丸石醸造(酒蔵ガイド)

― 岡崎・乙川の伏流水と山田錦・雄町・愛山・出羽燦々・三河産米「萬歳」を使い、「二兎」を醸す1690年創業の老舗酒蔵。徳川家康ゆかりの城下町で330年以上の歴史を受け継ぎながら、“二律背反する味を両立する”という現代的な酒質設計で全国市場を切り拓く、岡崎の革新型地酒蔵。 ―

① 一行定義

丸石醸造は、愛知県岡崎市中町で「二兎」「徳川家康」「三河武士」「長誉」を醸す、1690年創業・乙川伏流水・山田錦・雄町・愛山・出羽燦々・萬歳・低温発酵・瓶貯蔵・食中性・特約店流通・岡崎の歴史文化を強みとする、愛知を代表する伝統×革新型酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 愛知県岡崎市中町6丁目3-3
会社名: 丸石醸造株式会社
創業: 元禄3年・1690年
代表者: 深田 英樹
代表ブランド: 二兎
高級ブランド: 徳川家康
地域ブランド: 三河武士
地元定番酒: 長誉
地域: 岡崎市・東海道・徳川家康生誕地
水: 乙川の伏流水
取水: 蔵内地下約20m
水質: 軟水・硬度54mg/L
主要酒米: 山田錦・雄町・愛山・出羽燦々・萬歳
製法: 限定吸水・甑蒸し・低温長期発酵・瓶貯蔵
直売: 直営店「醸庵」
直売時間: 9:00〜16:00
二兎販売: 特約店限定流通

👉 “330年の岡崎地酒を、現代的な味覚設計で全国ブランドへ進化させた蔵。”

丸石醸造の酒造りは1690年に始まった。

公式英語版では、創業者が東海道を行き交う人々から酒造りを学び、田畑を取得して米を酒造りへ回したことが始まりとされている。明治期には綿・銀行業などにも事業を広げ、1900年には灘にも酒蔵を構えた。戦災では岡崎の施設の大半を失ったが、戦後に再建し、現在まで酒造りを継続している。

現在の丸石醸造を象徴するのが、

「二兎」

である。

2015年12月に誕生し、

味と香
酸と旨
重と軽
甘と辛
入りと後味
複雑と綺麗

という、一見相反する要素を一つの酒の中で成立させることをブランド思想としている。


③ 味ポジション

香り  :★★★★☆〜★★★★★
甘味  :★★★☆☆〜★★★★★
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
キレ  :★★★★☆〜★★★★★
コク  :★★★☆☆〜★★★★★

👉 “甘味と酸、旨味とキレ、華やかさと食中性を同時に狙う『バランス型モダン純米酒』。”

「二兎」の核心は、

一方向へ振り切らないこと。

甘いだけではない。

辛いだけでもない。

華やかだけでもない。

重いだけでもない。

公式は共通特徴として、

新鮮さ
+後味の良さ
+食との融合

を掲げる。

例えば、

雄町48
=芳醇・甘味・厚み

山田錦55
=甘酸バランス・緻密・透明感

山田錦65
=濃い旨味・爽やかな酸

愛山48
=甘美・濃厚・クリーミー

出羽燦々55
=爽やか・ハーブ感・酸

萬歳70
=滑らか・酸苦調和

Satin
=軽快・13%・自然な旨味

と、酒米ごとの差をかなり明確に表現している。


④ 強み

① 1690年創業、330年以上の歴史
② 徳川家康生誕地・岡崎という強い歴史ブランド
③ 乙川伏流水を蔵内地下約20mから取水
④ 軟水・硬度54mg/Lを生かす柔らかな酒質
⑤ 10kg単位の限定吸水など精密な原料処理
⑥ 約30日間の低温発酵
⑦ 上槽後すみやかな瓶詰め・瓶貯蔵
⑧ 山田錦・雄町・愛山・出羽燦々の酒米比較
⑨ 岡崎・三河の米「萬歳」を現代酒へ活用
⑩ 2015年誕生「二兎」の強いブランドコンセプト
⑪ 「二兎追うものしか二兎を得ず」という明快な哲学
⑫ 特約店流通によるブランド管理
⑬ 2026年全国新酒鑑評会 金賞
⑭ 2026年愛知県新酒品評会・純米酒部門で「二兎」が高評価
⑮ SAKE COMPETITION 2026で「二兎 雄町三十三」が上位入賞
⑯ 純米吟醸 山田錦55・出羽燦々55もSAKE COMPETITION決審進出
⑰ 「徳川家康」「三河武士」「長誉」による地域ブランド層の厚さ
⑱ 蔵開き・丸石の日・二兎宵のSAKE BARなど顧客接点が豊富

