千年一酒造(酒蔵企業分析)

― 兵庫県淡路市久留麻2485番地の1。1875年創業、2025年に150年を迎えた北淡路・東浦の造り酒屋。大阪湾を望む漁師町で、鍾馗山の山水、兵庫県産山田錦、淡路島で栽培する山田錦・五百万石などを使い、「千年一」「千代の縁」を中心に、島の山海の幸に合うすっきりした旨酒を醸す。1995年の阪神・淡路大震災では仕込み蔵が壊滅的被害を受けたが、地元「淡路酒探偵団」と蔵人・杜氏が仕込んだ「千夢酔」を契機に再建。現在は代表取締役・上野山善彦氏のもと、淡路島で栽培が難しい山田錦へ農家と挑戦する「穂 MINORI」、緑肥栽培の五百万石を使う「郁」、全国新酒鑑評会で5度金賞を得た「千代の縁」、低アルコール酒「愛酒」、島産梅による梅酒まで商品を拡張。予約なしでも立ち寄りやすい酒蔵見学、無料試飲、蔵限定販売、会員組織「淡路千年蔵の会」まで備え、「酒を造る場所」から「淡路島の農業・食・震災復興・観光を酒でつなぐ場所」へ進化する、淡路島テロワール型・小規模手造り型・地域農業共創型・復興文化継承型・酒蔵観光型酒蔵 ―


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

兵庫県淡路市久留麻2485番地の1。

北淡路・東浦で、代表銘柄**「千年一」**を醸す酒蔵が、千年一酒造株式会社です。

創業は1875年2月。1950年7月に株式会社化。現在の代表取締役は上野山善彦氏、資本金は1,000万円です。2025年で創業150年を迎えました。

千年一酒造を一言で定義するなら、

「淡路島の米・水・魚・人を、一杯の地酒へつなぐ島密着型の造り酒屋」

です。


② 結論・企業ポジション

千年一酒造最大の企業価値は、

「淡路島産という地域性を、酒の原料・物語・観光まで一貫させていること」

です。

公式自身が「淡路島だからこそ、規模が小さいからこそできる酒造り」を掲げ、島産酒米による商品開発を進めています。かつて淡路島には50軒余りの酒蔵があったものの、現在は千年一酒造を含め2蔵まで減少したと説明しており、同社は単なる一企業ではなく淡路島の酒文化を残す拠点という役割も担っています。

評価軸内容
会社名千年一酒造株式会社
所在地兵庫県淡路市久留麻2485番地の1
創業1875年
法人設立1950年
代表取締役上野山善彦
資本金1,000万円
法人番号4140001085270
代表銘柄千年一
最高級酒千代の縁・純米大吟醸
地域酒千夢酔・穂 MINORI・郁
主力酒米山田錦・五百万石等
地域原料淡路島産山田錦・五百万石・梅
水鍾馗山の山水
酒質すっきり・旨口・食中型
観光自由見学・利き酒・蔵限定販売
顧客組織淡路千年蔵の会
本質淡路島そのものを地酒へ変える小規模酒蔵

③ 基本情報

公式会社概要・日本酒造組合中央会の公開情報に基づく基本情報です。従業員数・売上高は公式には確認できないため、推定値を使用しません。

項目内容
社名千年一酒造株式会社
読みせんねんいちしゅぞう
所在地〒656-2311 兵庫県淡路市久留麻2485番地の1
TEL0799-74-2005
FAX0799-74-3122
創業1875年2月
法人設立1950年7月
代表取締役上野山善彦
資本金1,000万円
法人番号4140001085270
業種清酒製造業
売上高非公開
従業員数非公開
営業時間10:00〜16:00
定休日年末年始
EC公式オンラインストアあり
酒蔵見学あり
試飲あり
会員組織淡路千年蔵の会

