山﨑合資会社(酒蔵企業分析)

目次(Table of Contents)

― 明治36年・1903年創業。三河湾国定公園・西尾市幡豆の海辺で、三ヶ根山麓の地下約30mから汲み上げる硬度約26の軟水、愛知県産の夢山水・若水・夢吟香・山田錦を、自家精米・10kg単位の限定吸水・完全手造り麹・低温発酵・全量低温貯蔵によって醸す。「尊皇」で三河の日常、「幻々」で最高峰、「奥」で濃醇原酒、「焚火」で辛口、「山﨑醸」で入口を担い、2026年には六代目・山﨑真幸氏が新ブランド「きおく」を始動した、“三河湾海辺型・愛知県産米深化型・低温熟成型・多ブランド革新型酒蔵” ―

※本稿は2026年9月13日時点で確認できる山﨑合資会社公式、愛知県酒造組合、全国新酒鑑評会、SAKETOMO、日本醸造協会等の公開情報を基に整理しています。2026年9月11日に発表された新ブランド「きおく」も反映しています。


① 導入・一行定義

愛知県西尾市西幡豆町柿田57。

三河湾を目前にし、背後に三ヶ根山を抱く幡豆地区で、

「尊皇」

「奥」

「幻々」

「焚火」

「山﨑醸」

を醸す酒蔵が、

山﨑合資会社

です。

創業は、

明治36年・1903年。

旧幡豆町で唯一の酒蔵として120年以上にわたり酒造りを続けてきました。幡豆は三河湾国定公園の中心にあり、前島・沖ノ島などの小島が点在する景観から「東海の瀬戸内海」とも呼ばれます。

2026年現在、酒造りの中心人物として注目されるのが、

六代目・山﨑真幸氏

です。

2023年に名古屋大学農学部を卒業後、酒類総合研究所の酒類醸造講習を修了し、天領盃酒造での研修を経て2024年に山﨑合資会社へ入社。2026年愛知県新酒品評会では「出品酒 幻々」で杜氏として県組合会長賞を受けています。

一行定義

「三河湾と三ヶ根山に挟まれた西尾・幡豆で、地下約30mから汲み上げる硬度約26の軟水と、夢山水・若水・夢吟香・愛知県産山田錦を、自家精米・10kg単位の限定吸水・完全手造り麹・低温発酵・全量低温貯蔵によって醸し、『尊皇』で地域の日常、『幻々』で技術頂点、『奥』で濃醇原酒、『焚火』で辛口、『山﨑醸』で入口を担い、六代目『きおく』へ世代交代を進める、“三河湾海辺型・愛知県産米深化型・低温熟成型・多ブランド革新型酒蔵”」


② 結論・企業ポジション

山﨑合資会社最大の企業価値は、

「小規模な地域蔵でありながら、商品ごとに役割を明確に分け、時代ごとに新しい酒質へ挑戦してきたこと」

です。

同社は1937年にはすでに低温貯蔵へ取り組み、1974年には糖類添加を全面廃止、1989年には「尊皇」を本醸造規格へ引き上げました。2002年には当時としては非常に珍しい、アルコール18.5度の濃醇な純米吟醸原酒「奥」を商品化しています。

一方で、単一ブランドへ集約するのではなく、

尊皇=地元三河

幻々=最高級・鑑評会

奥=濃醇・専門店

焚火=辛口

山﨑醸=入口・多様性

と分けています。

そして2026年9月11日、

「きおく」

を六代目・山﨑真幸氏が新たに始動。

先代・山﨑厚夫氏の急逝から10年という節目に、蔵の歴史と次世代をつなぐ新ブランドとして立ち上げられました。

評価軸内容
正式社名山﨑合資会社
所在地愛知県西尾市西幡豆町柿田57
創業1903年・明治36年
六代目山﨑真幸
現経営中核山﨑裕正氏ほか
主力地域銘柄尊皇
普通酒表記尊王
高級酒幻々
全国専門流通奥・焚火・山﨑醸
新ブランドきおく
最大自然資産三ヶ根山麓伏流水
取水地下約30m
水質硬度約26の軟水
自家精米あり
洗米10kg単位・限定吸水
製麹完全手造り
発酵低温発酵
貯蔵全商品低温貯蔵
純米以上瓶貯蔵・10℃以下
主力米夢山水・若水・夢吟香
高級米愛知県産山田錦
地元米比率尊皇は愛知県産米100%
2026全国新酒鑑評会尊皇幻々・入賞
2026愛知県新酒品評会幻々・県組合会長賞
燗酒実績金盃尊皇など最高金賞
本質地域酒と革新酒を同時に育てる小規模実力蔵

