瀧自慢酒造(酒蔵ガイド)
― 赤目四十八滝にほど近い伊賀・名張で、1868年から酒を醸す小規模酒蔵。「瀧自慢」を中心に、赤目四十八滝の伏流水、伊賀産山田錦、神の穂、小型タンク、少数精鋭の手仕事で、“やさしい旨味・透明感・キレ・飲み飽きしなさ”を磨く。G7伊勢志摩サミット乾杯酒・晩餐会酒にも選ばれた、伊賀を代表する食中酒型の実力蔵。 ―

① 一行定義
赤目四十八滝の伏流水で「瀧自慢」を醸す、1868年創業の伊賀・名張の小規模酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 三重県名張市赤目町柏原141
会社名: 瀧自慢酒造株式会社
創業: 明治初年・1868年
設立: 1956年1月・朝日酒造株式会社
現社名変更: 1992年5月
代表取締役: 杉本 隆司
代表銘柄: 瀧自慢
主要シリーズ: 匠35・純米大吟醸・山廃純米大吟醸・滝水流・神の穂・純米吟醸・季節限定酒
地域: 名張市・赤目・伊賀盆地
仕込水: 赤目四十八滝の伏流水
主力酒米: 伊賀産山田錦・三重県産神の穂・五百万石・雄町・吟風・八反錦・北雫ほか
製造量: 約600石
蔵人: 総勢9名
酒造体制: 少数精鋭・小型タンク・手作業重視
酒質思想: 透明感・やさしさ・キレ・飲み飽きしない酒
蔵の言葉: 「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」
店頭営業時間: 火〜金 13:00〜18:00/土日 10:00〜18:00
定休日: 月曜日
最寄り駅: 近鉄大阪線 赤目口駅から約480m
瀧自慢酒造は、奈良県境に近い伊賀盆地の西部、赤目四十八滝の入口にほど近い名張市赤目町にある。
周辺は寒暖差が大きく、良質な米と水に恵まれた地域。
とりわけ「瀧自慢」という名の核にあるのが、
赤目四十八滝の伏流水。
この柔らかな水を使い、小型タンクで醪の状態を細かく管理しながら、約600石という小規模生産を続けている。
蔵が掲げる言葉は、
「百人が一杯飲む酒より、一人が百杯飲みたくなる酒」
一口で強く印象を残す酒ではなく、
二杯目、三杯目と飲み続けても疲れない酒。
そこに瀧自慢の思想がある。
👉 “赤目の水を、毎日飲みたくなる透明な酒へ変える蔵。”
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★★
キレ :★★★★☆〜★★★★★
コク :★★★☆☆〜★★★★☆
👉 “柔らかな水から、やさしい旨味と透明感を引き出し、最後はすっと切れる『清流・食中型』。”
瀧自慢の基本は、
穏やかな果実香
+柔らかな口当たり
+米の上品な旨味
+きれいな酸
+高い透明感
+締まりのあるキレ
である。
純米大吟醸では、赤目四十八滝の伏流水の柔らかさを生かし、
飲み飽きしにくい優しい飲み心地
を重視する。公式も、フルーティーな果実香と上品でなめらかな米旨を特徴としている。
一方、「滝水流」は日本酒度+10の辛口。
すっきり
+キレ
+食中性
を明確に打ち出す。
「山廃仕込み」では、
芳醇な甘味
+旨味
+酸
+複雑さ
+締まりのあるキレ
へ広がる。
👉 “甘いか辛いかではなく、飲み続けたくなるバランスこそ瀧自慢。”
④ 強み
① 1868年創業、150年以上の酒造史
② 赤目四十八滝の伏流水を使用
③ 伊賀盆地の寒暖差と良質な米を生かす
④ 約600石の小規模生産
⑤ 蔵人9名の少数精鋭体制
⑥ 管理しやすい小型タンクによる細かな醪管理
⑦ 手を掛けられる工程へ徹底的に手を掛ける酒造り
⑧ 契約栽培の伊賀産三重山田錦を使用
⑨ 山田錦35%精米「匠35」
⑩ 伊賀米と伏流水を生かす純米大吟醸
⑪ 三重県産「神の穂」の純米酒
⑫ 雄町・吟風・八反錦・北雫など酒米別の限定醸造
⑬ 山廃純米大吟醸・山廃純米まで展開
⑭ 無濾過生酒・本生酒・しぼりたて・にごり酒など季節表現
⑮ 極甘口貴醸酒「ReBrew」など新商品開発
