小坂酒造場(酒蔵ガイド)

― 清流・長良川の伏流水と美濃の酒米を使い、国重要文化財「小坂家住宅」のうだつの町並みで「百春」を醸す1772年創業の美濃を代表する老舗酒蔵。 ―

① 一行定義

小坂酒造場は、岐阜県美濃市相生町で「百春」「さんやほう」を醸す、1772年創業・長良川伏流水・国重要文化財の小坂家住宅・山田錦・五百万石・美濃錦・無ろ過生原酒・フルーティーさと旨味を強みとする、美濃の歴史と現代酒質をつなぐ老舗酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 岐阜県美濃市相生町2267番地
創業: 1772年
代表者: 小坂善紀
代表ブランド: 百春
別ブランド: さんやほう
地域: 美濃市・うだつの上がる町並み・長良川流域
水: 長良川の伏流水
水の特徴: 有機ミネラルを含む伏流水
主要酒米: 山田錦・五百万石・ひだほまれ・美濃錦など
建築: 小坂家住宅が国指定重要文化財
主力領域: 純米吟醸・無ろ過生原酒・大吟醸・純米・本醸造
特徴: 伝統酒から低アルコール・白麹・生酛まで幅広く展開

👉 “江戸の町家で醸しながら、酒質は現在進行形で進化する蔵。”

小坂酒造場は1772年創業。

蔵があるのは、江戸時代以来の商家が並ぶ美濃市の**「うだつの上がる町並み」**。

現在の主屋「小坂家住宅」は1773年頃の建築とされ、三本の卯建と独特の起り屋根を備える。1979年には国の重要文化財に指定された。

一方、酒造りは古典だけに留まらない。

無ろ過生原酒、直汲み、白麹、生酛、多酸系、低アルコールなどを積極的に展開し、

歴史的建築
→ 長良川の水
→ 美濃の米
→ 伝統酒
→ 現代的な生酒

までを一つの蔵の中で横断している。


③ 味ポジション

香り  :★★★★☆〜★★★★★
甘味  :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ  :★★★★☆
コク  :★★★★☆〜★★★★★

👉 “フルーティーな香りと厚い旨味に、天然ガスや酸を重ねる現代型芳醇酒。”

百春は現在、一つの味に固定されたブランドではない。

定番「百春 純米吟醸」は五百万石などを50%まで磨き、深い香りとコク、やや辛口に仕上げる。

一方、無ろ過生原酒「カラフルフルーティ生」は、

フルーティーな香り
+無ろ過由来の旨味
+天然ガスのチリチリ感

を持ち、洋食やワイングラスまで視野に入れた現代型。

さらに、

白麹
生酛
多酸系
低アルコール

まで展開しており、現在の百春を単純な「淡麗辛口」で括ることはできない。

基本構造は、

豊かな香り
+米の旨味
+酸
+フレッシュ感
+適度なキレ

と整理できる。


④ 強み

① 1772年創業、250年以上の歴史
② 美濃市「うだつの上がる町並み」の中心に立地
③ 主屋「小坂家住宅」が国指定重要文化財
④ 1773年頃建築の歴史的町家を現在も活用
⑤ 清流・長良川の伏流水を仕込みに使用
⑥ 有機ミネラルを含む伏流水による豊かな香味
⑦ 山田錦・五百万石・ひだほまれ・美濃錦など多様な酒米
⑧ 無ろ過生原酒・直汲みを現代の主力領域へ育成
⑨ 白麹・生酛・多酸・低アルコールなど新しい酒質開発
⑩ 関市産美濃錦を農薬・化学肥料不使用で育てる「さんやほう」
⑪ 2026年全国新酒鑑評会「百春」金賞
⑫ 2026年岐阜県新酒鑑評会・純米吟醸酒部門 岐阜県知事賞
⑬ 純米大吟醸から日常本醸造まで幅広い商品構成
⑭ 蔵開き・新酒お披露目会・無料試飲など消費者接点が強い

👉 “250年の歴史を守りながら、酒質だけは固定しない。”

小坂酒造場の最大の特徴は、

建物は歴史資産、酒は実験的

という組み合わせにある。

2026年には全国新酒鑑評会で「百春」が金賞を獲得。さらに岐阜県新酒鑑評会では純米吟醸酒部門で岐阜県知事賞を受賞している。

つまり、

文化財としての価値
+現在の醸造技術

の両方を持っていることが、この蔵の大きな競争力である。


⑤ 向いている人

・岐阜、美濃の地酒を飲みたい人
・フルーティーな日本酒が好きな人
・米の旨味もしっかり欲しい人
・無ろ過生原酒を楽しみたい人
・天然ガス感のある酒が好きな人
・山田錦や五百万石を飲み比べたい人
・地元酒米「美濃錦」に興味がある人
・白麹や生酛など製法違いを楽しみたい人
・低アルコール日本酒にも興味がある人
・純米大吟醸から燗酒まで幅広く飲みたい人
・文化財や古い町並みが好きな人
・酒蔵イベントを楽しみたい人
・地域農業と日本酒の関係に興味がある人