③ 基本情報

項目内容
社名山﨑合資会社
所在地〒444-0703 愛知県西尾市西幡豆町柿田57
TEL0563-62-2005
FAX0563-62-4374
創業1903年
屋号尊皇蔵元
六代目山﨑真幸
販売責任者山﨑充千江
主銘柄尊皇・尊王
高級銘柄幻々
限定流通奥・焚火・山﨑醸
新ブランドきおく
甘酒一糀
事業日本酒・甘酒製造販売
直売あり
EC公式通販あり
営業時間8:15~17:00
定休日土・日・祝中心
最寄駅名鉄蒲郡線 西幡豆駅
徒歩約4分
法人番号3180303002821

直売所・ECはいずれも蔵元自身で運営されており、日本酒だけでなく甘酒まで直接販売しています。


④ 歴史・企業沿革

1. 1903年 ― 創業

明治36年。

西幡豆で創業。

現在までこの土地で酒造りを続けています。


2. 1920年頃 ― 「尊皇」

「尊皇」は大正9年頃から造られています。

近隣の祐正寺に掲げられていた、

「尊皇奉佛」

の額が酒名の由来。

当初は「皇」の字を使うことを畏れ、

「尊王」

と表記していました。

現在も、

普通酒=尊王

特定名称酒=尊皇

という名残を残します。


3. 1937年 ― 低温貯蔵開始

昭和12年には、

低温貯蔵

へ着手。

現在も当時建てられた低温貯蔵庫を現役で使用しています。


4. 1974年 ― 糖類添加廃止

当時の普通酒では珍しく、

糖類添加を全面廃止

しました。

価格競争より酒そのものの品質を優先した判断です。


5. 1989年 ― 尊皇の本醸造化

地域定番酒を、

本醸造規格

へ引き上げました。

「日常酒だから品質を落とす」という発想と逆の方向です。


6. 2001~2004年 ― 全国金賞4年連続

全国新酒鑑評会で、

4年連続金賞

を獲得。

小規模酒蔵ながら全国レベルの吟醸技術を証明しました。


7. 2002年 ― 「奥」

愛知県酒米「夢山水」誕生後、4年間の試験醸造を経て、

「夢山水十割 奥」

を発売。

当時としては異例の、

純米吟醸原酒・18.5%

という濃醇酒でした。


8. 2016年 ― 先代急逝

「奥」を立ち上げ、全国ブランド化を進めた4代目・山﨑厚夫氏が50歳で急逝。

その後、山﨑裕正氏が経営を支えました。


9. 2024年 ― 六代目入社

山﨑真幸氏が山﨑合資会社へ正式入社。

酒類総合研究所・天領盃酒造での研修経験を持つ新世代の造り手です。


10. 2026年 ― 「きおく」

2026年9月11日、

新ブランド「きおく」

を始動。

123年続いた蔵の歴史を次の世代へつなぐ節目となりました。


⑤ 自然環境・水・テロワール

山﨑合資会社の土地は、

三河湾国定公園・幡豆

です。

前島・沖ノ島などの島々が点在し、

「東海の瀬戸内海」

と呼ばれる景観を持ちます。

蔵から背後の三ヶ根山側へ入った地下には、

三ヶ根山麓の伏流水

が流れています。

仕込み水は地下約30mから汲み上げ、

硬度約26

の軟水。

わずかなミネラル感を持つ、柔らかな水です。

海と山の近接

山﨑合資会社の特殊性は、

山の水で酒を造り、海の料理と飲む

ことです。

三ヶ根山=水

幡豆=酒蔵

三河湾=魚介

が非常に短い距離にあります。

テロワール構造

三ヶ根山
↓
地下伏流水
↓
西幡豆
↓
愛知県産酒米
↓
自家精米
↓
山﨑合資会社
↓
三河湾の魚介・豆味噌文化

です。

