伊勢萬(酒蔵ガイド)
― 伊勢神宮内宮の門前町・おはらい町/おかげ横丁に清酒蔵を構え、五十鈴川の伏流水から「おかげさま」を醸す伊勢志摩唯一の蔵元。三重県産「神の穂」と三重県酵母を用いる地域酒から、朔日参りと結びついた月替わり酒、焼酎・クラフトジン・ウイスキーまで、“伊勢の自然と参宮文化を酒へ変える”総合酒類メーカー。 ―

① 一行定義
伊勢神宮内宮前で、五十鈴川伏流水から「おかげさま」を醸す伊勢志摩唯一の蔵元。
② ブランド要約
所在地: 三重県伊勢市宇治中之切町77番地の2
会社名: 株式会社伊勢萬
代表取締役社長: 小林 大介
資本金: 6,180万円
清酒製造拠点: 内宮前酒造場
清酒ブランド: おかげさま・老緑
焼酎・蒸留酒工場: 三重県伊勢市小俣町明野576番地13
主な焼酎・蒸留酒: 熟成光年・麦光年・ステラ・神路・クラフトジン伊勢神ほか
地域: 伊勢市・伊勢神宮内宮前・伊勢志摩
清酒仕込水: 五十鈴川の伏流水
蒸留酒系の水: 宮川の伏流水
主要酒米: 神の穂・山田錦ほか国産米
地域酵母: 三重県酵母MK3
酒造体制: 小規模・手作業中心
主力酒質: 大吟醸・純米大吟醸・純米吟醸・特別純米・吟醸・生原酒・にごり
販売: 内宮前酒造場・伊勢志摩地区小売店・全国発送
現地販売: 店頭購入・その場での飲用可
酒類免許: 清酒・焼酎甲類/乙類・原料用アルコール・スピリッツ・合成清酒・果実酒・リキュール・ウイスキー
伊勢萬の最大の特徴は、**「伊勢神宮の門前で実際に酒を醸していること」**にある。
内宮前酒造場は、神宮杉が生い茂る杜へ続く門前町にあり、店頭のすぐ裏に小さな清酒蔵を持つ。製造は手作業中心で数量も多くなく、酒蔵店頭と伊勢志摩地区を中心に販売されている。
代表銘柄は、
「おかげさま」。
名前の由来は、
自然への感謝。
神恩への感謝。
そして江戸時代の「おかげ参り」。
伊勢を訪れる人々が口にする「おかげさま」という言葉そのものを、酒のブランドへ落とし込んでいる。
👉 “酒そのものだけでなく、伊勢参りの体験まで含めてブランド化した酒蔵。”
③ 味ポジション
香り :★★★★☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
キレ :★★★★☆
コク :★★★☆☆〜★★★★☆
👉 “華やかな吟醸香とやさしい甘旨味、そして後口の軽快さを生かす『伊勢・華やか軽快型』。”
「おかげさま」の基本は、
華やかな香り
+やさしい甘味
+米の旨味
+滑らかな口当たり
+すっきりした後口。
特に「純米吟醸 神の穂」は、
三重県産神の穂100%
+三重県酵母MK3
+五十鈴川伏流水
という、三重県産要素を明確に重ねた酒。
米由来の甘味と旨味、香り高い吟醸香を持ちながら、後味はすっと切れる。
商品ごとには、
大吟醸
=華やか・芳醇・上品
純米大吟醸
=繊細・透明感・旨味
純米吟醸 神の穂
=甘旨・華やか・三重テロワール
特別純米 山田錦
=軽快・旨味・食中
吟醸 おかげさま
=華やか・バランス・定番
純米吟醸冷酒
=甘口・低アル・初心者向け
しぼりたて生原酒
=フレッシュ・力強い
にごり酒
=柔らか・濃厚・季節感
という幅を持つ。
④ 強み
① 伊勢志摩唯一の蔵元
② 伊勢神宮内宮前という圧倒的な立地ブランド
③ 五十鈴川伏流水を使う明確な地域性
④ 小さな蔵で手作業中心の清酒造り
⑤ 三重県産酒米「神の穂」100%の純米吟醸
⑥ 三重県酵母MK3の採用
⑦ 「おかげ参り」と酒名を結びつけた文化ストーリー
⑧ 大吟醸から低アル純米吟醸まで幅広い酒質
⑨ 毎月一日の「朔日しぼり」という参宮文化連動商品
⑩ 1〜3月は月ごとに内容を変える特別「朔日酒」
⑪ 2022年IWC「おかげさま 純米大吟醸」トロフィー
⑫ 2024・2025年Kura Master「おかげさま 大吟醸」プラチナ賞
⑬ 同大吟醸が2025年アリアンスガストロノミー賞
⑭ 2025年IWC「純米吟醸 神の穂」金賞
