山名酒造(酒蔵企業分析)

― 兵庫県丹波市市島町上田211。享保元年・1716年創業、丹波地方最古級の酒蔵として清酒「奥丹波」を醸す。霧深い奥丹波の山間部、霊峰・神池山の伏流水、昼夜の寒暖差に恵まれた酒米産地、生粋の丹波杜氏という土地の条件を酒造りの中核に置く。1997年に現在の主力銘柄「奥丹波」を立ち上げ、現在は兵庫県産酒造好適米を基本とする食中酒「奥丹波」、有機栽培・自然栽培米を農家別に醸す「自然酒」、1716年から幕末まで使用された創業銘柄を約150年ぶりに復活させた「千歳」の三層を展開。12代目・山名洋一朗氏のもと、2019年から生酛造りを復活、2021年には半世紀以上途絶えていた木桶仕込みを再開し、乳酸・酵母を添加せず蔵付き微生物を活用する古式醸造へ回帰する一方、搾り・瓶詰め工程では低温管理と最新設備を導入して鮮度保持を高度化する。山田錦、五百万石、愛山、野条穂、雄町、亀の尾、兵庫北錦、次世代酒米Hyogo Sake 85まで多様な酒米を扱い、生産者単位で米を混ぜない「農家の顔が見える酒造り」を展開。2024年には有機JAS認証を取得し、有機純米酒・有機酒粕へ事業を拡張。2026年には全国新酒鑑評会で「奥丹波 純米大吟醸」が21年ぶりの金賞を獲得。創業310周年を迎え、古式酒造・オーガニック・酒米研究・低アルコール・スパークリング・どぶろくまでをつなぐ、丹波テロワール型・自然酒型・古式醸造復興型・酒米多品種型・小規模クラフト型酒蔵です。


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

兵庫県丹波市市島町上田211。

丹波市市島町で、

「奥丹波」

を醸す酒蔵が山名酒造株式会社です。

創業は、

享保元年・1716年。

法人設立は1954年12月8日。
代表取締役は山名洋一朗氏。
資本金は1,000万円です。

山名酒造を一言で定義するなら、

「丹波の米・水・杜氏・微生物を、古式製法と現代技術で酒へ変える自然派酒蔵」

です。


② 結論・企業ポジション

山名酒造最大の特徴は、

「昔の酒造りへ戻ることを、未来の商品開発にしていること」

です。

通常、酒蔵の近代化は、

木桶 → タンク
生酛 → 速醸
手作業 → 機械化

という方向へ進みます。

しかし山名酒造は逆に、

生酛を復活する。
木桶を復活する。
蔵付き乳酸菌を使う。
酵母を添加しない酒を造る。
昔の酒米を復活させる。
低精白で米を残す。

という方向へ進みました。

一方で、搾り・瓶詰めでは低温管理と最新設備を導入し、酒へ余計な負荷をかけず短時間で瓶詰めする体制を整えています。

評価軸内容
会社名山名酒造株式会社
所在地丹波市市島町上田211
創業1716年
法人設立1954年
代表取締役山名洋一朗
当主12代目
資本金1,000万円
主力銘柄奥丹波
創業銘柄千歳
商品群奥丹波・自然酒・千歳
水神池山伏流水
地域丹波・市島
文化丹波杜氏
原料兵庫県産酒造好適米中心
自然酒有機・自然栽培米
古式技術生酛・木桶
酒米山田錦・五百万石・野条穂等
次世代米Hyogo Sake 85
有機有機JAS認証
2025全国評価全国新酒鑑評会 入賞
2026全国評価全国新酒鑑評会 金賞
観光直売・試飲・予約見学
海外アジア中心に輸出
本質古式製法を現代クラフトへ転換する蔵

③ 基本情報

項目内容
社名山名酒造株式会社
所在地〒669-4322 兵庫県丹波市市島町上田211
電話0795-85-0015
FAX0795-85-0291
創業1716年・享保元年
設立1954年12月8日
代表取締役山名洋一朗
資本金1,000万円
法人番号2140001041358
事業酒類製造業・酒類食品小売業
主力銘柄奥丹波
その他千歳・自然酒等
直売所蔵併設
現行営業時間10:00〜16:00
EC公式ウェブショップ
最寄駅JR福知山線 市島駅
徒歩約10分
車春日ICから約10分
駐車場あり・大型バス対応
売上高公式非公表
従業員数公式会社概要では非公表

