東春酒造(酒蔵ガイド)
― 名古屋・守山の善光寺街道筋で、木曽川水系の伏流水と山田錦・夢吟香・五百万石を生かし、「東龍」を醸す1865年創業の老舗酒蔵。自家精米と手造りを基本に、昔ながらの山廃仕込みを守りながら、純米大吟醸から貴醸酒まで“コク・旨味・キレ”を軸に展開する名古屋の伝統型実力蔵。 ―

① 一行定義
東春酒造は、愛知県名古屋市守山区瀬古東で「東龍」を醸す、1865年創業・木曽川水系伏流水・自家精米・山田錦・夢吟香・五百万石・山廃仕込み・手造り麹・純米大吟醸・貴醸酒・地域密着を強みとする、名古屋を代表する伝統型酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 愛知県名古屋市守山区瀬古東三丁目1605番地
会社名: 東春酒造株式会社
創業: 元治2年・1865年
代表者: 佐藤 幸彦
代表銘柄: 東龍
旧銘柄: 菅公
創業時屋号: 龍田屋
創業者: 佐藤 東兵衛
地域: 名古屋市守山区・善光寺街道筋
水: 木曽川水系の伏流水
主要酒米: 山田錦・夢吟香・五百万石など
製法: 自家精米・手造り・山廃仕込み
主力酒質: 純米大吟醸・大吟醸・純米吟醸・純米酒・本醸造・貴醸酒
酒質思想: コク・旨味・キレ・華やかな香り
アクセス: JR中央本線「新守山駅」から徒歩約16分
蔵見学: 予約制で案内
駐車場: 5台
事業内容: 日本酒製造
👉 “昔ながらの山廃を守りながら、日常で飲み続けられる『うまい酒』を造る蔵。”
東春酒造は1865年、創業者・佐藤東兵衛が、名古屋城の櫓建造用として予定されていた材木を譲り受け、善光寺街道筋に酒蔵を建てたことから始まった。
屋号は「龍田屋」。
当初の酒銘は「菅公」だったが、後に創業者・東兵衛の「東」と、屋号・龍田屋の「龍」を合わせ、
「東龍」
と命名された。
現在も、
自家精米
+手造り
+山廃酒母
+木曽川伏流水
を酒造りの中核に置く。
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ :★★★★★
コク :★★★★☆〜★★★★★
👉 “米の旨味とコクをしっかり持たせ、最後はキレでまとめる『濃醇爽快』型。”
東春酒造が公式に掲げる東龍の基本は、
コク
+キレ
+米の旨味
である。
木曽川水系の伏流水を使い、山田錦・夢吟香・五百万石などの酒米と、長年選び抜いてきた酵母を組み合わせる。さらに、機械化を進めすぎず、麹など重要工程は手造りを守る。
特に山廃酒では、
酸
+アミノ酸
+厚い旨味
+力強いコク
+爽快なキレ
が明確になる。
一方、純米大吟醸では、
爽涼な香り
+高い透明感
+冴えた後味
へ大きく振れる。
つまり東龍は、
クラシックな旨味酒と、現代的な吟醸酒の両方を持つ蔵
と考えると分かりやすい。
④ 強み
① 1865年創業、160年以上の歴史
② 名古屋市内に残る貴重な老舗酒蔵
③ 善光寺街道筋という歴史的立地
④ 名古屋城由来の材木で創業蔵を建てた歴史
⑤ 木曽川水系伏流水を仕込み水に使用
⑥ 山田錦・夢吟香・五百万石を使い分ける
⑦ 自家精米による原料管理
⑧ 麹造りなど重要工程を手造りで維持
⑨ 昔ながらの山廃仕込みを現在も継承
⑩ 山廃純米「佐藤東兵衛」に創業者名を残す
⑪ 山田錦35%精米の純米大吟醸「玲瓏」
⑫ 「龍の舞」がワイングラスでおいしい日本酒アワード2023最高金賞
⑬ 貴醸酒まで展開する商品開発力