本質

「山の軟水と海の食をつなぐ三河湾型テロワール」

です。


⑥ 原料米・農業戦略

山﨑合資会社は、

愛知県産米への依存度が非常に高い酒蔵

です。

「尊皇」は原料米を愛知県産100%で構成します。

酒米主商品役割
夢山水奥・幻々純大濃醇・愛知
若水焚火・活鱗辛口
夢吟香山﨑醸華やか・甘旨
山田錦幻々高級吟醸
あいちのかおり尊皇・山﨑醸等日常
古代米一糀甘酒

夢山水

「奥」の中心原料。

奥三河契約栽培の夢山水100%を使い、

精米60%

18.5度

日本酒度+2

酸度1.8

という濃醇酒を造ります。


若水

「焚火」「活鱗」で使用。

日本酒度+11前後の、

明確な辛口

を作ります。


夢吟香

「山﨑醸 夢吟香DREAM」で使用。

山田錦と若水を親に持つ愛知県酒米。

甘味を持たせることで、夢吟香特有の苦味とのバランスを取ります。


愛知県産山田錦

「幻々」では従来兵庫県産山田錦を使用していましたが、2019年以降に愛知県産山田錦の生産が可能になり、

令和4年醸造から出品酒まで愛知県産へ切り替え

ています。

これは重要です。

高級酒まで、

「愛知で完結する方向」

へ進んでいます。


原料戦略の本質

夢山水=奥

若水=辛口

夢吟香=華やか

山田錦=最高級

という、米ごとの役割が非常に明確です。


⑦ 酒造技術・製造思想

山﨑合資会社の核心です。

公式が掲げる言葉は、

「非妥協の職人魂」

です。


1. 自家精米

精米は、

自社

で行います。

一時期外注したものの、割れ・黒ずみ等が出たことから自家精米へ戻しました。

年間4~5トン程度を精米すると説明されています。


2. 10kg単位の洗米

普通酒・本醸造でも、

吟醸と同様に10kgずつ洗米

し、限定吸水します。


3. 手放冷

蒸米を機械のシューターで送らず、

人の手で放冷

します。

小規模蔵だからこそ可能な工程です。


4. 麹完全手造り

麹室への引込み、

  • 種付け
  • 盛り
  • 中仕事
  • 仕舞仕事

まで、

すべて手作業

です。


5. 低温発酵

サーマルタンクを使い、

低温で長く引っ張る

ことで香りを形成します。


6. 全量低温貯蔵

ここが山﨑最大の技術資産です。

すべての日本酒を空調管理した場所で貯蔵

します。

本醸造・普通酒のタンク貯蔵室も、

真夏でも約15℃

です。


7. 純米以上は瓶貯蔵

純米酒以上は、

瓶詰め後、年間10℃以下

で低温貯蔵。

熟成を止め過ぎず、進め過ぎない温度として10℃前後を使っています。


8. 長期熟成

「奥」では、

5年

10年

12年

といった長期低温熟成酒を商品化。

通常の古酒のように強く褐変せず、

まろやか・旨味・穀物感

を残します。


技術 → 酒質

自家精米
+
10kg限定吸水
+
手放冷
+
完全手造り麹
+
低温発酵
+
全量低温貯蔵
+
瓶熟成
↓
澄んだ香り
↓
濃い旨味
↓
柔らかな熟成感
↓
明確な酸
↓
キレ

となります。


⑧ ブランド構造

山﨑合資会社は、

商品役割を複数ブランドへ分散する構造

です。

ブランド役割主市場
尊皇地域母艦西三河
尊王普通酒地元日常
幻々最高級鑑評会・贈答
奥濃醇個性酒全国専門店
焚火辛口専門店
山﨑醸入門・多様性全国
活鱗海鮮食中三河
年魚市原酒・季節地域
一糀甘酒ノンアル層
きおく六代目新世代次世代

