多気町五桂 × 河武醸造(地域ブランド分析)
① 一行定義
宮川水系の清らかな地下水、伊勢錦から生まれた多気町独自の酒米「弓形穂」、五穀豊穣の伊勢・多気の農文化を、1857年創業の河武醸造が「鉾杉」「SHIKI」「KAWABU」へ醸し、“常若”の思想で伝統を更新し続ける、水・米・農・伊勢文化一体型地域ブランド。
河武醸造株式会社は、
三重県多気郡多気町五桂234番地。
創業は、
安政4年・1857年。
2026年時点で、
169年。
現在は、
八代目・河合英彦
が代表を務めます。
代表ブランドは、
「鉾杉」
「SHIKI|式」
「KAWABU」
です。
河武醸造の地域ブランドで、
最も重要なのは、
「伊勢の伝統を、そのまま保存するのではなく、つねに新しく造り替えること」
です。
その思想を象徴する言葉が、
「常若(とこわか)」
です。
古いものを捨てるのではない。
受け継ぐ。
造り直す。
再び若くする。
この伊勢的な思想を、
酒米。
ブランド。
デザイン。
味。
酒造り。
へ置き換えたのが、
現在の河武醸造です。
② 成立構造
伊勢
↓
宮川水系
↓
地下水
↓
多気町
↓
五桂・四疋田の農地
↓
米づくり
↓
三重県在来酒米「伊勢錦」
↓
三重大学
↓
「弓形穂」育成
↓
多気町営農組合
+
三重大学
+
多気町
+
河武醸造
↓
地域連携
↓
弓形穂栽培
↓
河武醸造
↓
鉾杉
+
SHIKI
+
KAWABU
↓
伝統酒
+
地域酒米型高級酒
+
現代型日本酒
↓
常若
↓
古きを守る
+
新しく造る
↓
国内市場
+
海外市場
↓
「伊勢の農と思想を、現代日本酒へ更新し続ける地域ブランド」
石井醸造が、
山 → 水 → 平野 → 農 → 梅 → 酒
なら、
河武醸造は、
伊勢 → 水 → 農 → 酒米開発 → 酒 → 再創造
です。
さらに弓形穂まで含めると、
大学 → 種 → 農家 → 米 → 酒蔵 → 酒 → 地域ブランド
という、
非常に明快な産学官農連携構造を持ちます。
③ 自然
河武醸造の自然資産で、
最も重要なのは、
宮川水系の水
です。
河武醸造では、
伊勢と深い関わりを持つ、
宮川水系の水を、
地下から汲み上げ、
酒造りへ使用します。
宮川は、
三重県南部を代表する清流です。
上流から、
山。
森林。
谷。
平野。
伊勢地域へ流れます。
河武醸造は、
この宮川水系の地下水を、
酒造りの根幹へ置いています。
重要なのは、
「近くを流れる川の水を直接仕込む」
という意味ではありません。
河武醸造が使用するのは、
宮川水系につながる地下水
です。
この水と、
多気町・三重県で育つ米を、
一つの酒へまとめます。
もう一つの自然資産が、
米を育てる多気の農地
です。
多気町は、
三重県中南部。
伊勢平野南部と、
山間部の境界に位置します。
平野。
丘陵。
山地。
田園。
が近く、
古くから農業が行われてきました。
河武醸造が、
特に地域性を深めたのが、
弓形穂。
です。
三重県在来の酒米、
伊勢錦
から育成された、
三重大学オリジナルの酒米です。
つまり、
自然構造は、
伊勢の山と水
↓
宮川水系
↓
地下水
↓
多気の田
↓
伊勢錦
↓
弓形穂
↓
酒
です。
👉 「伊勢の水と在来米の系譜を、現代の酒へ変える多気型テロワール」
です。
④ 歴史
河武醸造の創業は、
1857年・安政4年。
江戸時代末期です。
現在まで、
八代にわたって、
多気町五桂で醸造を続けています。
1857年
↓
創業
↓
味噌・醤油などの醸造
↓
清酒醸造へ展開
↓
鉾杉
↓
地域酒として定着
↓
三重県産米の活用
↓
2008年
↓
弓形穂地域プロジェクト開始
↓
三重大学
+
多気町
+
