伊勢萬(酒蔵企業分析)

― 伊勢神宮内宮前・おはらい町で手造り清酒「おかげさま」を醸し、小俣町明野の本社工場では焼酎・リキュール・クラフトジン・ウイスキーまで製造する、伊勢志摩唯一の総合酒類蔵元。五十鈴川と宮川という二つの水系を使い分け、「神の穂」「山田錦」「伊勢茶」「あおさ」など三重・伊勢志摩の原料を商品へ落とし込む。2025年には「おかげさま 大吟醸」がKura Masterアリアンスガストロノミー賞、「純米吟醸 神の穂」がIWC金賞、2026年にはクラフトジン「伊勢神」がIWSC金賞を獲得した、“伊勢神宮門前型・地域テロワール統合型・清酒蒸留酒複合型・観光直販型・伊勢文化ブランド型酒類企業” ―

※本稿は2026年9月時点で確認できる伊勢萬公式、GI三重、Kura Master等の公開情報を基に整理しています。株式会社伊勢萬は現在、三重県伊勢市宇治中之切町77番地の2を本店・清酒工場とし、小俣町明野576番地13に焼酎・スピリッツ・リキュール・ウイスキーを製造する工場を持ちます。代表取締役社長は小林大介氏、資本金は6,180万円です。


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

伊勢神宮内宮へ続く、

おはらい町・おかげ横丁。

その入口近くにある小さな酒蔵が、

株式会社伊勢萬 内宮前酒造場

です。

所在地は、

三重県伊勢市宇治中之切町77番地の2。

ここでは清酒、

「おかげさま」

を中心に、少量・手作業で酒造りを行っています。

一方、伊勢市小俣町明野の本社工場では、

焼酎
リキュール
クラフトジン
ウイスキー

を製造しています。

一行定義

「伊勢神宮内宮前で五十鈴川伏流水を使う清酒『おかげさま』を手造りし、小俣町明野では宮川伏流水を使って焼酎・リキュール・クラフトジン・ウイスキーを製造。伊勢の参宮文化、神の穂、山田錦、伊勢茶、あおさ等を酒へ変換する、“伊勢神宮門前型・地域テロワール統合型・清酒蒸留酒複合型・観光直販型酒類企業”」


② 結論・企業ポジション

伊勢萬最大の企業価値は、

「伊勢という土地そのものを、複数の酒類へ展開できること」

です。

清酒では、

伊勢神宮

五十鈴川

おかげ参り

神の穂

を「おかげさま」へ集約。

蒸留酒では、

宮川

伊勢茶

あおさ

柚子

梅

伊勢志摩

を「伊勢神」「神路」「光年」などへ展開します。伊勢萬公式も、五十鈴川または宮川の伏流水、伊勢志摩産原料、伊勢文化を酒造りへ取り込む姿勢を明確にしています。

さらに伊勢萬は、

清酒蔵

だけでなく、

蒸留所・リキュールメーカー

としての機能も持ちます。

会社が保有する免許も、

清酒
焼酎甲類
焼酎乙類
原料用アルコール
スピリッツ
合成清酒
果実酒
リキュール
ウイスキー

まで広がっています。

企業ポジション

評価軸内容
正式社名株式会社伊勢萬
本店三重県伊勢市宇治中之切町77-2
本社工場三重県伊勢市小俣町明野576-13
代表者小林大介
資本金6,180万円
清酒ブランドおかげさま・老緑
蒸留酒ブランド光年・ステラ等
ウイスキー神路・伊勢
クラフトジン伊勢神
清酒水系五十鈴川伏流水
蒸留酒水系宮川伏流水
地域酒米神の穂
高級酒米山田錦
清酒製造内宮前酒造場
蒸留酒製造小俣町明野
清酒販売店頭・伊勢志摩中心+発送
主要観光接点おはらい町・おかげ横丁
2025 Kura Masterアリアンスガストロノミー賞
2025 IWC純米吟醸神の穂 金賞
2026 IWSC伊勢神 金賞
本質伊勢文化を総合酒類化する企業