⑯ G7伊勢志摩サミット・ワーキングランチ乾杯酒に純米大吟醸採用
⑰ 同サミット晩餐会で「滝水流」が食中酒として採用
⑱ IWCで2014・2018・2019・2022・2025年ゴールド
⑲ 全国新酒鑑評会で長年にわたる金賞・入賞実績
⑳ 2022・2023年全国新酒鑑評会金賞
㉑ 2024年Kura Master純米大吟醸部門・純米酒部門金賞
㉒ 2025年IWCゴールド・シルバー
㉓ 2025年Kura Masterクラシック酛部門金賞
㉔ 2025年SAKE COMPETITIONモダンナチュラル部門上位入賞
㉕ 「酒仙蔵」と呼ばれる歴史ある蔵で酒造りを継続
👉 “最大の強みは、派手な個性ではなく、小さな仕込みから何度でも飲みたくなる酒を再現すること。”
2016年G7伊勢志摩サミットでは、純米大吟醸がワーキングランチ乾杯酒、「辛口純米 滝水流」が晩餐会食中酒に採用された。華やかな上位酒と、料理に寄り添う純米酒の両方が国際舞台で使われたことは、瀧自慢の酒質幅を象徴している。
⑤ 向いている人
・三重・伊賀・名張の地酒を飲みたい人
・赤目四十八滝の水に興味がある人
・透明感の高い日本酒が好きな人
・飲み飽きしない酒を探している人
・華やかすぎない吟醸酒を好む人
・伊賀産山田錦を味わいたい人
・三重県産「神の穂」に興味がある人
・食中酒を重視する人
・辛口純米が好きな人
・山廃の旨味も楽しみたい人
・雄町・吟風・八反錦などを飲み比べたい人
・無濾過生酒や季節酒が好きな人
・G7伊勢志摩サミット採用酒を飲みたい人
・小規模蔵の丁寧な酒造りを評価する人
👉 “一杯目の派手さより、食事とともに何杯でも飲み進められる酒を求める人向け。”
選び方は、
匠35
→ 伊賀山田錦・35%・最高峰
純米大吟醸
→ サミット・透明感・王道
山廃純米大吟醸
→ 甘旨・酸・複雑さ
滝水流
→ 辛口・食中・サミット
神の穂
→ 三重・柔和・燗
雄町・吟風・八反錦・北雫
→ 酒米比較・限定醸造
と整理すると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・超濃醇甘口だけを求める人
・極端な高酸モダン酒だけを追う人
・強烈な熟成香だけを好む人
・全国どこでも大量流通する酒を重視する人
・極端に華やかな香りだけを求める人
・大規模観光酒蔵を期待する人
・一銘柄だけで蔵全体を判断したい人
👉 “強烈な刺激より、透明感・旨味・キレ・飲み続けやすさを評価する人向け。”
瀧自慢は約600石の小規模蔵で、限定酒も多い。
2026年にも、
備前雄町 無濾過生酒
八反錦
北雫
吟風
純米大吟醸 本生酒
滝水流 無濾過生酒
などを順次発売している。
つまり、
定番一本を大量に造る蔵ではなく、定番を軸に季節と酒米で表情を広げる蔵
である。
⑦ 商品カテゴリ
■ 瀧自慢 純米大吟醸 匠35
現在の最高峰を担う一本。
使用米:契約栽培 伊賀産三重山田錦
精米歩合:35%
伊賀産山田錦を35%まで磨き、
やさしさ
+気品
+透明感
を極めた純米大吟醸。
👉 “瀧自慢らしさを最も研ぎ澄ませた一本。”
■ 瀧自慢 純米大吟醸
蔵を象徴するフラッグシップ。
伊賀米と赤目四十八滝伏流水を使い、
穏やかな果実香
+なめらかな米旨
+優しい飲み口
+高い透明感
を表現する。
2016年G7伊勢志摩サミット・ワーキングランチ乾杯酒。
IWCでは2014・2018・2019・2022・2025年にゴールドメダルを受賞している。
👉 “瀧自慢を一本で知るなら、中心に置くべき酒。”
■ 山廃仕込み 純米大吟醸
使用米:伊賀産山田錦
精米歩合:45%
日本酒度:+2
酸度:1.2
アルコール:16度
丹波流山廃を参考にしながら、
芳醇な甘味
+旨味
+山廃の複雑さ
+瀧自慢らしい透明感とキレ
を両立する。
👉 “山廃を重くしすぎず、透明に仕上げる瀧自慢の技術。”
■ 大吟醸 瀧自慢
伊賀産山田錦を使う鑑評会型上位酒。
2023年全国新酒鑑評会金賞酒では、