営農組合
+
河武醸造
↓
弓形穂の栽培・醸造
↓
弓形穂しずく
↓
国際評価
↓
2020年前後
↓
新ブランド「SHIKI」展開
↓
2022年
↓
KAWABU展開
↓
鉾杉
+
SHIKI
+
KAWABU
↓
伝統・地域・現代性の三層化
↓
2026年
↓
全国新酒鑑評会「鉾杉」入賞
↓
SAKE COMPETITION「式 Fresh」上位入賞
↓
現在
という流れがあります。
河武醸造の歴史で、
重要なのは、
「一つの銘柄を169年間変えずに守ってきた蔵」ではないこと
です。
時代によって、
味。
米。
商品。
デザイン。
ブランド。
を変えています。
一方、
変えないものがあります。
水。
米への敬意。
手仕事。
発酵。
伊勢という土地。
そして、
人の暮らしへ寄り添う酒であること。
つまり、
「変えながら、核を守る。」
これが、
河武醸造の歴史です。
⑤ 風土
多気・伊勢を構成するものは、
宮川
櫛田川
田園
米
五穀豊穣
伊勢神宮
式年遷宮
常若
農業
醸造
味噌
醤油
酒
本草文化
伊勢参り
です。
この地域最大の特徴は、
「自然と生産と信仰が分離していないこと」
です。
伊勢神宮では、
米。
酒。
塩。
水。
魚。
野菜。
果物。
など、
自然から得たものを、
神へ供えます。
つまり、
伊勢文化の根には、
「自然の恵みを受け取り、感謝し、次へつなぐ」
という考え方があります。
河武醸造も、
公式に、
水。
米。
微生物。
人の技。
を、
酒造りの基本として位置付けています。
その思想を、
最も現代的に表現しているのが、
「常若」
です。
伊勢神宮では、
式年遷宮によって、
古い技術や思想を、
新しい建物へ受け渡します。
残すために、
造り直す。
変えることで、
続ける。
河武醸造も、
鉾杉を守るだけではなく、
SHIKI。
KAWABU。
を生み出しました。
つまり、
「老舗であるために、新しい酒を造る。」
という伊勢型の継承です。
⑥ 産業
多気町には、
農業
食品
醸造
製造業
観光
教育
研究
商業
などがあります。
河武醸造との関係で、
特に重要なのは、
「農業+研究+醸造」
です。
河武醸造最大の地域産業資産の一つが、
弓形穂プロジェクト。
です。
三重大学が、
三重県在来の伊勢錦から、
弓形穂を育成。
↓
大学農場が種を供給。
↓
多気町四疋田の営農組合が栽培。
↓
河武醸造が日本酒へ醸造。
↓
多気町が地域振興へ活用。
という構造です。
さらに、
明野高校。
酒販店。
行政。
農業関係機関。
も参加し、
栽培。
研究。
教育。
醸造。
販売。
までつながっています。
つまり、
「酒米を買う」のではなく、「地域全体で酒米を育てる」。
ことが、
河武醸造の強さです。
これは、
単純な地産地消ではありません。
大学が品種を育てる。
↓
農家が栽培技術を磨く。
↓
酒蔵が醸造する。
↓
消費者評価を研究する。
↓
次の栽培へ戻す。
という、
研究開発型農醸循環
です。
さらに河武醸造は、
酒だけでなく、
醤油。
味噌。
酒粕漬け。
も扱います。
つまり、
社名が、
「酒造」ではなく、
「醸造」
であることにも意味があります。
👉 「農産物を発酵によって価値化する、多気の総合醸造文化」
です。
⑦ 酒文化
宮川水系地下水
↓
弓形穂
+
三重山田錦
+
三重五百万石
+
神の穂
+
伊勢國産米
↓
人の手
↓
麹
↓
酵母
↓
発酵
↓
河武醸造
↓
鉾杉
+
SHIKI
+
KAWABU
↓
普通酒
+
純米
+
山廃
+
純米吟醸
+
純米大吟醸
↓
日常酒
+
食中酒
+
現代型高級酒
↓
多気
+
伊勢
+
全国・海外
