大台町柳原 × 元坂酒造(地域ブランド分析)
① 一行定義
大台ヶ原から伊勢湾へ流れる清流・宮川、その水が育てる田園、三重在来の酒米「伊勢錦」を、1805年創業の元坂酒造が「酒屋八兵衛」「KINO/帰農」「語蛍」へ醸し、農・水・食・環境保全を循環させる、“宮川・稲作・食中酒一体型”地域ブランド。
元坂酒造株式会社は、
三重県多気郡大台町柳原346-2。
創業は、
文化2年・1805年。
2026年時点で、
221年。
現在の代表取締役は、
六代目・元坂 新。
代表銘柄は、
「酒屋八兵衛」
です。
酒名は、
創業者、
元坂八兵衛
の名に由来します。
元坂酒造が目指すのは、
一口目だけ華やかな酒ではありません。
「グラス一杯の煌めきよりも、一晩の安らぎを。」
甘味や吟醸香を過度に前へ出さず、
料理とともに、
何杯でも飲み続けられる。
この思想が、
「酒屋八兵衛」の中心です。
そして現在は、
自社栽培の伊勢錦を核とする、
KINO/帰農。
宮川の水環境とホタルを結ぶ、
KATARU HOTARU/語蛍。
まで展開。
元坂酒造は、
単なる地酒蔵ではなく、
「農村・河川・酒造・食・環境を一本の酒でつなぐ大台町の農醸文化企業」
です。
② 成立構造
大台ヶ原
↓
国内有数の多雨地帯
↓
森林
↓
宮川
↓
大台町
↓
田園
↓
米づくり
↓
伊勢錦
+
山田錦など三重県産米
↓
1805年 元坂酒造創業
↓
六代にわたる酒造り
↓
1989年 伊勢錦復活
↓
自社田・契約農家
↓
酒屋八兵衛
↓
山廃
+
純米
+
純米吟醸
↓
食中酒
↓
2021年 KINO/帰農
↓
伊勢錦
+
生酛
+
稲作思想
↓
2024年 語蛍
↓
宮川の水
+
ホタル
+
水質保全
↓
鮎・山里料理・伊勢志摩の食
↓
地域内流通
+
全国専門店
↓
「自然を使うだけでなく、守りながら酒へ変える地域ブランド」
石井醸造が、
山 → 水 → 平野 → 農 → 梅 → 酒
なら、
元坂酒造は、
森 → 川 → 田 → 米 → 酒 → 食 → 森と川へ還す
です。
ここに、
元坂酒造最大の特徴があります。
一方向ではなく、循環しています。
③ 自然
元坂酒造の地域ブランドを支える自然の核は、
宮川
です。
大台町は、
三重県中部に位置し、
県内最大級の河川、
宮川が、
町を東西に横断します。
宮川の源流部に連なる、
大台ヶ原・大杉谷地域は、
全国でも特に降水量の多い地域です。
町土の、
約90%以上が森林。
西部は、
1,000m級の山々。
東部は、
田畑と茶畑が広がる農村。
つまり、
大台町そのものが、
「森から川、川から農地へ」
という自然構造を持ちます。
大台町全域は、
大台ヶ原・大峯山・大杉谷ユネスコエコパーク
の構成地域です。
自然を厳格に保存するだけではなく、
自然と人間の暮らしを共存させる地域として、
位置付けられています。
元坂酒造の酒造りも、
この考え方とよく重なります。
公式には、
先祖から受け継いだ土地、
何万年もかけて形成された河川や大地の恵みを、
「味」として表現する
という姿勢を明確にしています。
特に象徴的なのが、
「語蛍」
です。
元坂酒造の取水地である、
大台町柳原の宮川で、
その年に初めてホタルが確認された日を、
酒のラベルへ記録します。
ホタルが来る。
↓
水環境が保たれている。
↓
その水を酒造りへ使う。
↓
酒を販売する。
↓
売上の一部を、
宮川の水質保全へ寄付する。
つまり、
「水を使う酒から、水を守る酒へ。」
進んでいます。
これは、
大台町のユネスコエコパーク思想とも、
非常に相性の良い地域ブランドです。
④ 歴史
元坂酒造の創業は、
1805年・文化2年。