ブランド構造の本質

尊皇=守る

幻々=極める

奥=攻める

焚火=切る

山﨑醸=広げる

きおく=継ぐ

です。


⑨ 商品ポートフォリオ

1. 出品酒 幻々

2026年愛知県新酒品評会で、

県組合会長賞

を獲得。

杜氏は山﨑真幸氏です。


2. 幻々 大吟醸 雫原酒

高級酒の中核。

現在も720ml・1.8Lで販売され、

720mlは6,820円級のプレミアム価格帯です。


3. 幻々 純米大吟醸

夢山水を使用する純米大吟醸。

「幻々」の中では米旨を残す高級純米ラインです。


4. 夢山水十割 奥

代表商品。

  • 夢山水100%
  • 精米60%
  • 18.5度
  • 日本酒度+2
  • 酸度1.8

華やかな香り

濃醇

とろみ

が特徴です。


5. 奥 5年・10年・12年熟成

低温で長期熟成。

一般的古酒とは異なり、

色が淡く、まろやかな旨味

を残します。


6. 奥 スパークリング

夢山水を使う発泡商品も展開。

「濃醇原酒」のブランドから泡へ派生させています。


7. 辛口純米 焚火

  • 愛知県産若水100%
  • 精米70%
  • 16度
  • 日本酒度+11
  • 酸度1.6

香りは穏やかで、

切れのよい辛口

です。


8. 辛口純米 活鱗

「海鮮料理をうまくする酒」。

若水100%、日本酒度+11。

三河湾の、

  • マダイ
  • メバル
  • アナゴ
  • アサリ
  • ワタリガニ
  • シャコ

との相性を前提に設計されています。


9. 山﨑醸 夢吟香DREAM

  • 夢吟香
  • 精米50%
  • 純米大吟醸原酒

華やかな香りと幅のある味わい。

山﨑ブランドへの入口商品でもあります。


10. 尊皇 本醸造 金盃

地元の定番。

2024年全国燗酒コンテスト、

お値打ち熱燗部門 最高金賞

です。


11. 尊皇 純米吟醸原酒

夢山水を使う濃醇タイプ。

過去にはANA日本発国際線ビジネスクラスへ期間限定採用実績があります。


12. 一糀 吟醸甘酒

  • 愛知県産夢吟香100%
  • 精米60%
  • ノンアルコール

吟醸麹を全量使う、

酒蔵技術型甘酒

です。


13. 一糀 抹茶入り

西尾の名産、

西尾抹茶

を使用。

日本酒以外でも地域ブランドを取り込みます。


14. きおく

2026年9月11日始動。

確認できる初期商品では、

  • 愛知県産夢山水
  • 精米60%
  • 14度
  • 日本酒度-5
  • 酸度1.5
  • アミノ酸度0.5

という、従来の「奥」より低アルコールで現代的な方向です。


⑩ 味わい・酒質ポジション

山﨑合資会社全体を一言でまとめるなら、

「辛旨・濃醇・低温熟成型」

です。

ただしブランドにより幅が大きく、

尊皇

辛口
旨味
燗向き

幻々

華やか
高精白
透明感

奥

濃醇
とろみ
高アルコール
熟成

焚火

辛口
穏香
切れ

山﨑醸

華やか
親しみ

きおく

低アル
甘酸
現代型

へ分かれます。

味覚軸評価
香り★★★★☆
甘味★★★☆☆
酸★★★★☆
旨味★★★★★
濃醇さ★★★★★
辛口表現★★★★★
熟成適性★★★★★
透明感★★★★☆
キレ★★★★★
燗適性★★★★★
食中適性★★★★★
海鮮適性★★★★★
肉料理適性★★★★★
酒米表現力★★★★★
商品幅★★★★★