2026年の求人情報では15名前後の組織規模が確認でき、小規模酒蔵として運営されています。公式会社概要では従業員数・売上高は掲載されていません。


④ 歴史・企業形成

山名酒造の歴史は、

千歳 → 丹波酒 → 奥丹波 → 自然酒 → 古式復興

で整理できます。

1716年

享保元年創業。

当時の酒銘は、

「千歳」

でした。

公式によれば「千歳」は創業から幕末まで造られていた銘柄です。


幕末以降

千歳の銘柄は一度途絶えます。

しかし酒造業そのものは丹波・市島で継承されました。


1997年

搾りたて新酒へ、

「奥丹波」

という酒銘を初めて使用。

当初は完成したラベルもなく、和紙に包んだ瓶へ焼印入りの木札を掛けて販売しました。

この木札製作は現在につながる地域交流事業となっています。


自然酒への展開

先代・山名純吾氏の時代から、有機農業の盛んな市島地域の農家と連携。

有機栽培米・自然栽培米を使う酒へ取り組み、

「自然酒」

を育成しました。


2019年

12代目・山名洋一朗氏を中心に、

生酛造りを復活。

市販乳酸を加えず、蔵内に存在する乳酸菌の働きを利用する伝統的な酒母造りへ戻しました。


2020年

山名洋一朗氏が30歳で12代目を継承。

「受け継げる形であり続けることが伝統」

という考えのもと、古式製法と現代品質管理の両立を進めます。


2021年

約150年途絶えていた、

「千歳」

を復活。

同時期に半世紀以上使われていなかった木桶仕込みも復活させました。

吉野杉の木桶を新調し、

生酛
+
木桶
+
無添加酵母

による酒造りへ踏み込みます。


2024年

有機加工食品の、

有機JAS認証

を取得。

日本酒だけでなく、副産物である有機酒粕までオーガニック商品として展開できる体制を整えました。


2026年

創業、

310周年。

3月には酒蔵まつり2026を開催。

さらに令和7酒造年度全国新酒鑑評会で、

「奥丹波」金賞。

21年ぶりの金賞となりました。

歴史を一言でまとめると、

「古いものを復刻することで、新しい酒を造る蔵」

です。


⑤ ブランド構造

山名酒造は現在、三つの基本ブランドで整理できます。

ブランド役割
奥丹波現代の企業母艦
自然酒有機・自然栽培・生産者
千歳創業・古式製法

さらに商品開発型として、

pizzica
みゅすかっと
どぶろく

などを持ちます。


奥丹波

兵庫県産酒造好適米を基本とし、

食中酒

を中核とするシリーズ。

穏やかな香り。

熟成した米旨。

キレ。

を重視します。


自然酒

有機農家・自然栽培農家の米を、

生産者単位で混ぜずに仕込む

シリーズ。

ラベルに生産者名まで記載します。


千歳

1716年の創業銘柄。

生酛。

木桶。

低精白。

無添加。

と、

江戸期の酒造思想

を現代へ再構築するブランドです。


⑥ 水・風土・丹波テロワール

山名酒造の自然資産は、

神池山伏流水

です。

蔵は霧深い山間部に位置し、公式はこの水と地元酒米、丹波杜氏を「奥丹波」の基本要素として挙げています。

丹波・市島は、

水が豊か
昼夜の寒暖差が大きい
霧が発生する
有機農業が盛ん

という土地です。

この環境は、

山田錦。

五百万石。

