勲碧酒造(酒蔵ガイド)
― 桜の名所・五条川にほど近い尾張北部・江南で、地下約100mから汲み上げる木曽川水系の軟水と10号酵母を生かし、「勲碧」を醸す1915年創業の小規模手造り蔵。山田錦・雄町・夢吟香、そして五条川の桜から分離した「桜酵母」を使い、“やさしい香り・米の旨味・丸い口当たり”を磨く地域密着型酒蔵。 ―

① 一行定義
勲碧酒造は、愛知県江南市小折本町で「勲碧」を醸す、1915年創業・家族中心の手造り・木曽川水系の軟水・地下約100mの井戸水・10号酵母・桜酵母「五条川桜」・山田錦・雄町・夢吟香・総米1t以下の少量仕込み・無濾過原酒・氷温熟成を強みとする、尾張・江南を代表する小規模地酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 愛知県江南市小折本町柳橋88番地
会社名: 勲碧酒造株式会社
創業: 大正4年・1915年
社長兼杜氏: 村瀬 公康
代数: 四代目蔵元
代表銘柄: 勲碧
銘柄命名: 1976年
地域: 江南市・五条川・尾張北部
仕込水: 木曽川水系の軟水
水源: 地下約100mの井戸
主要酒米: 山田錦・雄町・夢吟香・地元産米
主力酵母: 小川10号酵母
地域酵母: 桜酵母「五条川桜」
製造: 全工程手造り・少量仕込み
直売店: あり
直売営業時間: 9:00〜18:00
直売定休日: 月曜日
酒蔵見学: 事前相談・予約制
文化活動: 酒蔵コンサート・試飲販売・季節イベント
「勲碧」という名は、1976年に命名された。
澄み渡る碧空。
大自然の恵み。
そして、人や社会へ尽くす蔵の志。
その三つを象徴する酒名である。公式は「大自然宇宙に通ずる酒を造り、国家に尽くす」という蔵元の志を銘に込めたとしている。
酒蔵のある江南市小折地区は、古くから水に恵まれた土地。
現在も地下深くから汲み上げる木曽川水系の軟水を加工せずに使い、そのやわらかな水質を酒の口当たりへ反映している。
👉 “大量に造らず、家族の手と土地の水で、一仕込みずつ丁寧に醸す蔵。”
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★☆
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ :★★★★☆
コク :★★★★☆
👉 “派手に香らせるより、やさしい香りと米の旨味を静かに広げる『柔旨・調和型』。”
勲碧の中心にあるのは、
やさしい香り
+丸い口当たり
+じんわり広がる米の旨味
+穏やかな酸
+きれいな後口
である。
主力の10号酵母は、強烈な香りを前面へ出すというより、
控えめで奥行きのある香り
+深い味わい
をつくる方向に働く。
地下水のやわらかさと組み合わさることで、飲み口も穏やかになる。
一方、桜酵母「五条川桜」では、
華やかな香り
+キレのある旨味
へ。
雄町や山田錦では、
厚み
+深さ
+熟成感
へ展開する。
👉 “一口目の派手さではなく、飲むほどに落ち着く酒。”
④ 強み
① 1915年創業、110年以上続く家族蔵
② 四代目・村瀬公康が蔵元兼杜氏を務める
③ 地下約100mから汲み上げる木曽川水系の軟水
④ 仕込水を基本的に加工せず使用
⑤ 全工程手造り
⑥ 総米1t以下を基本とする少量仕込み
⑦ 10kg単位で洗米・浸漬する細かな原料管理
⑧ 和釜蒸し・自然放冷を残す伝統的工程
⑨ 小川10号酵母を主軸とした酒質設計
⑩ 山田錦・雄町・夢吟香を使い分ける
⑪ 愛知県産・地元産米の積極活用
⑫ 五条川の桜から分離した独自の「桜酵母」
⑬ 桜酵母×地元夢吟香による地域酒
⑭ 山田錦40%精米の純米大吟醸