👉 “伝統酒蔵の雰囲気と、現代的な日本酒の両方を楽しみたい人に向く蔵。”

特に百春の現在の魅力は、

クラシックな定番酒

だけでなく、

フルーティー
多酸
白麹
生酛
低アルコール

まで一蔵で比較できることにある。


⑥ 向かない人

・非常に軽い淡麗酒だけを求める人
・無香に近い酒だけを好む人
・昔ながらの定番酒だけを飲みたい人
・生酒や酸味が苦手な人
・極端な超辛口だけを基準に選ぶ人
・商品数が少ない蔵を好む人
・近代的な大型観光酒蔵を期待する人

👉 “一つの味だけを守る蔵より、伝統の上で酒質を広げる蔵を評価する人向け。”

ただし「百春 からくち」のように日本酒度+14の辛口酒や、「美濃之地酒」のような燗向け商品もあり、モダン生酒だけの蔵ではない。


⑦ 商品カテゴリ

■ 百春 純米大吟醸「梲(うだつ)」

小坂酒造場の土地・建築性を最も明確に名前へ落とした純米大吟醸。

山田錦を40%まで精米し、

芳香
+濃醇な旨味
+原酒らしい厚み

を持つ。

👉 “うだつの町で造る酒というブランド物語を、そのまま一本にした最高級酒。”


■ 百春 金賞槽搾り 純米大吟醸

2026年全国新酒鑑評会金賞受賞酒。

富山県産山田錦を100%使用し、40%まで精米。

2026年岐阜県新酒鑑評会でも岐阜県知事賞を獲得している。

👉 “現在の小坂酒造場の醸造技術を象徴する一本。”


■ 斗瓶取り 純米大吟醸

山田錦を高度精米し、醪を酒袋へ入れ、外から圧力をかけず自然に滴る酒を斗瓶へ集める。

雑味を抑え、繊細で透明感のある酒質を狙う鑑評会型商品。


■ 百春 大吟

山田錦を40%まで精米。

淡麗辛口
+高い香り
+原酒の力

を持つ大吟醸。

アルコール17%のしっかりした骨格がある。


■ 百春 純米吟醸

山田錦・五百万石を使用し50%精米。

深い香り
+コク
+やや辛口

という、百春の基本酒質を理解しやすい定番純米吟醸。

👉 “初めて百春を飲むなら、定番側ではこの一本。”


■ カラフルフルーティ生

百春 純米吟醸 無ろ過生原酒 カラフルフルーティ生

搾り機の近くで直接瓶詰めする無ろ過生原酒。

フルーティーな香り
+米の旨味
+天然炭酸ガスの刺激

を持つ。

ワイングラスや洋食との相性も提案されている。

👉 “現在の百春のモダン側を代表する一本。”


■ カラフルトラディショナル生

伝統型酵母を使用する純米吟醸無ろ過生原酒。

-5℃で低温貯蔵し、

落ち着いた香り
+旨味
+天然ガス感

を残す。

和食と合わせやすい現代クラシック型。


■ 白麹仕込み

白麹を使い、

甘酸っぱさ
+しっかりしたボディ
+白ワインを思わせる酸

を表現する新しい百春。

現在は純米吟醸だけでなく純米大吟醸領域まで展開する。


■ 生酛・多酸・低アルコール系

・生酛仕込み
・多酸G
・FRAISE
・DOLCE
・KIREI
・シックスシックスROCK

などを展開。

フルーティー、酸、低アルコール、伝統酵母など、日本酒の味覚レンジを積極的に広げている。

👉 “250年の老舗とは思えないほど、実験性の高い商品領域。”


■ さんやほう

関市黒屋産の「美濃錦」を使用する純米吟醸。

田植え以降、農薬と化学肥料を使わず育てた米を原料にする。

濃醇旨口
+地域米
+農業参加

を特徴とする。

👉 “酒を造る前の田んぼから、消費者と地域をつなぐブランド。”


■ 百春 純米上撰

五百万石・ひだほまれを60%まで精米。

すっきりした飲み口と米の味を持つ、やや辛口の特別純米酒。


■ 百春 吟・吟生・大吟生

百春 吟
→ 芳醇な香味と爽やかな後味。

吟生
→ 低温生貯蔵によるフレッシュな吟醸酒。

大吟生
→ 山田錦・五百万石を50%まで精米し、低温生貯蔵した淡麗型大吟醸。


■ 百春 からくち

日本酒度+14。

単に辛いだけでなく、味幅を残すことを狙った辛口普通酒。

👉 “モダンな百春とは逆側にある、地元晩酌向けの明快な辛口。”


■ 百春 美濃之地酒

岐阜県産米を使う特別本醸造。

冷やではきめ細かく、燗ではキリッと締まる燗上がり型。

地域の日常酒として重要な位置を占める。


■ 季節酒・しぼりたて

・純米中汲みしぼりたて
・新酒しぼりたて 蔵出し原酒
・ひやおろし
・蔵開き限定酒
・無ろ過生原酒各種

など。

新酒しぼりたて蔵出し原酒はアルコール18%の濃醇辛口で、ロックやカクテルにも対応する。

👉 “定番・大吟醸・生酒・酸系・燗酒まで、非常に広い商品構成を持つ。”