👉 “老舗の酒造技術と、現代的なブランド設計力を両立できることが最大の強み。”

2026年の全国新酒鑑評会では「二兎」が金賞。さらにSAKE COMPETITION 2026では「二兎 純米大吟醸 雄町三十三」が純米大吟醸部門で上位入賞し、最終結果ではBRONZEに選ばれた。純米吟醸部門では「山田錦五十五」「出羽燦々五十五」、純米酒部門では「山田錦六十五」も決審へ進んでいる。

2026年愛知県新酒品評会でも「二兎」は純米酒部門で表彰対象となっており、杜氏名は片部州光と公表されている。


⑤ 向いている人

・愛知、岡崎の地酒を飲みたい人
・「二兎」を飲んでみたい人
・甘味と酸のバランスが良い酒を好む人
・モダン純米酒が好きな人
・山田錦と雄町を飲み比べたい人
・愛山の濃厚な甘旨酒が好きな人
・出羽燦々の軽快な酒を試したい人
・酒米ごとの違いを学びたい人
・低アルコール日本酒にも興味がある人
・食事と日本酒を合わせたい人
・八丁味噌料理と地酒を楽しみたい人
・岡崎や徳川家康の歴史が好きな人
・現代ブランドと老舗文化の両方を評価する人
・受賞実績のある酒を選びたい人

👉 “香り・甘味・酸・旨味のどれか一つではなく、全体のバランスで酒を選ぶ人向け。”

特に二兎は、

最初の一杯だけで判断する酒ではない。

公式も、

空気との接触
時間経過
温度変化

によって酒質が変化し、

「一杯より一本で輝く酒」

を目指すとしている。


⑥ 向かない人

・超淡麗辛口だけを求める人
・完全にクラシックな酒だけを好む人
・香りを極端に抑えた酒だけを求める人
・一銘柄一酒質だけを追いたい人
・全国どこでも簡単に買える酒を求める人
・特約店流通を煩わしく感じる人
・大型観光酒蔵を期待する人

👉 “単純な『辛口』『甘口』より、複数の味要素を楽しめる人向け。”

「二兎」は特約店限定流通。

丸石醸造の直営店「醸庵」でも原則として二兎は販売されず、指定の特約店で購入する仕組みになっている。

一方、直営店では「徳川家康」「三河武士」「長誉」など、岡崎・三河を意識したブランドを購入できる。


⑦ 商品カテゴリ

■ 二兎 純米大吟醸 雄町三十三

現在の「二兎」の最高峰級。

使用米:雄町
精米歩合:33%
アルコール:16%

特徴は、

繊細な酸
+軽やかな甘味
+上品な旨味
+高い透明感

である。

SAKE COMPETITION 2026純米大吟醸部門で上位入賞し、BRONZEを獲得。

👉 “二律背反する味を33%精米まで磨き込んだ、二兎の技術的フラッグシップ。”


■ 二兎 純米大吟醸 雄町四十八

二兎を代表する一本。

使用米:雄町100%
精米歩合:48%
アルコール:16%

特徴は、

芳醇な香り
+豊かな甘味
+雄町らしい膨らみ
+滑らかな余韻

である。

👉 “初めて二兎を飲むなら、ブランドの甘旨・芳醇側を理解しやすい一本。”


■ 二兎 純米吟醸 雄町五十五

使用米:雄町
精米歩合:55%
アルコール:16%

特徴は、

複雑さ
+力強い旨味
+滑らかな質感

である。

👉 “純米大吟醸より雄町の厚みを直接楽しめる一本。”


■ 二兎 純米吟醸 山田錦五十五

二兎の中核酒。

使用米:山田錦100%
精米歩合:55%
アルコール:16%

特徴は、

甘味と酸の均衡
+緻密な質感
+クリアな後口

である。

2026年SAKE COMPETITION純米吟醸部門でも決審へ進出した。

👉 “『バランスの二兎』という思想を最も理解しやすい一本。”


■ 二兎 純米 山田錦六十五

使用米:山田錦
精米歩合:65%

特徴は、

厚みある旨味
+爽やかな酸
+食中性

である。

2026年SAKE COMPETITION純米酒部門で決審進出。

👉 “山田錦を高精白しすぎず、米そのものの旨味を残す二兎。”