⑮ 斗瓶取り・雫酒・低温熟成まで対応
⑯ 大型冷蔵設備による氷温・低温熟成
⑰ 2024年全国新酒鑑評会で6年ぶり3回目の金賞
⑱ 2026年全国新酒鑑評会で純米大吟醸が入賞
⑲ 2026年「杜氏渾身ノ酒」がミラノ酒チャレンジで2年連続金賞
⑳ 2026年「五条川桜」「特別純米酒」がバンコク酒チャレンジ金賞
㉑ 直売・見学・コンサートを通じた地域との近い距離感
👉 “水・米・酵母を地域につなぎ、小さな仕込みで個性を引き出すことが最大の強み。”
全国新酒鑑評会では、2024年に純米大吟醸で6年ぶり3回目の金賞を受賞。2026年も純米大吟醸が入賞している。
さらに2026年は、純米吟醸「桜酵母 五条川桜」と特別純米酒がBangkok Sake Challengeで金賞。「杜氏渾身ノ酒」もミラノ酒チャレンジで2年連続金賞と、国内外双方で評価を広げている。
⑤ 向いている人
・愛知・尾張の地酒を飲みたい人
・江南の酒文化に興味がある人
・小規模手造り蔵を好む人
・水のやわらかさを感じる酒が好きな人
・派手すぎない吟醸香を好む人
・米の旨味をしっかり味わいたい人
・山田錦の純米大吟醸を楽しみたい人
・雄町の厚みが好きな人
・愛知県産夢吟香に興味がある人
・10号酵母の酒質を比較したい人
・桜酵母の日本酒を飲んでみたい人
・無濾過原酒が好きな人
・氷温熟成酒を楽しみたい人
・食事とゆっくり飲む日本酒を探している人
・蔵元との距離が近い酒蔵を好む人
👉 “華やかさを競う酒より、人の手と土地の水を感じる酒を選びたい人向け。”
選び方は、
杜氏渾身ノ酒
→ 山田錦・高級・柔旨
五条川桜
→ 地域・桜酵母・華やか
夢吟香 無濾過原酒
→ 愛知米・旨味・原酒
氷温熟成酒
→ 人気・円やか・熟成
特別純米酒
→ 日常・旨辛・食中
と整理すると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・極端に華やかな吟醸香だけを求める人
・超高酸のモダン酒だけを追う人
・低アルコール酒だけを求める人
・全国どこでも大量流通する酒を重視する人
・大規模観光酒蔵を期待する人
・単一ブランドで味が完全に統一された蔵を好む人
👉 “強烈なインパクトより、水・米・旨味・余韻の調和を楽しむ人向け。”
勲碧は少量仕込みだからこそ、
酒米
+酵母
+熟成
+濾過の有無
によって商品ごとの表情が変わる。
「すべて同じ味」のブランドではない。
むしろ、
一つの蔵の中で米と酵母の違いを楽しむ
ことに向く。
⑦ 商品カテゴリ
■ 勲碧 純米大吟醸 令和8年全国新酒鑑評会 入賞酒
2026年全国新酒鑑評会入賞酒。
丁寧な仕込みによって、
奥行きのある香り
+上品な旨味
+滑らかな口当たり
を表現する。
👉 “現在の勲碧酒造の醸造水準を示す一本。”
■ 勲碧 純米大吟醸 至誠
勲碧の最高級クラス。
使用米:山田錦
精米歩合:40%
製法:斗瓶取り雫酒・低温熟成
袋から自然に滴る雫酒を斗瓶で取り、
じっくり低温熟成。
熟成した旨味
+落ち着いた香り
+滑らかさ
を楽しむ。
👉 “手造り・雫取り・熟成を重ねた勲碧の希少酒。”
■ 勲碧 大吟醸 斗びんどり 雫酒
醪を袋で吊り、
圧力をかけずに落ちる雫だけを集める大吟醸。
特徴は、
芳醇な香り
+奥行き
+円やかな口当たり
+さらりとした後口。
👉 “勲碧の繊細な吟醸技術を最も純粋に味わう一本。”
■ 勲碧 純米大吟醸 杜氏渾身ノ酒
代表的なプレミアム酒。
使用米:山田錦100%
精米歩合:40%
使用酵母:小川10号酵母
アルコール:16度
大吟醸より香りを落ち着かせ、
山田錦のやさしい旨味
+深み
+控えめな吟醸香
を重視する。
