。

👉 “名前通り、肩肘張らずに飲める菊石の日常純米。”


■ 清酒 菊石 本醸造 もと

飲み応えを重視した本醸造。

使用米:国産米
精米歩合:70%
アルコール:18〜19%

特徴は、

日本酒らしい柔らかな旨味
+高い飲み応え
+明快なキレ

である。

👉 “原酒に近い力強さと、菊石らしい柔らかさを両立する一本。”


■ 清酒 菊石 本醸造 生貯蔵酒

軽快な冷酒タイプ。

精米歩合:70%
アルコール:14〜15%

特徴は、

さわやか
+軽快
+テーブルワイン感覚

である。

👉 “日本酒初心者にも入りやすい、軽快な菊石。”


■ 菊石 袋濾し純米吟醸 生酒

菊石の季節限定酒の中でも特に人気の高い一本。

使用米:五百万石
精米歩合:55%
発売:3月中旬〜下旬

もろみを、

ほとんど圧力をかけず自然に濾す

ことで、

きれいな香り
+柔らかな旨味
+透明感

を引き出す。公式では「菊石一番の人気酒」と紹介されている。

👉 “手造りの繊細さを最も直接的に感じる春の限定酒。”


■ 菊石 しぼりたて純米原酒 春待ち酒

新酒第一弾。

使用米:五百万石
精米歩合:60%
アルコール:17〜18%
発売:立春前後

特徴は、

きれいな口当たり
+しぼりたての瑞々しさ
+やや辛口

である。

👉 “冬から春へ移る時期を、新酒で楽しむ菊石。”


■ 菊石 生詰本醸造 薫る風

初夏の季節酒。

新酒を早い段階で火入れし、そのまま生詰めすることで、

若々しさ
+香り
+軽快さ

を残す。

冷酒からぬる燗まで対応する。


■ 菊石 純米酒 夢ゆたか 生貯蔵酒

夏向けの限定純米。

使用米:夢吟香
精米歩合:60%

特徴は、

爽やか
+軽い口当たり
+やや辛口

である。

👉 “愛知の酒米・夢吟香を夏酒へ仕立てる一本。”


■ 菊石 純米吟醸 生貯蔵酒

夏限定の純米吟醸。

使用米:五百万石
精米歩合:55%

特徴は、

爽やかな香り
+上品な味わい
+軽快な飲み口

である。


■ 菊石 ひやおろし本醸造

秋の定番季節酒。

冬に火入れした酒を夏越しさせ、

柔らかさ
+熟成感
+旨味

を育てる。

秋の山海の幸との相性を重視する。

👉 “新酒の若さを、秋まで待って丸みに変える一本。”


■ 菊石 純米原酒 菊花の宴

秋の純米原酒。

使用米:山田錦
精米歩合:55%
アルコール:17〜18%

特徴は、

やさしい旨味
+厚み
+熟成感

である。

重陽の節句をモチーフにした季節酒。

👉 “『菊石』という銘柄名と菊の節句を重ねた秋の一本。”


■ 菊石 袋濾し純米吟醸 秋酒

春の袋濾し純米吟醸を半年熟成。

使用米:五百万石
精米歩合:55%

春酒の、

きれいな香り
+透明感

に、

柔らかさ
+熟成感

が加わる。

👉 “同じ酒が時間でどう変わるかを楽しめる菊石らしい季節酒。”