酒質定義

「三河型・辛旨濃醇食中酒」

です。


⑪ 品質評価・受賞実績

全国新酒鑑評会 2026

令和7酒造年度、

「尊皇幻々」=入賞

です。

愛知県14点入賞のうちの1点となりました。


全国新酒鑑評会 2025

令和6酒造年度も、

尊皇幻々=入賞

しています。


過去の全国新酒鑑評会

2001~2004年、

4年連続金賞

2006・2009・2016・2018年、

入賞

です。


2026愛知県新酒品評会

「出品酒 幻々」が、

県組合会長賞

を獲得。

杜氏は山﨑真幸氏。


名古屋国税局酒類鑑評会

2023年度には、

幻々 出品酒

幻々 雫原酒

が優等賞。

過去にも長期間継続して入賞しています。


全国燗酒コンテスト2024

金盃 尊皇=最高金賞

です。

品質評価の本質

山﨑合資会社の強さは、

「幻々の大吟醸だけ」ではありません。

最高級酒=幻々

地域定番=尊皇

熟成=奥

辛口=焚火

まで高い完成度を持っています。


⑫ 地域ブランド・食文化

1. 西尾・幡豆

幡豆は、

海辺の酒蔵文化

が最大の特徴です。

蔵から海まで近く、三河湾の魚介文化と直接結び付きます。


2. 三河湾

代表食材は、

  • アサリ
  • シャコ
  • ワタリガニ
  • メバル
  • アナゴ
  • マダイ

など。

「活鱗」はこの地域性を商品そのものへ落とし込んでいます。


3. 豆味噌

愛知の、

どて煮

味噌カツ

など、濃い豆味噌料理には「尊皇」本醸造が適します。


4. 西尾抹茶

「一糀 抹茶入り」で、

西尾の抹茶

を使用。

酒だけでなく、西尾市の別産業とも結び付きます。


5. 三ヶ根山

酒蔵の伏流水源。

幡豆の海景観と対になる山の資産です。


地域構造

三ヶ根山=水

幡豆=酒蔵

三河湾=魚

西尾=抹茶

愛知=豆味噌

山﨑=酒

です。


⑬ 食中酒・ペアリング戦略

酒合わせたい料理理由
尊皇 本醸造どて煮コク・燗
尊皇 本醸造味噌カツ辛旨
幻々 出品酒ローストビーフ甘味・香り
幻々 雫原酒焼魚辛口
幻々 雫原酒天ぷらキレ
奥すき焼き濃醇
奥 熟成肉料理熟旨
焚火刺身辛口
焚火貝類切れ
活鱗アサリ酒蒸し海鮮特化
活鱗アナゴ天ぷら油切れ
山﨑醸 夢吟香ステーキ甘旨
山﨑醸 夢吟香しゃぶしゃぶ華やか
きおく前菜・白身魚低アル・甘酸