③ 基本情報

項目内容
会社名株式会社伊勢萬
本店三重県伊勢市宇治中之切町77番地の2
代表取締役社長小林大介
取締役会長村田光晴
資本金6,180万円
清酒工場伊勢市宇治中之切町77番地の2
焼酎等工場伊勢市小俣町明野576番地13
清酒工場TEL0596-23-8800
本社工場TEL0596-37-4195
主力清酒おかげさま
伝統清酒老緑
焼酎光年・ステラ・海人ロマン等
ウイスキー神路・伊勢
ジン伊勢神
リキュールにごり梅・にごり柚子・ステラハーフムーン等
EC公式オンラインストア
関連企業IXホールディングスグループ
酒類免許清酒・焼酎・ウイスキーほか多数

会社概要および製造拠点は公式情報で確認できます。


④ 歴史・企業沿革

伊勢萬は、一般的な数百年継続型酒蔵とは少し異なります。

現在の企業としての伊勢萬は、公開取材では、

1983年に焼酎会社を基盤として創業

したと説明されています。

その後、

1702年創醸の清酒蔵

を1990年に吸収し、清酒製造へ進出しました。

その清酒蔵の歴史を現在も伝える銘柄が、

「老緑」

です。

老緑は元禄15年・1702年に、伊勢の港として栄えた老津で創醸されたと公式が説明しています。

1993年には、

「おかげさま」

が誕生。

「伊勢へ来た人を伊勢の地酒で迎えたい」という考えと、おかげ横丁開業の年が重なりました。

その後、

清酒
から
焼酎
リキュール
クラフトジン
ウイスキー

へ事業を拡大。

2021年からは伊勢蒸留所でウイスキー蒸留も開始しています。

歴史の本質

「古い清酒文化を引き継ぎながら、1980年代以降に伊勢ブランドを再構築した企業」

です。


⑤ 自然環境・水・テロワール

伊勢萬には、

二つの水系

があります。


五十鈴川

内宮前酒造場で造る清酒「おかげさま」では、

伊勢神宮神域を流れる五十鈴川の伏流水

を使用します。

これは単なる仕込み水ではありません。

伊勢神宮

内宮

五十鈴川

おかげ参り

という伊勢文化を一つにつなぐ水です。


宮川

本社工場で製造する、

焼酎
リキュール
ウイスキー

などでは、

大台ヶ原を源とする宮川の伏流水

を使用します。


テロワール構造

伊勢神宮
↓
五十鈴川
↓
内宮前酒造場
↓
おかげさま

一方で、

大台ヶ原
↓
宮川
↓
小俣町明野
↓
焼酎・ジン・ウイスキー

です。

本質

「一社で伊勢の二つの水系を酒類ごとに使い分ける企業」

です。


⑥ 原料米・農業戦略

清酒では、

山田錦

と、

神の穂

が重要です。


山田錦

「おかげさま 特別純米酒山田錦」は、

山田錦100%

精米60%

で造られます。

軽快な旨味・甘味とすっきりした後口を持つ食中酒型です。

「おかげさま 純米大吟醸」は、

精米40%

です。


神の穂

「おかげさま 純米吟醸 神の穂」は、

三重県産神の穂100%

精米50%

三重県酵母MK3

を使用。

米・酵母・水まで三重へ寄せた、

地域テロワール型日本酒

です。

原料戦略の本質

山田錦=王道品質

神の穂=三重・伊勢の地域性

です。


⑦ 酒造技術・製造思想

内宮前酒造場は、

小さな蔵

です。

公式は、

手作業中心

であり、製造数量も少ないと明記しています。

一方、GI三重の蔵元紹介では「おかげさま 純米大吟醸」について、

手仕事

と

データを使った醪管理

を組み合わせ、

職人の勘と科学的根拠を融合

させていると説明されています。

つまり伊勢萬の清酒造りは、

小仕込み
+
手作業
+
データ管理

です。

技術 → 酒質

五十鈴川伏流水
+
高精白
+
手仕事
+
三重県酵母
+
醪データ管理
↓
華やかな吟醸香
↓
米由来の甘旨
↓
上品な口当たり
↓
すっきりした後口

となります。


⑧ ブランド構造

伊勢萬は、

清酒+蒸留酒を複数ブランドで展開

しています。

ブランド役割
おかげさま伊勢神宮門前・清酒母艦
老緑1702年由来の伝統清酒
神路伊勢志摩クラフトウイスキー
伊勢シングルモルト
伊勢神伊勢志摩クラフトジン
光年焼酎中核
ステラ高級熟成焼酎
ステラハーフムーン果実系リキュール
海人ロマン地焼酎
ウメノミコト伊勢梅酒