亀の尾。

Hyogo Sake 85。

など酒米栽培とも相性が良い。


地域構造は、

丹波の山
↓
神池山伏流水
↓
霧・寒暖差
↓
有機農業
↓
酒米農家
↓
丹波杜氏
↓
山名酒造

です。

つまり、

水だけではなく「農家+杜氏+微生物」まで含めてテロワール

と捉えるべき酒蔵です。


⑦ 独自技術・酒造技術

山名酒造の技術は、

「造りは古く、仕上げは新しく」

という構造です。

① 生酛造り

2019年に本格復活。

市販乳酸を使わず、

蔵内の乳酸菌を取り込みながら酒母を育てます。


② 木桶仕込み

2021年に半世紀以上ぶりに復活。

新しい吉野杉の木桶を用い、

桶そのものの微生物環境

も酒質へ取り込みます。

木桶修繕・製作には伝統的な桶職人技術が必要です。


③ 蔵付き酵母

千歳ルネサンスでは、

酵母無添加

の仕込みも実施。

蔵内の微生物相を活用します。


④ 低精白

通常の高級酒とは逆に、

80%前後など米をあまり削らず使用。

米の外層由来の、

酸。

苦味。

穀物味。

複雑味。

を意図的に残します。


⑤ 酒米別醸造

山田錦。

五百万石。

雄町。

野条穂。

亀の尾。

愛山。

Hyogo Sake 85。

兵庫北錦。

を使い分けます。


⑥ 生産者別仕込み

同じ酒米であっても農家ごとに混ぜず、

生産者単位で仕込む

商品を展開。

農業条件の違いを酒質へ残します。


⑦ 長期低温発酵

奥丹波純米吟醸等で実施。

五百万石と吟醸酵母を組み合わせ、

端正でキレのある酒を造ります。


⑧ 低温搾り

完成酒へストレスを与えないよう、

低温環境で搾ります。


⑨ 高速瓶詰め・品質保持

搾った酒を可能な限り短時間で瓶詰。

手造りした酒の味を機械で守る

という発想です。


⑩ 香味成分4MMPの活用

「みゅすかっと」では発酵条件を調整し、

清酒酵母に香気成分、

4MMP

を多く生成させ、マスカット様の香味を設計。

伝統酒とは全く異なる現代型商品開発も行っています。

技術体系は、

生酛+木桶+蔵付き菌+酒米+低温管理+最新瓶詰

です。


⑧ 原料・酒米戦略

山名酒造を理解するうえで最も重要な要素の一つが、

酒米の多様性

です。


山田錦

兵庫を代表する酒米。

定番酒。

自然酒。

千歳。

鑑評会酒。

まで幅広く使用。


五百万石

丹波産。

奥丹波純米酒・純米吟醸の中核。

淡麗・キレ

を担います。


野条穂

かつて丹波で栽培され、

山田錦と評価を二分したともされる酒米。

戦後に姿を消しましたが、

保存種から復刻。

山名酒造を象徴する復活酒米

です。


亀の尾

自然農法で復活。

低精白・生酛・熟成によって、

「ナチュール」と位置づけられる酒に仕上げています。


雄町

岡山県倉敷で有機栽培。

自然酒「△雨酒」に使用。

豊かな旨味と穏やかな酸を表現します。


愛山

兵庫県生まれの希少酒米。

芯のある甘味と、柑橘系の酸味・渋味を表現します。


Hyogo Sake 85

兵庫県が開発した次世代酒米。

高温耐性・耐倒伏性等の農業上の特性を持ち、香味面ではバナナ・リンゴ系香気が出やすいとされています。

山名酒造は初期から醸造へ参加し、2019年には同酒米商品を香港へ輸出しました。