④ 歴史・企業形成

千年一酒造の企業史は、

創業 → 地域酒蔵 → 震災 → 復興 → 島産酒米

という流れで捉えると明確です。

1875年

淡路島・東浦で創業。

1950年

千年一酒造株式会社を設立。

1990年

地域の酒文化を楽しむ**「淡路酒探偵団」**が発足。

1994年

酒探偵団が「淡路の米と水で酒を造る」企画を千年一酒造へ依頼。

1995年

阪神・淡路大震災。

仕込み蔵の天井が崩れ、タンクが傾くほどの大被害を受け、廃業も検討する状況に陥ります。

しかし、震災直後に地元の米を使った仕込みを再開。

その酒が、

「千夢酔」

です。

蔵側は「千夢酔があったから今の千年一酒造がある」と位置付けています。

1996年

ミニギャラリー開設。

2000・2001年

「千代の縁」が全国新酒鑑評会で連続金賞。

2010年

但馬杜氏自醸酒研究会で最優等賞。

2011・2012年

全国新酒鑑評会連続金賞。

2015年

全国新酒鑑評会5度目の金賞。

2018年以降

淡路島で難しいとされた山田錦栽培へ地元農家と挑戦。

2年目に収穫へ成功し、

「穂 MINORI」

へつながりました。

歴史の核心は、

震災によって一度失いかけた酒蔵を、地域との関係によって再び立ち上げたこと

です。


⑤ ブランド構造

千年一酒造は「千年一」という単一商品ではなく、用途・技術・地域性によって複数ブランドを持ちます。

ブランド・商品役割
千年一企業母艦
千代の縁全国鑑評会・最高級技術
純米大吟醸山田錦・プレミアム
千華フルーティー大吟醸
杯千酒日常食中酒
原酒 淡路濃醇旨口
特別純米原酒辛口・原酒
花蔵本醸造
穂 MINORI淡路島産山田錦
郁淡路島産五百万石
千夢酔震災復興・地域共創
愛酒低アル・初心者
梅酒淡路島産梅
國生みの雫国生み神話・伊弉諾神宮
雄町の風雄町・歴史水文化
千年一カップ日常・観光
佳撰・上撰・超特選地元晩酌

ブランド構造は、

千年一=企業

千代の縁=品質

千夢酔=復興

穂・郁=農業

國生みの雫=神話・文化

と整理できます。


⑥ 水・風土・淡路島テロワール

千年一酒造の公式説明で重要なのが、

鍾馗山の山水

です。

蔵は北淡路・東浦に位置し、目の前には大阪湾が広がります。公式は「鍾馗山の山水」「最良の米」「杜氏達の手の温もりを感じる麹」によって、漁師の町によく似合うすっきりした酒を目指すとしています。