⑮ 2025年Kura Master「純米吟醸 神の穂」プラチナ賞
⑯ 全国新酒鑑評会で令和4年・5年連続金賞
⑰ 内宮前の店頭で購入・その場飲みが可能
⑱ 焼酎・リキュール・ジン・ウイスキーまで製造
⑲ 宮川伏流水を生かす本社蒸留酒工場
⑳ 30年以上続く焼酎ブランドを保有
㉑ クラフトジン「伊勢神」など地域蒸留酒を開発
㉒ 樽熟成焼酎「熟成光年」「ステラ」など熟成技術
㉓ 伊勢参りと商品購入を直接つなぐ観光導線
㉔ 清酒と蒸留酒で異なる伊勢の水を使い分ける商品構造
👉 “伊勢という場所そのものを、酒・観光・文化・物販まで一体化できることが最大の強み。”
「おかげさま 大吟醸」は2024・2025年Kura Master大吟醸酒部門でプラチナ賞を受賞し、2025年には料理との相性を評価するアリアンスガストロノミー賞も獲得した。
また「純米吟醸 神の穂」は、2025年IWC SAKE部門金賞、Kura Masterプラチナ賞。三重県産米・三重県酵母・五十鈴川伏流水という地域設計が、国際評価にもつながっている。
⑤ 向いている人
・伊勢の地酒を飲みたい人
・伊勢神宮参拝と酒を一緒に楽しみたい人
・五十鈴川の水に興味がある人
・華やかな吟醸香が好きな人
・やさしい甘旨系が好きな人
・三重県産「神の穂」を飲みたい人
・三重県酵母の酒を試したい人
・低アルコール日本酒に興味がある人
・冷酒を中心に楽しみたい人
・日本酒初心者
・限定酒・季節酒が好きな人
・朔日参りの文化に興味がある人
・お土産として地域性の強い酒を選びたい人
・焼酎やウイスキーも一緒に楽しみたい人
・伊勢志摩旅行の体験として酒蔵を訪ねたい人
👉 “日本酒単体ではなく、伊勢参り・文化・旅の記憶まで一緒に味わいたい人向け。”
選び方は、
おかげさま 大吟醸
→ 高級・華やか・受賞
純米大吟醸
→ 上品・繊細
純米吟醸 神の穂
→ 三重・地域・甘旨
特別純米 山田錦
→ 食中・冷酒〜燗
吟醸 おかげさま
→ 定番・バランス
純米吟醸冷酒
→ 甘口・低アル・初心者
朔日しぼり
→ 伊勢参り・限定
しぼりたて生原酒
→ フレッシュ・力強い
と整理すると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・超辛口だけを求める人
・山廃・生酛中心の酒だけを好む人
・強烈な熟成香を重視する人
・日本酒は熱燗中心という人
・全国どこでも同じように買える酒を求める人
・地域文化や観光要素を酒に求めない人
・超大規模な酒蔵見学施設を期待する人
👉 “極端な辛さや重さより、華やかさ・飲みやすさ・伊勢らしさを評価する人向け。”
内宮前酒造場は小規模・手作業中心。
清酒の生産量も多くなく、店頭と伊勢志摩地区中心の販売である。
そのため、
大量流通型の全国ブランド
ではなく、
現地で出会うこと自体に価値がある酒
という性格が強い。
⑦ 商品カテゴリ
■ おかげさま 大吟醸
伊勢萬の清酒を代表する最高峰の一つ。
精米歩合:40%
アルコール:17%
神宮神域を流れる五十鈴川の伏流水と高精白米を使用。
特徴は、
上品な吟醸香
+芳醇な飲み口
+華やかさ
+滑らかな余韻。
2024・2025年Kura Master大吟醸酒部門プラチナ賞、2025年アリアンスガストロノミー賞。
👉 “伊勢萬の吟醸技術と、五十鈴川の水を象徴するプレミアム酒。”
■ おかげさま 純米大吟醸
精米歩合:40%
アルコール:16%
米・米麹のみで仕込む上位酒。
2022年IWC SAKE部門ではトロフィー賞を受賞している。
👉 “伊勢萬の純米系最高峰を担う一本。”
■ おかげさま 純米吟醸 神の穂
伊勢萬の地域性を最も明確に表す一本。
使用米:三重県産 神の穂100%
精米歩合:50%
アルコール:15%
使用酵母:三重県酵母 MK3
特徴は、
吟醸香
+米由来の甘味
+旨味
+すっきりした後口。
2025年IWC金賞、Kura Masterプラチナ賞。
👉 “三重の米・酵母・伊勢の水を一つにした、伊勢萬のテロワール酒。”