兵庫北錦

蔵人自身が農家として育てる例もあります。

山名酒造では、

「米を育てる人が冬に酒を造る」

という本来の丹波杜氏文化が一部残っています。

原料戦略は、

「酒米を買う」のではなく、「酒米文化を残す」

ことまで含みます。


⑨ 商品・商品戦略

奥丹波 純米酒

丹波産五百万石100%。

搾った後にタンク熟成。

香りを落ち着かせ、

旨味を増し、

後口を鋭く切ります。

役割:奥丹波の基準酒。


奥丹波 純米吟醸

地元五百万石。

長期低温発酵。

明利小川酵母。

爽やかな吟醸香。

役割:端正な現代型奥丹波。


奥丹波・木札

年末を象徴する搾りたて酒。

「奥丹波」というブランドの原点となった商品です。


自然酒 ○陽酒

有機山田錦。

透明感ある甘さ。

青い果実系の香り。

役割:有機山田錦。


自然酒 △雨酒

有機雄町。

優美な香り。

穏やかな酸。

豊潤な旨味。

役割:雄町の原型的個性。


自然酒 □土酒

有機野条穂。

甘酸辛苦渋を残す複雑な酒質。

役割:復刻酒米。


亀の尾 生酛

自然栽培米。

低精白。

生酛。

長期熟成。

役割:奥丹波のナチュール。


千歳 Hyogo Sake 85

次世代酒米。

ライチ様の香り。

軽快な甘味。

シャープな酸。

役割:兵庫酒米の未来。


千歳 愛山

愛山100%。

甘味+柑橘系の酸。

役割:希少米プレミアム。


千歳 ルネサンス 野条穂

低精白。

乳酸無添加。

酵母無添加。

木桶。

役割:江戸酒造再構築。


千歳 ルネサンス 山田錦

山田錦を低精白。

自然発酵。

木桶仕込み。

役割:現代山田錦と古式技術の融合。


pizzica

天然の発泡感を活用したスパークリング系。

2026年前後には「ORIGIN」等へ刷新。

役割:若年・乾杯市場。


みゅすかっと

アルコール7%。

マスカット様の甘酸っぱい香味。

4MMPを発酵制御で引き出します。

役割:低アル・クラフトSAKE。


やまなのどぶろく

310周年期に開発。

直売所では生タイプも展開。

役割:米・発酵を直接楽しむ酒。


⑩ 味わい・酒質設計

奥丹波の基本酒質は、

「穏やかな香り+米旨+酸+キレ」

です。

日本酒造組合中央会も、

飲み飽きしない
口当たりが優しい
穏やかな酒

を目標とする蔵と紹介しています。

味覚軸主な商品
穏やか・旨口奥丹波純米
端正・淡麗奥丹波純米吟醸
フレッシュ木札
透明・爽やか○陽酒
豊潤・旨味△雨酒
複雑・穀物□土酒
滋味・熟成亀の尾
酸中心・古式千歳ルネサンス
軽快・果実Hyogo Sake 85
甘酸・低アルみゅすかっと
発泡・爽快pizzica

最大の特徴は、

「同じ味を造る」のではなく、米と製法の差を残すこと

です。


⑪ 受賞・品質評価

2026年最大の品質実績は、

令和7酒造年度 全国新酒鑑評会 金賞

です。

製造場:

山名酒造株式会社

商標:

「奥丹波」

が金賞に選ばれました。

全国793点の出品中411点が入賞し、そのうち217点が金賞でした。山名酒造にとっては21年ぶりの金賞で、受賞酒は純米大吟醸。米の旨味を残しながら、雑味の少ない爽やかな風味が評価されています。