ブランド構造の本質

おかげさま=伊勢神宮

老緑=歴史

神路=夜・神域・ウイスキー

伊勢神=伊勢志摩ボタニカル

光年=焼酎

です。


⑨ 商品ポートフォリオ

1. おかげさま 大吟醸

  • 精米40%
  • 17%
  • 五十鈴川伏流水

上品な吟醸香と芳醇な飲み口を持つ高級清酒。

2024・2025年Kura Master大吟醸酒部門プラチナ賞、2025年にはアリアンスガストロノミー賞を受賞しました。


2. おかげさま 純米大吟醸

  • 精米40%
  • 16%

2022年IWCでゴールドメダルとリージョナルトロフィーを受賞。

2023年、2025年Kura Masterでも評価されています。


3. おかげさま 純米吟醸 神の穂

  • 三重県産神の穂100%
  • 精米50%
  • 三重県酵母MK3
  • 15%

甘旨+華香+切れ

が特徴。

2025年IWC金賞、Kura Masterプラチナ賞です。


4. おかげさま 特別純米酒 山田錦

  • 山田錦100%
  • 精米60%
  • 15%

穏やかな香り、軽快な旨味と甘味、すっきりした後口。

2023年Kura Master純米酒部門金賞です。


5. 吟醸 おかげさま

  • 精米50%
  • 15%

五十鈴川伏流水と高精白米を用い、

華やかな香りと味のバランス

を重視します。


6. 重浪 SIKINAMI

2026年1月発売の、

斗瓶取り純米大吟醸

です。

伊勢萬の高級清酒ラインをさらに上へ拡張する商品です。


7. 浪穂 NAMIHO

2024年末に発売された純米大吟醸ライン。

高級清酒のブランド再構築を示す商品です。


8. 老緑

1702年創醸の系譜を持つ伝統銘柄。

さらりとした味わいで、

海鮮料理

冷酒

燗酒

に向きます。


9. おかげさま 純米焼酎

酒粕と国産米で造る本格米焼酎。

吟醸香とさっぱりした米の味わいを持ち、

伊勢志摩の魚介

に合わせる設計です。


10. 神路 KAMIJI

伊勢蒸留所で造るモルト原酒と、長期熟成グレーン原酒等をブレンド。

IWSC2024最高金賞、ISC2022・2024ゴールドの実績があります。


11. 伊勢神

クラフトジン。

梅
柚子
生姜
みつ葉
伊勢茶
あおさ
ジュニパーベリー

を使用。

2026年IWSCコンテンポラリージン部門で、

金賞

を獲得しました。


12. 熟成光年

トウモロコシ・麦の甲類焼酎と麦焼酎を組み合わせ、

樽熟成由来の香りとコクを持たせた商品です。


13. ステラ

樽熟成甲類焼酎と麦焼酎をブレンド。

陶器ボトルを採用する高級熟成焼酎です。


14. にごり梅・にごり柚子

日本酒「おかげさま」を基盤に果実を組み合わせるリキュール。

にごり柚子では、

三重県大台町産柚子

を使用します。


⑩ 味わい・酒質ポジション

清酒「おかげさま」の酒質軸は、

「華香・甘旨・上品・切れ」

です。

純米吟醸神の穂では、

吟醸香
↓
米由来の甘味
↓
旨味
↓
香りの余韻
↓
味はすっと切れる

という流れが明確です。

味覚軸評価
吟醸香★★★★★
甘味★★★★☆
米旨★★★★☆
酸★★★☆☆
透明感★★★★★
上品さ★★★★★
キレ★★★★★
食中適性★★★★★
冷酒適性★★★★★
燗適性★★★★☆
魚介適性★★★★★
初心者適性★★★★★