淡路島は、

海
+
山
+
農業
+
温暖な気候

を併せ持つ島です。

温暖な気候は一般に酒米栽培には難しい条件とされる一方、千年一酒造はそれを逆に、

「淡路島だからこそできる酒」

へ変えようとしています。

構造は、

淡路島の山
↓
山水
↓
島の田んぼ
↓
山田錦・五百万石
↓
千年一酒造
↓
大阪湾・淡路島の魚介

です。

つまり、

「島の山から水を得て、島の米を醸し、島の魚と飲む酒」

が理想形です。


⑦ 独自技術・酒造技術

千年一酒造の技術的価値は、

小規模蔵だからこそ残せる手造りと低温醸造

です。

公式トップページは「国生みの島 淡路島で醸す 手造りの酒」を掲げています。

低温醸造

純米大吟醸では兵庫県産山田錦を使用し、

低温でじっくり醸造

することで米の旨味と香りを保持します。

大吟醸技術

「千代の縁」は全国新酒鑑評会で5度金賞。

高アルコールの大吟醸原酒でありながら、

爽やかな香り
+
優雅な味
+
すっきりした喉越し

を成立させています。

原酒設計

「特別純米原酒」「原酒 淡路」など、高いアルコール度数と米のコクを残す商品も豊富。

ロックまで想定した酒質設計を行います。

多温度対応

「杯千酒」「本醸造」「佳撰」などでは、

冷酒から燗まで

対応。

高級吟醸一本ではなく、日常の食卓で飲む酒造りも重視しています。

技術体系は、

手造り
+
低温醸造
+
大吟醸
+
原酒
+
食中燗酒

です。


⑧ 原料・酒米戦略

千年一酒造の原料戦略は、

「兵庫の酒米」と「淡路島の酒米」を両立させること

です。

兵庫県産山田錦

純米大吟醸などの最高級酒で使用。

役割:品質頂点

淡路島産山田錦

淡路市鮎原の若手農家・岩見洋佑氏が2018年から栽培に挑戦。

初年度は失敗、2年目に収穫へ成功。

その山田錦から生まれた酒が、

「穂 MINORI」

です。

淡路島産五百万石

生田村で、レンゲ草を使った緑肥栽培によって育てられます。

その五百万石を使うのが、

「郁」

です。

吟醸らしい華やかな香りと淡麗な味を持ち、淡路島の魚との組み合わせを意識しています。

千夢酔

淡路酒探偵団が栽培した五百万石を使用。

淡路島産米+淡路島の水+地域住民

という地域共創型酒です。

つまり、

山田錦=最高品質

淡路山田錦=挑戦

五百万石=地域農業

という構造です。


⑨ 商品・商品戦略

千代の縁

全国新酒鑑評会で、

2000年
2001年
2011年
2012年
2015年

の5度金賞。

アルコール17〜18%。

フルーティーかつ濃醇で、優雅な味とすっきりした喉越しを持つ大吟醸原酒です。

役割:技術フラッグシップ


純米大吟醸

兵庫県産山田錦。

低温でじっくり醸造。

米の旨味と香りを残した最上級商品です。

役割:純米系プレミアム


大吟醸 千華

山田錦由来の吟醸香。

爽やかでフルーティー。

役割:大吟醸入門・贈答


特別純米 杯千酒

爽やかな香り。

すっきりしたキレ。

やや辛口。

冷酒・燗の双方で飲める商品です。

役割:日常食中酒


原酒 淡路

アルコール19〜20%。

穏やかな甘い香りと熟成した芳醇な旨味。

役割:濃醇地酒・原酒ファン


特別純米原酒

アルコール18〜19%。

米の旨味が濃く、辛口。

ロックにも対応します。

役割:酒好き・濃厚酒


穂 MINORI

淡路島産山田錦。

上質な口当たりとキレ。

役割:淡路島農業の象徴商品


郁

生田村産五百万石。

緑肥栽培。

華やかな香りと淡麗な味。

役割:環境配慮型・島産吟醸


千夢酔

阪神・淡路大震災直後の仕込みから誕生。

淡路酒探偵団との共同商品。

役割:復興・地域文化


愛酒

アルコール8〜9%。

爽やかでフルーティー。

冷酒・ソーダ割り。

役割:低アル・日本酒初心者


梅酒

淡路島の農家が育てた梅を使用。

日本酒の旨味と梅の酸・香りを組み合わせます。

役割:地域果実・非日本酒層


國生みの雫

「淡路幽宮御領酒」として伊弉諾神宮と結び付いた商品。

役割:国生み神話・観光・文化


⑩ 味わい・酒質設計

千年一酒造の商品群は、

「旨口・すっきり」を基礎に、フルーティーから濃醇原酒まで広げる構造

です。公式商品分類でも「辛口・濃醇・旨口・フルーティ・すっきり」など幅広い味覚タグを設定しています。

味覚軸主な商品
優雅・濃醇千代の縁
華やか千華
フルーティー純米大吟醸
淡麗・華やか郁
上質・キレ穂
すっきり・やや辛口杯千酒
コク・辛口特別純米原酒
芳醇・旨口原酒 淡路
米甘・旨口千年一カップ・上撰
低アル・爽快愛酒
果実・甘酸梅酒

