齊藤酒造(酒蔵企業分析)

― 京都府京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105番地。明治28年・1895年創業。元禄期から「井筒屋伊兵衛」の屋号で呉服商を営んだ齊藤家が、鉄道開通による伏見の交通構造変化を受けて九代目・齊藤宗太郎の代に酒造業へ転業。1915年、大正天皇御大典を記念して代表銘柄を「英勲」と命名した。伏見の柔らかな名水、京都生まれの酒造好適米「祝」、社員杜氏と近代設備を組み合わせ、「淡麗優雅」――料理を邪魔せず引き立てる食中酒――を酒質思想として確立。全国新酒鑑評会14年連続金賞という歴史的実績、IWC GOLD、ワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞などを持ち、現在は13代目・齊藤洸氏のもと、酒蔵見学、蔵開き、スパークリング、リキュール、海外輸出、他蔵とのアッサンブラージュまで領域を広げる、伏見水系型・祝米地域循環型・吟醸技術特化型・食中酒思想型・伝統革新型酒蔵 ―


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

京都府京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105番地。

伏見の名水と京都府産酒米「祝」を軸に、代表銘柄**「英勲」**を醸す酒蔵が、齊藤酒造株式会社です。

創業は明治28年・1895年。

現在の代表取締役は13代目齊藤洸氏。2022年に代表取締役へ就任し、製造・営業の経験を踏まえて新しい事業展開を進めています。

齊藤酒造を一言で定義するなら、

「伏見の水と京都生まれの酒米『祝』を、全国屈指の吟醸技術によって“淡麗優雅”な食中酒へ仕上げる、京都地域資源特化型酒蔵」

です。


② 結論・企業ポジション

齊藤酒造の最大の企業価値は、

「京都の米・京都の水・京都の食文化を、一杯の日本酒へ結び付けていること」

です。

伏見には月桂冠、黄桜、玉乃光など特徴の異なる有力蔵があります。

その中で齊藤酒造は、

伏見の水
+
京都府産「祝」
+
英勲
+
吟醸技術
+
淡麗優雅
+
食中酒

という軸が明確です。

伏見酒造組合も、京都府限定の酒造好適米「祝」を重視し、長年の経験による技と近代設備を融合している蔵として紹介しています。

評価軸内容
会社名齊藤酒造株式会社
所在地京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105
創業1895年・明治28年
設立1960年
代表齊藤洸
世代13代目
資本金5,000万円
従業員酒造事業30名
代表銘柄英勲
旗艦一吟
地域ブランド古都千年
歴史ブランド井筒屋伊兵衛
地域酒米祝
酒質思想淡麗優雅
主要市場京都・近畿・首都圏・海外
本質京都地域資源を吟醸技術で磨く酒蔵

③ 基本情報

項目内容
会社名齊藤酒造株式会社
読みさいとうしゅぞう
所在地〒612-8207 京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105番地
TEL075-611-2124
FAX075-602-8331
創業1895年
設立1960年12月
代表取締役齊藤洸
資本金5,000万円
従業員30名・酒造事業
事業清酒製造販売・外食事業
主力銘柄英勲
主力商品一吟、井筒屋伊兵衛、古都千年
酒蔵本蔵
本社販売あり
蔵見学問い合わせ・企画開催型
EC直営ウェブショップ
輸出あり