👉 「伊勢の水と米を、伝統酒から現代酒まで幅広く表現する“常若型酒文化”」
河武醸造の酒文化で、
最も重要なのは、
「一つの正解に固定しないこと」
です。
第一の特徴|「鉾杉」
河武醸造の歴史を背負う銘柄が、
鉾杉
です。
酒名は、
伊勢神宮の神域に立つ、
鉾のように伸びる杉の姿にちなみます。
つまり、
伊勢の神域と自然を酒銘へ置いた地域酒
です。
第二の特徴|「秀醇」
鉾杉の定番酒が、
秀醇
です。
河武醸造は、
高級酒だけを価値としていません。
普通酒であっても、
酒としての完成度を追求します。
2021年、
IWC普通酒部門で、
ゴールド。
さらに、
トロフィー。
グレートバリュー・サケ
を獲得しました。
つまり、
「日常酒を世界評価まで磨く。」
酒蔵です。
第三の特徴|山廃仕込み
鉾杉には、
山廃仕込み純米酒
があります。
天然乳酸菌を育てながら、
酒母を造り、
コク。
まろやかさ。
深み。
を表現します。
2019年。
2020年。
2021年。
と、
IWC。
フェミナリーズ。
ミラノ酒チャレンジ。
などで評価されています。
つまり、
現代的な酒だけではなく、伝統製法にも強い蔵
です。
第四の特徴|「弓形穂」
河武醸造の地域ブランドで、
最も重要な原料が、
弓形穂
です。
三重大学が、
三重県在来の酒米、
伊勢錦
から育成。
多気町の農家が栽培し、
河武醸造が酒へします。
つまり、
酒米そのものに、
「三重の過去と未来」
があります。
伊勢錦
=
伝統。
弓形穂
=
新しい品種。
この関係が、
常若という思想と、
よく一致します。
第五の特徴|弓形穂しずく
鉾杉では、
弓形穂しずく 純米吟醸
を展開。
多気町産弓形穂100%。
精米歩合50%。
自社酵母B-33。
を使用します。
2019年Kura Masterでは、
純米吟醸部門、
ゴールド。
地域独自米と、
自社酵母を組み合わせた、
非常に地域性の高い酒です。
第六の特徴|「SHIKI」
河武醸造の現在を象徴するブランドが、
SHIKI|式
です。
名前の背景には、
伊勢神宮。
式年遷宮。
常若。
があります。
つまり、
単に若者向けのデザインへ変えた酒ではありません。
「伊勢の伝統思想を、現代の日本酒ブランドへ翻訳した酒」
です。
第七の特徴|SHIKI FRESH
SHIKI FRESH
は、
弓形穂100%の、
純米大吟醸。
穏やかな吟醸香。
柔らかな口当たり。
米の旨味。
甘味。
を表現します。
2026年には、
SAKE COMPETITION純米大吟醸部門で、
上位入賞
しています。
つまり、
弓形穂が、
研究・地域振興だけの酒米ではなく、
現在の市販酒市場でも、
品質評価へつながっています。
第八の特徴|SHIKI RICH
SHIKI RICH
も、
弓形穂100%。
最高峰純米大吟醸として位置付けられています。
酸。
和菓子を思わせる甘味。
米の風味。
コク。
キレ。
が重なります。
つまり、
弓形穂の個性を、
高級酒の表現まで引き上げる。
商品です。
第九の特徴|SHIKI MELLOW
SHIKI MELLOW
は、
主に伊勢國産米を使う、
特別純米酒。
柔らかい。
丸い。
花を思わせる香り。
最後はシャープ。
ワイングラス。
現代料理。
など、
従来型日本酒とは違う飲用場面へ、
伊勢の酒を運びます。
第十の特徴|SHIKI SWEET
SHIKI SWEET
は、
主に伊勢國産米を使う、
山廃系純米吟醸。
軽い口当たりから、
酸。
米の旨味。
重厚な膨らみ。
余韻。
へ進みます。
つまり、
SHIKIには、
「軽さだけを現代性としない」
思想があります。
伝統的な山廃も、
新しいデザインの中へ入ります。
第十一の特徴|「KAWABU」