島の魚介との相性を基準に考えると、

香りだけを突出させず、後口が残りすぎないこと

が千年一酒造の重要な酒質軸です。


⑪ 受賞・品質評価

千年一酒造の代表的な受賞商品は、

「千代の縁」

です。

全国新酒鑑評会の公式蔵元記録では、

2000年 金賞
2001年 金賞
2004年 入賞
2007年 入賞
2008年 入賞
2011年 金賞
2012年 金賞
2015年 金賞
2016年 入賞

となっています。

また、

2010年度

第65回但馬杜氏自醸酒研究会で、

最優等賞

を受賞しています。

したがって品質評価の中核は、

2000年代〜2010年代に積み上げた吟醸酒技術

です。

2026年時点の公式サイトでは、全国新酒鑑評会について5度の金賞を主要実績として掲げており、近年の新たな全国金賞を公式実績としては掲載していません。


⑫ 地域ブランド

千年一酒造の地域ブランドは非常に明確です。

**兵庫県

↓
淡路島
↓
北淡路
↓
東浦
↓
久留麻
↓
千年一**

です。

さらに商品別には、

鮎原
→ 山田錦
→ 穂

生田村
→ 五百万石
→ 郁

淡路酒探偵団
→ 千夢酔

という、より細かな地域接続があります。

加えて淡路島は、『古事記』の国生み神話で最初に誕生する島として知られ、千年一酒造も「國生みの雫」などでその歴史文化を商品へ取り込んでいます。

したがって、

「兵庫の日本酒」より「淡路島の日本酒」

として見せるべき蔵です。


⑬ 人・組織・継承

現在の代表取締役は、

上野山善彦氏

です。

公式の蔵の歴史では、阪神・淡路大震災当時を知る女将・武田須也子氏が、2020年に杜氏を務める甥が代表取締役へ就任したことを語っています。娘も淡路島へ戻り、蔵を手伝っているとされます。

この構造から見えるのは、

家族
+
杜氏
+
蔵人
+
地元農家
+
酒探偵団

という、小規模地域酒蔵ならではの組織です。

特に重要なのは、

酒造技術だけでなく「地域との関係」まで次世代へ継承していること

です。


⑭ 観光・酒蔵ツーリズム

千年一酒造は、

観光客が立ち寄りやすい小規模酒蔵

です。

明石海峡大橋から約15分、北淡路・東浦に位置しています。淡路交通「仮屋」バス停のすぐ近くで、暖簾と杉玉が目印です。

見学内容は、

エントランス
→ 受付
→ 酒蔵自由見学
→ 利き酒
→ 法被体験
→ 蔵元ショッピング

という明快な流れです。

少人数であれば事前に連絡すれば無料で見学可能で、10名以上は予約制。酒造りに使用していた道具が並ぶ2階でおすすめ酒の利き酒ができ、蔵限定酒やおつまみ、猪口なども購入できます。営業時間は10:00〜16:00、定休日は年末年始です。

つまり、

「博物館を見る酒蔵」ではなく「実際の小さな造り酒屋に入る体験」

が価値です。


⑮ 流通・販売

千年一酒造の販売は、

蔵元直売+EC+淡路島内流通+観光流通

が中心です。

公式サイトでは、島内の酒販店だけでなく、

観光施設
ホテル
スーパー
土産施設
飲食店

など幅広い販売先を案内しており、淡路島の観光客が島内各所で買える構造を作っています。

さらに、

公式オンラインストア

で島外へ販売。

蔵内には限定商品もあり、

観光購入
+
EC再購入

というD2C導線が成立しています。


⑯ 事業構造

千年一酒造の事業構造は清酒が中心ですが、地域・観光・会員事業まで拡張しています。

事業内容
大吟醸千代の縁・千華
純米大吟醸プレミアム
純米吟醸郁等
特別純米杯千酒等
本醸造花蔵等
原酒淡路・特別純米原酒
普通酒佳撰・上撰・超特選
低アル酒愛酒
リキュール梅酒
地域米酒穂・郁・千夢酔
文化酒國生みの雫
EC全国直販
蔵元販売蔵限定品
酒蔵見学無料・予約対応
試飲利き酒
会員事業淡路千年蔵の会
イベント蔵出し試飲会・コンサート等