⑭ 純米大吟醸から本醸造まで幅広い商品構成
⑮ 2026年愛知県新酒品評会・純米酒の部で「東龍」が県組合会長賞
⑯ 蔵開き・酒蔵コンサート・講談会など文化イベントを展開
⑰ 日常酒を重視する明快なブランド思想
👉 “山廃という伝統技術を、古さではなく『コク・旨味・キレ』という味の価値へ変えている。”
2026年愛知県新酒品評会では、「東龍」が純米酒の部で県組合会長賞を受賞。杜氏は安藤辰弥と公表されている。
また、純米吟醸「龍の舞」は、ワイングラスでおいしい日本酒アワード2023で最高金賞を受賞している。
東春酒造の強さは、
昔ながらの山廃酒
と
現代的な吟醸酒
を同じ「東龍」の中で両立していることにある。
⑤ 向いている人
・名古屋の地酒を飲みたい人
・山廃仕込みに興味がある人
・米の旨味がしっかりした酒が好きな人
・コクがありながらキレる酒を好む人
・山田錦の純米大吟醸を楽しみたい人
・冷酒だけでなく燗酒も楽しみたい人
・昔ながらの酒造技術を評価する人
・華やかな純米吟醸も飲みたい人
・貴醸酒を試してみたい人
・名古屋めしと日本酒を合わせたい人
・少量でも個性の違う酒を飲み比べたい人
・酒蔵見学や蔵開きを楽しみたい人
・地域文化イベントに興味がある人
👉 “淡麗一辺倒ではなく、旨味・酸・コク・キレをしっかり感じたい人向け。”
東龍は、
玲瓏
→ 透明感・高級吟醸
龍の舞
→ 清涼感・純米吟醸
佐藤東兵衛
→ 山廃・旨味・燗
龍田屋
→ 純米・伝統
貴醸酒
→ 甘味・熟成感
と、酒質の幅が広い。
⑥ 向かない人
・超軽快な低アルコール酒だけを求める人
・酸味のない酒だけを好む人
・甘口フルーティー酒だけを追う人
・極端な無濾過生原酒だけを求める人
・山廃特有の旨味や酸が苦手な人
・大型観光施設型の酒蔵を期待する人
・商品を一つの味に統一した蔵を好む人
👉 “軽さだけではなく、米・酸・旨味の厚みを評価する人向け。”
東春酒造は、
山廃
という強い伝統軸と、
吟醸
という華やかな軸を併せ持つ。
一方向に味を固定したブランドではない。
⑦ 商品カテゴリ
■ 東龍 純米大吟醸 玲瓏
東春酒造を代表する最高峰。
使用米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール:15〜16%
特徴は、
爽涼な香り
+高い透明感
+冴えある味わい
+上品な余韻
である。
👉 “山廃の蔵が造る、最も繊細で透明な東龍。”
■ 東龍 純米大吟醸 玲瓏 生酒
「玲瓏」の生酒タイプ。
使用米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール:15〜16%
火入れを行わず、
爽涼な香り
+フレッシュさ
+冴え
+若々しい透明感
をより直接的に楽しむ。
👉 “玲瓏の透明感に、生酒の鮮度を重ねた一本。”
■ 東龍 大吟醸 龍や
東春酒造の上位大吟醸。
吟醸造りの技術を集中し、
華やかな香り
+繊細さ
+きれいなキレ
を軸に仕上げる。
👉 “東龍の華やかな吟醸側を代表する一本。”
■ 東龍 純米吟醸 龍の舞
現在の東龍を理解するうえで非常に重要な一本。
精米歩合:50%
アルコール:15〜16%
特徴は、
キリッと引き締まった飲み口
+清涼感
+爽快な後味
である。
2023年、
ワイングラスでおいしい日本酒アワード 最高金賞。
👉 “山廃の濃醇さとは反対側にある、爽快な東龍。”
■ 東龍 吟醸 和な
東龍の吟醸ライン。
穏やかな香りと、