江戸時代後期です。
伊能忠敬が、
全国測量を進めていた時代。
元坂家は、
現在と同じ、
大台町柳原で、
酒造りを始めました。
1805年
↓
元坂八兵衛が酒造業開始
↓
家族による酒造継承
↓
地域酒として発展
↓
六代目 元坂新
↓
「酒屋八兵衛」確立
↓
三重県産米中心へ
↓
1989年
↓
伊勢錦復活醸造
↓
自社田・契約農家へ展開
↓
山廃・純米酒強化
↓
2016年
↓
伊勢志摩サミット
↓
「酒屋八兵衛 伊勢錦山廃純米酒」提供
↓
2019年
↓
元坂彰太が杜氏へ
↓
2021年
↓
KINO/帰農誕生
↓
2024年
↓
KATARU HOTARU/語蛍
↓
2026年
↓
全国新酒鑑評会「酒屋八兵衛」金賞
↓
現在
という流れがあります。
元坂酒造の歴史で、
特に重要なのが、
伊勢錦の復活
です。
伊勢錦は、
江戸後期、
現在の多気町にあたる地域で生まれた、
三重ゆかりの米です。
かつては近畿地方を中心に栽培されましたが、
背が高く倒れやすい。
収量が安定しにくい。
という性質もあり、
戦後、
栽培が途絶えました。
元坂酒造は、
三重県の農業試験場に保存されていた、
わずかな種籾を譲り受け、
増殖。
1989年、
再び酒として復活させました。
その後も、
栽培を続け、
自社田・契約農家へ拡大。
現在では、
元坂酒造の地域性を象徴する米になっています。
つまり、
「古い酒を復活した」のではなく、「地域から消えた米そのものを酒造りによって戻した。」
ことが重要です。
⑤ 風土
大台町を構成するものは、
大台ヶ原
大杉谷
森林
宮川
多雨
田園
米
茶
鮎
柚子
林業
山村
農村
酒
です。
この地域最大の特徴は、
「自然が豊かな場所」ではなく、「自然の中で暮らしが成立してきた場所」
であることです。
大台町は、
西部に、
深い山と原生林。
東部に、
田んぼと茶畑。
その中央を、
宮川が流れます。
森を育てる。
川から水を得る。
田で米を育てる。
川で鮎を獲る。
山で木を育てる。
茶を作る。
柚子を育てる。
酒を造る。
つまり、
「自然と産業が分離していない町」
です。
元坂酒造が掲げる、
「瑞穂の国」
「稲作」
「自然への感謝」
という思想は、
抽象的な精神論ではありません。
蔵の前には、
実際に田があります。
その田で、
伊勢錦を育てます。
冬には、
その米を酒へする。
翌春、
再び田へ向かう。
田
↓
米
↓
酒
↓
人
↓
田
という、
農村の時間そのもの
が、
元坂酒造の酒造りです。
👉 「森・川・田・酒が一年で循環する宮川農村文化」
です。
⑥ 産業
大台町の主要な地域産業には、
農業
林業
茶業
水産
食品加工
観光
アウトドア
酒造
があります。
元坂酒造との関係で、
最も重要なのは、
「農業+酒造+環境」
です。
元坂酒造は、
主に、
三重県産米を使用します。
公式情報では、
「地元還元型の酒造り」
と明記しています。
蔵の前には、
約4haの自社田。
そこで、
伊勢錦などを栽培します。
つまり、
米を仕入れて酒を造るだけではありません。
田を持つ。
↓
米を作る。
↓
酒を造る。
↓
売る。
↓
地域で飲まれる。
↓
翌年も米を作る。
という、
農醸一体型の経営
です。
製造数量は、
約900石。
酒造りに関わるのは、
代表。
専務。
通年雇用の社員など、
少人数。
全社員でも、
約10名。
大量生産蔵ではありません。
出荷先は、
約60%が三重県内。
伊勢志摩の、
ホテル。
飲食店。
土産店。
などにも流通します。
残る約40%は、
全国の地酒専門店。
つまり、
「まず地域で飲まれ、その価値を専門店を通じて外へ届ける。」
流通構造です。
この構造は、