公式会社概要では本社営業時間を平日9:00〜17:00とし、所在地・資本金・従業員数・事業内容を公開しています。


④ 歴史・企業形成

齊藤酒造の歴史は、

呉服商から酒蔵へ転換した企業史

です。

元禄期

齊藤家の祖先が泉州から伏見へ移住。

「井筒屋伊兵衛」の屋号で呉服商を始めました。

伏見は当時、京都と大坂を結ぶ水運・街道交通の重要拠点でした。

明治期

鉄道の普及により、人と物流の経路が大きく変化。

旧街道沿いの呉服商という事業環境が変化します。

1895年

九代目齊藤宗太郎が呉服商から酒造業へ転業。

当初の銘柄は、

柳正宗
大鷹

でした。

1915年

大正天皇御大典を記念し、

英勲

へ商標変更。

「英」と、九代目宗太郎の戒名にもつながる「勲」を組み合わせた酒銘として現在まで使われています。

1960年

法人化。

1970年代

横大路の現在地に近代的酒造設備を持つ蔵を整備。

1990年代以降

特定名称酒・吟醸酒を強化。

京都府産酒造好適米「祝」の復活・普及にも深く関わりました。

企業史の本質は、

交通環境の変化に合わせて呉服から酒へ事業そのものを変えた家系が、現在も日本酒市場の変化に合わせて革新を続けていること

です。


⑤ ブランド構造

齊藤酒造は、

英勲

という企業母艦の下に、明確な商品ブランドを持ちます。

商品・ブランド役割
英勲企業母艦
一吟山田錦・最高級吟醸
井筒屋伊兵衛歴史+祝米
古都千年京都地域ブランド
水天一碧純米大吟醸
大鷹創業期銘柄を継承
英勲純米酒日常食中酒
SPARKLING SAKE新規市場
季節酒生原酒・限定酒
リキュール非日本酒層

最も重要な構造は、

一吟=技術

井筒屋伊兵衛=歴史

古都千年=京都

です。

つまり商品名だけで、

技術・企業史・地域性

を分担できます。


⑥ 水・風土・伏見テロワール

齊藤酒造の酒造りの基礎は、

伏見の水

です。

伏見は地下水に恵まれた土地で、歴史的に「伏水」とも関連付けられてきました。

齊藤酒造自身も、

伏見七井の天与の水

を酒質の基礎として説明しています。

京都のGI生産基準でも、京都の酒は全体として、

  • 丸みのある柔らかな口当たり
  • 適度な旨味と甘味
  • ふくらみ
  • 品のある香り
  • 料理を邪魔しない食中適性

を地域特性としています。

これは齊藤酒造が掲げる、

淡麗優雅

と非常に近い方向です。

つまり、

伏見の柔らかな水
↓
穏やかな発酵
↓
なめらかな酒質
↓
上品な香味
↓
料理を引き立てる

という地域酒質が成立します。


⑦ 独自技術・酒造技術

齊藤酒造の技術的特徴は、

「人の経験」と「近代設備」の融合

です。

伏見酒造組合は、

長い経験を通じて体得した技術と、安定した品質再現を可能にする清潔な近代設備

の融合を特徴として挙げています。

社員杜氏制

酒造りは社員杜氏を中心とした製造社員によって行われています。

季節労働型杜氏だけに依存せず、

技術を会社内部へ蓄積

できる構造です。

低温貯蔵

搾った後の酒をマイナス5℃のサーマルタンクで貯蔵する工程が京都ものづくり企業ナビで紹介されています。

化学分析

出来上がった酒を成分分析。

官能評価

きき酒によって、

香り
味
バランス

を確認。

調合

商品ごとの酒質になるようにブレンド比率・瓶詰時期を判断します。

つまり技術構造は、

杜氏の感覚
+
成分分析
+
低温管理
+
調合技術
+
近代設備

です。


⑧ 原料・酒米戦略

齊藤酒造を理解する上で最も重要な原料は、

祝

です。

「祝」は京都府を代表する酒造好適米。

戦前には京都酒で広く使われましたが、栽培の難しさなどから一時生産が大きく減少しました。

1988年から復活に向けた試験栽培が始まり、齊藤酒造は初期の試醸を担った蔵の一つです。国土交通省の観光解説でも、齊藤酒造が祝の再導入を先駆けた存在として紹介されています。