■ おかげさま 特別純米酒 山田錦
使用米:山田錦100%
精米歩合:60%
アルコール:15%
特徴は、
軽快な旨味
+やさしい甘味
+穏やかな香り
+すっきりした後口。
冷酒・燗の両方に対応し、食中酒向き。
2023年Kura Master純米酒部門金賞。
👉 “華やかさより、料理と飲む『おかげさま』。”
■ 吟醸 おかげさま
ブランドの基本となる定番酒。
精米歩合:50%
アルコール:15%
「おかげさま」という名は、
神恩と自然への感謝
+江戸時代のおかげ参り
に由来する。
特徴は、
華やかな香り
+味わいのバランス
+飲みやすさ。
👉 “伊勢参りの余韻を、そのまま一杯へつなぐ代表酒。”
■ おかげさま 純米吟醸冷酒
精米歩合:50%
アルコール:12%
甘口・低アルコール設計。
特徴は、
やさしい甘味
+軽快な口当たり
+冷酒での飲みやすさ。
公式も、日本酒初心者にも飲みやすい酒として紹介している。
👉 “日本酒の入口を広げる、やさしい『おかげさま』。”
■ おかげさま しぼりたて生原酒
精米歩合:50%
アルコール:18%
鮮度に強くこだわる限定生原酒。
特徴は、
フレッシュな香り
+生酒らしい瑞々しさ
+原酒の力強さ。
👉 “内宮前の小さな酒蔵で生まれたばかりの味を楽しむ一本。”
■ おかげさま 吟醸にごり酒
冬季限定。
精米歩合:50%
アルコール:14%
瓶詰め時に一度だけ火入れし、
新鮮な風味
+濃厚な味わい
+柔らかな口当たり
を楽しむ。
鍋・魚料理との相性も良い。
👉 “伊勢の冬をやわらかく味わう限定酒。”
■ 朔日しぼり
伊勢萬で最も文化性の強い商品。
4月〜12月の毎月1日限定販売。
伊勢の「朔日参り」と連動し、その月の一日に合わせて酒を販売する。
さらに1〜3月は、
1月=金箔入り純米酒
2月=新米仕込み原酒初しぼり
3月=荒にごり
という特別な「朔日酒」を展開する。
👉 “伊勢の暦と参宮文化を、そのまま商品にした酒。”
■ おかげさま にごり柚子
「おかげさま」の原酒へ、
三重県大台町産柚子果汁
などをブレンド。
アルコール:10%
吟醸香と天然柚子の爽やかな香り・酸味を楽しむ。
👉 “清酒と三重の果実をつなぐ地域リキュール。”
■ 老緑
内宮前酒造場で「おかげさま」と並んで扱われる清酒ブランド。
酒蔵店頭で直販され、伊勢の地域酒として位置づけられる。
👉 “『おかげさま』とは別に、内宮前酒造場の地域酒領域を支える銘柄。”
■ 熟成光年
伊勢萬の焼酎技術を代表するブランド。
トウモロコシ・麦の甲類焼酎に、麦乙類焼酎をブレンド。
特徴は、
樽香
+麦の風味
+まろやかさ
+すっきりしたコク。
👉 “清酒とは異なる、伊勢萬の熟成・蒸留技術を楽しむ酒。”
■ 麦光年
黒麹仕込みの本格麦焼酎。
アルコール:25%
黒麹と単式蒸留により、
独特の甘味
+まろやかさ
+華やかな香り
+麦の旨味
を引き出す。
👉 “伊勢萬の本格焼酎側を代表する一本。”
■ ステラ
長期樽熟成したトウモロコシ甲類焼酎に、麦乙類焼酎をブレンド。
アルコール:30%
特徴は、
強い樽香
+重厚さ
+上品さ
+長期熟成感。
白い陶器ボトルも特徴となる。
👉 “焼酎を贈答・熟成酒の領域へ高める伊勢萬のプレミアム商品。”
■ 神路・クラフトジン伊勢神・ウイスキー
小俣町明野の本社工場では、
焼酎
+リキュール
+ウイスキー
+スピリッツ
を製造する。
これらには、大台ヶ原を源流とする宮川の伏流水を使用。
クラフトジン「伊勢神」は2026年、第6回伊勢ブランドにも認定された。
👉 “清酒の五十鈴川、蒸留酒の宮川。伊勢の二つの水系を酒へ変える。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎
ぬる燗 :◎
熱燗 :○
ワイングラス :◎◎
生酒 :◎◎
低アル酒 :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 大吟醸・純米大吟醸・神の穂は冷酒。特別純米山田錦は冷酒〜燗。純米吟醸冷酒はしっかり冷やし、しぼりたては鮮度を楽しむ。