酒質定義

「伊勢神宮門前型・華香甘旨清麗酒」

です。


⑪ 品質評価・受賞実績

伊勢萬は、

清酒と蒸留酒の両方で評価される

点が特徴です。

2025年の「おかげさま 大吟醸」は、

Kura Master アリアンスガストロノミー賞

および大吟醸部門プラチナ賞。

「おかげさま 純米吟醸神の穂」は、

IWC2025 金賞

Kura Master2025 プラチナ賞

を獲得しています。

全国新酒鑑評会では、

2017年

2019年

2022年

2023年

に「おかげさま 大吟醸」の金賞実績が公式に掲載されています。

蒸留酒では、

「神路」が2024年IWSC最高金賞、

「伊勢神」が2026年IWSC金賞です。

品質評価の本質

清酒だけでなく、ウイスキー・ジンまで国際評価を取れる総合技術力

です。


⑫ 地域ブランド・食文化

伊勢萬の最大の地域資産は、

伊勢神宮

です。

しかし、それだけではありません。

五十鈴川
宮川
おはらい町
おかげ横丁
神の穂
伊勢茶
あおさ
柚子
梅
伊勢志摩の魚介

までを酒へ取り込みます。

地域構造

伊勢神宮=信仰

おかげ参り=歴史

五十鈴川=水

宮川=水

神の穂=農業

伊勢茶・あおさ=地域産品

魚介=食文化

伊勢萬=酒

です。


⑬ 食中酒・ペアリング戦略

「おかげさま」は、

伊勢志摩の食と合わせること

に向いた構造です。

酒合わせたい料理理由
大吟醸伊勢海老華やか・上品
純米大吟醸鯛甘旨・透明
神の穂白身魚華香・切れ
神の穂前菜食前酒適性
特別純米山田錦刺身穏香・旨味
特別純米山田錦煮魚食中性
吟醸おかげさま寿司香味バランス
老緑海鮮さらり
老緑燗+煮物温度適性
純米焼酎魚介さっぱり
伊勢神伊勢志摩食材地域ボタニカル

公式も「純米吟醸神の穂」を、淡白な料理と合わせる食中酒として推奨しています。

食中酒の本質

「伊勢の酒を、伊勢志摩の食で完成させる」

構造です。


⑭ 観光・直売・顧客接点

伊勢萬最大の競争優位の一つが、

立地そのもの

です。

内宮前酒造場は、

伊勢神宮内宮

おはらい町

おかげ横丁

という日本有数の観光導線上にあります。

店頭では、

購入

だけでなく、

その場で飲む

こともできます。

つまり内宮前酒造場は、

単なる製造工場ではなく、

製造

↓

観光

↓

試飲

↓

直販

↓

発送

を一か所で成立させる、

観光D2C拠点

です。


⑮ 流通・販売戦略

伊勢萬は商品カテゴリーによって、

販売構造を分けています。

清酒「おかげさま」は小さな蔵で製造数量が限られるため、

内宮前酒造場

伊勢志摩地区小売

全国発送・EC

が中心です。

一方、

焼酎
ウイスキー
ジン
リキュール

は本社工場を基盤に、

より広い市場へ展開します。

また伊勢萬はIXホールディングス傘下にあり、伊勢萬トレーディング等の関連企業を持つため、

製造だけに依存しない販売・海外展開基盤

を持ちます。

流通の本質

「清酒は門前で深く、蒸留酒は広く。」

です。


⑯ ターゲット

ターゲット適合度主商品
伊勢参拝客★★★★★おかげさま
伊勢志摩観光客★★★★★清酒・ジン
三重県民★★★★★神の穂
日本酒初心者★★★★★吟醸
高級酒層★★★★★大吟醸・重浪
純米派★★★★★純大・神の穂
食中酒層★★★★★特別純米
地域酒米層★★★★★神の穂
焼酎層★★★★★光年・ステラ
ウイスキー層★★★★★神路・伊勢
ジン層★★★★★伊勢神
カクテル層★★★★★ジン・リキュール
ギフト需要★★★★★高級酒・蒸留酒
インバウンド★★★★★伊勢神宮×SAKE
地域文化志向★★★★★全ブランド