もう一つの現代ブランドが、
KAWABU
です。
Upper。
Smart。
Natural。
Chill。
Flat。
など、
味のスペックより、
感覚や気分を言葉にした商品展開を行います。
つまり、
従来の、
純米。
吟醸。
辛口。
甘口。
という選び方だけではなく、
「今の気分で酒を選ぶ」
という新しい入口です。
第十二の特徴|三重の酒米
河武醸造では、
弓形穂だけでなく、
三重山田錦
三重五百万石
神の穂
などを使用します。
つまり、
一つの地域品種だけへ固定せず、
「求める味によって三重の米を使い分ける。」
酒蔵です。
第十三の特徴|2026年全国新酒鑑評会
令和7酒造年度全国新酒鑑評会では、
「鉾杉」が入賞
しています。
2026年は、
金賞ではなく、
入賞です。
これは、
伝統ブランド「鉾杉」も、
SHIKIなど新ブランドの展開と並行して、
現在の鑑評会水準を維持していることを示します。
第十四の特徴|三層ブランド構造
河武醸造の商品体系は、
地域ブランド上、
次のように整理できます。
鉾杉=伝統・地域・日常酒
SHIKI=伊勢思想・弓形穂・高付加価値
KAWABU=現代生活・感覚・新しい入口
です。
この三つを並べることで、
過去 → 現在 → 未来
を、
一つの酒蔵で表現できます。
したがって、
河武醸造の酒文化は、
「宮川水系の地下水、三重県在来酒米・伊勢錦から生まれた多気町産弓形穂、三重山田錦・五百万石・神の穂を、人の手と伝統醸造技術によって酒へ変え、『鉾杉』では地域の日常と歴史、『SHIKI』では常若・式年遷宮・弓形穂という伊勢の思想、『KAWABU』では現代の生活感覚を表現する“多気・常若進化型酒文化”」
と定義できます。
⑧ 観光資源
河武醸造
五桂池
五桂池ふるさと村
多気町の田園
四疋田の弓形穂栽培地
VISON
丹生大師
丹生地区
立梅用水
宮川流域
櫛田川流域
伊勢神宮
松阪
伊勢
などがあります。
河武醸造の観光で、
最も重要なのは、
「酒蔵だけで終わらず、酒米が育つ地域まで見えること」
です。
河武醸造は、
多気町五桂。
弓形穂を栽培する営農組合は、
同じ多気町の四疋田。
つまり、
酒蔵と、
独自酒米の産地が、
同じ町にあります。
酒を飲む。
↓
弓形穂を知る。
↓
三重大学との研究を知る。
↓
多気町の農業を知る。
という、
農業理解型酒蔵観光
へ展開できます。
GI三重の現行案内では、
河武醸造は、
電話予約による蔵元見学
に対応。
見学可能時間は、
10:00~15:00
と案内されています。
つまり、
大規模な自由見学型観光工場ではなく、
予約型・酒造理解型
の酒蔵です。
近隣には、
五桂池ふるさと村
があります。
さらに広域では、
VISON
丹生大師
松阪
伊勢神宮
へ接続できます。
河武醸造の観光価値は、
「伊勢神宮へ行く途中に酒を買う」
だけではありません。
伊勢へ向かう前に、
「伊勢の米と水と常若を、酒から理解する。」
ことにあります。
👉 観光タイプは、
「酒蔵+酒米農業+多気里山+伊勢文化」型
です。
⑨ ターゲット
◎ 最優先
三重・多気地酒ファン
河武醸造ファン
鉾杉ファン
SHIKIファン
日本酒ファン
弓形穂に関心がある層
三重県産酒米ファン
地域テロワールに関心がある層
酒蔵見学ファン
農業と日本酒を一緒に知りたい層
○ 相性が良い
純米大吟醸ファン
山廃ファン
普通酒・燗酒ファン
伊勢文化・式年遷宮に関心がある層
産学連携・地域振興に関心がある層
VISON旅行者
伊勢神宮旅行者
松阪・多気旅行者
日本酒初心者
贈答酒ユーザー
インバウンド
△ 条件付き
全商品を多気町産米だけで造る酒を求める層
