萬屋醸造店(酒蔵ガイド)
― 富士川舟運で栄えた富士川町で、櫛形山の伏流水と地元酒米から「春鶯囀」を醸す1790年創業の老舗酒蔵。 ―

① 一行定義
萬屋醸造店は、山梨県富士川町で「春鶯囀」を醸す、1790年創業・櫛形山の伏流水・地元酒米・純米酒志向・与謝野晶子との縁を強みとする老舗酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 山梨県南巨摩郡富士川町青柳町1202-1
創業: 寛政2年・1790年
代表銘柄: 春鶯囀(しゅんのうてん)
環境: 富士川・櫛形山・南アルプス・伏流水・旧青柳河岸
思想: 「幸せにそっと寄り添うお酒」
特徴: 地元酒米・自社精米・純米酒・与謝野晶子・酒蔵ギャラリー六斎
👉 “富士川の水・米・文学を醸す地酒”
初代・萬屋八五郎が1790年、富士川舟運の物流拠点として栄えた青柳河岸近くに蔵を開いた。創業時の酒銘は「一力正宗」で、酒だけでなく味噌・醤油・みりんも手掛けていた。
1933年に与謝野鉄幹・晶子夫妻が蔵を訪れ、晶子が酒を詠んだ歌に感銘を受けた6代目当主が、酒銘を「春鶯囀」へ改めたと伝えられている。
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ :★★★★★
燗適性 :★★★★★
👉 “やわらかな旨味・辛口・キレの良い食中酒型”
定番純米酒は、やわらかな口当たりとコクがありながら後味はキレがよく、冷酒から燗酒まで対応する。特別純米辛口や「鷹座巣」では、よりシャープな辛口と米の旨味が前に出る。
一方、純米大吟醸「磨き40」系では、気品ある華やかな香り、柔らかな甘味と旨味を表現し、現代的な高級酒へ幅を広げている。
④ 強み
① 1790年創業、230年以上の歴史
② 富士川舟運とともに発展した地域性
③ 櫛形山・鷹座巣山系の良質な伏流水
④ 酒米の約85%を地元中心で調達
⑤ 地元農家と「酒米づくり協議会」を組織
⑥ 自家精米と純米酒中心の酒造り
⑦ 与謝野晶子・酒蔵ギャラリー六斎という文化資産
👉 “富士川・地元米・純米酒・文学文化を一体で語れる蔵”
1989年頃から地元農家と「玉栄」の栽培を進め、その後2011年には酒米づくり協議会を発足。現在、酒米の約85%を富士川町を中心とした地元産で賄うと山梨県酒造協同組合は紹介している。
2024年には全国新酒鑑評会で金賞、「純米大吟醸磨き40 233」はIWC 2024でシルバーメダルを受賞。純米酒「鷹座巣」も全国燗酒コンテストで金賞・最高金賞の実績を持つ。
⑤ 向いている人
・山梨県や富士川町の地酒を飲みたい人
・米の旨味がある食中酒を好む人
・辛口でキレの良い純米酒が好きな人
・冷酒から燗まで楽しみたい人
・地元産酒米にこだわる酒を選びたい人
・与謝野晶子や日本文学に興味がある人
・酒蔵と地域文化を一緒に体験したい人
⑥ 向かない人
・極端に甘い日本酒だけを求める人
・微発泡・直汲みだけを追いたい人
・超低アルコール酒だけを好む人
・熟成古酒だけを中心に選びたい人
・香り最優先の派手な酒だけを好む人
・大型テーマパーク型酒蔵を期待する人
👉 “料理と一緒に、米の旨味と温度変化を楽しむ人向け”
⑦ 商品カテゴリ
・春鶯囀 純米大吟醸
・春鶯囀 大吟醸 かもさるゝ蔵
・春鶯囀 純米吟醸 冨嶽
・春鶯囀 純米吟醸
・春鶯囀 特別純米酒 辛口
・春鶯囀 純米酒 鷹座巣
・春鶯囀 純米酒・本醸造・普通酒
👉 “純米酒を基礎に、吟醸・大吟醸・季節酒へ広げる地域型ライン”