⑰ 競合比較

都美人酒造との比較

現在の淡路島で残る主要2蔵という位置関係です。千年一酒造公式も、現在は島内に自社を含め2蔵と説明しています。

項目千年一酒造都美人酒造
地域淡路島北部・東浦南あわじ
核地域農業・観光山廃・酒造技術
主力地域価値山・海・地元米淡路島南部風土
観光自由見学・試飲蔵見学型
一言淡路島を人と米で醸す発酵技術を深める

灘大手蔵との比較

項目千年一酒造灘大手
規模小規模大規模
生産手造り・少量大量・高度設備
販売島内+EC全国・海外
原料物語淡路島農家山田錦産地等
観光小さな現役蔵大型資料館型も多い
一言地域密度規模・研究・流通

千年一酒造は大手と生産効率で競う企業ではありません。

「誰が米を作り、どの島で醸し、何と飲むか」

という距離の近さが競争力です。


⑱ 経営課題・成長余地

① 小規模生産


② 島外認知


③ 淡路島産酒米


④ 酒蔵観光


⑤ 低アル・女性・初心者市場


⑥ 災害継承


⑲ SWOT分析

区分診断評価打ち手
Strengths1875年創業強い150年史
Strengths淡路島ブランド最大級地域母艦化
Strengths鍾馗山の山水強い水の物語
Strengths小規模手造り最大級蔵人可視化
Strengths淡路産山田錦最大級穂の強化
Strengths淡路産五百万石最大級郁・千夢酔
Strengths全国金賞5回強い千代の縁
Strengths震災復興史唯一性大千夢酔
Strengths見学・無料試飲非常に強い観光接点
Strengths千年蔵の会強いCRM
Weaknesses生産規模小さい高付加価値
Weaknesses全国認知限定的淡路ブランド集中
Weaknesses近年全国受賞過去実績中心新商品品質発信
Weaknesses島内物流本土より制約EC強化
Opportunities淡路島観光最大級蔵見学
Opportunities地産地消最大級島産酒米
Opportunities農業体験大きい田んぼ連携
Opportunities初心者市場大きい愛酒等
Opportunities食観光最大級魚介×酒
Opportunities会員化強い千年蔵の会
Threats米価格上昇原価圧力農家連携
Threats気候変動島産酒米に影響栽培技術蓄積
Threats酒造人材不足小規模蔵に大世代継承
Threats清酒市場縮小長期課題観光・低アル
Threats地震・災害歴史的リスクBCP・設備維持

⑳ PEST分析

区分外部環境千年一酒造への影響対応方向
Political地方創生地域蔵に追い風淡路島ブランド
Political農業振興酒米栽培に有利農家共創
Political観光振興淡路島に追い風酒蔵見学
Political酒類輸出支援将来機会島ブランド
Economic米価格上昇原価増高付加価値
Economic観光消費最大機会直売・土産
Economic島内物流コスト要因EC・集約物流
Economicプレミアム地酒機会千代の縁・純大
Social地産地消非常に有利穂・郁
Socialクラフト志向小規模蔵に有利手造り
Social体験消費強い見学・試飲
Social低アル志向機会愛酒
Social食文化旅行最大級淡路魚介
Technological温度管理高品質化低温醸造
Technological冷蔵物流生酒販売季節商品
TechnologicalEC島外販売D2C
Technological農業技術山田錦栽培島産米
TechnologicalCRM会員化千年蔵の会