予約なしで自由に製造区域へ入れる酒蔵を求める層
歴史的建造物だけを目的に酒蔵観光する層
■ 想定ユーザー
弓形穂とは何か知りたい人
伊勢錦と現代酒米の関係を知りたい人
多気町の米で醸した日本酒を飲みたい人
SHIKIと鉾杉の違いを知りたい人
普通酒でも世界評価された酒を飲みたい人
式年遷宮・常若と日本酒の関係に興味がある人
産学官連携による日本酒づくりを知りたい人
伊勢参りに地域酒の背景を加えたい人
⑩ 導線
■ 王道モデル
多気町
↓
河武醸造
↓
鉾杉
↓
SHIKI
↓
弓形穂
👉 「酒から、多気の米へ。」
■ 水モデル
伊勢の山々
↓
宮川水系
↓
地下水
↓
河武醸造
↓
鉾杉・SHIKI
👉 「伊勢の水を、多気で醸す。」
■ 弓形穂モデル
伊勢錦
↓
三重大学
↓
弓形穂
↓
多気町営農組合
↓
河武醸造
↓
SHIKI
👉 「伊勢錦の記憶を、次の酒米へ。」
■ 産学官モデル
三重大学
↓
多気町
↓
農家
↓
河武醸造
↓
酒販・消費者
↓
次の栽培
👉 「研究を、田んぼへ。田んぼを、酒へ。」
■ 常若モデル
伊勢の伝統
↓
式年遷宮
↓
常若
↓
弓形穂
↓
SHIKI
👉 「受け継ぐために、新しくする。」
■ 鉾杉モデル
伊勢神宮
↓
神域の杉
↓
鉾杉
↓
地域の晩酌
👉 「伊勢の杉を、酒の名に。」
■ 日常酒モデル
米
↓
水
↓
秀醇
↓
普通酒
↓
IWCトロフィー
↓
日々の食卓
👉 「毎日の酒を、世界品質へ。」
■ 現代モデル
老舗酒蔵
↓
SHIKI
↓
KAWABU
↓
グラス
↓
現代の暮らし
👉 「百六十九年を、今の一杯へ。」
■ 広域モデル
河武醸造
↓
五桂池
↓
VISON
↓
丹生
↓
伊勢神宮
👉 「米・酒・食・伊勢で、多気を巡る。」
⑪ 強み
① 1857年創業
160年以上続く、
明確な時間資産があります。
② 八代続く醸造文化
家業としての、
人的継承があります。
③ 宮川水系の地下水
伊勢地域と酒質を結ぶ、
明確な水資産があります。
④ 「弓形穂」
他蔵との差別化が非常に明確な、
独自性の高い酒米があります。
⑤ 伊勢錦との系譜
新しい酒米でありながら、
三重在来品種の歴史につながります。
⑥ 多気町産
弓形穂の栽培地と、
酒蔵が同じ町にあります。
⑦ 三重大学との連携
酒米そのものに、
研究・教育・技術の裏付けがあります。
⑧ 営農組合との連携
地域農業が、
ブランドの原料供給を担っています。
⑨ 行政との連携
単独企業ではなく、
多気町の地域振興へ接続しています。
⑩ 酒米研究の継続性
弓形穂プロジェクトは、
2008年度から長期に続いています。
⑪ 「鉾杉」
伝統的な地域酒として、
蔵の歴史を受け持つブランドがあります。
⑫ 「SHIKI」
伊勢の常若思想を、
現代ブランドへ変換しています。
⑬ 「KAWABU」
日本酒初心者や現代生活者へ、
新しい入口をつくれます。
⑭ 伝統・現代・未来の三層構造
鉾杉。
SHIKI。
KAWABU。
で、
異なる市場へ対応できます。
⑮ 普通酒「秀醇」の国際評価
高価格酒だけに依存しない、
醸造技術があります。
⑯ 山廃の評価
伝統的な醸造法でも、
国内外で評価されています。
⑰ 弓形穂の高級酒化
地域米を、
純米大吟醸まで高付加価値化できます。
⑱ 2026年SAKE COMPETITION上位入賞
SHIKI FRESHが、
現在の市販酒市場でも評価されています。
⑲ 2026年全国新酒鑑評会入賞
伝統銘柄「鉾杉」でも、
現在の醸造技術が評価されています。
⑳ 酒・醤油・味噌を持つ総合醸造文化
清酒だけに閉じない、
発酵企業としての厚みがあります。
⑫ 弱点
第一の弱点は、