2025年

令和6酒造年度全国新酒鑑評会で、

入賞。

翌2026年には金賞へ進みました。


2026年

21年ぶり金賞。

これは、

古式製法だけへ傾倒している蔵ではなく、

現代吟醸酒でも全国水準の品質を持つ

ことを示します。


⑫ 地域ブランド

山名酒造のブランド構造は、

**兵庫県

↓
丹波
↓
市島
↓
酒米農家
↓
丹波杜氏
↓
奥丹波**

です。

特に重要なのが、

「有機の里・市島」

という土地の背景です。

農家。

米。

土。

牛。

堆肥。

水。

酒蔵。

までが循環します。

ひょうたん農場では、

稲わら → 牛 → 牛糞 → 堆肥 → 作物 → 稲わら

という農業循環が成立しています。

つまり、

奥丹波は「蔵だけのブランド」ではなく、「農村そのもののブランド」

です。


⑬ 人・組織・継承

現在の代表取締役は、

山名洋一朗氏。

2020年に30歳で12代目を継承しました。

山名氏が進めているのは、

「伝統を昔の形で固定する」のではなく、「次世代が続けられる形へ変えること」

です。


青木卓夫氏

長く丹波杜氏として酒造りを支えてきた人物。

18歳で酒造業へ入り、30歳という若さで杜氏となり、

2015年に黄綬褒章

を受章しています。


蔵人=農家

一部の蔵人は、

春〜夏=農業。

秋〜冬=酒造り。

という丹波杜氏本来の生活構造を持ちます。

自分で育てた兵庫北錦を、

自分で酒へ仕込む例もあります。


小規模組織

2026年求人データでは15名前後。

大規模メーカーとは異なり、

農家・蔵人・経営者の距離が近い組織

です。


⑭ 観光・酒蔵ツーリズム

山名酒造の観光タイプは、

「地域の現役酒蔵を直接見る」

型です。


直売所

酒蔵併設。

現行公式案内では、

10:00〜16:00

営業。

奥丹波。

自然酒。

千歳。

季節酒。

などを購入できます。


試飲

現行公式サイトでは、

試飲対応あり

と案内されています。

地方発送も可能です。


酒蔵見学

要予約。

公式問い合わせフォームから希望日時・人数を連絡。

秋〜冬の仕込み期は受け入れできない場合があります。


アクセス

JR福知山線、

市島駅から徒歩約10分。

車では舞鶴若狭自動車道、

春日ICから約10分。

大型バス対応駐車場もあります。


酒蔵まつり

2026年3月14日には、

創業310周年・酒蔵まつり

を開催。

年間最大の一般開放イベントとして機能します。

観光構造は、

田園風景 → 酒蔵 → 見学 → 試飲 → 直売

です。


⑮ 流通・販売

山名酒造は、

専門流通+直販+EC+輸出

が中心です。

全国大手型ではなく、

酒専門店。

飲食店。

自然食品系流通。

蔵元直売。

公式EC。

を組み合わせます。


公式EC

公式ウェブショップから、

奥丹波。

自然酒。

千歳。

季節酒。

等を全国販売。


海外

国税庁の輸出支援事例では、

2015年から輸出を開始。

輸出実績国として、

シンガポール。

台湾。

韓国。

ベトナム。

マカオ。

ドバイ。

香港。

中国。

フランス。

が挙げられています。

輸出売上比率も、支援活用前の約1%から約5%へ拡大した事例として紹介されています。


Hyogo Sake 85

2019年から香港への輸出実績があります。

したがって、

「丹波のローカル酒」を、自然派・酒米・クラフトという文脈で海外へ出す

戦略と相性が良い蔵です。


⑯ 事業構造

事業内容
純米大吟醸鑑評会酒等
純米吟醸奥丹波・自然酒
純米酒奥丹波・千歳
本醸造定番・季節
生酒木札・搾りたて
生酛亀の尾・千歳
木桶千歳
無添加醸造千歳ルネサンス
熟成酒自然酒・季節商品
発泡酒pizzica
低アルみゅすかっと
どぶろくやまなのどぶろく
リキュール果実系等
酒粕有機酒粕等
菓子酒粕ジェラート等
EC公式通販
直売蔵元直売
観光酒蔵見学
イベント酒蔵まつり
輸出アジア・欧州等

2024年には、有機清酒の副産物である有機酒粕を使ったオーガニック加工飲料・食品事業も事業計画として採択されています。

つまり、

酒米 → 清酒 → 酒粕 → 食品

まで循環させる事業構造へ進んでいます。


⑰ 競合比較

項目山名酒造西山酒造場香住鶴富久錦
地域丹波市市島丹波市市島但馬播磨
主銘柄奥丹波小鼓香住鶴富久錦
核有機・古式・酒米文化・超軟水・蒸留生酛・山廃純米・地域農業
水神池山伏流水丹波超軟水但馬水系播磨
酒米非常に多様多様兵庫米中心地域米
古式製法生酛・木桶袋吊り等生酛・山廃純米中心
有機非常に強い一部限定地域農業型
観光直売・見学宿泊まで大型直売型飲食・直売
一言米と微生物を残す文化体験へ拡張生酛を徹底農と純米を結ぶ