酒屋八兵衛の、
「地元還元型」
という考え方と一致します。
👉 「地域の米を酒へ変え、まず地域へ戻す大台型農醸産業」
です。
⑦ 酒文化
宮川
↓
大台の田
↓
伊勢錦
+
三重県産山田錦
+
その他三重県産米
↓
元坂酒造
↓
少人数醸造
↓
純米
+
山廃
+
生酛
↓
酒屋八兵衛
+
KINO/帰農
+
語蛍
↓
穏やかな香り
+
米の旨味
+
酸
+
キレ
+
長い余韻
↓
常温
+
燗
+
食中酒
↓
鮎
+
和食
+
伊勢志摩の食
👉 「米の味を料理の横で長く楽しむ、宮川・農村型食中酒文化」
元坂酒造の酒文化で、
最も重要なのは、
「飲み飽きないこと」
です。
第一の特徴|「酒屋八兵衛」
元坂酒造の中心ブランドは、
酒屋八兵衛。
創業者、
元坂八兵衛の名を継ぎます。
目指すものは、
「グラス一杯の煌めきよりも、一晩の安らぎを。」
です。
強い香り。
分かりやすい甘味。
一口目の派手さ。
だけを追いません。
料理を食べる。
酒を飲む。
また料理を食べる。
また酒を飲む。
この繰り返しが、
苦にならない酒です。
第二の特徴|純米酒
酒屋八兵衛 純米酒
では、
三重県産山田錦を使用。
透明感。
穏やかな口当たり。
バランス。
を重視します。
つまり、
日常の食卓で使いやすい八兵衛の基準酒
です。
第三の特徴|伊勢錦
元坂酒造を、
他蔵と最も明確に分ける米が、
伊勢錦
です。
自社田で栽培。
地域に由来する在来品種。
一度栽培が途絶え、
元坂酒造が復活。
現在まで栽培と醸造を続けます。
これは、
単なる、
「珍しい酒米」
ではありません。
元坂酒造自身が守り育ててきた地域資産
です。
第四の特徴|伊勢錦 山廃純米酒
酒屋八兵衛 伊勢錦 山廃純米酒
は、
元坂酒造の地域性を、
最も象徴する一本です。
自社田で育つ、
伊勢錦。
伝統的な、
山廃酒母。
を組み合わせます。
味わいは、
シャープさ。
ふくらみのある酸。
穀物を思わせる余韻。
を持ち、
食中から食後まで、
長く楽しめる設計です。
2016年G7伊勢志摩サミットでは、
ワーキングランチで提供されました。
つまり、
「三重の在来米を復活させた酒が、三重開催の国際会議で供された。」
という、
地域ブランド上、
非常に象徴的な実績です。
第五の特徴|伊勢錦 純米吟醸
酒屋八兵衛 伊勢錦 純米吟醸
も、
自社栽培の伊勢錦を使用します。
穏やかな甘味。
コク。
まっすぐな飲み口。
奥深い余韻。
が特徴です。
伊勢錦を、
山廃だけに固定せず、
純米吟醸でも見せる。
つまり、
「一つの米を、異なる酒質から理解できる。」
商品構成です。
第六の特徴|KINO/帰農
2021年に誕生した、
KINO/帰農
は、
元坂酒造の思想を、
さらに農業側へ掘り下げたブランドです。
定義は、
自社栽培の伊勢錦を使い、生酛で醸すこと。
コンセプトは、
「全ての産業は農に帰する。」
です。
日本酒がある。
その前に、
米がある。
米の前に、
田がある。
田の前に、
水。
土。
太陽。
人。
がある。
つまり、
酒だけを見ず、
酒の背後にある農村を見るためのブランド
です。
第七の特徴|自然農法への実践
元坂酒造では、
自ら田へ入り、
米づくりを行います。
過去には、
無農薬・無施肥を含む、
さまざまな栽培方法も試しています。
一方、
KINOというブランド自体を、
「無農薬だけが正しい」
という価値観には固定していません。
農家。
収量。
地域農業。
持続性。
まで含めて考える。
つまり、
「農法の正しさ」より「農村が続くこと」を重視する。
姿勢があります。
第八の特徴|KATARU HOTARU/語蛍
現代の元坂酒造を、
最も象徴的に表す酒の一つが、