㉑ 4P分析

区分現状評価戦略
Product千年一母艦淡路島地酒
Product千代の縁技術頂点受賞・贈答
Product純米大吟醸プレミアム山田錦
Product杯千酒日常食中
Product原酒 淡路濃醇酒好き
Product穂地域農業淡路山田錦
Product郁環境・地域五百万石
Product千夢酔復興地域共創
Product愛酒低アル初心者
Product梅酒果実非日本酒層
Price日常価格佳撰・上撰地元
Price中価格特純・吟醸地酒層
Price高価格純大・千代の縁贈答
Place蔵元最大特徴観光直販
Place公式EC全国D2C
Place島内小売強い地産地消
Place観光施設強い土産
Placeホテル・飲食地域食中提案
Promotion淡路島最大資産地域ブランド
Promotion震災復興最大物語千夢酔
Promotion全国金賞5回品質千代の縁
Promotion地元農家共創穂・郁
Promotion酒蔵見学体験観光
Promotion千年蔵の会CRMファン化

㉒ ターゲット

ターゲット適合商品・価値
淡路島地酒ファン千年一
地元住民佳撰・上撰・超特選
日本酒初心者愛酒・花の大吟醸
女性層フルーティー商品
吟醸酒ファン千華
大吟醸ファン千代の縁
純米大吟醸層純米大吟醸
山田錦ファン穂・純米大吟醸
五百万石ファン郁・千夢酔
食中酒層杯千酒
原酒ファン淡路・特別純米原酒
濃醇酒層千代の縁・淡路
燗酒層杯千酒・佳撰
農業関心層穂・郁
環境意識層郁
震災・地域文化層千夢酔
神話文化層國生みの雫
淡路島観光客蔵見学・限定酒
ファミリー旅行酒蔵見学
ギフト需要千代の縁・純米大吟醸
低アル志向愛酒
果実酒層梅酒
リピーター淡路千年蔵の会

㉓ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

島の米を、島の水で、島の酒へ。

サブコピー

明治8年創業。
千年一酒造は、淡路島の山・田んぼ・海・人を、一杯の地酒につなぎます。

地域型コピー

淡路島を、飲む。

農業型コピー

田んぼから始まる、淡路島の地酒。

海型コピー

島の魚に、島の酒。

復興型コピー

震災を越えて、千夢酔から次の百年へ。

観光型コピー

大橋を渡ったら、小さな酒蔵へ。

技術型コピー

小さな蔵だから、手が届く。

文化型コピー

国生みの島で、酒を醸す。

短い説明文

千年一酒造株式会社は、兵庫県淡路市久留麻2485番地の1にある1875年創業の酒蔵です。北淡路・東浦で、鍾馗山の山水と米を使い、漁師町の魚介に合うすっきりした旨酒を醸しています。1995年の阪神・淡路大震災では仕込み蔵が壊滅的な被害を受けましたが、淡路酒探偵団が育てた米を蔵人・杜氏が仕込んだ「千夢酔」を契機に再建。現在は淡路島・鮎原で新たに栽培された山田錦を使う「穂 MINORI」、生田村で緑肥栽培された五百万石による「郁」など、島産酒米を使った商品開発を進めています。最高級酒「千代の縁」は全国新酒鑑評会で5度金賞。自由見学、利き酒、法被体験、蔵限定販売のほか、会員組織「淡路千年蔵の会」も運営し、日本酒を通じて淡路島の農業・食・文化・観光をつないでいます。