伊賀産山田錦100%
精米歩合40%
日本酒度+2.5
酸度1.0
という設計。
上品な香りの中へ、米の旨味と甘味を溶け込ませる。
👉 “伊賀山田錦を吟醸技術で磨く、瀧自慢の高級酒。”
■ 辛口純米 滝水流(はやせ)
瀧自慢の食中酒を代表する一本。
麹米:三重県産山田錦
掛米:富山県産五百万石
精米歩合:60%
日本酒度:+10
酸度:1.4
アルコール:15度
2016年G7伊勢志摩サミット晩餐会で食中酒として採用。
特徴は、
すっきり
+シャープ
+キレ
+料理を邪魔しない軽快さ。
👉 “料理と飲む瀧自慢の基準酒。”
■ 純米 神の穂
使用米:三重県産 神の穂
精米歩合:60%
日本酒度:+6
酸度:1.5
アルコール:15度
特徴は、
柔和
+ふくらみ
+やさしい旨味。
冷酒でも燗でも楽しめる。
👉 “三重の米を、瀧自慢らしい柔らかさへ仕立てた純米酒。”
■ 純米 山廃仕込
麹米:五百万石
掛米:神の穂
精米歩合:60%
日本酒度:+4
酸度:1.5
アルコール:15度
神の穂の旨味と山廃の酸・複雑さを持ちながら、
クセを強くしすぎない透明な山廃
へ仕上げる。
常温〜ぬる燗で酸と旨味が丸くなる。
👉 “山廃でも『何杯でも飲める』方向へまとめる瀧自慢。”
■ 純米吟醸 名張乙女
田山花袋の小説「名張少女」にちなんだ地域酒。
麹米:三重県産山田錦
掛米:三重県産神の穂
精米歩合:50%/55%
日本酒度:+7
酸度:1.3
アルコール:15度
純粋で可憐な酒質を意図する。
👉 “名張の文学文化まで酒へつなぐ純米吟醸。”
■ 吟醸 瀧自慢
麹米:山田錦
掛米:神の穂
精米歩合:50%/55%
日本酒度:+6
酸度:1.3
アルコール:15度
フルーティーな吟醸香と、香味・旨味のバランスを持つ。
👉 “気軽な食前酒として楽しむ、瀧自慢の吟醸。”
■ 純米吟醸 備前雄町 無濾過生酒
2026年春の限定酒。
備前雄町を用い、
無濾過
+生
+雄町のふくらみ
を楽しむ方向の商品。
2026年4月発売分は完売している。
👉 “透明感の蔵が雄町の厚みをどう表現するかを見る一本。”
■ 純米吟醸 八反錦
2025・2026年にも発売された限定純米吟醸。
八反錦の軽快さやキレを、瀧自慢の透明感へ重ねるシリーズ。
👉 “酒米違いを楽しむ瀧自慢の限定醸造。”
■ 純米吟醸 北雫
2026年6月発売。
公式は、
瑞々しい風味のさわやかな純米吟醸
と紹介している。
👉 “瀧自慢の透明感を、北雫でさらに軽快へ。”
■ 純米吟醸 吟風
2026年7月発売。
吟風の旨味と軽やかさを楽しむ限定醸造。
2026年分は完売。
👉 “酒米の違いを追いかける人に向く限定シリーズ。”
■ 純米大吟醸 愛山
愛山の、
甘味
+旨味
+包み込むようなふくらみ
を表現する限定純米大吟醸。
2022年にも限定発売されている。
👉 “瀧自慢の透明感へ、愛山の甘旨を重ねる一本。”
■ 純米大吟醸 亀の尾
亀の尾を用い、
食事との相性とバランス
を意識した純米大吟醸。
👉 “高級酒でも食中性を失わない瀧自慢らしい限定酒。”
■ ReBrew(リブリュー)
2024年から販売を開始した極甘口酒。
仕込み水の一部に日本酒「匠35」を用いる、
貴醸酒タイプ。
通常の瀧自慢とは異なる、
濃い甘味
+旨味
+新しい酒質
を狙う。
👉 “何杯でも飲める透明酒だけでなく、極甘口まで試す新しい瀧自慢。”
■ 純米しぼりたて生酒・にごり酒
冬季の新酒。
2025年12月にも発売され、
爽やかな出来たて感
を楽しむ季節商品として展開された。
👉 “赤目の冬の酒造りを、そのまま瓶へ。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :◎
ワイングラス :◎◎
生酒 :◎◎
山廃 :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・匠35・限定吟醸は冷酒〜ワイングラス。滝水流・神の穂は冷酒〜常温。山廃純米は常温〜ぬる燗で旨味が広がる。