語蛍
です。
ホタルが、
その年に取水地へ現れた場合だけ、
製造します。
ラベルには、
その年、
宮川で最初にホタルを確認した日を記載。
ホタル
↓
水環境
↓
仕込み水
↓
酒
↓
販売
↓
寄付
↓
水質保全
↓
翌年のホタル
という、
自然保全型の商品循環
をつくっています。
1本につき一定額が、
大台町へ寄付され、
宮川の水質保全へ充てられます。
つまり、
「テロワールを語るだけでなく、テロワールへ売上を返す酒。」
です。
第九の特徴|山廃と生酛
酒屋八兵衛では、
山廃。
KINOでは、
生酛。
と、
自然な微生物環境を利用する、
伝統的な酒母造りを重視します。
これは、
単なる古典回帰ではありません。
伊勢錦。
宮川。
農村。
という、
土地の味を、
強い香りで覆わず、
米・酸・発酵として見せるための方法です。
第十の特徴|食中酒
元坂酒造は、
「食中酒」
という言葉との相性が、
非常に強い酒蔵です。
鮎。
山菜。
肉。
魚。
和食。
伊勢志摩の海産物。
と、
料理の種類を狭く限定しません。
甘味や香りが突出し過ぎないため、
料理の味を受け止めながら、酒にも存在感がある。
という構造です。
第十一の特徴|常温・燗
元坂酒造の酒は、
冷酒だけを前提としません。
常温。
ぬる燗。
燗。
によって、
米の旨味。
酸。
熟成感。
が開きます。
つまり、
温度の変化まで酒質の一部
として楽しめます。
第十二の特徴|2026年全国新酒鑑評会
2026年、
令和7酒造年度全国新酒鑑評会で、
「酒屋八兵衛」が金賞
を受賞しました。
杜氏は、
2019年から製造責任者を務める、
元坂彰太。
伝統酒・食中酒だけではなく、
現在の吟醸技術でも、
評価を得ています。
したがって、
元坂酒造の酒文化は、
「大台ヶ原の森と宮川に支えられた農村で、主に三重県産米を使い、とりわけ自ら復活させた在来酒米『伊勢錦』を自社田・契約農家で育て、山廃・生酛などを通して米の旨味・酸・余韻を食中酒へ変え、『酒屋八兵衛』では日常の安らぎ、『KINO/帰農』では農村の持続、『語蛍』では宮川の水質保全まで表現する“宮川・農醸循環型酒文化”」
と定義できます。
⑧ 観光資源
元坂酒造
自社田
伊勢錦
宮川
大台ヶ原
大杉谷
大杉谷登山道
宮川ダム湖
鮎
大台茶
五桂池周辺
道の駅 奥伊勢おおだい
奥伊勢フォレストピア
鄙茅
VISON
伊勢神宮
熊野古道周辺
などがあります。
元坂酒造の観光価値で、
最も重要なのは、
「酒蔵と田んぼを一緒に理解できること」
です。
一般的な酒蔵観光は、
蔵。
タンク。
麹室。
試飲。
で終わります。
元坂酒造では、
そこから、
田んぼへ出られる。
ことが大きな違いです。
酒屋八兵衛を飲む。
↓
伊勢錦を知る。
↓
実際の田を見る。
↓
米づくりを知る。
↓
宮川を見る。
↓
酒へ戻る。
つまり、
「酒蔵見学が農村見学へ広がる。」
構造です。
三重県観光資料では、
旅行会社向けの体験として、
元坂酒造で、
蔵や酒米の環境を見学し、
その後、
日本料理店、
鄙茅
で地元食材と酒屋八兵衛を組み合わせる、
酒蔵・田園・食のペアリング体験が案内されています。
これは、
元坂酒造の地域ブランドを、
非常に分かりやすく表します。
田を見る。
酒を知る。
料理と飲む。
三つが、
一つの体験になります。
さらに大台町全体では、
大杉谷登山。
宮川SUP。
鮎釣り。
森林体験。
大台茶。
柚子。
と、
自然体験型観光が中心です。
元坂酒造は、
その中へ、
「味覚としての大台町」
を加える存在です。
👉 観光タイプは、
「酒蔵+田んぼ+清流+山里料理+エコツーリズム」型
です。
⑨ ターゲット