山名酒造の独自ポジションは、

「有機農業・復刻酒米・木桶・蔵付き菌を、一つのブランドへ統合していること」

です。


⑱ 経営課題・成長余地

① 奥丹波と千歳の役割整理


② 2026年金賞


③ 有機JAS


④ 千歳


⑤ Hyogo Sake 85


⑥ 低アル市場


⑦ 観光


⑲ SWOT分析

区分診断評価打ち手
Strengths1716年創業最大級歴史
Strengths丹波地方最古級最大級地域
Strengths神池山伏流水最大級水
Strengths丹波杜氏最大級技術
Strengths有機農家連携最大級自然酒
Strengths有機JAS最大級海外
Strengths生酛最大級古式
Strengths木桶最大級千歳
Strengths蔵付き菌独自性大テロワール
Strengths酒米多様性最大級商品差
Strengths野条穂復活最大級文化
StrengthsHyogo Sake 85強い将来原料
Strengths2026全国金賞最大級品質証明
Weaknesses小規模生産量制約高付加価値
Weaknessesブランド数複雑体系整理
Weaknesses地方立地都市接点少EC・観光
Weaknesses古式製法コスト高プレミアム化
Opportunitiesオーガニック最大級有機JAS
Opportunities海外大きい自然酒
Opportunities酒米文化最大級農家別酒
OpportunitiesクラフトSAKE最大級千歳
Opportunities低アル大きいみゅすかっと
Opportunities気候対応酒米大きいSake85
Opportunities酒蔵観光大きい農業連携
Threats米価格上昇大きい契約農家
Threats気候変動最大課題品種分散
Threats人材不足大きい技術継承
Threats国内清酒市場縮小長期課題新規層
Threats有機原料不足高い農家育成

⑳ PEST分析

区分外部環境山名酒造への影響対応方向
Political有機JAS制度最大追い風自然酒
Political酒類輸出支援有利海外
Political地方創生有利丹波観光
Political農業支援有利酒米
Economic米価格上昇原価増高付加価値
Economic円相場輸出に影響市場分散
Economicプレミアム酒需要有利千歳
Economic観光消費機会直売
Socialオーガニック志向最大級有機JAS
Socialクラフト志向最大級木桶・生酛
Social低アル志向有利みゅすかっと
Social生産者重視最大級農家別酒
Social食中酒回帰強い奥丹波
Technological低温搾り品質向上鮮度
Technological瓶詰自動化品質安定流通
Technological酒米育種最大機会Sake85
Technological香気制御新商品4MMP
TechnologicalEC全国・海外D2C

㉑ 4P分析

区分現状評価戦略
Product奥丹波母艦食中
Product自然酒有機生産者
Product千歳古式プレミアム
Product野条穂復刻酒米文化
Product亀の尾ナチュール自然派
ProductHyogo Sake 85次世代若年・海外
Productpizzica発泡新規層
Productみゅすかっと低アル初心者
Productどぶろく発酵直売
Price日常奥丹波食卓
Price中価格純吟・自然酒地酒層
Price高価格千歳専門層
Place専門酒販強い説明販売
Place飲食店強い食中
Place直売最大特徴限定
PlaceEC全国D2C
Place海外成長中自然酒
Promotion1716年最大資産信頼
Promotion丹波杜氏最大資産技術
Promotion有機JAS強い海外
Promotion木桶・生酛最大級クラフト
Promotion21年ぶり金賞最大級現在品質
Promotion農家最大級テロワール

㉒ ターゲット

ターゲット適合商品・価値
丹波地酒ファン奥丹波
食中酒層奥丹波純米
辛口層奥丹波
吟醸酒層純米吟醸
鑑評会酒層金賞純米大吟醸
山田錦ファン○陽酒・千歳
五百万石ファン奥丹波
雄町ファン△雨酒
希少米ファン野条穂
古代酒米関心層亀の尾
愛山ファン千歳愛山
酒米研究層Hyogo Sake 85
オーガニック層有機純米・自然酒
ナチュラルワイン層亀の尾・千歳
生酛ファン千歳
木桶ファン千歳
無添加志向ルネサンス
日本酒初心者みゅすかっと
低アル層みゅすかっと
発泡酒層pizzica
どぶろく層やまなのどぶろく
丹波観光客直売所
酒蔵巡り見学
海外自然派層自然酒
ギフト層千歳・純米大吟醸

