後藤酒造場(酒蔵企業分析)

― 大正6年・1917年創業。木曽三川の河口域と鈴鹿山脈・養老山地・伊勢湾に囲まれた三重県桑名市赤尾で、家族経営・蔵元杜氏による小規模手造りを続ける酒蔵。三重県産山田錦・神の穂、三重県酵母を使い、「米の持つ豊かな旨み」を酒造りの中心に据え、「青雲」「久波奈」「颯」「かれがわ」を展開。2025年度全米日本酒歓評会では「颯 純米吟醸 神の穂」が金賞、「青雲 純米大吟醸」が銀賞、2026年全国新酒鑑評会では「青雲」が金賞を獲得した、“桑名久米郷型・家族経営蔵元杜氏型・地域米酵母活用型・小仕込み旨味重視型・地酒深化型酒蔵” ―

※本稿は2026年9月時点で確認できる後藤酒造場公式、日本酒造組合中央会、全国新酒鑑評会、Kura Master、全米日本酒歓評会等の公開情報を基に整理しています。正式法人名は合資会社後藤酒造場です。


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

三重県桑名市大字赤尾1019。

桑名市西部、

「久米の里」

で酒を醸すのが、

合資会社後藤酒造場

です。

創業は、

大正6年・1917年。

初代、

後藤宗左衛門

が、廃業する酒蔵を買い取り創業しました。

現在は四代目、

後藤悦夫氏

が蔵元杜氏を務めます。

2005年から当代として酒造りを担い、創業以来、

家族経営の小さな酒蔵

という企業形態を守り続けています。

代表銘柄は、

「青雲」

です。

その他、

「久波奈」

「颯」

「かれがわ」

などを展開しています。

一行定義

「大正6年・1917年創業。古代の醸造民『味酒臣』伝承が残る桑名・久米の里で、家族経営・蔵元杜氏による小規模手造りを続け、三重県産山田錦・神の穂・三重県酵母を使い、“米の持つ豊かな旨み”を第一に、『青雲』『久波奈』『颯』を醸す、“桑名久米郷型・家族経営蔵元杜氏型・地域米酵母活用型・小仕込み旨味重視型酒蔵”」


② 結論・企業ポジション

後藤酒造場最大の企業価値は、

「規模を追わず、米・地域・人の距離を近く保っていること」

です。

後藤酒造場は大規模設備型ではありません。

公式自身が、

「創業以来、家族経営の小さな酒蔵」

と説明しています。

そのため酒造りも、

大量生産
ではなく、

少量・手造り・商品ごとの細かな設計

が中心です。

企業構造を整理すると、

青雲=蔵の本流・品質象徴

久波奈=桑名・地域性

颯=現代的酒質・酒米表現

かれがわ=地域性を深掘る酒

という役割分担が見えてきます。

さらに近年の品質評価も強く、

2025年度全米日本酒歓評会では、

「颯 純米吟醸 神の穂」=金賞

「青雲 純米大吟醸」=銀賞

2026年全国新酒鑑評会では、

「青雲」=金賞

となっています。

評価軸内容
正式法人名合資会社後藤酒造場
所在地三重県桑名市大字赤尾1019
創業1917年・大正6年
法人設立1955年
初代後藤宗左衛門
現当主後藤悦夫
経営家族経営
杜氏蔵元杜氏
主力ブランド青雲
地域ブランド久波奈
現代ライン颯
その他かれがわ
酒造理念米の豊かな旨みを第一にする
地域桑名・久米の里
原料米三重県産山田錦・神の穂等
酵母三重県酵母等
高級酒青雲 純米大吟醸・大吟醸
地域酒久波奈 特別純米
現代酒颯 純米吟醸
熟成酒古而醇醴
2026全国新酒鑑評会青雲・金賞
2025全米日本酒歓評会颯 神の穂・金賞
2025全米日本酒歓評会青雲 純米大吟醸・銀賞
Kura Master複数年受賞
経営本質小規模・家族・地域密着
本質桑名の米旨を小仕込みで磨く酒蔵