◎ 最優先
三重・大台地酒ファン
酒屋八兵衛ファン
日本酒ファン
食中酒ファン
伊勢錦に関心がある層
在来品種・酒米に関心がある層
米づくりと酒造りを一緒に知りたい層
農村文化に関心がある層
宮川・大台町旅行者
地域テロワールに関心がある層
○ 相性が良い
山廃・生酛ファン
燗酒ファン
三重県産山田錦ファン
自然環境・水文化に関心がある層
環境保全型商品に関心がある層
鮎・山里料理目的の旅行者
大杉谷・アウトドア旅行者
伊勢志摩旅行者
日本酒初心者
飲食店・料理人
インバウンド
△ 条件付き
華やかな香りや強い甘味を最優先する層
全商品を大台町産米だけで造る酒を求める層
予約不要の大型観光酒蔵を求める層
■ 想定ユーザー
酒屋八兵衛がなぜ食中酒と呼ばれるのか知りたい人
伊勢錦を使った日本酒を飲みたい人
消滅した酒米を復活させた背景を知りたい人
宮川の水と酒の関係を知りたい人
日本酒と農業の関係を知りたい人
大台町の鮎や山里料理に合う酒を探している人
KINO/帰農の思想に関心がある人
語蛍を通じて環境保全型の酒造りを知りたい人
⑩ 導線
■ 王道モデル
大台町
↓
元坂酒造
↓
酒屋八兵衛
↓
伊勢錦
↓
自社田
👉 「酒から、田んぼへ。」
■ 水モデル
大台ヶ原
↓
森林
↓
宮川
↓
柳原
↓
元坂酒造
↓
酒屋八兵衛
👉 「宮川の恵みを、一献に。」
■ 伊勢錦モデル
三重の在来米
↓
栽培消滅
↓
保存種籾
↓
元坂酒造
↓
1989年復活
↓
自社田
↓
酒屋八兵衛
👉 「消えた米を、酒で未来へ。」
■ 食中酒モデル
三重県産米
↓
山廃
↓
米の旨味・酸
↓
酒屋八兵衛
↓
料理
↓
もう一杯
👉 「一杯の驚きより、一晩の安らぎ。」
■ 帰農モデル
田
↓
伊勢錦
↓
生酛
↓
KINO/帰農
↓
飲み手
↓
農村
👉 「すべての酒は、田んぼへ帰る。」
■ 語蛍モデル
宮川
↓
ホタル
↓
水質
↓
仕込み水
↓
語蛍
↓
売上
↓
水質保全
↓
宮川
👉 「飲むことが、川を守る。」
■ G7モデル
伊勢錦
↓
元坂酒造
↓
山廃純米酒
↓
2016年伊勢志摩サミット
↓
世界
👉 「三重の在来米を、世界の食卓へ。」
■ 食モデル
宮川
↓
鮎
+
伊勢錦
↓
酒屋八兵衛
↓
山里料理
👉 「清流の鮎に、清流の里の酒を。」
■ 広域モデル
元坂酒造
↓
宮川
↓
大杉谷
↓
VISON
↓
伊勢神宮
👉 「森・川・田・酒から、伊勢へ。」
⑪ 強み
① 1805年創業
220年以上にわたる、
明確な時間資産があります。
② 大台町・柳原での継続醸造
創業地と現在地が一致し、
土地との連続性があります。
③ 宮川
全国的にも評価の高い清流を持つ地域に、
蔵があります。
④ 自社田約4ha
酒米の背景を、
実際の農業として持っています。
⑤ 伊勢錦
三重在来の酒米という、
非常に強い地域資産があります。
⑥ 伊勢錦を自ら復活
既存の地域資源を利用しただけでなく、
失われた品種を酒造りへ戻しました。
⑦ 「酒屋八兵衛」
創業者名を継ぐ、
明快な主力ブランドがあります。
⑧ 「グラス一杯の煌めきより、一晩の安らぎ」
酒質思想を、
一言で理解できます。
⑨ 食中酒
料理との関係を、
ブランド中心に置いています。
⑩ 山廃
伊勢錦の個性を、
酸と旨味へ展開できます。
⑪ 生酛
KINO/帰農で、
農・米・発酵をさらに深く接続しています。
⑫ KINO/帰農
日本酒から、
農村問題まで視野を広げる独自ブランドがあります。
⑬ 語蛍
水質・生態系・酒・環境保全を、
一商品で循環させています。
⑭ 60%が三重県内流通
「地元還元型」が、
実際の販売構造にも表れています。
⑮ 伊勢志摩との接続