祝は醸造中に溶けやすく、取り扱いが難しい酒米です。

しかし、それを制御することで、

柔らかさ
繊細さ
ふくらみ
上品さ

を生み出せます。

一方、

山田錦

は「一吟」のような最高級酒に使用。

したがって酒米戦略は、

祝=京都・個性

山田錦=技術頂点

という非常に分かりやすい二軸です。


⑨ 商品・商品戦略

英勲 一吟 純米大吟醸

精米歩合35%。

山田錦使用。

「世に数多い吟醸酒の中でも一番を目指す」という思想から「一吟」と名付けられた旗艦です。

役割:英勲の技術頂点

IWC 2017・2019でGOLDを受賞しています。


井筒屋伊兵衛 祝米 三割五分磨き

京都府産酒米「祝」を35%まで精米。

役割:京都×歴史×最高級酒米

元禄期からの屋号「井筒屋伊兵衛」を現代商品へ残した一本です。


井筒屋伊兵衛 純米大吟醸

歴史ブランドの標準純米大吟醸。

役割:蔵元家系の物語


古都千年 純米大吟醸

京都府産祝100%。

精米歩合45%。

京都府観光連盟が代表商品として紹介しています。

役割:京都プレミアム地酒


古都千年 純米吟醸

祝100%。

精米歩合55%。

フルーティーでジューシーな味わい。

役割:英勲の代表食中吟醸

ワイングラスでおいしい日本酒アワード2018・2019・2021で最高金賞。


古都千年 純米酒

祝を使った純米酒。

役割:京都酒の日常領域


水天一碧 純米大吟醸

軽快・なめらかな純米大吟醸。

役割:現代的プレミアム


大鷹 特別純米酒

創業当初のブランド名「大鷹」を残す商品。

役割:企業史の再商品化


英勲 純米酒

冷酒から燗まで対応する食中純米。

役割:日常酒


SPARKLING SAKE

炭酸・軽快さを持つ新カテゴリー。

役割:日本酒初心者・乾杯需要


リキュール

近年はレモン、紅茶などのリキュールも蔵開き等で展開。

役割:非日本酒層への入口

2025年の130周年では限定純米大吟醸、2026年春の蔵開きでも新商品や限定酒を積極的に投入しています。


⑩ 味わい・酒質設計

齊藤酒造の酒質を最も正確に表す言葉は、

淡麗優雅

です。

齊藤酒造自身が作った表現で、

「すっきりしていて、料理を引き立てる優雅な存在」

という意味です。

京都府観光連盟も、

日本酒は料理と一緒に楽しむものであり、

主役の料理を引き立てる名脇役

を目指す考え方を紹介しています。

味覚軸主な商品
華やか一吟
上品古都千年純米大吟醸
フルーティー古都千年純米吟醸
ふくよか井筒屋伊兵衛
軽快水天一碧
すっきり英勲純米
米旨古都千年純米
発泡SPARKLING SAKE
生原酒蔵開き限定
燗英勲純米