③ 基本情報

項目内容
法人名合資会社後藤酒造場
所在地〒511-0934 三重県桑名市大字赤尾1019
TEL0594-31-3878
FAX0594-31-8606
創業1917年
法人設立1955年
販売責任者後藤悦夫
主銘柄青雲・久波奈
その他颯・かれがわ
事業清酒製造・販売
営業時間9:00~17:00
定休日土曜・日曜・祝日
直売あり
EC公式通販あり
蔵見学要予約
所在地域桑名市赤尾・久米地区

日本酒造組合中央会の2025年名簿でも、後藤酒造場は桑名市赤尾1019、創業1917年、代表銘柄「青雲」「久波奈」と掲載され、蔵見学は要予約とされています。


④ 歴史・企業沿革

1. 1917年 ― 創業

大正6年。

初代、

後藤宗左衛門

が35歳の時、桑名西部・久米の里にあった酒蔵が廃業することを知り、

その酒蔵を買い取って創業

しました。


2. 「青雲」を継承

買い取った酒蔵では、

「青雲」

という銘柄が古くから使われていました。

そのため後藤宗左衛門は、

酒蔵とともに酒名も継承

しました。


3. 青雲の酒名

公式では、

持統天皇が天武天皇を悼んだ万葉集の挽歌にある、

「青雲」

から名付けられたと伝わる一方、

真偽は不明

としています。


4. 二代目・後藤宗義

二代目時代の、

1955年・昭和30年

に法人化。

合資会社後藤酒造場

となりました。


5. 三代目・後藤宗敏

三代目を経て、

家族経営を継続。


6. 2005年 ― 四代目

後藤悦夫氏

が四代目として当代となり、

蔵元杜氏

として酒造りを担います。


7. 純米系の深化

「久波奈」「颯」など、

地域米・純米系を中心とした商品構造を強化。


8. 国際コンクール

2018年以降、

Kura Masterで、

青雲 純米大吟醸

颯 純米吟醸 神の穂

などが継続受賞。


9. 2025年

全米日本酒歓評会で、

颯 純米吟醸 神の穂=金賞

青雲 純米大吟醸=銀賞

となりました。


10. 2026年

令和7酒造年度全国新酒鑑評会で、

青雲=金賞。

歴史の本質

「酒蔵と銘柄を引き継いだ初代から、家族4代で酒質を磨き続けてきた蔵」

です。


⑤ 自然環境・水・テロワール

後藤酒造場のテロワールを理解する中心地は、

桑名・久米の里

です。

桑名市は、

木曽川
長良川
揖斐川

からなる木曽三川河口域に位置し、

西に鈴鹿山脈、

北に養老山地、

東に伊勢湾があります。


久米の里

酒蔵のある赤尾周辺は、

員弁川・町屋川流域

に位置します。

この川は鈴鹿山地に源を発し、

伊勢湾へ流れます。


米の集積地・桑名

桑名は古くから、

米の交易港

として繁栄しました。

尾張・美濃・伊勢の穀倉地帯を背景に、

木曽三川と伊勢湾の水運を通じ、

大量の米が集まりました。

これは後藤酒造場にとって非常に重要です。