ホテル・飲食・観光流通を通じ、
伊勢観光と結び付きます。
⑯ 約900石の生産規模
大量生産ではなく、
酒質と地域性を管理しやすい規模です。
⑰ 少人数の酒造体制
造り手と田・米・酒の距離が近い構造です。
⑱ 2016年G7伊勢志摩サミット
伊勢錦山廃純米酒が、
国際的な食の場で提供されました。
⑲ 2026年全国新酒鑑評会金賞
食中酒思想だけでなく、
現在の吟醸技術も評価されています。
⑳ ユネスコエコパークとの思想的整合
自然を利用しながら守るという、
大台町の地域理念と酒造りが一致しています。
⑫ 弱点
第一の弱点は、
「酒屋八兵衛」という名称だけでは大台町が伝わりにくいこと。
創業者名としては、
非常に明快です。
一方、
宮川。
大台町。
大杉谷。
まで、
商品名だけでは連想しにくい構造です。
そのため、
地域ブランド上では、
「酒屋八兵衛=宮川の町・大台で醸す酒」
という接続が重要になります。
第二に、
「伊勢錦」の価値が初見では理解されにくいこと。
山田錦ほど、
全国的な知名度はありません。
しかし、
三重で生まれ、
一度消え、
元坂酒造が復活させ、
自社田で現在も育てる、
という背景を知ると、
極めて強い地域資産になります。
第三に、
全商品が伊勢錦ではないこと。
酒屋八兵衛では、
山田錦など、
複数の三重県産米を使用します。
伊勢錦は、
蔵を象徴する重要米ですが、
「元坂酒造=全量伊勢錦」
ではありません。
第四に、
全商品が大台町産米ではないこと。
自社田や地域米を重視していますが、
蔵全体では、
三重県内の原料を広く使います。
つまり、
大台町型と三重県型の二つの地域スケール
があります。
第五に、
食中酒は一口目の分かりやすさで競争しにくいこと。
華やかな吟醸香。
強い甘味。
高いガス感。
など、
瞬間的に分かりやすい酒とは、
方向が異なります。
酒屋八兵衛の価値は、
二杯目。
料理との組み合わせ。
常温。
燗。
まで飲んで、
見えてくるタイプです。
第六に、
大台町自体の全国認知が限定的なこと。
伊勢。
松阪。
熊野。
に比べると、
「大台町」という地名は、
まだ広く知られていません。
一方、
大杉谷。
宮川。
ユネスコエコパーク。
という、
強い自然資産があります。
第七に、
観光拠点として酒蔵単独の常設性は高くないこと。
旅行商品として、
酒蔵・田んぼ・試飲・食事を組み合わせた体験がありますが、
大型観光酒蔵のように、
毎日自由に見学する施設とは性格が異なります。
第八に、
KINO・語蛍まで含めると思想が複層化すること。
酒屋八兵衛。
KINO/帰農。
語蛍。
それぞれ強い意味を持ちます。
地域ブランドとしては、
酒屋八兵衛=食卓
KINO=農
語蛍=水と環境
と見ることで、
三つの役割が明確になります。
⑬ 本質
👉 「宮川流域の土地で米を育て、自ら復活させた伊勢錦を酒へ変え、その酒を料理へ戻し、さらに売上の一部を水環境へ返すことで、“森・川・田・酒・食”を循環させること。」
元坂酒造を、
単なる、
「酒屋八兵衛を造る200年超の老舗酒蔵」
として捉えるだけでは、
本質を十分に表現できません。
最大の特徴は、
「酒蔵の外までが酒造りであること」
です。
第一の本質は「森」
宮川の水は、
大台ヶ原・大杉谷に連なる、
豊かな森林環境と切り離せません。
森がある。
↓
水がある。
↓
田がある。
↓
酒がある。
つまり、
酒の起点は、酒蔵ではなく森。
です。
第二の本質は「川」
宮川は、
大台町の暮らしそのものです。
鮎。
農業。
水。
観光。
酒。
を支えます。
語蛍では、
その水環境を、
商品そのものへ組み込んでいます。
第三の本質は「田」