⑧ 飲み方

冷酒    :◎◎
常温    :◎◎
ぬる燗   :◎◎
熱燗    :○〜◎
ワイングラス:◎
季節酒   :◎◎
食中酒   :◎◎

👉 大吟醸・純米吟醸は冷酒、山田錦純米・夢ゆたか・ひやおろしは常温〜ぬる燗。菊石は“冷やして香る酒”より“料理と飲み続けられる酒”に強い。

■ 料理との合わせ方

大吟醸
→ 刺身、寿司、白身魚、会席料理

純米吟醸
→ 白身魚、鶏料理、クリーム系料理

山田錦 純米酒
→ 焼魚、煮物、焼鳥、鍋

夢ゆたか
→ 刺身、川魚、塩焼き、冷奴

本醸造 もと
→ 味噌料理、肉料理、濃い味の煮物

春待ち酒
→ 山菜、春野菜、魚介

ひやおろし
→ 秋刀魚、きのこ、煮物

菊花の宴
→ すき焼き、鰻、秋の味覚

豊田・三河なら、

鮎
川魚
五平餅
味噌田楽
どて煮
味噌おでん
鰻
名古屋コーチン
山菜
きのこ

との組み合わせが分かりやすい。

👉 “猿投の地酒を、三河の山と里の食で飲む。”


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか   ← ◎ → ○ 華やか
淡麗    ← ◎ → ○ 濃醇
辛口    ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快    ← ◎ → ○ コク
高級酒   ← ◎ → ◎ 日常酒
若酒    ← ◎ → ◎ 熟成酒
地域密着  ← ◎ → ○ 全国評価

👉 “猿投山の地域性と手造りを核に、米の旨味・柔らかさ・きれいな後味を磨く『豊田食中酒型』酒蔵。”

愛知県内で比較すると、

関谷醸造・蓬莱泉
=「奥三河・農業・夢山水・総合酒文化」

丸石醸造・二兎
=「岡崎・二律背反・モダン純米」

山﨑合資会社・尊皇/奥/幻々
=「西尾・愛知米・濃醇・辛口・熟成」

清洲桜醸造・鬼ころし/祥鳳
=「清洲・大量流通・総合酒類」

神の井酒造・神の井
=「大高・少人数手造り・地域密着」

金虎酒造・金虎/虎変
=「名古屋・越後流・伝統×革新」

東春酒造・東龍
=「守山・山廃・コク・旨味・キレ」

浦野合資会社・菊石
=「豊田・猿投山・手造り・柔らかい旨味・清らかな後味・食中酒」

と整理できる。

浦野合資会社のブランド構造は、

猿投山
→ 猿投神社
→ 天然記念物「菊石」
→ 1864年創業
→ 手造り
→ 越後流×南部流
→ 米の旨味
→ 柔らかさ
→ 清らかな後味
→ 豊田の食卓

という非常に素直な流れを持つ。

全国新酒鑑評会で繰り返し金賞を獲得しながらも、

受賞酒だけを主役にしない。

純米吟醸。

純米酒。

本醸造。

季節酒。

燗酒。

そのすべてを、

やさしく、きれいに、飲み飽きしない

方向へまとめる。

つまり浦野合資会社は、

“全国新酒鑑評会に強い小さな蔵”

というより、

“豊田・猿投の土地で、米の旨味を柔らかく日常酒へ落とし込む蔵”

と評価するのが最も適切である。


■ コピー

メイン

「米はやさしく、後味は澄んで。豊田『菊石』。」

サブ

愛知県豊田市、猿投山の麓で、浦野合資会社は1864年から酒を醸してきた。猿投神社から名を受け継いだ銘酒「菊石」は、山田錦、五百万石、夢吟香の個性を生かしながら、米の旨味をやさしく引き出し、澄んだ余韻へと導く。

越後流と南部流の技を受け継いだ酒造りは、米を洗い、蒸し、麹を育て、醪を見守るという、ひとつひとつの手仕事の積み重ね。大吟醸は華やかに、純米吟醸は清らかに、純米酒は食卓に寄り添うように、春夏秋それぞれの季節酒へと姿を変える。

全国新酒鑑評会で金賞に輝く一方、菊石が目指すのは、賞のためだけの特別な一杯ではない。料理とともに静かに杯を重ね、飲むほどに心がほどけていく酒。毎日の食卓で、ふと「うまい」と感じられる、豊田の風土と人の手が育てた地酒である。


■ 結論

猿投山の麓で、菊石の名を受け継ぎ、百六十年余り酒を醸す。
手造りの技と米の旨味を重ね、柔らかく澄んだ一杯に仕立てる。
派手さはなくとも、食卓に寄り添い、長く飲める――それが菊石。

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