この蔵は、

米の旨み

を酒造りの中心に置いているからです。


古代醸造文化

公式では久米の里について、

壬申の乱以後、

古代朝廷の醸造に従事した、

「味酒臣」

が移り住み、

酒・味噌などの醸造技術を伝えた地域と説明しています。

歴史的伝承を含む説明ですが、

「桑名西部=古くから発酵文化と結び付いた地域」

というブランド資産になります。

テロワール構造

鈴鹿山脈
↓
員弁川・町屋川
↓
久米の里
↓
米
↓
醸造文化
↓
桑名
↓
青雲・久波奈

です。

本質

「米の物流都市・桑名と、古い醸造伝承を持つ久米の里で、米旨を酒へ変える蔵」

です。


⑥ 原料米・農業戦略

後藤酒造場の原料戦略は、

三重県産米を中心に地域性を出すこと

です。

主な酒米は、

山田錦

神の穂

です。


山田錦

青雲の高級ラインで中心となる原料です。

青雲 純米大吟醸

三重県産山田錦100%

精米40%

三重県酵母で仕込み、

華やかな果実香と柔らかな米旨を表現します。


青雲 大吟醸

三重県産山田錦100%

精米40%

日本酒度+6前後。

一冬の生産量が少なく、

限定的な高級商品

です。


神の穂

三重県が開発した酒造好適米。

「颯 純米吟醸 神の穂」の核となります。

精米歩合は、

55%。

穏やかな吟醸香と、

切れのある膨らみ

が特徴です。


久波奈

久波奈特別純米は、

三重県産山田錦・神の穂

を55%まで磨き、

三重県酵母で仕込んでいます。

原料戦略の本質

山田錦=高級酒

神の穂=三重らしさ

三重県酵母=地域発酵

です。


⑦ 酒造技術・製造思想

後藤酒造場の酒造思想は、

「米の持つ豊かな旨みを第一にする」

です。

公式挨拶でも、

酒造りの中心として明記されています。


1. 手造り

日本酒造組合中央会の蔵元紹介でも、

手造りにこだわる

ことを明確にしています。


2. 低温長期もろみ

久波奈特別純米では、

低温長期もろみ

を採用。

米旨を残しつつ、香りと雑味を整えます。


3. 高精白

大吟醸・純米大吟醸では、

40%精米

まで磨きます。


4. 袋吊り

青雲大吟醸では、

袋吊り雫酒

も製造。

酒袋から圧力をかけずに自然に落ちる酒だけを集めます。


5. 中取り

さらに、

中取り

部分を使い、

雑味の少ない酒質を狙います。


6. 無濾過原酒

袋吊り雫酒は、

無濾過原酒

として瓶詰めし、低温熟成します。


7. 山廃

青雲・颯では、

山廃純米

も展開。

現代的吟醸だけでなく、

乳酸発酵由来の旨味・酸を活かす商品も持ちます。


技術 → 酒質

三重県産米
+
手造り
+
低温長期もろみ
+
高精白
+
袋吊り
+
無濾過
↓
穏やか~華やかな香り
↓
柔らかな入口
↓
米の旨味
↓
ふくらみ
↓
クリアな後口