つまり、

香りを競うだけの吟醸蔵ではなく、吟醸技術を食中酒へ戻す蔵

です。


⑪ 受賞・品質評価

齊藤酒造の最大の品質証明は、

全国新酒鑑評会14年連続金賞

という歴史的記録です。

公式会社情報・伏見酒造組合の双方が、この14年連続金賞実績を紹介しています。

ただし、最新実績は区別する必要があります。

令和6酒造年度・2025年発表

「英勲」

入賞

令和7酒造年度・2026年発表

「英勲」

入賞

であり、直近2年度は金賞ではありません。


IWC 2017

一吟 純米大吟醸
GOLD


IWC 2019

一吟 純米大吟醸
GOLD

さらに、

井筒屋伊兵衛 祝米三割五分磨き 純米大吟醸 中採り原酒

もGOLDを獲得しています。


ワイングラスでおいしい日本酒アワード

古都千年 純米吟醸

2018
2019
2021

最高金賞。

品質構造は、

鑑評会型吟醸技術
+
市販酒評価
+
国際評価

の三方向です。


⑫ 地域ブランド

齊藤酒造は、

京都

だけでなく、

伏見
+
祝

までブランドを絞れます。

地域構造は、

京都
↓
伏見
↓
伏見の水
↓
京都産「祝」
↓
古都千年
↓
英勲

です。

2025年10月には清酒の地理的表示**GI「京都」**も指定されました。

GI京都では、

  • 国内産米
  • 京都府内採水
  • 京都府内製造
  • 京都府内貯蔵
  • 京都府内瓶詰

などを条件としています。

その中でも齊藤酒造は、

水だけでなく米まで京都

という強い地域説明ができます。


⑬ 人・組織・継承

現在の代表は、

13代目・齊藤洸氏

です。

1990年生まれ。

東京農業大学で醸造学と経営学を学び、齊藤酒造入社後は製造・営業を経験。

2022年に代表取締役へ就任しました。

これは重要です。

齊藤酒造では、

経営だけを知る蔵元

ではなく、

醸造と営業を経験した13代目

が現在の経営を担っています。

さらに製造は社員杜氏を中心に行われ、

蔵元
+
社員杜氏
+
製造社員
+
分析担当
+
営業

という組織で酒質を作っています。

現在の変化は、

伝統を守る

だけでなく、

日本酒の外へ顧客接点を広げる

方向です。


⑭ 観光・酒蔵ツーリズム

齊藤酒造の観光は、

常設自由見学型ではなく、予約・イベント型

です。

公式では蔵見学について電話問い合わせ制としています。

一方、近年は観光事業を積極化しています。

2025年

京都市観光協会と連携し、

社長が案内する酒造現場見学

を完全予約制で実施。

実際の酒造現場と試飲を組み合わせた体験でした。

蔵開き

春・秋に開催。

内容は、

  • 振舞い酒
  • 鏡開き
  • 限定酒
  • 有料試飲
  • きき酒
  • 物販
  • 飲食

など。

2026年3月14日にも春の蔵開きを開催しています。

英勲 宵飲み

2026年1月には夜の酒蔵イベントを開催。

一部プランには蔵見学を組み込みました。

つまり、

工場を常時開放するのではなく、人数・日時を管理して酒文化体験を提供する方式

です。


⑮ 流通・販売

齊藤酒造の国内主要市場は、

京都・近畿圏
+
首都圏を中心とする東日本

です。

販売チャネルは、

蔵元直売
酒販店
百貨店
飲食店
EC
輸出

に分かれます。

京都では、

  • ジェイアール京都伊勢丹
  • 京都高島屋
  • 大丸京都店

などで販売されています。

海外については、2025年の齊藤洸氏へのインタビューで、

売上のおよそ1割が海外販路

と説明。

主な取引国として、

カナダ
オーストラリア
香港

を挙げています。

つまり、

京都ローカル酒でありながら、輸出比率も持つ中規模国際型酒蔵

です。


⑯ 事業構造

公式事業内容は、

清酒製造販売
+
外食事業

です。

現在の企業活動を整理すると、

事業内容
清酒中核
純米大吟醸一吟・井筒屋伊兵衛
純米吟醸古都千年
純米酒日常食中酒
スパークリング新規需要
リキュール非清酒層
蔵元直売地域販売
EC全国
輸出約1割
蔵開きファン接点
酒蔵見学観光
外食飲食体験
コラボアッサンブラージュ等

13代目体制では、

日本酒だけを既存顧客へ売る

モデルから、

日本酒の外側に接点を作り、そこから日本酒へ誘導する

方向が強くなっています。


⑰ 競合比較

月桂冠との比較

項目齊藤酒造月桂冠
創業1895年1637年
規模中規模大手
核祝・吟醸・食中研究開発
主力英勲月桂冠
地域米非常に強い商品別
観光予約・イベント常設大型施設
海外輸出現地製造
一言京都米を磨く蔵日本酒技術を革新する蔵