⑰ 競合比較

比較対象として、

宮﨑本店
清水清三郎商店
若戎酒造
大田酒造

が分かりやすい位置です。

項目伊勢萬宮﨑本店清水清三郎商店大田酒造
地域伊勢四日市鈴鹿伊賀
主清酒おかげさま宮の雪作半蔵
第2軸焼酎・ウイスキー・ジンキンミヤ鈴鹿川ワイン等
水五十鈴川・宮川鈴鹿伏流水鈴鹿伏流水伊賀水系
地域米神の穂神の穂神の穂神の穂
観光立地極めて強い中中中
清酒製造小仕込み中~大小仕込み中
蒸留酒極めて強い極めて強い小一部
国際評価極めて強い極めて強い極めて強い強い
最大差伊勢神宮×総合酒類総合酒類×全国流通作×精密品質伊賀×半蔵

差別化

宮﨑本店が「製造規模と全国流通」を強みにするのに対し、伊勢萬は「伊勢神宮門前という唯一無二の立地と伊勢文化の商品化」に強みがあります。

⑱ SWOT分析

区分要素評価戦略的意味
Strength伊勢神宮内宮前極めて強い観光
Strengthおかげさま極めて強い地域ブランド
Strength五十鈴川伏流水極めて強い清酒
Strength宮川伏流水極めて強い蒸留酒
Strength神の穂強い三重性
Strength手造り小仕込み強い品質
Strength清酒+蒸留酒極めて強い分散
StrengthKura Master特別賞極めて強い高級酒
StrengthIWC金賞極めて強い清酒
StrengthIWSC金賞極めて強いジン
Strength神路強いウイスキー
Strength伊勢神強い地域原料
Weakness清酒製造量が少ない高供給制約
Weakness観光地依存中来訪変動
Weaknessブランド数が多い中複雑化
Weakness企業史が分かりにくい中継承説明
Opportunityインバウンド最大伊勢神宮
Opportunity高級SAKE最大おかげさま
Opportunityクラフトジン最大伊勢神
Opportunity国産ウイスキー大伊勢・神路
Opportunityガストロノミー最大特別賞
Opportunity地域素材最大伊勢志摩
Threat観光需要変動高門前店
Threat米価上昇高清酒
Threat国産ウイスキー競争高蒸留酒
Threat多カテゴリー管理中ブランド分散
Threat原料価格上昇高地域素材

⑲ PEST分析

区分外部環境影響対応
Political日本酒輸出支援追い風高級清酒
Political地方観光政策最大伊勢
PoliticalGI三重追い風地域酒
Economicインバウンド消費最大内宮前
Economic米価上昇リスク高付加価値
Economicウイスキー需要大神路・伊勢
Social日本文化体験最大伊勢神宮
Socialクラフト酒人気大ジン
Social地産地消大神の穂等
Socialギフト需要大高級酒
Technological醪データ管理強み品質
Technological蒸留設備強みウイスキー
TechnologicalEC強み全国
Environmental五十鈴川最重要清酒
Environmental宮川最重要蒸留酒

⑳ 4P分析

区分現状評価
Product清酒・焼酎・ジン・ウイスキー・リキュール★★★★★
Price日常~プレミアム★★★★★
Place内宮前・地域・EC・広域流通★★★★★
Promotion伊勢神宮・受賞・地域素材★★★★★