です。


⑧ ブランド構造

後藤酒造場は、

複数銘柄を役割ごとに使い分ける小規模多ブランド型

です。

ブランド役割
青雲蔵の本流・高級・伝統
久波奈桑名・地域酒
颯現代・酒米表現
かれがわ地域性・個性
古而醇醴長期熟成・古酒

青雲

企業母艦。

大吟醸・純米大吟醸・山廃純米・辛口など、

蔵の中心商品を幅広く持ちます。


久波奈

「桑名」の古称・読みにつながる地域性が強く、

地域食中酒

を担います。


颯

より現代的な商品ライン。

神の穂や山田錦を使い、

酒米・製法ごとの個性を明確にします。


古而醇醴

熟成酒。

Kura Master古酒部門でも評価されています。

ブランド構造の本質

青雲=歴史

久波奈=桑名

颯=現代

古而醇醴=時間

です。


⑨ 商品ポートフォリオ

1. 青雲 純米大吟醸

  • 三重県産山田錦100%
  • 精米40%
  • 16.2%
  • 日本酒度+2
  • 酸度1.3

華やかな果実香

柔らかな米旨

が特徴です。


2. 青雲 大吟醸

  • 三重県産山田錦100%
  • 精米40%
  • 16.2%
  • 日本酒度+6
  • 酸度1.2

甘い果実を思わせる香り、

爽やか

柔らかい

上品

クリア

な酒質です。


3. 青雲 大吟醸 袋吊り雫酒 中取り無濾過原酒

  • 三重県産山田錦100%
  • 精米40%
  • 18度
  • 日本酒度+6
  • 酸度1.3

圧力をかけず自然に垂れた酒を集め、

原酒のまま瓶火入れ・低温熟成します。

後藤酒造場の最高技術商品

の一つです。


4. 久波奈 特別純米

  • 三重県産山田錦・神の穂
  • 精米55%
  • 日本酒度+2
  • 酸度1.3

ベリー系の落ち着いた香り

芳醇

優しい口当たり

が特徴です。


5. 久波奈 特別純米 無濾過生酒

三重山田錦55%。

無濾過で瓶詰めし、

穏やかなベリー香

ふくらみある旨味

を楽しむ限定酒です。


6. 颯 純米吟醸 神の穂

  • 神の穂
  • 精米55%
  • 16%
  • 日本酒度+2
  • 酸度1.4

落ち着いた吟香

切れのある膨らみ

が特徴です。


7. 颯 純米吟醸 山田錦

山田錦の旨味を現代的に表現する純米吟醸。


8. 颯 山廃純米 山田錦

山廃酒母による、

旨味・酸・コク

を強めたタイプです。


9. 青雲 山廃純米

名古屋国税局酒類鑑評会で優等賞対象となった実績があります。


10. 青雲 辛口

日常食中酒の役割を担う定番酒です。


11. かれがわ

後藤酒造場公式が「青雲」「久波奈」と並び製造銘柄として掲げる、

地域性の強い商品

です。


12. 青雲 古酒 古而醇醴

Kura Master2023、

古酒部門 金賞

です。


⑩ 味わい・酒質ポジション

後藤酒造場の酒質を一言で表すなら、

「柔旨・芳醇・切れ」

です。

公式は、

米の持つ豊かな旨み

を第一に掲げています。

青雲大吟醸では、

華やかな香り

クリア

切れのあるコク

久波奈では、

ベリー系の穏やかな香り

柔らかな旨味

颯では、

落ち着いた吟香

膨らみ

切れ

という表現になります。

味覚軸評価
香り★★★★☆
果実香★★★★☆
米旨★★★★★
甘味★★★☆☆
酸★★★☆☆
ふくらみ★★★★★
柔らかさ★★★★★
透明感★★★★☆
コク★★★★☆
キレ★★★★★
食中適性★★★★★
冷酒適性★★★★★
常温適性★★★★★
燗適性★★★★☆
初心者適性★★★★☆

酒質定義

「桑名型・柔旨芳醇食中酒」

です。


⑪ 品質評価・受賞実績

2026 全国新酒鑑評会

令和7酒造年度、

「青雲」=金賞。

三重県では12点が入賞し、そのうち7点が金賞でした。


2025 全米日本酒歓評会

颯 純米吟醸 神の穂=金賞

青雲 純米大吟醸=銀賞。


2024 全米日本酒歓評会

颯 純米吟醸 神の穂=金賞。


Kura Master

青雲 純米大吟醸

  • 2018年 プラチナ賞・上位12銘柄
  • 2019年 金賞
  • 2023年 金賞
  • 2024年 金賞

颯 純米吟醸 神の穂

  • 2018年 金賞
  • 2019年 金賞
  • 2020年 プラチナ賞・上位18銘柄
  • 2021年 金賞
  • 2022年 金賞
  • 2025年 金賞