■ 料理との合わせ方
おかげさま 大吟醸
→ 伊勢海老、白身魚、寿司、会席料理
純米大吟醸
→ 刺身、天ぷら、魚介
純米吟醸 神の穂
→ 白身魚、貝類、豆腐、淡い出汁料理
特別純米 山田錦
→ 焼魚、煮物、鶏料理、鍋
吟醸 おかげさま
→ 刺身、天ぷら、伊勢うどん
純米吟醸冷酒
→ 前菜、甘味、軽い魚介料理
しぼりたて生原酒
→ 鍋、焼魚、濃い味の料理
にごり酒
→ 鍋、魚料理、発酵食品
伊勢なら、
伊勢海老
てこね寿司
伊勢うどん
牡蠣
あおさ
さめのたれ
手こね寿司
松阪牛
との組み合わせが分かりやすい。
👉 “五十鈴川の水で醸した酒を、伊勢志摩の海と里の食で飲む。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ○ → ◎ モダン
穏やか ← ○ → ◎ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ○ → ◎ 甘旨口
日常酒 ← ◎ → ◎ 高級酒
地域酒 ← ◎ → ◎ 観光ブランド
清酒 ← ◎ → ◎ 蒸留酒
地域文化 ← ◎ → ◎ 商品設計
現地限定 ← ◎ → ○ 全国発送
👉 “伊勢神宮門前・五十鈴川伏流水・朔日参りを酒へ変える『伊勢参宮文化型』酒蔵。”
三重県内で比較すると、
宮﨑本店・宮の雪/キンミヤ
=「四日市・総合酒類・品質本位・全国ブランド」
清水清三郎商店・作/鈴鹿川
=「鈴鹿・透明感・キレ・世界評価・モダン吟醸」
後藤酒造場・青雲/颯
=「桑名・家族手造り・三重米・米旨・食中」
丸彦酒造・三重の寒梅
=「四日市川島・山田錦・吟醸日常化・真面目造り」
石川酒造・噴井/やまいし
=「四日市桜町・自噴超軟水・手造り・食中純米」
伊勢萬・おかげさま
=「伊勢神宮内宮前・五十鈴川・神の穂・朔日参り・酒蔵観光・総合酒類」
と整理できる。
伊勢萬のブランド構造は、
伊勢神宮
→ 五十鈴川
→ おはらい町・おかげ横丁
→ 内宮前酒造場
→ おかげさま
→ 神の穂・三重県酵母
→ 朔日参り
→ 季節酒
→ 伊勢志摩の食
→ 焼酎・ジン・ウイスキー
という流れを持つ。
重要なのは、
単に伊勢神宮の近くにある酒蔵ではないこと。
五十鈴川の水。
神の穂。
三重県酵母。
おかげ参り。
朔日参り。
おはらい町。
それらを実際の商品設計へ落とし込み、
「伊勢へ来た体験そのもの」
を酒に変えている。
さらに小俣町の本社工場では、宮川伏流水を使って焼酎・ジン・ウイスキーを製造する。
つまり伊勢萬は、
“伊勢神宮前のお土産酒メーカー”
ではない。
“伊勢の水・米・信仰・参宮・食文化を、清酒と蒸留酒へ翻訳する総合酒類蔵”
と捉えるのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「伊勢へ参る、その一日を一杯に。『おかげさま』。」
サブ
伊勢神宮、内宮前。
五十鈴川の伏流水と、三重の「神の穂」。
その土地の水と米から生まれる酒が、「おかげさま」。
名に込められているのは、神へ、自然へ、人へ向けた感謝と、江戸から続くおかげ参りの記憶。
大吟醸、純米吟醸、しぼりたて、にごり酒。
そして毎月一日の**「朔日しぼり」**。
参拝のあとに一杯を味わい、一本を持ち帰る。
その酒を開けば、五十鈴川の水と伊勢の空気がよみがえる。
伊勢を訪れた記憶まで、一本の酒にする。
それが、伊勢萬の「おかげさま」である。
■ 結論
伊勢神宮内宮前で、五十鈴川の伏流水と三重の米を小さな蔵で醸す。
「おかげさま」は、酒だけでなく、おかげ参りや朔日参りという伊勢の文化まで一杯に映す。
伊勢へ参る記憶を、持ち帰れる酒へ――それが伊勢萬である。
伊勢萬のテロワールを味わう👇
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伊勢神宮内宮前で、五十鈴川伏流水から「おかげさま」を醸す伊勢志摩唯一の蔵元。 |