元坂酒造にとって、
酒米は、
仕入原料だけではありません。
自ら田へ入る。
種を選ぶ。
育てる。
収穫する。
酒へする。
つまり、
酒造りと稲作が連続しています。
第四の本質は「伊勢錦」
元坂酒造の地域ブランドを、
最も象徴する存在です。
地域で生まれる。
↓
栽培が途絶える。
↓
種が保存される。
↓
元坂酒造が復活させる。
↓
自社田で育てる。
↓
山廃・吟醸・生酛へ展開する。
一本の米に、地域史そのものがあります。
第五の本質は「八兵衛」
酒屋八兵衛は、
創業者名。
つまり、
企業の原点を、
現在の商品へ残しています。
ただし、
味は過去の再現ではありません。
日常の料理に合わせ、
現在の食卓で使える酒として、
更新されています。
第六の本質は「食」
元坂酒造は、
酒だけで飲ませることを、
最終目的に置いていません。
「料理とともに一晩飲めること」
を重視します。
これは、
宮川の鮎。
山里の食。
伊勢志摩の魚介。
まで、
広い三重の食文化へ接続できます。
第七の本質は「帰農」
KINOの、
「すべての産業は農に帰する」
という考え方は、
元坂酒造の現在地をよく表します。
酒文化。
飲食。
流通。
観光。
すべての始まりには、
米づくりがある。
つまり、
文化の根を、農業までたどる酒蔵
です。
第八の本質は「共生」
語蛍では、
ホタルがいることが、
商品成立の条件です。
自然を使い切るのではなく、
自然が続くことが、
商品が続く条件になる。
「環境保全と経営が同じ方向を向く。」
非常に現代的な地域ブランドです。
第九の本質は「小規模」
約900石。
少人数。
限られた設備。
これは、
元坂酒造自身も認識する制約です。
一方、
田を見る。
米を見る。
醪を見る。
毎年変える。
という、
細かな判断ができます。
小さいことを、土地との距離の近さへ変えています。
第十の本質は「循環」
元坂酒造の地域ブランドは、
最後に、
最初へ戻ります。
森
↓
川
↓
田
↓
米
↓
酒
↓
食
↓
人
↓
環境保全
↓
森・川・田
つまり、
「酒を造って終わらない。」
ここが、
元坂酒造最大の独自性です。
したがって、
元坂酒造の地域ブランド上の本質は、
「大台ヶ原・大杉谷の森と宮川に支えられた大台町柳原で、1805年以来の酒造文化を継承し、自社田約4haを含む稲作を通して、三重県在来品種『伊勢錦』を復活・栽培し、『酒屋八兵衛』では飲み飽きない食中酒、『KINO/帰農』では農村と酒造の関係、『語蛍』では宮川の水質と生態系保全を表現することで、森・川・田・酒・食を一つの循環として次世代へ残すこと」
にあります。
元坂酒造は、
「大台町の老舗地酒蔵」
にとどまりません。
「宮川の水、自ら復活させた伊勢錦、自社田、221年の酒造り、食中酒文化、環境保全を一つの循環へまとめる“大台・宮川農醸共生型酒蔵”」
です。
⑭ コピー
「大台を醸す、酒屋八兵衛。」
「宮川の恵みを、一献に。」
「森から川へ、川から田へ、田から酒へ。」
「酒から、田んぼへ。」
「三重の米を、宮川の里で。」
「伊勢錦を、未来へ醸す。」
「消えた米を、酒で残す。」
「二百二十一年、田と酒とともに。」
「一杯の煌めきより、一晩の安らぎを。」
「料理の横に、酒屋八兵衛。」
「派手さより、もう一杯。」
「米を飲み、土地を知る。」
「すべての産業は、農に帰る。」
「酒の向こうに、田んぼがある。」
「ホタルが来る水で、酒を醸す。」
「飲むことが、宮川を守る。」
「テロワールを語るだけでなく、テロワールへ返す。」
「鮎と米と酒。宮川を食卓へ。」
「森・川・田・酒を、一つの循環に。」
「宮川と伊勢錦を、一晩の安らぎへ。」
■ 結論