颯 純米吟醸 神々の黄昏

  • 2020年 プラチナ賞
  • 2025年 プラチナ賞

古而醇醴

  • 2023年 古酒部門 金賞

名古屋国税局酒類鑑評会

2020年度、

青雲 山廃純米

が三重県の優等賞銘柄として掲載されています。


品質評価の本質

後藤酒造場の強さは、

高級大吟醸だけに偏っていないこと

です。

純米大吟醸
純米吟醸
山廃純米
古酒

まで複数カテゴリーで評価されています。

小規模ながら商品設計の幅が広い蔵

です。


⑫ 地域ブランド・食文化

後藤酒造場の地域ブランドは、

桑名

久米

北伊勢

です。


1. 桑名

東海道の宿場町、

城下町、

港町として栄えました。


2. 木曽三川

米・物資を集めた水運の基盤。


3. 伊勢湾

港湾交易と食文化を支えます。


4. 久米の里

古代醸造伝承を持つ地域。

「味酒臣」の伝承や麹文化と結び付きます。


5. 久波奈

酒名そのものが、

桑名の地域性

を明確に表現します。


6. 神の穂

三重県独自の酒造好適米。

地域農業と酒を接続します。


地域構造

桑名=交易

木曽三川=物流

久米=醸造文化

員弁川=水

神の穂=農業

久波奈=地域酒

青雲=伝統

です。


⑬ 食中酒・ペアリング戦略

後藤酒造場の酒は、

米旨を中心に料理へ寄り添うタイプ

です。

酒合わせたい料理理由
青雲 純米大吟醸白身魚柔旨・透明
青雲 大吟醸刺身香り・キレ
青雲 雫酒会席繊細・高級
久波奈 特別純米煮物芳醇・米旨
久波奈焼魚柔らかい旨味
久波奈 無濾過生鶏料理膨らみ
颯 神の穂魚介穏香・切れ
颯 山田錦寿司米旨
颯 山廃純米肉料理酸・コク
青雲 山廃純米味噌料理旨味・酸
青雲 辛口焼鳥後切れ
古而醇醴熟成チーズ熟成香

久波奈特別純米について公式は、

「旨みのある料理に合う」

と案内しています。

食中酒の本質

「香りを出し過ぎず、米の旨味で料理を受け、最後は切る」

ことです。


⑭ 観光・直売・顧客接点

後藤酒造場は、

大型観光施設型ではなく、小規模蔵見学・直売型

です。


蔵見学

日本酒造組合中央会の情報では、

要予約

です。


直売

公式ショップを運営し、

蔵の商品を直接購入できます。


EC

公式通販では、

大吟醸
純米大吟醸
久波奈
限定生酒

などを購入できます。


地域観光

桑名には、

東海道
桑名城跡
六華苑
七里の渡し
多度
木曽三川

など、地域回遊資源があります。

酒蔵はこれらの中心都市圏から近く、

「桑名観光+地酒」

の導線を作りやすい立地です。

観光類型

「予約蔵見学+直売+桑名地域回遊型酒蔵」

です。


⑮ 流通・販売戦略

後藤酒造場の流通は、

地域酒販+蔵元直売+EC+専門市場

が中心です。


1. 桑名・北勢

「青雲」「久波奈」は、

桑名の地酒

として地域需要を支えます。


2. 三重県内

神の穂・山田錦・三重県酵母によって、

三重県産酒としての価値

を持ちます。


3. 蔵元EC

小規模蔵でも全国へ販売できる、

重要な直販チャネル

です。


4. プレミアム市場

青雲純米大吟醸、大吟醸雫酒など、

高単価限定酒

を展開します。


5. 国際評価活用

全米日本酒歓評会・Kura Masterで継続評価を得ているため、

海外・外国人需要との相性

も高いブランドです。


流通の本質

「量で広げるのではなく、地域・直販・受賞価値で単価と固定客を高める」

構造です。


⑯ ターゲット

ターゲット適合度理由
桑名市民★★★★★地酒
北勢地域★★★★★地域性
三重県民★★★★★神の穂・県産山田錦
純米酒ファン★★★★★商品豊富
吟醸酒ファン★★★★★青雲
山田錦ファン★★★★★40%精米
神の穂ファン★★★★★颯
食中酒層★★★★★米旨
山廃ファン★★★★★青雲・颯
無濾過生酒層★★★★★久波奈
古酒層★★★★☆古而醇醴
地産地消層★★★★★三重米・酵母
小規模蔵志向★★★★★家族経営
蔵元杜氏志向★★★★★後藤悦夫
ギフト需要★★★★☆大吟醸
海外評価重視層★★★★★Kura Master等