「鷹座巣」は富士川町産の酒造好適米「玉栄」と櫛形山系の伏流水を用いる、地域性の非常に強い純米酒。高級酒「かもさるゝ蔵」では山田錦を40%まで自家精米する。
⑧ 飲み方
冷酒 :◎
常温 :◎
ぬる燗 :◎
熱燗 :◎
生酒 :◎
ワイングラス:○〜◎
👉 大吟醸は冷酒、純米酒は常温から燗まで幅広く。
純米酒は冷酒・常温・燗のどの温度帯でも飲みやすく、普通酒は特に熱燗人気が高い。純米大吟醸は冷酒で吟醸香と透明感を引き出すのが基本。
相性が良い料理は、刺身、天ぷら、焼き魚、焼き鳥、煮物、鳥もつ煮、ほうとう、山菜、きのこ、豆腐、味噌料理、発酵食品など。GI山梨の紹介でも、純米酒は山梨名物の鳥もつなど幅広い料理に合わせやすいとされる。
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか ← ◎ → ○ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
冷酒 ← ◎ → ◎ 燗酒
地域酒 ← ◎ → ◎ 全国評価
👉 “富士川の歴史と地元米を、純米酒文化へ結び付ける地域型実力蔵”
萬屋醸造店の本質は、単なる「古い酒蔵」ではない。
富士川舟運の歴史
櫛形山の水
地元農家との酒米作り
純米酒への早期転換
与謝野晶子との文学的な縁
六斎による文化交流
を一つのブランドとして語れることにある。
酒蔵ギャラリー「六斎」は築150年以上の旧味噌蔵を改装した施設で、直売・試飲だけでなく、美術展や音楽イベントなど地域文化の交流拠点として機能する。2026年には週末角打ちも開始されている。
■ コピー
メイン
「富士川の水と米を、一杯へ。甲斐の地酒『春鶯囀』。」
サブ
山梨県富士川町。
富士川を船が行き交い、
人と物が集まった青柳河岸。
1790年、
萬屋醸造店は
この地で酒造りを始めた。
山から届く、
清らかな伏流水。
地元で育てる、
酒米。
その酒が、
「春鶯囀」。
やわらかな旨味。
穏やかな香り。
きれいなキレ。
冷酒で。
常温で。
燗で。
そして昭和8年、
この蔵を訪れた
与謝野鉄幹・晶子夫妻。
一首の歌が、
酒の名を未来へつないだ。
米を育てる人。
酒を造る人。
酒を飲む人。
その幸せに、
そっと寄り添う。
萬屋醸造店は、
富士川の歴史と甲斐の風土を、
一杯の「春鶯囀」へ醸す酒蔵である。
■ 結論
富士川舟運で栄えた青柳の地で1790年に創業した萬屋醸造店は、櫛形山の伏流水と地元産酒米を軸に「春鶯囀」を醸し続けている。
早くから糖類添加を廃し、純米酒志向へ舵を切り、現在では地元農家と酒米づくりから取り組む地域一体型の酒造りを実践する。定番酒は米の旨味、やわらかさ、キレを持つ食中酒型で、高級酒では華やかな純米大吟醸まで展開する。
全国新酒鑑評会金賞、IWC、全国燗酒コンテストなどでも評価され、冷酒だけでなく燗酒にも強い。さらに築150年以上の旧蔵を活用した「六斎」が、試飲・販売・芸術・地域交流の場として酒蔵の価値を広げている。
萬屋醸造店は、**“富士川舟運の歴史、櫛形山の伏流水、地元農家と育てる酒米、与謝野晶子との文学的な縁を一つに結び、やわらかな旨味とキレを持つ『春鶯囀』を醸す、山梨を代表する地域文化型酒蔵”**である。
萬屋醸造店のテロワールを味わう👇
| イメージ | 酒蔵 | 説明 | リンク |
|
1
![]() |
萬屋醸造店 |
萬屋醸造店は、山梨県富士川町で「春鶯囀」を醸す、1790年創業・櫛形山の伏流水・地元酒米・純米酒志向・与謝野晶子との縁を強みとする老舗酒蔵。 |