Product

商品幅は、

清酒
本格焼酎
混和焼酎
リキュール
クラフトジン
ブレンデッドウイスキー
ピュアモルト
シングルモルト

まで広がります。


Price

観光客が買いやすい小容量酒から、

高級大吟醸、

斗瓶取り、

ウイスキーまで、

価格帯の階層が非常に広い

構造です。


Place

伊勢神宮門前

伊勢志摩

EC

全国流通

を使い分けます。


Promotion

最大の訴求資産は、

伊勢

伊勢神宮

おかげさま

五十鈴川

伊勢志摩食材

です。



㉒ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

伊勢を、醸す。

おかげさま型

感謝を、一献に。

水型

五十鈴の水を、伊勢の酒へ。

神の穂型

三重の米を、神宮の水で。

観光型

お伊勢参りの、その先に一杯を。

ジン型

伊勢志摩の香りを、蒸留する。

ウイスキー型

伊勢の夜に、神路の一杯。

企業型

清酒も、焼酎も、ジンも、ウイスキーも。すべて伊勢から。


㉓ この酒蔵をどう見せるべきか

① 最大の地域資産

伊勢神宮内宮前

です。

日本の酒蔵でも極めて希少な立地です。


② 最大の清酒ブランド

おかげさま

です。

伊勢の文化・感謝・おかげ参りを一語で表現できます。


③ 最大の自然資産

五十鈴川+宮川

です。

清酒と蒸留酒を分ける二つの水系を持ちます。


④ 最大の地域原料資産

神の穂

です。

五十鈴川・三重県酵母と組み合わせることで、地域性を非常に明確にできます。


⑤ 最大の清酒品質資産

おかげさま 大吟醸

です。

Kura Master2025アリアンスガストロノミー賞は、酒質だけでなく料理との関係まで評価された重要実績です。


⑥ 最大の蒸留酒資産

伊勢神

神路

です。

ジン・ウイスキー双方で国際評価を持ちます。


⑦ 最大の販売資産

おはらい町・おかげ横丁の観光流動

です。

製造現場と販売現場が同じ観光導線上にあります。


㉔ 最終評価

評価軸評価コメント
地域性5.0/5伊勢神宮
観光立地5.0/5内宮前
水資産5.0/5五十鈴川・宮川
ブランド力5.0/5おかげさま
地域酒米5.0/5神の穂
高級清酒力5.0/5大吟醸・純大
手造り性5.0/5小さな蔵
データ管理4.8/5醪管理
清酒国際評価5.0/5IWC・Kura Master
食中酒力5.0/5ガストロノミー賞
焼酎力5.0/5光年等
ジン力5.0/5IWSC金賞
ウイスキー力5.0/5神路
商品幅5.0/5総合酒類
地域原料活用5.0/5伊勢茶・あおさ等
インバウンド適性5.0/5伊勢神宮
ギフト力5.0/5高級酒・蒸留酒
D2C5.0/5酒蔵店頭+EC
地域文化連携5.0/5おかげ参り
海外可能性5.0/5国際受賞
ブランド体系4.6/5多カテゴリー
観光体験力5.0/5その場飲用
グループ基盤5.0/5IXHD
独自性5.0/5神宮門前×総合酒類
成長可能性5.0/5観光・海外
総合競争力5.0/5地域資産が極めて強い


㉖ 最終結論

株式会社伊勢萬は、三重県伊勢市宇治中之切町77番地の2を本店・清酒工場とし、伊勢市小俣町明野576番地13に焼酎・リキュール・ウイスキー等の製造拠点を持つ総合酒類企業です。現在の代表取締役社長は小林大介氏、資本金は6,180万円で、清酒から焼酎、スピリッツ、リキュール、ウイスキーまで幅広い酒類免許を持っています。