食中酒の本質

「幡豆の海」と「三河の濃い味」の両方に対応できること

です。

辛口・酸・濃醇・熟成という複数の酒質を持つことが、地域の食文化と非常に相性が良い蔵です。


⑭ 観光・直売・顧客接点

山﨑合資会社は、

「直売+蔵開き型酒蔵」

です。

直売所は西幡豆駅から徒歩約4分。

営業時間は、

8:15~17:00

です。


酒蔵開き

2026年は、

1月17日 新春酒蔵開き

5月17日 第29回尊皇酒蔵開き

を開催。

タンク直詰め、利き酒、新酒・燗酒試飲などを行っています。


地域観光

周辺には、

  • 三ヶ根山
  • 三河湾
  • 寺部海岸
  • 吉良
  • 西尾抹茶
  • 一色うなぎ
  • 蒲郡

があります。

観光類型

「海辺地域回遊+蔵開き+直売型酒蔵」

です。


⑮ 流通・販売戦略

流通は、

地域流通+特約店+EC

の三層です。


尊皇

西尾・蒲郡・碧南・高浜・岡崎など、

西三河中心

の地域流通です。


奥・焚火

特約店制度

を採用。

大都市圏・専門酒販店を中心に展開しています。


山﨑醸

専門店に対する、

導入ブランド

として機能します。

大ロットの「奥」「焚火」の前に、山﨑醸から取引を始めるケースがあります。


EC

公式通販を持ち、

  • 尊皇
  • 幻々
  • 甘酒
  • 一部限定品

を販売しています。

流通の本質

「尊皇で地域を守り、奥・焚火で専門市場へ出て、ECで直販を補完する」

構造です。


⑯ ターゲット

ターゲット適合度理由
西三河の地元層★★★★★尊皇
日本酒初心者★★★★☆山﨑醸・きおく
辛口好き★★★★★焚火・活鱗
濃醇酒好き★★★★★奥
熟成酒好き★★★★★奥長期熟成
吟醸酒ファン★★★★★幻々
愛知米ファン★★★★★全体
海鮮好き★★★★★活鱗
肉料理派★★★★★奥・幻々
燗酒ファン★★★★★尊皇
酒通★★★★★奥・幻々
ギフト需要★★★★★幻々
若年層★★★★☆きおく
甘酒層★★★★★一糀
地域観光客★★★★☆直売・蔵開き
専門店顧客★★★★★奥・焚火

⑰ 競合比較

比較対象として、

丸石醸造
関谷醸造
山忠本家酒造
相生ユニビオ

が分かりやすい位置です。

項目山﨑合資会社丸石醸造関谷醸造山忠本家
創業1903169018641771
地域西尾・幡豆岡崎設楽愛西
主ブランド尊皇・奥二兎蓬莱泉義侠
水三ヶ根伏流水乙川伏流水奥三河木曽川系
地域米極めて強い強い極めて強い強い
自家精米ありありありあり
手造り麹極めて強い強い強い強い
低温貯蔵最大級強い強い強い
濃醇原酒奥商品別限定義侠系
熟成酒非常に強い中強い強い
海鮮食中非常に強い強い中中
最新全国2026入賞2026金賞2026金賞商品別
最大差海×低温熟成×多ブランド甘酸モダン農業統合山田錦重視

差別化

丸石醸造が「酒質バランスを現代化する蔵」なら、山﨑合資会社は「低温と時間によって旨味を深める蔵」です。

また、

関谷醸造が農業まで垂直統合するのに対し、山﨑は小規模手造りと熟成管理を徹底する

点で異なります。


⑱ SWOT分析

区分要素評価戦略的意味
Strength三ヶ根伏流水強い水
Strength自家精米非常に強い原料制御
Strength手造り麹非常に強い技術
Strength全量低温貯蔵極めて強い差別化
Strength長期熟成極めて強い独自性
Strength夢山水強い愛知性
Strength若水強い辛口
Strength愛知山田錦強い高級
Strength奥極めて強い全国ブランド
Strength尊皇強い地元基盤
Strength幻々強い高級・受賞
Strength六代目非常に強い世代交代
Weaknessブランド数が多い高分かりにくい
Weakness小規模中生産量
Weakness先代ブランド依存中移行期
Weakness全国認知中奥以外
Weakness観光設備中滞在力
Opportunityきおく最大若年層
Opportunity愛知県産山田錦大地域高級酒
Opportunity熟成酒市場大奥
Opportunity三河湾ガストロノミー最大活鱗
Opportunity西尾抹茶大甘酒
Threat米価上昇高原価
Threat小規模人材不足高技術承継
Threat酒類人口減高若年顧客
Threat冷蔵電力費高貯蔵コスト
ThreatSKU過多高在庫管理

⑲ PEST分析

区分外部環境影響対応
Political地域酒振興追い風尊皇
Political愛知酒PR追い風幻々・奥
Political農産物地域化追い風愛知米
Economic米価上昇高高付加価値
Economic電気代上昇高低温貯蔵
Economic国内専門酒市場機会奥
Social濃醇酒再評価機会奥
Social低アル人気機会きおく
Social地産地消大尊皇
Social熟成酒関心大長期熟成
Technological温度管理最大資産低温熟成
Technological自家精米強み酒米
TechnologicalEC成長直販
Environmental三ヶ根水系最重要水源
Environmental海洋食文化強み食中