「鉾杉」「SHIKI」「KAWABU」の関係が初見では分かりにくいこと。
商品棚で見ると、
三つの別酒蔵のようにも見えます。
地域ブランド上は、
鉾杉=歴史・地域・日常
SHIKI=伊勢・弓形穂・高付加価値
KAWABU=現代生活・新規層
と整理できます。
第二に、
「SHIKI」の意味を知らなければ伊勢との関係が伝わりにくいこと。
英字表記だけを見ると、
伊勢。
式年遷宮。
常若。
まで、
自動的には連想されません。
一方、
背景を知ると、
非常に伊勢性の強いブランドです。
第三に、
弓形穂の説明に一定の知識が必要なこと。
山田錦のような、
全国的に知られた酒米ではありません。
伊勢錦。
三重大学。
多気町。
営農組合。
常若。
という背景まで理解して、
初めて価値が見えます。
第四に、
全商品が弓形穂ではないこと。
河武醸造では、
弓形穂のほか、
三重山田錦。
三重五百万石。
神の穂。
その他国内産米。
も使います。
したがって、
「河武醸造=全量弓形穂」
ではありません。
第五に、
全商品が多気町産米ではないこと。
弓形穂には、
強い多気町性があります。
一方、
蔵全体では、
三重県内を含む、
複数産地の米を使います。
つまり、
「多気町型」と「伊勢・三重型」の二つの地域スケール
を持ちます。
第六に、
宮川水系と伊勢神宮の関係を過度に単純化できないこと。
河武醸造公式は、
宮川水系の地下水と、
伊勢・神宮文化との関係を強く打ち出しています。
一方、
蔵で使用する地下水を、
「伊勢神宮境内を流れる川の水そのもの」
と表現するのは適切ではありません。
「伊勢に縁深い宮川水系の地下水」
が正確な位置付けです。
第七に、
多気町そのものの全国認知がまだ限定的なこと。
伊勢。
松阪。
VISON。
に比べ、
多気町という地名の全国認知は高くありません。
しかし、
弓形穂。
五桂池。
VISON。
農業。
を結ぶことで、
地域名そのものの価値を高められます。
第八に、
観光酒蔵としては予約型であること。
GI三重の案内では、
見学は電話予約制です。
常時自由に入れる大型観光工場とは異なります。
一方、
少人数で酒造りを理解する観光とは、
相性があります。
⑬ 本質
👉 「伊勢の水と在来酒米の系譜を、多気町の農家・三重大学・行政・酒蔵が一緒に育て、『鉾杉』で伝統を守り、『SHIKI』で常若を表現し、『KAWABU』で現代の暮らしへ広げること。」
河武醸造を、
単なる、
「鉾杉を造る多気町の老舗酒蔵」
として捉えるだけでは、
本質を十分に表現できません。
最大の特徴は、
「伝統を守る方法そのものが、革新的であること」
です。
第一の本質は「水」
宮川水系。
地下水。
伊勢。
酒。
自然から始まります。
水は、
河武醸造の酒質と、
伊勢ブランドをつなぐ、
最も基本的な地域資産です。
第二の本質は「伊勢錦」
弓形穂の背景には、
三重県在来の、
伊勢錦があります。
つまり、
新しい酒米でありながら、
過去とのつながりを切っていません。
「古い米の記憶から、新しい米を生む。」
構造です。
第三の本質は「弓形穂」
河武醸造の最大の独自資産です。
三重大学が育成する。
農家が栽培する。
行政が支える。
酒蔵が醸す。
消費者が飲む。
研究成果が、
再び農業へ戻る。
つまり、
「一本の酒の中に、地域社会そのものが入っている。」
酒米です。
第四の本質は「常若」
古いものを、
古いまま置いておくのではない。
新しく造り直す。
技術を渡す。
次の世代へ移す。
これが、
伊勢の常若です。
河武醸造も、
鉾杉だけにとどまりません。
SHIKI。
KAWABU。
へ進んでいます。
第五の本質は「鉾杉」
伝統側を担う酒です。