⑰ 競合比較

比較対象として、

宮﨑本店
清水清三郎商店
細川酒造
石川酒造

が分かりやすい位置です。

項目後藤酒造場宮﨑本店清水清三郎商店細川酒造
創業1917184618691850
地域桑名・赤尾四日市・楠鈴鹿桑名・多度
主銘柄青雲宮の雪作上げ馬
地域銘柄久波奈宮の雪鈴鹿川地域酒
経営家族経営企業型組織型家族型
杜氏蔵元杜氏組織杜氏社内醸造小規模
酒質柔旨芳醇華香柔旨透明・キレ地域食中
高級酒青雲純大東条山田錦槐山等大吟醸
地域米神の穂神の穂神の穂三重米
2026全国金賞入賞金賞―
国際評価強い極めて強い極めて強い限定
最大差家族×米旨×桑名総合酒類世界ブランド多度地域

差別化

宮﨑本店が「総合酒類企業」、清水清三郎商店が「世界ブランド型」なら、後藤酒造場は「桑名の土地・家族経営・蔵元杜氏・米旨」という距離の近さを価値にする蔵です。

大量流通ではなく、

小さな蔵だからこその丁寧さ

が差別化になります。


⑱ SWOT分析

区分要素評価戦略的意味
Strength家族経営極めて強い一貫性
Strength蔵元杜氏極めて強い酒質
Strength1917年創業強い歴史
Strength青雲強い母艦
Strength久波奈強い地域
Strength颯強い現代酒
Strength三重県産山田錦強い地域高級酒
Strength神の穂極めて強い三重性
Strength三重県酵母強い地域発酵
Strength米旨思想極めて強い酒質軸
Strength袋吊り強い高級化
StrengthKura Master強い海外
Strength2026全国金賞極めて強い最新評価
Weakness生産規模高量的制約
Weakness人員規模高属人性
Weaknessブランド数中理解難度
Weakness全国認知中地域中心
Weakness観光常設性中来訪
Opportunity小規模蔵人気最大手造り
Opportunity桑名観光大地域回遊
Opportunity神の穂最大三重酒
Opportunity海外評価大受賞
OpportunityD2C大EC
Opportunity古酒市場大古而醇醴
Threat米価格高騰高小規模
Threat人材継承高家族依存
Threat日本酒市場縮小高国内
Threat物流費中~高EC
ThreatSKU管理中小規模

⑲ PEST分析

区分外部環境影響対応
PoliticalGI三重・地域酒支援追い風神の穂
Political輸出支援機会受賞酒
Political地方創生追い風桑名
Economic米価上昇リスク高付加価値
Economic物流費リスクEC
Economic地方観光機会桑名
Socialクラフト志向最大家族蔵
Social地産地消大三重米
Social純米酒人気大久波奈・颯
Social熟成酒人気機会古而醇醴
TechnologicalEC機会全国直販
Technological温度管理重要品質安定
Technological小ロット管理強み多品種
Environmental水系環境最重要酒造
Environmental酒米気候変動高原料

⑳ 4P分析

区分現状評価
Product大吟醸~純米・山廃・古酒★★★★★
Price日常~プレミアム★★★★☆
Place地元・直売・EC・専門市場★★★★☆
Promotion桑名・受賞・神の穂・家族蔵★★★★★