⑳ 4P分析

区分現状評価
Product地域酒~高級・濃醇・辛口・甘酒★★★★★
Price日常~1万円超級★★★★★
Place地元・特約店・EC★★★★☆
Promotion米・熟成・地域・世代交代★★★★★

Product

商品構成は非常に広く、

尊王
↓
尊皇
↓
山﨑醸
↓
焚火
↓
奥
↓
幻々
↓
長期熟成
↓
きおく

と多方向へ展開します。


Price

日常晩酌酒から、

幻々雫原酒1.8L・1万円超級までカバーします。


Place

地元流通に加え、

特約店
公式EC
蔵元直売

を持ちます。


Promotion

最大の訴求資産は、

「奥の濃醇」

「幻々の技術」

「尊皇の地域性」

「きおくの世代交代」

です。



㉒ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

海のそばで、時間を醸す。

技術型コピー

造って終わりではない。低温で、旨味を育てる。

奥コピー

濃い。香る。だから、奥。

尊皇コピー

三河の日常に、百年の酒。

幻々コピー

愛知の米を、鑑評会の頂点へ。

焚火コピー

甘くない。それでも旨い。

地域型コピー

三ヶ根の水で醸し、三河湾の魚と飲む。

次世代型コピー

記憶を継ぎ、酒を変える。


㉓ この酒蔵をどう見せるべきか

① 最大の自然資産

三ヶ根山麓伏流水

です。

地下約30m、硬度約26の軟水。


② 最大の技術資産

全量低温貯蔵

です。

1937年から続く思想を、現在も全商品へ適用しています。


③ 最大の商品資産

夢山水十割 奥

です。

18.5度の濃醇原酒という明確な独自性があります。


④ 最大の高級酒資産

幻々

です。

2026年県品評会県組合会長賞、全国新酒鑑評会入賞という品質証明を持ちます。


⑤ 最大の地域酒資産

尊皇

です。

愛知県産米100%で三河の日常食文化に合わせます。


⑥ 最大の地域食資産

三河湾の魚介

です。

「活鱗」の商品思想そのものになっています。


⑦ 最大の未来資産

六代目・山﨑真幸+新ブランド「きおく」

です。

2026年9月、企業の世代交代がブランドとして表面化しました。


㉔ 最終評価

評価軸評価コメント
歴史性4.7/51903年創業
地域性5.0/5西尾・幡豆
海との関係5.0/5三河湾
水資産5.0/5三ヶ根伏流水
原料力5.0/5愛知県産酒米
地域米比率5.0/5非常に高い
自家精米5.0/5品質中核
手造り麹5.0/5完全手造り
低温発酵5.0/5核心
低温貯蔵5.0/5最大差別化
熟成技術5.0/55~12年
吟醸技術4.9/5全国実績
酒質幅5.0/5辛口~濃醇
食中酒力5.0/5海鮮・味噌
燗酒力5.0/5最高金賞
商品力5.0/5多ブランド
ブランド力4.8/5奥・尊皇
高級酒力4.9/5幻々
国内評価4.9/52026全国入賞
地域評価5.0/5県組合会長賞
直販力4.8/5EC+店頭
観光力4.1/5蔵開き型
初心者導入力4.5/5山﨑醸・きおく
世代交代力5.0/5六代目入社
独自性5.0/5低温熟成×多ブランド
成長可能性5.0/5きおく・奥・地域


㉖ 最終結論

山﨑合資会社は、愛知県西尾市西幡豆町柿田57にある、1903年創業の酒蔵です。

三河湾国定公園の海辺に位置し、背後の三ヶ根山麓から流れる伏流水を地下約30mから汲み上げて酒造りを行います。この水は硬度約26の軟水で、柔らかい口当たりを持ちながらわずかなミネラル感を備えています。原料米は夢山水、若水、夢吟香、あいちのかおり、山田錦など愛知県産を強く重視し、「尊皇」では愛知県産米100%、高級酒「幻々」でも愛知県産山田錦へ切り替えるなど、原料から愛知を表現する方向を深めています。