大台町柳原・元坂酒造を取り巻く地域は、
「大台ヶ原・大杉谷の森林、国内有数の多雨環境、清流・宮川、田園、米、茶、鮎、林業、山村・農村の暮らしが重なる“森・川・農・食一体型地域文化圏”」
です。
大台町は、
単なる自然観光地ではありません。
町土の大部分を森林が占め、
宮川が町を横断し、
その水を使って、
米。
茶。
農産物。
が育ちます。
町全域が、
ユネスコエコパークの理念と結び付く、
自然と暮らしの共生地域
です。
元坂酒造は、
「1805年に現在地で創業し、六代にわたり家族で酒造りを継承し、主に三重県産米を使う『酒屋八兵衛』を中心に、約900石を醸す地域酒蔵」
です。
蔵前には、
約4haの自社田。
そこで、
一度地域から姿を消した、
伊勢錦
も育てています。
酒造りと農業が、
同じ会社の中で、
実際につながっています。
地域ブランドの基本構造は、
「大台ヶ原・大杉谷=森」
「宮川=水」
「大台町=農村」
「柳原=醸造地」
「1805年=時間資産」
「元坂八兵衛=創業者」
「酒屋八兵衛=本流ブランド」
「三重県産米=地元還元」
「自社田=農醸一体」
「伊勢錦=地域在来米」
「1989年=伊勢錦復活」
「山廃=食中酒」
「G7伊勢志摩サミット=地域発信」
「KINO/帰農=農業」
「生酛=稲作と発酵」
「語蛍=水と生態系」
「環境寄付=自然への還元」
「鮎・山里料理=地域食」
「2026年全国新酒鑑評会金賞=現在の技術」
によって構成されています。
元坂酒造最大の強みは、
「テロワールを商品説明ではなく、実際の経営行動にしていること」
です。
地域の米を使う。
だけではありません。
米を自分たちで育てる。
消えた米を復活させる。
山廃で醸す。
料理と飲む。
自然農法も試す。
生酛で農業を語る。
ホタルで水環境を確認する。
売上を水質保全へ返す。
つまり、
自然 → 農業 → 酒造 → 消費 → 環境保全
まで、
一つの酒蔵が関与しています。
そして、
元坂酒造の地域ブランドを、
最も端的に表すのは、
高級酒でも、
受賞歴でもありません。
「一晩の安らぎ」
です。
大台の自然は、
派手な都市型観光資源ではありません。
森。
川。
田。
鮎。
農村。
静かな土地です。
酒屋八兵衛も、
同じです。
香りだけで驚かせるのではなく、
料理とともに、
ゆっくり飲む。
常温でも飲む。
燗でも飲む。
気が付けば、
杯が進んでいる。
土地の静けさと、酒の性格が一致しています。
酒屋八兵衛を飲む。
↓
元坂酒造を知る。
↓
大台町を知る。
↓
宮川を知る。
↓
伊勢錦を知る。
↓
一度消えた米が復活したことを知る。
↓
田んぼを見る。
↓
KINOを飲む。
↓
農業について考える。
↓
語蛍を知る。
↓
宮川の水質保全を知る。
↓
鮎や地域料理と酒を合わせる。
↓
もう一度、
酒屋八兵衛を飲む。
この循環によって、
酒屋八兵衛は、
単なる三重の地酒ではなく、
「大台町という土地の森・川・田・人を理解する味覚の入口」
になります。
元坂酒造は、
「酒屋八兵衛を造る221年の老舗」
にとどまりません。
「大台ヶ原の森、清流・宮川、自ら復活させた伊勢錦、自社田、221年の酒造技術を食中酒へ変え、『KINO/帰農』で農村を、『語蛍』で水環境を次世代へつなぐ“大台・宮川農醸共生型酒蔵”」
です。
元坂酒造を象徴する地域ブランド表現は、
「宮川と伊勢錦を、一晩の安らぎへ。」
です。
元坂酒造のテロワールを味わう👇
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元坂酒造 |
宮川の伏流水と伊勢錦で「酒屋八兵衛」を醸す、1805年創業の大台町の酒蔵。 |