すっきりした飲み口
+食事との合わせやすさ
を重視する。
👉 “日常の食卓でも選びやすい吟醸酒。”
■ 東龍 山廃純米酒 佐藤東兵衛
東春酒造を象徴する一本。
使用米:山田錦
精米歩合:65%
アルコール:15〜16%
創業者・佐藤東兵衛の名を冠する。
山廃酒母を速醸酒母の倍以上の時間をかけて育て、
酸
+アミノ酸
+濃醇な旨味
+爽快なキレ
を引き出す。
冷酒・常温・ぬる燗まで対応。
👉 “東春酒造の歴史・技術・味を一本で理解できる代表酒。”
■ 東龍 特別純米酒 龍田屋
創業時の屋号「龍田屋」を冠する特別純米。
東春酒造の歴史を現在の純米酒へ残す商品で、
米の旨味
+穏やかな香り
+食中性
を中心にする。
👉 “創業時の名前を現代へつなぐ、歴史型純米酒。”
■ 東龍 純米酒 龍瑞
東龍の日常純米酒。
純米酒らしい、
米の旨味
+柔らかなコク
+飲み飽きしにくさ
を重視する。
👉 “毎日の食卓で東龍の米の旨味を楽しむ一本。”
■ 東龍 山廃仕込み 秘蔵
山廃仕込みを本醸造領域で楽しむ商品。
山廃ならではの、
厚み
+旨味
+酸
+燗上がり
を生かす。
👉 “山廃酒をより日常の晩酌へ近づけた一本。”
■ 東龍 本醸造 舞
東龍の日常酒を支える本醸造。
軽快さを持ちながら、
米の旨味
+キレ
+燗適性
を残す。
👉 “毎日飲むための東龍。”
■ 東龍 本醸造 初しぼり 心
冬期限定のしぼりたて。
新酒らしい、
フレッシュさ
+若々しい香り
+軽快な旨味
を楽しむ。
👉 “一年の酒造りの始まりを味わう冬の東龍。”
■ 東龍 本醸造 にごり酒
冬期限定。
にごり由来の、
米の甘味
+柔らかな旨味
+濃厚な口当たり
を楽しめる。
👉 “普段の東龍より、米の厚みを直接感じる季節酒。”
■ 東龍 貴醸酒
東春酒造の商品構成で特に特徴的な一本。
仕込水の一部を酒へ置き換えて仕込む貴醸酒。
アルコール:17〜18%
特徴は、
レーズンを思わせる甘味
+深いコク
+熟成感
+濃厚な余韻
である。
👉 “辛口・山廃だけではない、東龍の甘美な別世界。”
■ 東龍 梅酒
日本酒蔵としての技術を生かした梅酒。
日本酒を普段飲まない層にも、
東龍ブランドへ入る入口
を広げる商品。
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :◎
ワイングラス:◎◎
生酒 :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 玲瓏・龍の舞は冷酒、佐藤東兵衛・龍田屋は常温〜ぬる燗。東龍は酒質ごとに温度を変えると本領が見える。
■ 料理との合わせ方
純米大吟醸 玲瓏
→ 白身魚、寿司、天ぷら、会席料理
龍の舞
→ 刺身、魚介、冷菜、鶏料理
佐藤東兵衛
→ どて煮、味噌おでん、鰻、煮物
龍田屋
→ 焼魚、豆腐、煮物、鍋
龍瑞
→ 日常の家庭料理、焼鳥、魚料理
山廃仕込み 秘蔵
→ 味噌料理、肉料理、鍋、燗酒料理
貴醸酒
→ ブルーチーズ、ナッツ、ドライフルーツ、デザート
名古屋なら、
味噌煮込みうどん
どて煮
味噌おでん
手羽先
名古屋コーチン
ひつまぶし
きしめん
鰻
煮魚
豆腐料理
との組み合わせが分かりやすい。
👉 “山廃のコクで名古屋の濃い味を受け止め、キレで次の一口へつなぐ。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか ← ○ → ◎ 華やか
淡麗 ← ○ → ◎ 濃醇