Product

商品構成は、

辛口
↓
純米
↓
山廃純米
↓
特別純米
↓
純米吟醸
↓
大吟醸
↓
純米大吟醸
↓
雫酒
↓
古酒

まであります。

小規模蔵としては、

かなり酒質幅が広い

構成です。


Price

日常酒から、

高級雫酒までを持ち、

地域客と酒通の両方

をカバーします。


Place

桑名
三重
蔵元直売
公式EC
専門酒販

が中心です。


Promotion

最大の訴求資産は、

家族経営

桑名

神の穂

米旨

全国金賞

Kura Master

です。



㉒ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

桑名の米を、旨い酒へ。

青雲型コピー

百年を越えて、青雲は澄む。

久波奈型コピー

桑名を飲む。

颯型コピー

三重の米を、軽やかに。

神の穂型コピー

三重の米で、三重の酒を。

技術型コピー

小さな蔵だから、米まで見える。

家族型コピー

家族で醸す、桑名の一滴。

海外型コピー

SEIUN — Family-brewed sake from Kuwana, Mie.


㉓ この酒蔵をどう見せるべきか

① 最大の人物資産

後藤悦夫氏

です。

2005年から四代目蔵元杜氏として酒造りを担います。


② 最大の地域資産

桑名・久米の里

です。

木曽三川・員弁川・米の交易・醸造伝承を一体で語れます。


③ 最大のブランド資産

青雲

です。

酒蔵創業前から存在した酒名を継承する、

蔵の歴史そのものです。


④ 最大の地域酒資産

久波奈

です。

桑名という土地を最も直接的に伝えられます。


⑤ 最大の現代商品資産

颯 純米吟醸 神の穂

です。

Kura Master、全米日本酒歓評会で継続評価され、

三重県産酒米の強みを明確に表現しています。


⑥ 最大の高級酒資産

青雲 純米大吟醸

青雲 大吟醸袋吊り雫酒

です。

三重県産山田錦40%を核に、

高級酒として明確な商品設計があります。


⑦ 最新の品質証明

2026全国新酒鑑評会 金賞

です。


㉔ 最終評価

評価軸評価コメント
歴史性4.6/51917年
地域性5.0/5桑名・久米
家族経営5.0/5最大特徴
蔵元杜氏5.0/5一貫性
ブランド歴史5.0/5青雲
地域ブランド5.0/5久波奈
米旨表現5.0/5中核思想
地域酒米5.0/5神の穂
山田錦活用5.0/5三重県産
三重県酵母5.0/5地域性
手造り5.0/5小規模
低温醸造4.9/5久波奈等
高級酒力4.9/5純大・雫酒
純米吟醸力5.0/5颯
山廃力4.8/5青雲・颯
熟成酒力4.7/5古而醇醴
食中酒力5.0/5米旨
国内評価5.0/52026金賞
国際評価5.0/5Kura Master等
酒質幅5.0/5高級~山廃・古酒
地域流通4.8/5地元に強い
D2C4.7/5公式EC
観光力4.2/5予約型
ブランド整理4.3/5多銘柄
独自性5.0/5家族×桑名×米旨
成長可能性4.9/5地域深化余地大


