天領酒造(酒蔵企業分析)
― 延宝8年創業。近江日野商人の系譜を飛騨・萩原宿へつなぎ、飛騨山脈由来の希少な超軟水と全量酒造好適米、自家精米を核に、「天領」「天禄拝領」「日野屋」「天ロワール」を展開。地域農業から食中酒、純米大吟醸、燗酒、低アルコール、スパークリング、どぶろく体験、世界最高位航空クラスまで市場を広げる、“飛騨超軟水型・ひだほまれ基幹型・自家精米品質型・地域テロワール進化型酒蔵” ―
※本稿は2026年9月時点で確認できる天領酒造公式、酒類総合研究所、岐阜県酒造組合連合会、Kura Master、岐阜県観光公式等の現行情報を優先して整理しています。
※所在地は岐阜県下呂市萩原町萩原1289番地1。代表取締役社長・第9代蔵元は上野田又輔氏。杜氏は現行の蔵元紹介資料で片桐一成氏と確認できます。公式会社概要では創業を延宝8年・1680年としています。
① 導入・一行定義
岐阜県下呂市萩原町萩原1289番地1。
延宝8年・1680年創業。
近江日野を祖とする商家が飛騨・萩原宿へ移り住み、物品販売とともに酒造りを始めたことを起源とする酒蔵が天領酒造株式会社です。
現在の代表銘柄は、
「天領」
です。
さらに、
- 天禄拝領
- 日野屋
- 天ロワール
- 飛切り
- 天涼
- すますま
- 飛騨の梅酒
- 飛騨 米焼酎
など、伝統的食中酒から現代型酒・蒸留酒・リキュールまで非常に広い商品群を持ちます。公式オンラインストアでは100種類を超える商品群を展開しています。
酒質を支える中心資産は、
飛騨山脈由来の地下水
日本でも稀な超軟水
全量酒造好適米
自家精米
です。
公式は、現在の原料米が全量酒造好適米であり、ひだほまれを中心に、自社精米によって精密に米を磨き、超軟水による酸味の少ない酒質を目指すと明記しています。
一行定義
「飛騨・萩原宿の超軟水と、ひだほまれ・山田錦を中心とする全量酒造好適米を自家精米し、食事を邪魔しない柔らかな食中酒から山田錦35%の鑑評会級純米大吟醸まで醸し分け、さらに地元山田錦による『天ロワール』、低アルコール、スパークリング、どぶろく体験、世界航空市場まで展開する、“飛騨超軟水型・ひだほまれ基幹型・自家精米品質型・地域テロワール進化型酒蔵”」
② 結論・企業ポジション
天領酒造最大の企業価値は、
「飛騨の水・米・地域農業を、日常酒から世界最高級サービス市場まで一貫してつなげていること」
です。
一見すると、1680年創業の伝統的な飛騨地酒蔵です。
しかし現在の企業構造は非常に現代的です。
上撰・本醸造・純米
↓
純米吟醸・大吟醸
↓
純米大吟醸
↓
低アルコール
↓
スパークリング
↓
生酛・にごり・生原酒
↓
地元米テロワール
↓
航空・海外
↓
体験型観光
まで広がっています。
特に2026年8月には、岐阜県産ひだほまれを使った
「TENRYO HIDAHOMARE JUNMAI DAIGINJO50」
が、シンガポール航空国際線のスイートクラス/ファーストクラスの機内酒として採用され、実際に提供が開始されています。ボトルデザイン・ラベル製作にも高山市企業が参加しており、「飛騨の酒」だけでなく飛騨のものづくりを世界へ運ぶ商品となっています。
品質面では2026年に、
- Kura Master 純米大吟醸部門 金賞「純米大吟醸 天禄拝領」
- Kura Master 大吟醸部門 金賞「大吟醸 天禄拝領」
- Kura Master 梅酒部門 金賞「飛騨の梅酒」
- ワイングラスでおいしい日本酒アワード 金賞「純米大吟醸 天禄拝領」
- 全国燗酒コンテスト 金賞「上撰 天領」
を獲得しています。
| 評価軸 | 内容 |
|---|---|
| 会社名 | 天領酒造株式会社 |
| 所在地 | 岐阜県下呂市萩原町萩原1289-1 |
| 創業 | 1680年・延宝8年 |
| 法人化 | 昭和30年代 |
| 代表取締役 | 上野田又輔 |
| 蔵元 | 第9代 |
| 杜氏 | 片桐一成 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 主力銘柄 | 天領 |
| 高級ブランド | 天禄拝領 |
| 新世代ブランド | 日野屋 |
| 地域テロワール | 天ロワール |
| 主原料米 | ひだほまれ・山田錦等 |