2026年ミラノ酒チャレンジでは2年連続金賞。
👉 “派手さより、米の深さを選ぶ勲碧の純米大吟醸。”
■ 勲碧 大吟醸 山田錦
使用米:山田錦
精米歩合:40%
特徴は、
芳醇な吟醸香
+米の旨味
+シャープなキレ
+すっきりした後味。
👉 “香りとキレを楽しみたい人向けの大吟醸。”
■ 勲碧 純米大吟醸 山田錦 無濾過原酒
10号酵母の個性を明確に表現する酒。
控えめで奥行きのある香り
+じんわりした酸
+山田錦の旨味
+原酒の厚み
が特徴。
👉 “勲碧の水・山田錦・10号酵母を最も直接的に味わう一本。”
■ 勲碧 純米吟醸 桜酵母 五条川桜
地域性を最も強く表す一本。
酒米:地元産夢吟香
酵母:五条川の桜から分離した桜酵母
製法:無濾過原酒
日本さくら名所100選にも選ばれる五条川の桜から分離した酵母を使う。
特徴は、
華やかな香り
+キレ
+米の旨味。
2026年Bangkok Sake Challenge金賞。
👉 “江南の桜・米・水を、一つの酒へ閉じ込めた地域酒。”
■ 勲碧 純米吟醸 無濾過原酒 夢吟香
愛知県産酒造好適米「夢吟香」を10号酵母で醸す。
夢吟香は、
山田錦×若水
の系譜を持つ酒米。
その特徴を、
山田錦由来のやさしさ
+若水由来の深み
として表現する。
2025美酒コンクール金賞。
👉 “愛知の新しい酒米を、勲碧らしい柔らかな旨味へ仕立てた一本。”
■ 勲碧 純米吟醸原酒 氷温熟成酒
蔵元一番人気。
生の状態で冷蔵タンク熟成し、瓶詰め火入れ後も冷蔵環境で熟成する。
特徴は、
生酒の新鮮な香り
+熟成による円やかさ
+原酒の厚み。
👉 “フレッシュさと熟成という反対の魅力を一つにした勲碧の人気酒。”
■ 勲碧 特別純米酒
精米歩合:60%
ほのかな吟醸香と、
米本来の旨味
+旨辛口
+食中性
を特徴とする。
2026年ミラノ酒チャレンジでダブル金賞、Bangkok Sake Challengeでも金賞を受賞している。
👉 “高級酒だけでなく、毎日の純米酒にも勲碧の実力が出る一本。”
■ 勲碧 ははそはの 美し稲穂「旭」純米酒
江南市産米を使う地域純米酒。
使用する「旭」は、
古くから「亀の尾」と並び称された歴史ある米。
地元米の存在そのものを酒へ残す。
👉 “江南の田んぼから生まれる、地域性の高い純米酒。”
■ 勲碧 手造り純米酒
愛知県産米100%。
40年以上愛されてきた定番酒。
高級酒とは異なり、
日常の食卓で飲み続けるための純米酒
という役割を担う。
👉 “勲碧の日常を支えるロングセラー。”
■ 勲碧 手造り本醸造
総米約900kgの少量仕込み。
一般的な本醸造であっても、吟醸酒に近い小さな仕込みを採用。
特徴は、
米の旨味
+キレ
+食中性。
👉 “小さな仕込みを日常酒にまで徹底する、勲碧らしい本醸造。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :○〜◎
ワイングラス:◎
原酒 :◎◎
熟成酒 :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・桜酵母は冷酒、特別純米・手造り純米は常温〜燗。氷温熟成原酒は冷酒からロックまで楽しめる。
■ 料理との合わせ方
杜氏渾身ノ酒
→ 白身魚、寿司、天ぷら、上品な和食
大吟醸 山田錦
→ 刺身、魚介、前菜
五条川桜
→ 春野菜、白身魚、鶏料理
夢吟香 無濾過原酒
→ 焼魚、煮魚、出汁料理
氷温熟成原酒
→ 肉料理、焼鳥、チーズ
特別純米酒
→ 煮物、焼魚、鍋、味噌料理
手造り純米酒
→ 日常の家庭料理、冷奴、焼鳥
手造り本醸造
→ 味噌おでん、どて煮、魚の煮付け
尾張・江南なら、
味噌田楽
どて煮
味噌おでん