神域の杉。
地域の晩酌。
普通酒。
山廃。
純米。
吟醸。
つまり、
河武醸造の169年を支える土台
です。
第六の本質は「SHIKI」
未来側を担います。
式年遷宮。
常若。
弓形穂。
伊勢國産米。
現代デザイン。
つまり、
「伊勢の古い思想を、最も新しい見せ方へ変える酒」
です。
第七の本質は「KAWABU」
酒の専門用語を知らない人にも、
酒を届けるためのブランドです。
今日は、
軽く。
静かに。
自然に。
気分で選ぶ。
つまり、
「スペックではなく、生活から酒を選ぶ。」
という入口です。
第八の本質は「普通酒」
秀醇が、
IWCで高く評価されたことは、
河武醸造を理解するうえで重要です。
高精白。
純米大吟醸。
高価格。
だけが、
技術の証明ではありません。
毎日飲む酒を丁寧に造る。
ことも、
老舗の技術です。
第九の本質は「醸造」
河武醸造は、
酒だけではありません。
醤油。
味噌。
酒粕漬け。
を扱います。
つまり、
米を酒へ。
大豆を味噌・醤油へ。
地域農産物を、
微生物と時間で価値へ変える。
「発酵そのものが家業」
です。
第十の本質は「地域を造る酒蔵」
通常、
酒蔵は、
地域で採れた米を使います。
河武醸造は、
そこから一歩進んでいます。
大学と酒米を育てる。
農家と栽培する。
町と地域ブランドへする。
高校生が関わる。
つまり、
「地域資源を使う酒蔵」ではなく、「地域資源を一緒に造る酒蔵」
です。
したがって、
河武醸造の地域ブランド上の本質は、
「伊勢に縁深い宮川水系の地下水、三重県在来酒米『伊勢錦』から三重大学が育成した『弓形穂』、多気町四疋田の営農組合、行政・教育機関との長期的な地域連携を酒造りの核とし、『鉾杉』では169年の伝統と日常酒文化、『SHIKI』では式年遷宮・常若・弓形穂という伊勢の思想、『KAWABU』では現代の生活感覚を表現することで、伝統を保存するのではなく新しく造り直し続けること」
にあります。
河武醸造は、
「三重県多気町にある老舗酒蔵」
にとどまりません。
「宮川水系の水、伊勢錦の系譜、多気町の弓形穂、産学官農連携、169年の醸造技術を“常若”という思想で更新し続ける、伊勢・多気農醸文化型酒蔵」
です。
⑭ コピー
「多気を醸す、河武醸造。」
「伊勢の水を、多気で醸す。」
「多気の米を、伊勢の一献へ。」
「伊勢錦の記憶を、弓形穂に。」
「弓形穂を、多気の酒へ。」
「研究を田へ。田の米を酒へ。」
「大学・農家・町・蔵。一つの米を育てる。」
「地域で米を造り、地域で酒を醸す。」
「古きを守り、新しく造る。」
「受け継ぐために、変わり続ける。」
「百六十九年、常若。」
「鉾杉で守り、SHIKIで更新する。」
「伊勢の式を、酒のSHIKIへ。」
「毎日の酒から、世界評価まで。」
「普通酒にも、老舗の技を。」
「神域の杉を、酒の名に。」
「水・米・人。多気を一本に。」
「地域資源を使うのではなく、地域資源を造る。」
「伝統は、止まらない。」
「伊勢の水と多気の米を、常若の一献に。」
■ 結論
多気町五桂・河武醸造を取り巻く地域は、
「伊勢に縁深い宮川・櫛田川流域、田園、多気の農業、五穀豊穣の文化、伊勢神宮・式年遷宮に象徴される常若思想、大学・農家・行政が連携する酒米開発が重なる“水・農・伊勢文化・研究一体型地域文化圏”」
です。
その中で、
河武醸造は、
1857年から、
酒。
味噌。
醤油。
という、
発酵文化を継承してきました。
河武醸造は、
「1857年創業、八代にわたり多気町五桂で醸造を続け、宮川水系の地下水と三重県産酒米を基盤に、『鉾杉』『SHIKI』『KAWABU』を展開する酒蔵」
です。
しかし、
この蔵を最も特徴づけるのは、