㉓ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

「米を残し、菌を生かし、丹波を醸す。」

サブコピー

神池山の水、丹波杜氏、有機の酒米。1716年から市島で。


奥丹波型コピー

「毎日の料理に、奥丹波。」


自然酒型コピー

「農家の違いまで、酒にする。」


千歳型コピー

「三百年前の酒造りを、未来の酒へ。」


生酛型コピー

「乳酸を入れない。蔵に任せる。」


酒米型コピー

「山田錦だけが、兵庫の酒米ではない。」


野条穂型コピー

「消えた米を、もう一度酒にする。」


有機型コピー

「田んぼから、オーガニック。」


品質型コピー

「二十一年ぶり、全国金賞。」


短い説明文

山名酒造株式会社は、兵庫県丹波市市島町上田211にある享保元年・1716年創業の酒蔵です。霧深い丹波の山間部で、霊峰・神池山の伏流水、地元で栽培される酒米、生粋の丹波杜氏の技を生かして「奥丹波」を醸しています。現在は兵庫県産酒造好適米を中心とする定番「奥丹波」、有機・自然栽培米を農家ごとに仕込む「自然酒」、1716年から幕末まで造られた創業銘柄を復活させた「千歳」を展開。12代目・山名洋一朗氏のもと、2019年から生酛造り、2021年から木桶仕込みを復活し、野条穂・亀の尾など失われつつあった酒米、Hyogo Sake 85など次世代米まで扱います。2024年には有機JAS認証を取得。2026年全国新酒鑑評会では「奥丹波 純米大吟醸」が21年ぶりの金賞を獲得しています。


㉔ この酒蔵をどう見せるべきか・最終評価

山名酒造は、以下の7資産で整理すると企業像が最も明確になります。

① 丹波


② 奥丹波


③ 生産者


④ 生酛+木桶


⑤ 千歳


⑥ 有機JAS


⑦ 2026全国金賞


最終評価

評価軸分析評価コメント
歴史性5.0/51716年創業
丹波地域性5.0/5市島
水資産5.0/5神池山伏流水
丹波杜氏文化5.0/5土地そのもの
酒米力5.0/5多品種
酒米独自性5.0/5野条穂・亀の尾等
生産者連携5.0/5農家別仕込み
有機農業力5.0/5自然酒
有機認証力5.0/5有機JAS
生酛力5.0/5復活
木桶力5.0/5半世紀ぶり復活
自然発酵力5.0/5酵母無添加酒
現代品質管理5.0/5低温搾り・瓶詰
吟醸技術力5.0/52026全国金賞
食中酒力5.0/5奥丹波
商品開発力5.0/5低アル・発泡
若年市場対応4.9/5みゅすかっと
観光力4.6/5見学・直売
海外展開力4.8/5輸出成長
ブランド独自性5.0/5米×菌×古式
成長可能性5.0/5有機・輸出・酒米