㉖ 最終結論

合資会社後藤酒造場は、三重県桑名市大字赤尾1019に蔵を構える、大正6年・1917年創業の家族経営酒蔵です。

初代・後藤宗左衛門が35歳の時、古くから「青雲」を醸していた久米の里の酒蔵が廃業すると知り、その蔵と酒名を引き継いだことから始まりました。

その後、

二代目・後藤宗義、

三代目・後藤宗敏を経て、

2005年から四代目、

後藤悦夫氏

が蔵元杜氏として酒造りを担っています。

後藤酒造場を理解するうえで最も重要なのは、

「米の持つ豊かな旨みを楽しんでもらう」

という酒造りの軸です。

香りを競うだけでも、

辛さを競うだけでもありません。

米の旨味を残し、

柔らかく広げ、

最後はきれいに切る。

この方向が、

青雲

久波奈

颯

に共通しています。

その最高級ラインが、

「青雲 純米大吟醸」

です。

三重県産山田錦100%。

精米歩合40%。

三重県酵母を使い、

華やかな果実香と、

柔らかな米の旨味

を持つ純米大吟醸です。

一方、

「青雲 大吟醸」

も三重県産山田錦40%。

日本酒度+6前後で、

華やかな香りと、

クリアで切れのあるコク

を持ちます。

一冬の生産量が少ない限定的な酒であり、

さらに袋吊り・中取り・無濾過原酒まで行う商品では、

後藤酒造場の手仕事が最も濃く表れます。

地域ブランドとして重要なのが、

「久波奈」

です。

三重県産山田錦・神の穂を55%まで磨き、

三重県酵母で仕込み、

低温長期もろみで仕上げます。

落ち着いたベリー系の香りと、

芳醇で優しい飲み口

を持つ特別純米です。

さらに現代的な商品群として、

「颯」

があります。

その代表、

「颯 純米吟醸 神の穂」

は、

三重県が開発した神の穂を55%まで磨き、

穏やかな吟醸香と、

切れのある膨らみ

を表現しています。

この酒は国際評価も高く、

Kura Masterでは2018年以降継続的に金賞・プラチナ賞を獲得。

2025年度全米日本酒歓評会でも、

金賞。

同年、

青雲 純米大吟醸=銀賞

となりました。

そして2026年、

令和7酒造年度全国新酒鑑評会で、

「青雲」=金賞。

現在の後藤酒造場が、

小規模でありながら全国水準の吟醸技術を維持していることを示す最新の品質証明です。

さらに後藤酒造場には、

「古而醇醴」

という熟成酒もあります。

Kura Master2023古酒部門で金賞を獲得しており、

吟醸酒だけでなく時間による酒質変化

も商品化しています。

企業規模は大きくありません。

むしろ、

家族経営の小さな酒蔵

であることが本質です。

大量生産ではなく、

造り手と酒の距離が近い。

原料米の状態、

もろみの変化、

香り、

旨味、

熟成。

一つ一つを家族と蔵元杜氏が確認しながら酒にする。

それが後藤酒造場の強みです。

したがって後藤酒造場を最も正確に定義するなら、

「大正6年・1917年創業。木曽三川の河口と鈴鹿山系に囲まれ、古代の醸造民『味酒臣』伝承が残る桑名・久米の里で、四代目蔵元杜氏・後藤悦夫氏を中心に家族経営を続け、三重県産山田錦・神の穂・三重県酵母を使い、手造り・低温長期もろみ・袋吊り・山廃・無濾過・熟成などを使い分けながら、“米の持つ豊かな旨み”を酒質の中心に据える。『青雲』で伝統と高級酒、『久波奈』で桑名、『颯』で現代的な酒米表現を担い、2025年全米日本酒歓評会金賞、2026年全国新酒鑑評会金賞へつなげる、“桑名久米郷型・家族経営蔵元杜氏型・地域米酵母活用型・小仕込み旨味重視型・地酒深化型酒蔵”」

です。

三重県の主要蔵と比較すると、

宮﨑本店=「宮の雪」と「キンミヤ」を全国規模で展開する総合酒類メーカー

清水清三郎商店=「作」を世界ブランドへ育てる精密発酵型酒蔵

大田酒造=「半蔵」を伊賀ブランドとして国内外へ伸ばす酒蔵

に対して、

後藤酒造場=「桑名・久米の里に根を張り、家族経営・蔵元杜氏・三重の米と酵母・米旨重視という小さな蔵だからこその距離感を、青雲・久波奈・颯という複数の酒へ丁寧に落とし込む酒蔵」

という、非常に明確で模倣しにくい独自ポジションを持っています。

後藤酒造場のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
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後藤酒造場

木曽三川と伊勢湾の水運文化が交わる桑名・久米の里で、1917年から酒を醸す家族経営の小さな酒蔵。「青雲」「颯」「久波奈」「かれがわ」を軸に、三重県産山田錦・神の穂・五百万石と三重県酵母を生かし、“華やかな香りより、米の旨味をきちんと残す”酒造りを続ける、北伊勢の地域密着型実力蔵。

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