■ 料理との合わせ方
匠35・純米大吟醸
→ 寿司、白身魚、伊勢海老、上品な和食
大吟醸
→ 刺身、前菜、天ぷら
滝水流
→ 焼魚、刺身、天ぷら、串焼き、鍋
神の穂
→ 煮物、豆腐、焼魚、鶏料理
山廃純米
→ 味噌料理、茸、鍋、焼鳥
雄町
→ 伊賀牛、煮込み、旨味の強い料理
ReBrew
→ チーズ、甘味、食後酒
伊賀・名張なら、
伊賀牛
伊賀米
豆腐田楽
伊賀越漬
山菜
茸
鮎・川魚
鴨
赤目周辺の里山料理
との組み合わせが分かりやすい。
👉 “赤目の水で醸した酒を、伊賀の米と里山の食で飲む。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ○ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快 ← ◎ → ○ コク
日常酒 ← ◎ → ◎ 最高級酒
定番 ← ◎ → ◎ 限定酒
伝統 ← ◎ → ◎ 実験醸造
地域密着 ← ◎ → ◎ 国際評価
👉 “赤目の伏流水と小型仕込みを核に、透明感と食中性を磨く『伊賀清流・少量精醸型』酒蔵。”
三重県内で比較すると、
宮﨑本店・宮の雪/キンミヤ
=「四日市・総合酒類・品質本位・全国ブランド」
清水清三郎商店・作/鈴鹿川
=「鈴鹿・透明感・キレ・世界評価・モダン吟醸」
後藤酒造場・青雲/颯
=「桑名・家族手造り・三重米・米旨・食中」
丸彦酒造・三重の寒梅
=「四日市川島・山田錦・吟醸日常化・真面目造り」
石川酒造・噴井/やまいし
=「四日市桜町・超軟水・手造り麹・食中純米」
伊勢萬・おかげさま
=「伊勢神宮内宮前・五十鈴川・参宮文化」
大田酒造・半蔵
=「伊賀・厳寒・神の穂・山田錦・伝統×革新」
瀧自慢酒造・瀧自慢
=「名張・赤目四十八滝伏流水・600石・9人・透明感・食中・少量精醸」
と整理できる。
瀧自慢酒造のブランド構造は、
赤目四十八滝
→ 伊賀盆地
→ 伏流水
→ 1868年創業
→ 小型タンク
→ 少数精鋭
→ 伊賀産山田錦
→ 瀧自慢
→ 純米大吟醸
→ 滝水流
→ サミット
→ 酒米別限定醸造
という流れを持つ。
重要なのは、
小さいこと自体を価値にしているのではないこと。
小さいタンクなら、
醪をよく見られる。
600石なら、
一仕込みへ手を掛けられる。
9人なら、
一人ひとりが酒へ責任を持てる。
その結果として、
「一人が百杯飲みたくなる酒」
という方向へ酒質を磨いている。
つまり瀧自慢酒造は、
“赤目四十八滝の観光地酒”
ではない。
“赤目の水と小さな仕込みから、毎日飲み続けたくなる透明な酒を造る蔵”
と評価するのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「赤目の水を、もう一杯飲みたくなる酒へ。『瀧自慢』。」
サブ
三重・名張、赤目。
赤目四十八滝の伏流水に恵まれた地で、瀧自慢酒造は1868年から酒を醸してきた。
約600石、蔵人9人。
小さなタンクで一つひとつの醪を見つめ、目指すのは、派手さではなく何杯でも飲みたくなる酒。
柔らかく入り、米の旨味が広がり、最後は澄んで消えていく。
純米大吟醸は世界の乾杯へ、「滝水流」はサミットの食卓へ。
それでも酒の原点は、毎日の食事にある。
赤目の水を、もう一杯飲みたくなる酒へ。
それが、瀧自慢である。
■ 結論
赤目四十八滝の伏流水に恵まれた名張で、1868年から続く酒造り。
600石・9人の小さな蔵だからこそ、一つ一つの仕込みへ手を掛け、「瀧自慢」はやさしい旨味と透明感へ育つ。
一口の驚きより、何度でも飲みたくなる一杯を――それが瀧自慢酒造である。
瀧自慢酒造のテロワールを味わう👇
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瀧自慢酒造 |
赤目四十八滝の伏流水で「瀧自慢」を醸す、1868年創業の伊賀・名張の小規模酒蔵。 |