㉖ 最終結論

山名酒造株式会社は、兵庫県丹波市市島町上田211にある、享保元年・1716年創業の酒蔵です。

しかし、その本質はそれ以上に、

日本三大杜氏の一つとされる丹波杜氏を生んだ土地・丹波市市島町で、霧深い山間の寒暖差、霊峰・神池山から流れる伏流水、有機農業の歴史を持つ田畑、蔵の中で300年以上受け継がれてきた微生物環境を「酒造りの設備」そのものと捉え、兵庫県産酒造好適米を軸に、日々の食事へ合わせる穏やかな食中酒「奥丹波」を企業母艦として育てながら、山田錦・五百万石・雄町・愛山・野条穂・亀の尾・兵庫北錦・Hyogo Sake 85という性質の異なる酒米を、それぞれ均一化せず酒へ表現する酒蔵。先代時代から地域の有機農家・自然栽培農家との関係を築き、同じ品種であっても生産者が違えば米の個性も違うという考えから、農家ごとに酒米を混ぜず仕込み、ラベルへ生産者名まで記載する「自然酒」を展開することで、酒米品種の違いだけではなく農地・土壌・栽培者まで日本酒の価値へ取り込んできた。2020年に30歳で家業を継いだ12代目・山名洋一朗氏は、伝統を「昔と同じことを続けること」ではなく「次の世代が受け継げる形に変え続けること」と捉え、2019年から市販乳酸を使わず蔵内の乳酸菌を取り込む生酛造りを復活、2021年には日本に残る大桶職人の技術を用いて吉野杉の木桶を新調し、半世紀以上途絶えていた木桶醸造を再開。同時に創業1716年から幕末まで使われ、その後約150年姿を消していた酒銘「千歳」を復刻し、低精白米、生酛、乳酸無添加、酵母無添加、木桶を組み合わせ、江戸時代の丹波杜氏が確立した酒造思想を現代の衛生管理・温度管理の中で再構築している。さらに戦後に姿を消した丹波の酒米「野条穂」を復刻栽培し、自然栽培の亀の尾、兵庫県生まれの希少米・愛山、県が開発した高温耐性を持つ次世代酒米Hyogo Sake 85まで扱うことで、山田錦だけに依存しない「兵庫酒米の保存庫」ともいえる商品体系を構築。造りでは徹底して手仕事へ回帰する一方、搾り以降では低温環境で酒へストレスを与えず、最新設備によって可能な限り短時間で瓶詰めすることで、古式製法の繊細な香味を現代流通へ対応させる。「昔の設備を使うこと」が伝統なのではなく、昔の醸造思想を現代品質で届けることを目的としている点が最大の特徴である。2024年には有機加工食品のJAS認証を取得し、先代から続く有機米酒造を「奥丹波 有機純米酒」や有機酒粕へ展開。清酒だけでなく、酒粕を利用したジェラートや有機加工食品などへ副産物を循環させ、田んぼから酒、食品まで有機認証でつなげられる事業基盤を整備している。一方、新世代向けには天然の泡を生かすスパークリング「pizzica」、発酵条件を制御して清酒酵母から4MMPを多く生成させ、マスカット様の甘酸っぱい香味を実現したアルコール7%の「みゅすかっと」、直売所限定の生どぶろくなどを投入し、「古式製法に戻る蔵」と「日本酒の香味を科学的に拡張する蔵」という一見相反する二つの姿勢を同時に成立させている。品質面では令和6酒造年度全国新酒鑑評会で入賞し、続く令和7酒造年度・2026年発表では「奥丹波 純米大吟醸」が21年ぶりの金賞を獲得。自然酒、生酛、木桶だけが特徴の蔵ではなく、雑味を抑え米の旨味を引き出す現代吟醸技術でも全国最高水準へ到達したことを示した。販売面では蔵元直売所、公式EC、専門酒販・飲食店を軸にしながら、2015年から海外輸出を開始し、シンガポール、台湾、韓国、ベトナム、マカオ、ドバイ、香港、中国、フランスなどへ販路を拡張。国税庁の輸出支援事例では海外売上構成比が約1%から約5%へ拡大したケースとして紹介され、Hyogo Sake 85も2019年から香港へ輸出されている。2026年には創業310周年を迎え、全国金賞という現在品質、生酛・木桶という過去の技術、有機JASという環境価値、Hyogo Sake 85という次世代農業、低アル・スパークリングという新規市場を同じ酒蔵の中で接続し、「古いものを保存する」のではなく、「失われた米・技術・菌・農業を現代の商品として成立させる」ことで未来へ継承する、丹波テロワール型・有機農業連携型・酒米多品種型・古式醸造復興型・自然発酵型・クラフトSAKE型の酒蔵企業

です。

■ コピー

「米を残し、菌を生かし、丹波を醸す。」

サブコピー

神池山の水、丹波杜氏、有機の酒米。1716年から市島で。

■ 結論

山名酒造の最大の価値は、

1716年から続いていることだけではありません。

失われた野条穂を酒へ戻す。

亀の尾を自然栽培する。

生酛を戻す。

木桶を戻す。

千歳を戻す。

蔵付きの菌を戻す。

一方で、

低温設備を入れる。

瓶詰めを高速化する。

有機JASを取得する。

Hyogo Sake 85を使う。

低アルコール酒を造る。

スパークリングを造る。

マスカット香まで発酵で生み出す。

そして2026年、

21年ぶりの全国金賞。

この蔵は、

「昔へ戻っている」のではありません。

昔の酒造りから、

今の酒造りが失った価値を拾い直している。

そして、

それを現代技術で商品にしている。

「過去を復元して、未来の酒を造る蔵」。

それが、

山名酒造の企業としての本質です。

山名酒造のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
1
山名酒造

丹波の水・米・杜氏を「奥丹波」へ醸す、1716年創業の土地型酒蔵。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です