黄桜との比較

項目齊藤酒造黄桜
核日本酒・祝多酒類
清酒思想淡麗優雅多カテゴリー
ビール非中心強い
観光少人数・イベント複合施設
ブランド英勲黄桜
一言日本酒を深める酒類を広げる

玉乃光との比較

項目齊藤酒造玉乃光
核祝+吟醸技術全量純米吟醸
地域米祝雄町・祝等
味思想淡麗優雅味吟醸
鑑評会14年連続金賞継続受賞
観光拡大中イベント中心
一言京都米の食中吟醸純米吟醸を極める

佐々木酒造との比較

項目齊藤酒造佐々木酒造
地域伏見洛中
最大資産祝洛中文化
水伏見銀明水
酒質淡麗優雅多層型
ブランド英勲聚楽第
一言京都の米を飲ませる京都の歴史を飲ませる

⑱ 経営課題・成長余地

① 英勲と祝の結び付き


② 14年連続金賞の扱い


③ ブランド体系


④ 酒蔵観光


⑤ 海外


⑲ SWOT分析

区分診断評価打ち手
Strengths伏見最大級京都産地訴求
Strengths伏見の水最大級酒質と接続
Strengths京都産祝最大級最優先資産
Strengths祝復活への関与強い歴史物語化
Strengths14年連続金賞最大級技術証明
StrengthsIWC GOLD強い海外品質証明
Strengths淡麗優雅非常に強い酒質言語統一
Strengths食中酒思想強い京料理連携
Strengths一吟技術頂点高級ブランド
Strengths海外売上約1割強い輸出拡大
Weaknesses商品体系が複雑初見に弱い3ブランド整理
Weaknesses常設観光施設なし観光量に制約少人数高付加価値
Weaknesses大手より全国認知低い一般市場祝・京都集中
Weaknesses売上規模非公開企業比較しにくいブランド価値重視
OpportunitiesGI京都最大級京都産地強化
Opportunities祝人気大きい単一米比較
Opportunitiesインバウンド大きい蔵見学
Opportunities食中酒再評価強い淡麗優雅
Opportunities海外日本食市場大きいペアリング
Opportunitiesスパークリング新規層乾杯市場
Threats米価格上昇原価圧力高付加価値
Threats祝の栽培難度原料リスク生産者連携
Threats清酒市場縮小長期課題新規層
Threats伏見内競争非常に強い祝で差別化
Threats吟醸酒競争激化淡麗優雅・食中

⑳ PEST分析

区分外部環境齊藤酒造への影響対応方向
PoliticalGI京都非常に有利京都米・京都水
Political酒類輸出支援海外に追い風輸出拡大
Political観光政策伏見に追い風蔵見学
Political地域農業振興祝に有利契約・連携
Economic米価格上昇高級酒原価増高付加価値
Economic円相場輸出へ影響市場分散
Economic京都観光消費直売に機会体験販売
EconomicプレミアムSAKE一吟に追い風高級化
Social食中酒回帰最大の機会淡麗優雅
Social地産地消祝に追い風京都訴求
Social若年酒離れ課題泡・リキュール
Social体験消費観光に有利宵飲み
Social日本文化人気海外に有利京都ブランド
Technological低温設備吟醸品質精密管理
Technological成分分析品質安定数値化
Technological官能評価酒質統一調合
TechnologicalEC全国・海外D2C
TechnologicalSNS小規模蔵に有利蔵人・13代目発信