⑧ 飲み方

冷酒    :◎◎
常温    :◎
ぬる燗   :◎◎
熱燗    :◎
ワイングラス:◎◎
食中酒   :◎◎
生酒    :◎◎

👉 無ろ過生原酒は冷酒・ワイングラス、定番純米は常温〜燗。本醸造は燗で良さが出る。

■ 料理との合わせ方

梲 純米大吟醸
→ 飛騨牛、鴨、鮎、上質な和食

金賞純米大吟醸
→ 白身魚、鮎、寿司、会席料理

百春 大吟
→ 刺身、鮎、天ぷら、前菜

百春 純米吟醸
→ 焼魚、鶏料理、出汁料理

カラフルフルーティ生
→ チーズ、洋食、前菜、鶏料理

カラフルトラディショナル生
→ 寿司、焼魚、和食

白麹仕込み
→ 魚介マリネ、チーズ、洋食

さんやほう
→ 山菜、川魚、野菜料理、発酵食

純米上撰
→ 鮎の塩焼き、煮物、鍋

美濃之地酒
→ 味噌料理、焼魚、家庭料理

美濃・岐阜なら、

鮎
飛騨牛
鶏ちゃん
朴葉味噌
漬物ステーキ
川魚
山菜
豆腐
美濃野菜

などとの組み合わせが分かりやすい。

👉 “長良川の水で醸した酒を、長良川の鮎と合わせる。”

百春を土地に最も近い形で理解できる組み合わせである。


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか   ← ○ → ◎ 華やか
淡麗    ← ○ → ◎ 芳醇
辛口    ← ◎ → ◎ 甘酸
軽快    ← ◎ → ◎ コク
定番酒   ← ◎ → ◎ 無ろ過生原酒
地域酒   ← ◎ → ○ 全国評価
歴史建築  ← ◎ → ◎ 現代酒質

👉 “国重要文化財の町家で、伝統酒から最先端の生酒まで醸す『歴史×革新』型酒蔵。”

小坂酒造場を最も特徴づけるのは、

古い蔵だから古い酒を造る

という構造ではないこと。

むしろ、

長良川
→ 伏流水
→ 美濃の町
→ 1772年創業
→ 国重要文化財・小坂家住宅
→ 百春
→ 無ろ過生原酒
→ 白麹・生酛・多酸
→ 現代的日本酒

という時間軸の長さに強みがある。

さらに「さんやほう」では、関市産美濃錦をサポーターとともに農薬・化学肥料を使わず育てることで、地域農業までブランド領域を広げている。

つまり小坂酒造場は、

“江戸時代の建物で、令和の日本酒を造る蔵”

と位置づけると最も分かりやすい。


■ コピー

メイン

「うだつの町で、二百五十年。美濃『百春』。」

サブ

岐阜県、美濃。

清流、長良川。

山から流れた水が、
大地へ染み込み、

町の地下へ届く。

1772年。

小坂家は、
この土地で酒を醸し始めた。

翌年頃に建てられた町家は、

今も残る。

屋根には、

うだつ。

一つではない。

三本。

美濃の町並みの中でも、
ひときわ目を引く。

今では、

国の重要文化財。

その建物の奥で、
酒は今も造られている。

酒の名は、

百春。

百たびの春。

酒を楽しみながら、
健やかに、

何度も春を迎えてほしい。

そんな願いを、
名前に込めた。

けれど、

酒造りは
昔のままではない。

山田錦。

五百万石。

ひだほまれ。

美濃錦。

米を変える。

酵母を変える。

麹を変える。

白麹。

生酛。

多酸。

低アルコール。

そして、

無ろ過生原酒。

搾った酒を、

すぐに瓶へ。

香り。

旨味。

コク。

酵母が生んだガスまで、
閉じ込める。

江戸の町家から、

フルーティーな酒が生まれる。

一方で、

純米。

大吟醸。

本醸造。

燗酒。

昔ながらの酒も、
きちんと残す。

2026年。

百春は、

全国新酒鑑評会で金賞。

岐阜県新酒鑑評会では、

純米吟醸酒部門
岐阜県知事賞。

二百五十年を超えて、

まだ酒は変わる。

小坂酒造場は、

古い酒蔵ではない。

古い町家の中で、
新しい日本酒を醸し続ける蔵である。


■ 結論

長良川の伏流水と美濃の米を受け、1772年創業の小坂酒造場は「百春」を醸し続ける。
うだつの町家に宿る歴史を守りながら、無ろ過生原酒や白麹、生酛で新たな酒の表情を拓く。
古きを礎に、酒は進化する――それが、百春の春である。

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イメージ 酒蔵 説明 リンク
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小坂酒造場

小坂酒造場は、岐阜県美濃市相生町で「百春」「さんやほう」を醸す、1772年創業・長良川伏流水・国重要文化財の小坂家住宅・山田錦・五百万石・美濃錦・無ろ過生原酒・フルーティーさと旨味を強みとする、美濃の歴史と現代酒質をつなぐ老舗酒蔵。

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