その酒造りを支えるのは、自家精米、10kg単位の限定吸水、手作業による放冷、完全手造り麹、低温発酵、そして全商品低温貯蔵です。1937年から低温貯蔵へ取り組み、本醸造・普通酒のタンクまで真夏でも約15℃、純米酒以上は瓶詰め後10℃以下で年間管理。5年・10年・12年という長期熟成でも過度に褐変させず、まろやかな旨味を引き出す技術へ発展させています。

商品構造も明確です。

「尊皇」は三河地域の地酒として、愛知県産米を使い、辛口・旨味・燗適性を重視。2024年全国燗酒コンテストでは「金盃 尊皇」が最高金賞。「幻々」は高級酒・鑑評会酒として、2026年愛知県新酒品評会で「出品酒 幻々」が県組合会長賞、同年全国新酒鑑評会では「尊皇幻々」が入賞。「奥」は愛知県産夢山水を100%使い、精米60%・18.5度という現代では異例の濃醇な純米吟醸原酒として全国専門酒市場へ定着。「焚火」「活鱗」は若水100%・日本酒度+11級の辛口で、魚介・濃い料理に合わせる。さらに「山﨑醸」は夢吟香などを使う入口ブランド、「一糀」は西尾抹茶や古代米まで取り込む甘酒ブランドとして、飲酒層の外側まで市場を広げています。

そして2026年、山﨑合資会社は大きな転換点へ入りました。

六代目・山﨑真幸氏は、名古屋大学農学部、酒類総合研究所、天領盃酒造での研修を経て2024年に入社。2026年愛知県新酒品評会では杜氏として「出品酒 幻々」を県組合会長賞へ導き、9月11日には新ブランド、

「きおく」

を立ち上げました。

「きおく」は、2016年に急逝した先代・山﨑厚夫氏への思いと、1903年から続く蔵の123年の歴史を未来へつなぐブランドとして誕生。確認できる初期商品では愛知県産夢山水60%、アルコール14度、日本酒度-5という設計で、18.5度の「奥」とは対照的な、軽やかで現代的な方向を見せています。

したがって山﨑合資会社を最も正確に定義するなら、

「明治36年・1903年創業。三河湾国定公園・西尾市幡豆で、三ヶ根山麓の地下約30mから汲み上げる硬度約26の軟水と、夢山水・若水・夢吟香・愛知県産山田錦を、自家精米・10kg単位限定吸水・完全手造り麹・低温発酵・全量低温貯蔵によって醸し、『尊皇』で三河の日常、『幻々』で最高品質、『奥』で濃醇と熟成、『焚火』で辛口、『山﨑醸』で入口を担い、六代目『きおく』によって次世代の低アル・現代酒市場へ進み始めた、“三河湾海辺型・愛知県産米深化型・手造り吟醸型・低温熟成型・多ブランド革新型酒蔵”」

です。

愛知県の有力蔵と比較すると、

関谷醸造=奥三河で米作りから酒・食・体験まで統合する蔵

丸石醸造=「二兎」を軸に甘・酸・旨の現代的均衡を追求する蔵

萬乗醸造=世界のガストロノミー市場で日本酒の価値を高める蔵

中埜酒造=大規模生産と観光・地域流通を両立する総合酒類企業

に対し、

山﨑合資会社=「三河湾の魚介文化と三ヶ根山の水、愛知県産酒米を、昔ながらの手造りと徹底した低温管理・長期熟成で表現しながら、六代目が『奥』から『きおく』へ次の時代をつなぎ始めた酒蔵」

という、非常に明確な独自ポジションを持っています。

山﨑合資会社のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
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山﨑合資会社

山﨑合資会社は、愛知県西尾市西幡豆町で「尊皇」「奥」「幻々」「焚火」「山崎醸」などを醸す、1903年創業・三ヶ根山麓伏流水・愛知県産米・夢山水・若水・山田錦・低温貯蔵・濃醇純米吟醸・辛口燗酒・熟成酒・限定流通・酒蔵見学を強みとする、西三河・幡豆を代表する地酒蔵。

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