GI「京都」は2025年10月1日に指定されています。


㉑ 4P分析

区分現状評価戦略
Product英勲母艦伏見ブランド
Product一吟技術頂点海外・贈答
Product井筒屋伊兵衛歴史祝35%
Product古都千年京都地域母艦
Product水天一碧現代純大若年高級層
Product大鷹歴史創業物語
Product純米酒日常食中
ProductSparkling新規市場乾杯
Productリキュール非清酒若年層
Price日常純米食卓
Price中価格古都千年観光・地酒
Price高価格一吟・井筒屋贈答・海外
Place蔵元地域直販
Place京都百貨店強い観光・ギフト
Place酒販店近畿・首都圏地酒市場
PlaceEC全国ファン直販
Place海外約1割成長市場
Promotion14年連続金賞最大資産技術
Promotion祝最大地域資産京都
Promotion淡麗優雅味思想食中
Promotion一吟IWC海外品質プレミアム
Promotion蔵開き体験ファン化
Promotion13代目人次世代発信

㉒ ターゲット

ターゲット適合商品・価値
京都地酒ファン古都千年
伏見酒ファン英勲
祝ファン井筒屋伊兵衛
酒米比較層古都千年・井筒屋
日本酒初心者古都千年純米吟醸
食中酒層英勲純米
吟醸酒ファン一吟
純米大吟醸層一吟・水天一碧
鑑評会酒層英勲
IWC評価重視層一吟
ギフト一吟・井筒屋
京料理層古都千年
ワイン層古都千年純米吟醸
低アル・泡層SPARKLING
非日本酒層リキュール
京都観光客古都千年
伏見観光客蔵開き
酒蔵体験層蔵見学
インバウンド京都・祝・一吟
海外日本食店食中酒
プレミアム層一吟
次世代ファン宵飲み・コラボ

㉓ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

京都の米を、伏見の水で。

サブコピー

明治28年創業。
齊藤酒造は、京都生まれの酒米「祝」と伏見の名水で、料理を引き立てる「淡麗優雅」な英勲を醸します。

酒米型コピー

祝を磨き、英勲へ。

味覚型コピー

主役は料理。英勲は、名脇役。

技術型コピー

14年連続金賞が磨いた、伏見の吟醸。

地域型コピー

京の米。伏見の水。英勲。

歴史型コピー

呉服商から酒蔵へ。井筒屋伊兵衛の系譜。

革新型コピー

淡麗優雅を、次の世代へ。

海外型コピー

Kyoto Rice. Fushimi Water. EIKUN.

短い説明文

齊藤酒造株式会社は、京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105番地にある1895年創業の酒蔵です。齊藤家は元禄期から「井筒屋伊兵衛」の屋号で呉服商を営み、鉄道開通による交通環境の変化を契機に九代目・齊藤宗太郎が酒造業へ転業。1915年、大正天皇御大典を記念して代表銘柄を「英勲」としました。現在は伏見の名水と京都府産酒造好適米「祝」を重視し、社員杜氏による経験技術と近代設備、低温貯蔵、成分分析、官能評価を組み合わせ、「淡麗優雅」と表現する料理を引き立てる酒質を追求しています。全国新酒鑑評会14年連続金賞という歴史的実績を持ち、一吟はIWC GOLD、古都千年純米吟醸はワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞を複数回獲得。現在は13代目・齊藤洸氏のもと、酒蔵見学、蔵開き、輸出、スパークリング、リキュール、他蔵とのコラボレーションまで事業を広げています。