企業としての大きな特徴は、

「伊勢神宮内宮前に清酒蔵があること」

です。

内宮前酒造場は、おはらい町を歩き、おかげ横丁へ入る直前という観光導線上にあります。

その小さな酒蔵で、

「おかげさま」

を手造りし、店頭で販売し、その場で飲むこともできます。製造量が少ないため、清酒は酒蔵店頭と伊勢志摩地域を中心に販売されています。

「おかげさま」という名前自体が、

伊勢の文化

です。

江戸時代の「おかげ参り」と、神々・自然・人への感謝を示す「おかげさま」という言葉を、そのまま酒名へ変えています。

仕込み水は、

伊勢神宮神域を流れる五十鈴川の伏流水。

地域酒米では、

三重県産神の穂。

さらに、

三重県酵母MK3

まで使うことで、

「おかげさま 純米吟醸神の穂」は、

水・米・酵母を三重へ寄せた地域酒

となっています。

2025年、

この酒は、

IWC SAKE部門 金賞

Kura Master プラチナ賞

を獲得。

さらに、

おかげさま 大吟醸

はKura Masterで2024・2025年とプラチナ賞となり、2025年には、

アリアンスガストロノミー賞

まで獲得しました。

この実績は重要です。

単に香りや数値で評価されたのではなく、

料理と合わせる酒としての価値

も世界で評価されたからです。

一方、伊勢萬のもう一つの大きな特徴が、

蒸留酒事業

です。

小俣町明野の工場では、

宮川伏流水

を使用し、

焼酎、

リキュール、

クラフトジン、

ウイスキーを製造します。

クラフトジン、

「伊勢神」

では、

伊勢茶
あおさ
みつ葉
柚子
梅
生姜

などを使い、

伊勢志摩の香り

そのものを蒸留しています。

2026年には、

IWSCコンテンポラリージン部門 金賞

を獲得しました。

ウイスキー、

「神路」

は、

伊勢で長期熟成したグレーンスピリッツと、伊勢蒸留所で蒸留したモルト原酒等を組み合わせ、

IWSC2024最高金賞

を獲得しています。

つまり伊勢萬では、

五十鈴川 → 日本酒

宮川 → 焼酎・ジン・ウイスキー

という、

二つの水系を二つの酒造文化へ分ける

非常に特徴的な企業構造が成立しています。

さらに古い酒文化を伝える、

「老緑」

は1702年創醸の歴史を持ちます。

現在の会社そのものを1702年創業と単純に扱うのではなく、

現在の伊勢萬が1702年から続く清酒銘柄・製造系譜を継承している

と整理するのが最も正確です。公開取材では、現在の伊勢萬は1983年に焼酎会社を基盤として創業し、1990年に1702年創業の清酒会社を吸収した経緯が説明されています。

したがって伊勢萬を最も正確に定義するなら、

「伊勢神宮内宮前・おかげ横丁に隣接する内宮前酒造場で、五十鈴川伏流水を使い、手作業とデータ管理を組み合わせて清酒『おかげさま』を少量醸造。山田錦に加え、三重県産神の穂と三重県酵母を使って伊勢・三重の地域性を酒へ落とし込み、2025年にはIWC金賞・Kura Masterアリアンスガストロノミー賞を獲得。一方、小俣町明野では宮川伏流水を使い、ロングセラー焼酎『光年』、ウイスキー『神路』『伊勢』、伊勢茶・あおさ等を使うクラフトジン『伊勢神』まで展開し、2026年には『伊勢神』がIWSC金賞。清酒・焼酎・ジン・ウイスキーを通じて伊勢神宮、伊勢志摩の水・農産物・食・文化・観光を一社で表現する、“伊勢神宮門前型・地域テロワール統合型・清酒蒸留酒複合型・観光直販型・伊勢文化ブランド型酒類企業”」

です。

三重県の主要酒蔵と比較すると、

宮﨑本店=「宮の雪」と「キンミヤ」で全国市場へ展開する大規模総合酒類企業

清水清三郎商店=「作」に集中し、鈴鹿の水・米・精密発酵を世界ブランドへ変える酒蔵

後藤酒造場=桑名で家族経営・蔵元杜氏・米旨を追求する地域クラフト酒蔵

丸彦酒造=四日市川島で山田錦・中硬水・透明感ある酒質を多商品へ展開する酒蔵

に対して、

伊勢萬=「伊勢神宮内宮前という唯一無二の観光立地と、五十鈴川・宮川という二つの水系を起点に、日本酒・焼酎・ジン・ウイスキーへ伊勢文化を横断的に展開する、“伊勢そのものを酒類ブランドへ変換する企業”」

という、三重県内でも極めて明確で模倣しにくい独自ポジションを持っています。

伊勢萬のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
1
伊勢萬

伊勢神宮内宮前で、五十鈴川伏流水から「おかげさま」を醸す伊勢志摩唯一の蔵元。

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