㉔ この酒蔵をどう見せるべきか・最終評価

千年一酒造は、以下の7資産で整理すると企業像が最も明確になります。

① 淡路島


② 千夢酔


③ 島産山田錦


④ 郁・五百万石


⑤ 千代の縁


⑥ 酒蔵見学


⑦ 淡路千年蔵の会


最終評価

評価軸評価コメント
歴史性4.9/51875年創業・150年
地域性5.0/5淡路島に集中
水資産4.9/5鍾馗山の山水
酒米力5.0/5山田錦・五百万石
地域米力5.0/5島産酒米へ挑戦
農家連携力5.0/5鮎原・生田等
手造り力4.9/5小規模造り酒屋
吟醸技術力4.9/5全国金賞5回
品質継続力4.5/5主な全国受賞は2010年代まで
商品力4.9/5日常〜高級・低アル
食中酒力5.0/5島の魚介を意識
プレミアム力4.8/5千代の縁・純大
初心者導入力5.0/5愛酒・フルーティー酒
地域物語力5.0/5神話・震災・農業
観光力5.0/5自由見学・試飲
ファン化力5.0/5千年蔵の会
公共交通適性4.8/5仮屋バス停至近
島内流通力5.0/5観光・小売網
全国流通力4.1/5EC中心
ブランド独自性5.0/5淡路島×復興×農業
成長可能性5.0/5観光・島産米・D2C


㉖ 最終結論

千年一酒造株式会社は、兵庫県淡路市久留麻2485番地の1にある、1875年・明治8年創業の酒蔵です。

しかし、その本質はそれ以上に、

北淡路・東浦で大阪湾を望みながら、鍾馗山の山水と米を用いて「漁師の町によく似合う、すっきりと旨い酒」を150年にわたり造り続け、かつて50軒余りの酒蔵があった淡路島で現在も酒文化を守る数少ない現役蔵。1995年の阪神・淡路大震災では仕込み蔵の天井が崩落し、多くのタンクと酒を失い、廃業まで検討する壊滅的状況に陥りながら、淡路酒探偵団が育てた五百万石を蔵人・杜氏が仕込んだ「千夢酔」を完成させ、その酒と地域住民との関係を契機に蔵を再建。「淡路島だからこそ、規模が小さいからこそできる酒造り」という方向へ企業価値を再定義し、現在は兵庫県産山田錦による純米大吟醸、全国新酒鑑評会で2000・2001・2011・2012・2015年の5度金賞を獲得した大吟醸原酒「千代の縁」という技術型商品に加え、淡路島・鮎原で地元若手農家が2018年から栽培へ挑戦し、初年度の失敗を乗り越えて収穫した島産山田錦による「穂 MINORI」、生田村の棚田でレンゲ草を使った緑肥栽培によって作る五百万石を醸した純米吟醸「郁」、淡路島産梅を日本酒へ溶かす梅酒、低アルコールでフルーティーな「愛酒」、国生み神話と伊弉諾神宮を背景に持つ「國生みの雫」まで、淡路島の農業・自然・文化を商品体系へ組み込んでいる。さらに明石海峡大橋から約15分、仮屋バス停至近の立地で、小規模客なら立ち寄りやすい無料酒蔵見学、利き酒、法被体験、蔵限定商品の販売を行い、年2回の限定酒や蔵イベントを提供する「淡路千年蔵の会」によって観光客を継続的なファンへ変える仕組みも構築。酒を大量生産して全国へ押し出すのではなく、「誰が米を作ったのか」「どこの水なのか」「何を食べながら飲むのか」「なぜこの蔵を残すのか」までを商品価値に含めることで、淡路島の田んぼ・山水・魚介・震災の記憶・国生み文化・人々の関係を一杯へ集約する、淡路島テロワール型・小規模手造り型・地域農業共創型・復興文化継承型・酒蔵観光型の酒蔵

です。

■ コピー

「島の米を、島の水で、島の酒へ。」

■ 結論

千年一酒造の最大の価値は、150年続いていることだけでも、全国新酒鑑評会で5度金賞を取ったことだけでもありません。

一度は震災によって蔵を失いかけながら、

地域の人が米を作り、
蔵人が酒を仕込み、
その酒によって蔵が再び立ち上がった。

そして現在は、

淡路島産山田錦、五百万石、山水、魚介、神話、観光

まで一つの酒造りへつなげています。

「淡路島にある酒蔵」ではなく、
「淡路島を酒で残す酒蔵」。

それが、千年一酒造の企業としての本質です。

千年一酒造のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
1
千年一酒造

淡路島の水・米・魚に寄り添う、1875年創業の手造り地酒蔵。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です