鰻
鮎
川魚
鶏料理
野菜料理
との組み合わせが分かりやすい。
👉 “木曽川の水で醸した酒を、尾張の里と川の食で飲む。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか ← ◎ → ○ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快 ← ◎ → ○ コク
大量生産 ← ○ → ◎ 少量手造り
全国型 ← ○ → ◎ 地域密着
定番酒 ← ◎ → ◎ 個性酒
👉 “地下水・地元米・10号酵母・桜酵母を、少量手造りでつなぐ『江南テロワール型』酒蔵。”
これまで整理した愛知県の蔵と比較すると、
関谷醸造・蓬莱泉
=「奥三河・農業・夢山水・総合酒文化」
丸石醸造・二兎
=「岡崎・二律背反・モダン純米」
山﨑合資会社・尊皇/奥/幻々
=「西尾・愛知米・濃醇・辛口・熟成」
清洲桜醸造・鬼ころし/祥鳳
=「清洲・大量流通・総合酒類」
神の井酒造・神の井
=「大高・少人数手造り・地域密着」
金虎酒造・金虎/虎変
=「名古屋・越後流・伝統×革新」
東春酒造・東龍
=「守山・山廃・コク・旨味・キレ」
浦野合資会社・菊石
=「豊田・猿投山・柔らかな旨味・食中酒」
盛田金しゃち酒造・金鯱
=「亀崎・知多軟水・夢吟香・愛知代表」
中埜酒造・國盛
=「半田・芳醇麗酒・総合酒文化」
盛田株式会社・ねのひ
=「小鈴谷・芳醇旨口・総合発酵文化」
勲碧酒造・勲碧
=「江南・木曽川伏流水・家族手造り・10号酵母・桜酵母・地元米」
と整理できる。
勲碧酒造のブランド構造は、
木曽川
→ 江南
→ 五条川
→ 地下100mの伏流水
→ 家族による手造り
→ 10号酵母
→ 地元夢吟香
→ 桜酵母 五条川桜
→ 勲碧
という、土地との距離が非常に近い。
大量生産ではない。
一つ一つの米を洗い、
蒸し、
冷まし、
醪を見る。
その小さな積み重ねが、
勲碧という酒になる。
つまり勲碧酒造は、
“全国新酒鑑評会で評価される小さな蔵”
というだけではない。
“江南の水・米・桜・家族を、一杯へまとめる蔵”
と評価するのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「江南の水と桜を、やさしい一杯へ。『勲碧』。」
サブ
尾張・江南。
春になると五条川を桜が染める、その傍らで勲碧酒造は1915年から酒を醸してきた。
地下深くから汲む木曽川水系のやわらかな水。
山田錦、雄町、夢吟香。
そして、五条川の桜から生まれた酵母。
米を少しずつ洗い、和釜で蒸し、人の手で冷ます。
大きく造らず、急がず、一仕込みずつ丁寧に向き合う。
目指すのは、強く主張する酒ではない。
やさしく香り、米の旨味が静かに広がり、人と食卓をそっと和ませる酒。
水を汲み、米を醸し、桜の記憶まで一杯に宿す。
澄み渡る空のように、素直で穏やかな酒。
それが、江南の「勲碧」である。
■ 結論
木曽川の水を汲み、五条川の桜を酵母にし、江南の米を人の手で醸す。
派手に主張せず、やさしい香りと米の旨味で、人と食卓を静かにつなぐ。
澄み渡る空のような一杯を、家族の手で造り続ける――それが勲碧酒造である。
勲碧酒造のテロワールを味わう👇
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勲碧酒造は、愛知県江南市小折本町で「勲碧」を醸す、1915年創業・家族中心の手造り・木曽川水系の軟水・地下約100mの井戸水・10号酵母・桜酵母「五条川桜」・山田錦・雄町・夢吟香・総米1t以下の少量仕込み・無濾過原酒・氷温熟成を強みとする、尾張・江南を代表する小規模地酒蔵。 |