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快 ← ○ → ◎ コク
速醸 ← ○ → ◎ 山廃
高級酒 ← ◎ → ◎ 日常酒
地域密着 ← ◎ → ○ 全国評価
👉 “木曽川伏流水・自家精米・山廃・手造りを核に、吟醸から貴醸酒まで広げる『名古屋山廃伝統型』酒蔵。”
これまで整理した愛知県の蔵と比較すると、
関谷醸造・蓬莱泉
=「奥三河・農業・夢山水・純米大吟醸・総合酒文化」
丸石醸造・二兎
=「岡崎・酒米比較・二律背反・モダン純米」
山﨑合資会社・尊皇/奥/幻々
=「西尾・愛知米・濃醇・辛口・熟成」
清洲桜醸造・鬼ころし/祥鳳
=「清洲・全国大量流通・日常酒・総合酒類」
神の井酒造・神の井
=「大高・熱田神宮・少人数手造り・地域密着」
金虎酒造・金虎/虎変
=「名古屋・越後流・淡麗・伝統×革新」
東春酒造・東龍
=「守山・木曽川伏流水・自家精米・山廃・コク・旨味・キレ」
と整理できる。
東春酒造のブランド構造は、
善光寺街道
→ 1865年創業
→ 龍田屋
→ 佐藤東兵衛
→ 木曽川伏流水
→ 自家精米
→ 手造り麹
→ 山廃酒母
→ 東龍
→ 日常の食卓
という、非常に歴史と技術が直結した構造を持つ。
さらに、
玲瓏
では高精白・透明感、
龍の舞
では清涼感、
佐藤東兵衛
では山廃の濃醇さ、
貴醸酒
では甘味と熟成感、
まで幅を広げている。
つまり東春酒造は、
“昔ながらの山廃を守る古い蔵”
ではない。
“山廃という伝統技術を核にしながら、現代の日常に合う酒へ磨き続ける蔵”
と評価するのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「山廃を守り、旨味を磨く。名古屋『東龍』。」
サブ
名古屋・守山、善光寺街道筋に佇む東春酒造。その歴史は1865年、佐藤東兵衛が築いた酒蔵「龍田屋」から始まります。創業者の「東」と屋号の「龍」を受け継ぎ、銘酒「東龍」は生まれました。
木曽川の伏流水、山田錦・夢吟香・五百万石。自家精米と手造りの麹、そして時間をかけて育てる山廃仕込み。酸とアミノ酸が織りなす深いコクと旨味を、清らかなキレへと昇華させています。
山廃の力強さを宿す「佐藤東兵衛」、山田錦を35%まで磨いた「玲瓏」、清涼感あふれる「龍の舞」、奥行きある甘味を楽しむ貴醸酒。伝統を礎に、東龍は多彩な表情を見せます。
守るのは、昔ながらの技。目指すのは、今の食卓に自然に寄り添う酒。家族と、仲間と、料理とともに、もう一杯。
伝統は深く。
味わいは豊かに。
日々に、東龍。
■ 結論
1865年、善光寺街道に龍田屋の酒蔵が立ち、名古屋の風土に東龍の物語が始まった。
木曽川の伏流水と磨かれた米、手造りの麹が、静かに一滴へ重なる。
山廃の時間は、深いコクと旨味を育て、最後に澄んだキレを残す。
玲瓏の香り、龍の舞の冴え、佐藤東兵衛の力強さが、杯ごとに時代をつなぐ。
伝統を現代の食卓へ――東龍は、名古屋の日常に生き続ける。
東春酒造のテロワールを味わう👇
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東春酒造 |
東春酒造は、愛知県名古屋市守山区瀬古東で「東龍」を醸す、1865年創業・木曽川水系伏流水・自家精米・山田錦・夢吟香・五百万石・山廃仕込み・手造り麹・純米大吟醸・貴醸酒・地域密着を強みとする、名古屋を代表する伝統型酒蔵。 |