㉔ この酒蔵をどう見せるべきか・最終評価

齊藤酒造は、以下の7資産に整理すると企業像が最も明確になります。

① 祝

最大の地域資産。

単なる京都産米ではありません。

復活期から関わり、

現在まで高級酒・定番酒へ使い続けています。

「英勲=祝」

までブランド認知を高められる資産です。


② 淡麗優雅

最大の味覚資産。

「辛口」「フルーティー」だけではなく、

料理を引き立てる優雅な酒

という独自言語があります。


③ 14年連続金賞

最大の技術資産。

歴史実績として非常に強く、

吟醸技術への信頼を一言で伝えられます。


④ 一吟

最大のプレミアム資産。

山田錦35%精米。

IWC GOLD。

英勲の技術頂点です。


⑤ 井筒屋伊兵衛

最大の企業史資産。

300年以上前の呉服商時代と現在の酒蔵を、

商品名だけでつなげられます。


⑥ 伏見の水

最大の自然資産。

祝と組み合わせることで、

京都の米×京都の水

まで地域性を深められます。


⑦ 13代目

最大の成長資産。

製造と営業を経験した若い蔵元が、

観光
海外
アッサンブラージュ
スパークリング
リキュール

へ企業を広げています。


最終評価

評価軸評価コメント
歴史性4.8/5呉服商時代まで遡れる
酒造歴史性4.6/51895年創業
地域性5.0/5京都・伏見・祝
水資産5.0/5伏見名水
酒米力5.0/5祝が企業中核
祝ブランド力5.0/5復活初期から関与
製法独自性4.8/5技+近代設備
技術力5.0/514年連続金賞
品質再現性5.0/5分析・官能・調合
商品力4.9/5日常〜35%純大
食中酒力5.0/5淡麗優雅
吟醸酒力5.0/5一吟・鑑評会
プレミアム力5.0/5一吟・井筒屋
国際評価5.0/5IWC GOLD
観光力4.6/5急速に強化中
初心者導入力4.8/5古都千年・泡
全国流通力4.6/5近畿+首都圏
海外力4.8/5売上約1割
ブランド独自性5.0/5祝+淡麗優雅
成長可能性5.0/513代目による革新


㉖ 最終結論

齊藤酒造株式会社は、京都府京都市伏見区横大路三栖山城屋敷町105番地にある、明治28年・1895年創業の酒蔵です。

しかし、その本質はそれ以上に、

元禄期に泉州から伏見へ移った齊藤家が「井筒屋伊兵衛」の屋号で八代にわたり呉服商を営み、鉄道開通によって水運・街道中心だった伏見の人流が変わる中、九代目・齊藤宗太郎が1895年に酒造業へ事業転換。1915年の大正天皇御大典を記念して代表銘柄を「英勲」とし、伏見の柔らかな名水と京都府を代表する酒造好適米「祝」を酒造りの中心へ据え、復活期の祝の試醸にも関与しながら、その扱いの難しい酒米を高品質酒へ仕上げる醸造技術を蓄積。社員杜氏と製造社員の経験、清潔な近代設備、マイナス5℃低温貯蔵、化学分析、官能評価、調合技術を組み合わせ、「淡麗優雅」という独自の言葉で表現される、料理を邪魔せず主役を引き立てる食中酒を確立。全国新酒鑑評会14年連続金賞という歴史的実績、一吟のIWC GOLD、古都千年純米吟醸のワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞などによって吟醸技術を実証しながら、一吟=技術、井筒屋伊兵衛=企業史、古都千年=京都というブランド構造を構築。現在は13代目・齊藤洸氏のもと、輸出比率約1割まで海外市場を拡大するとともに、予約制酒蔵見学、蔵開き、夜の蔵イベント、スパークリング、リキュール、他蔵とのアッサンブラージュなど日本酒の外側へ顧客接点を広げ、「京都の米・京都の水・京都の食文化」を世界へ届けようとしている、伏見水系型・祝米地域循環型・吟醸技術特化型・食中酒思想型・次世代伝統革新型の酒蔵

です。

■ コピー

「京都の米を、伏見の水で。」

■ 結論

齊藤酒造の最大の価値は、14年連続金賞そのものではありません。

京都生まれの酒米「祝」と伏見の水を、長年蓄積した吟醸技術で「淡麗優雅」という食中酒へ仕上げ、その思想を130年以上経った現在も次の市場へ進化させていることです。

「賞を取るための吟醸蔵」ではなく、
「吟醸技術を、料理に寄り添う京都酒へ戻す蔵」。

それが、齊藤酒造の企業としての本質です。

齊藤酒造のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
1
齊藤酒造

京都米と伏見の水で「英勲」を磨く、1895年創業の伏見の酒蔵。

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