■ 二兎 純米大吟醸 愛山四十八

使用米:愛山100%
精米歩合:48%
アルコール:16%

特徴は、

甘美な果実感
+濃厚な旨味
+クリーミーな質感

である。

👉 “二兎の中でも最も甘美で濃密な方向を担う一本。”


■ 二兎 純米吟醸 出羽燦々五十五

使用米:出羽燦々
精米歩合:55%
アルコール:16%

特徴は、

ハーブを思わせる清涼感
+穏やかな旨味
+ゆっくり現れる酸

である。

2026年SAKE COMPETITION純米吟醸部門で決審進出。

👉 “二兎の中で最も爽快・シャープ側を担う酒。”


■ 二兎 純米 萬歳七十

丸石醸造を語るうえで重要な地域酒。

使用米:萬歳
精米歩合:70%
アルコール:16%

萬歳は三河・愛知の土地性を象徴する米。

特徴は、

滑らかさ
+酸
+ほろ苦さ
+旨味

の調和。

👉 “全国型ブランド『二兎』を、岡崎・三河の土地へ引き戻す一本。”


■ 二兎 純米 Satin

萬歳70%精米を使う軽快酒。

アルコール:13%

特徴は、

ピュアな果実感
+爽快さ
+自然な旨味
+軽やかな酸

である。

👉 “濃醇な二兎だけでなく、軽さと旨味を両立した現代的低アル酒。”


■ 二兎 純米吟醸 雄町五十五 うすにごり生スパークリング

活性うすにごりの生酒。

使用米:雄町
精米歩合:55%
アルコール:15%

特徴は、

爽快な発泡感
+米の甘味
+柑橘系のほろ苦さ

である。

👉 “雄町の旨味を、泡とフレッシュ感へ変えた季節の二兎。”


■ 二狼

「二兎」では通常行わない酒造りへ挑戦する実験シリーズ。

公式では、

「兎の皮を被った狼」

というコンセプトを掲げ、毎年スタイルを変える。

2022年には萬歳55%精米・自社酵母の純米吟醸として登場した。

👉 “二兎を壊すことで、次の二兎を生み出す研究開発ライン。”


■ 徳川家康 純米大吟醸

丸石醸造の最高級地域ブランド。

使用米:山田錦100%
精米歩合:35%
アルコール:16%

穏やかで調和の取れた、品格重視の酒質。

👉 “家康生誕地・岡崎という歴史資産を高級酒へ落とし込む一本。”


■ 徳川家康 大吟醸

使用米:山田錦
精米歩合:40%
アルコール:17%

特徴は、

甘い香り
+辛口
+華やかさ
+力強い余韻

である。

2021年全国新酒鑑評会金賞時点で、丸石醸造は通算14回の金賞実績を公表している。

👉 “岡崎の歴史ブランドと鑑評会型大吟醸を重ねた酒。”


■ 三河武士 純米吟醸

丸石醸造の歴史を岡崎へ結びつける地域ブランド。

使用米は、

愛知県三河産米100%。

純米吟醸は55%精米。

特徴は、

清澄な香り
+果実感
+酸と甘味の調和

である。

👉 “三河の米で、三河の味を現代へつなぐ地域酒。”


■ 三河武士 純米

愛知県三河産米100%
精米歩合:70%
アルコール:16%

江戸時代から続く岡崎の味を基礎に、

旨味
+甘酸バランス
+爽快なキレ

を持つ。

👉 “岡崎の日常料理と合わせたい丸石の地域純米。”


■ 上撰 長誉

地元・岡崎で長く飲まれてきた日常酒。

家庭。

祭り。

奉納。

祝い。

さまざまな場面で使われてきた。

特に、

八丁味噌

を使う料理との相性が公式に推奨されている。

👉 “全国の二兎に対し、地元の長誉。丸石醸造の生活文化側を支える酒。”