創業年の古さだけではありません。
「酒米そのものを地域と一緒に造っていること」
です。
三重県在来の伊勢錦がある。
↓
三重大学が弓形穂を育成する。
↓
種を供給する。
↓
多気町四疋田の農家が育てる。
↓
栽培方法を研究する。
↓
河武醸造が醸す。
↓
消費者が飲む。
↓
評価を研究する。
↓
再び栽培へ戻す。
この循環が、
長年続いています。
つまり、
弓形穂は、
単なる珍しい酒米ではありません。
「大学・農家・行政・酒蔵・消費者を結ぶ地域プラットフォーム」
です。
そして、
河武醸造は、
その地域資源を、
一つのブランドだけには閉じ込めません。
鉾杉
は、
伝統。
地域。
日常。
を担う。
SHIKI
は、
弓形穂。
伊勢。
常若。
高付加価値。
を担う。
KAWABU
は、
現代の暮らし。
感覚。
新しい飲み手。
を担う。
つまり、
「過去・現在・未来を三つのブランドで分担する。」
構造です。
地域ブランドの基本構造は、
「伊勢=文化圏」
「宮川水系=水」
「多気町=醸造地」
「五桂=酒蔵所在地」
「1857年=時間資産」
「八代=人的継承」
「伊勢錦=酒米の歴史」
「弓形穂=地域独自米」
「三重大学=研究」
「四疋田営農組合=農業」
「多気町=地域振興」
「河武醸造=醸造」
「鉾杉=伝統」
「秀醇=日常酒」
「SHIKI=常若と現代性」
「KAWABU=新しい飲用文化」
「山廃=伝統技術」
「普通酒の国際評価=基礎技術」
「2026年全国新酒鑑評会入賞=現在の品質」
「2026年SHIKI FRESH上位入賞=次世代ブランド」
によって構成されています。
河武醸造最大の強みは、
「伝統と革新が対立していないこと」
です。
古い酒を残すために、
新しい米を育てる。
新しい米を使うために、
大学と研究する。
地域で育てるために、
農家と組む。
伊勢文化を伝えるために、
SHIKIという現代ブランドを造る。
若い飲み手へ届けるために、
KAWABUを造る。
つまり、
変えること自体が、伝統の継承になっています。
これは、
まさに、
「常若」です。
鉾杉を飲む。
↓
河武醸造を知る。
↓
多気町を知る。
↓
宮川水系を知る。
↓
弓形穂を知る。
↓
伊勢錦を知る。
↓
三重大学の研究を知る。
↓
四疋田の農家を知る。
↓
SHIKIを飲む。
↓
式年遷宮と常若を知る。
↓
伊勢神宮へ行く。
↓
もう一度、
多気の酒を飲む。
この循環が成立すると、
河武醸造の酒は、
単なる三重県産日本酒ではなく、
「伊勢と多気の水・農・研究・文化を理解する味覚の入口」
になります。
そして、
河武醸造で最も重要なのは、
「弓形穂を持っていること」
だけではありません。
弓形穂を、
地域で育て続ける仕組みを持っていることです。
酒蔵だけで完結しない。
農家だけでも完結しない。
大学だけでも完結しない。
行政だけでも完結しない。
それぞれが、
役割を持つ。
その関係そのものが、河武醸造の地域ブランド資産です。
河武醸造は、
「鉾杉を造る169年の老舗」
にとどまりません。
「宮川水系の水、伊勢錦から生まれた弓形穂、多気町の農家、三重大学の研究、伊勢の常若思想、八代169年の醸造技術を『鉾杉』『SHIKI』『KAWABU』へ展開し、地域資源そのものを次代へ造り直す“伊勢・多気農醸革新型酒蔵”」
です。
河武醸造を象徴する地域ブランド表現は、
「伊勢の水と多気の米を、常若の一献に。」
です。
河武醸造のテロワールを味わう👇
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河武醸造 |
伊勢・多気の水と弓形穂で「鉾杉」を醸す、1857年創業の酒蔵。 |