⑧ 飲み方

冷酒    :◎◎
常温    :◎◎
ぬる燗   :◎
熱燗    :○〜◎
ワイングラス:◎◎
生酒    :◎◎
スパークリング:◎◎
食中酒   :◎◎

👉 二兎は冷酒だけでなく、温度変化と時間経過まで含めて楽しむ。三河武士・長誉は常温〜燗も好相性。

■ 料理との合わせ方

二兎 雄町48
→ 鰻、酢豚、肉料理、濃厚な料理

二兎 山田錦55
→ 牡蠣、貝類、クリーム系料理

二兎 山田錦65
→ 白身魚、天ぷら、焼物

二兎 愛山48
→ 牛肉、グラタン、チーズ

二兎 出羽燦々55
→ 魚介、豚肉、軽い和洋食

二兎 萬歳70
→ 手羽先、餃子、羊肉

Satin
→ 天ぷら、サラダ、果物

徳川家康
→ のどぐろ、鴨、牛肉、会席料理

三河武士
→ 八丁味噌料理、豆腐、白身魚

長誉
→ 味噌カツ、味噌田楽、味噌鍋

公式でも各二兎について料理ペアリングを具体的に提示しており、ブランドそのものが「食との融合」を重要視している。

岡崎なら、

八丁味噌
味噌カツ
味噌田楽
どて煮
鰻
三河湾の魚介
名古屋コーチン
手羽先
豆腐
きのこ

などとの組み合わせが分かりやすい。

👉 “乙川の水で醸した酒を、三河の味で飲む。”


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか   ← ○ → ◎ 華やか
淡麗    ← ○ → ◎ 芳醇
辛口    ← ◎ → ◎ 甘旨口
単純    ← ○ → ◎ 複雑
単一酒米  ← ○ → ◎ 酒米比較
地域酒   ← ◎ → ◎ 全国ブランド
伝統    ← ◎ → ◎ 革新

👉 “岡崎330年の酒造史を土台に、『二兎』で現代日本酒のバランス美を追求する『伝統×モダン』型酒蔵。”

直前の関谷醸造と比較すると、

関谷醸造・蓬莱泉
=「奥三河・自社農業・夢山水・熟成・食文化・総合事業」

に対し、

丸石醸造・二兎
=「岡崎・乙川伏流水・酒米比較・二律背反・食中性・特約店ブランド」

と整理できる。

丸石醸造のブランド構造は、

岡崎
→ 東海道
→ 乙川伏流水
→ 330年以上の酒造史
→ 山田錦・雄町・愛山・萬歳
→ 二兎
→ 食との融合
→ 特約店流通
→ 全国市場

という流れを持つ。

一方、地域側では、

岡崎
→ 徳川家康
→ 三河武士
→ 八丁味噌
→ 長誉

というもう一つの軸を持つ。

この二つが共存していることが重要である。

つまり、

全国では「二兎」

岡崎では「徳川家康・三河武士・長誉」

というブランドの二層構造を持つ。

これ自体が、

二つを同時に追う

という丸石醸造らしい構造になっている。


■ コピー

メイン

「二兎を追うから、酒は面白い。岡崎『二兎』。」

サブ

愛知県岡崎。徳川家康ゆかりの町で、丸石醸造は1690年から酒を醸してきた。乙川の伏流水と多彩な米を生かし、甘味と酸、旨味とキレ、伝統と革新を一つの酒に重ねる。その名は「二兎」。古き酒を守りながら、新たな味を追い続ける。三百年の歴史は、過去を語るためではなく、次の一杯を生むためにある。


■ 結論

1690年、岡崎の地に根を下ろした丸石醸造。

徳川家康ゆかりの町で、乙川の伏流水を汲み、米を蒸し、低温でゆっくりと醸し、三百三十余年の時を酒に重ねてきた。

その歩みの先に生まれた名は、「二兎」。

味と香。
甘と辛。
酸と旨。
重と軽。
複雑と綺麗。

相反するものを分けず、一杯の中で結び合わせる。

雄町、山田錦、愛山、出羽燦々、そして三河の萬歳。
米が変わるたび、酒は新たな表情を見せる。

新鮮さを抱き、余韻を残し、食と寄り添う。
その酒は評価を重ね、全国へ羽ばたきながらも、徳川家康、三河武士、長誉という岡崎の記憶を守り続ける。

伝統と革新。
地域と全国。
甘味と酸。

二つを追うからこそ、二つを得る。

丸石醸造は、三百三十年の歴史を過去に留めず、次の一杯へと醸し続ける蔵である。

丸石醸造のテロワールを味わう👇

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丸石醸造

丸石醸造は、愛知県岡崎市中町で「二兎」「徳川家康」「三河武士」「長誉」を醸す、1690年創業・乙川伏流水・山田錦・雄町・愛山・出羽燦々・萬歳・低温発酵・瓶貯蔵・食中性・特約店流通・岡崎の歴史文化を強みとする、愛知を代表する伝統×革新型酒蔵。

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