| 原料米方針 | 全量酒造好適米 |
| 精米 | 自家精米 |
| 水 | 飛騨山脈由来地下水 |
| 水質 | 超軟水 |
| 基本酒質 | 柔らかい・低酸・米旨・食中 |
| 高級酒質 | 華やか・精緻・上品・キレ |
| 最新全国評価 | 令和7BY全国新酒鑑評会 入賞 |
| 2026 Kura Master | 日本酒2部門+梅酒部門 金賞 |
| 2026航空採用 | シンガポール航空スイート/ファースト |
| 観光 | 見学・試飲・どぶろく体験 |
| EC | 100種類超 |
| 本質 | 飛騨の地域資産を日常酒から世界市場へつなぐ酒蔵 |
③ 基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 天領酒造株式会社 |
| 所在地 | 〒509-2517 岐阜県下呂市萩原町萩原1289番地1 |
| TEL | 0576-52-1515 |
| FAX | 0576-52-3727 |
| 創業 | 延宝8年・1680年 |
| 設立 | 昭和30年代・法人化 |
| 代表取締役 | 上野田又輔 |
| 現蔵元 | 第9代 |
| 杜氏 | 片桐一成 |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 事業 | 清酒・焼酎・リキュール・その他酒類製造販売 |
| その他 | ギフト販売・見学・体験イベント |
| 代表銘柄 | 天領 |
| 高級銘柄 | 天禄拝領 |
| 新ブランド | 日野屋 |
| 地域ブランド | 天ロワール |
| EC | 公式オンラインストア |
| 商品数 | 100種類超 |
| 試飲 | あり |
| 酒蔵見学 | 要予約 |
| JR | 飛騨萩原駅徒歩約5~7分 |
| 下呂駅 | 高山本線で飛騨萩原まで約10分 |
| 駐車 | 周辺駐車場利用可能 |
公式会社概要では、酒類製造販売だけでなく、見学会・体験学習等のイベント企画運営も正式な事業内容として掲げています。
④ 歴史・企業沿革
1. 近江日野商人を祖とする
天領酒造の祖は、
近江日野
です。
上野田家は近江国日野で家を興し、日野屋佐兵衛を名乗りました。
江戸時代初期には近江から本州各地へ行商を行い、その過程で飛騨へ出店。
飛騨の自然、人情、暮らしに魅かれ、萩原へ定住しました。
2. 1680年創業
公式会社概要では、
延宝8年・1680年創業
としています。
物品販売のかたわら日本酒造りを始め、その後酒造業を本格化しました。
3. 明治期
明治時代になると、
酒造業を家業の中心
として経営するようになります。
4. 法人化
昭和30年代に、
天領酒造株式会社
として法人化。
現在まで家業として酒造文化を継承しています。
5. 「天領」という名称
「天領」は、
飛騨地方が江戸幕府直轄地=天領だった歴史
に由来します。
岐阜県観光公式も、飛騨地方の歴史を代表する酒名として紹介しています。
6. 飛切り
昭和40年、
特別純米酒「飛切り」
を発売。
増醸酒が一般的だった時代に「本物の地酒」を求めて、
純米酒
+
飛騨の酒
という考えで商品化されました。
7. 海外・航空市場
2005~2009年には「純米大吟醸 天領」がJAL国際線上位クラスで使用。
2011・2012年には国内線ファーストクラスで大吟醸が採用されています。
そして2026年、
シンガポール航空スイート/ファーストクラスへ採用
され、航空市場で再び大きな実績を作りました。
8. 地域農業への回帰
2021年から、
飛騨地域で山田錦栽培
へ挑戦。
現在は「天ロワール」として商品化しています。
9. 現在
第9代蔵元・上野田又輔氏のもと、
「酒をつくり、まちをつくり、人をつくる」
を企業思想として、農業・地域・酒文化を次世代へ残す経営を進めています。
⑤ 自然環境・水・テロワール
天領酒造最大の自然資産は、
飛騨山脈由来の超軟水
です。
公式は、
「日本でも稀な超軟水」
と表現しています。
超軟水の酒質
一般に硬水では酵母発酵が旺盛になりやすい一方、軟水では発酵が穏やかになります。
天領酒造は超軟水を利用し、
酸味を抑える
↓
柔らかな口当たり
↓
穏やかな香味
↓
食事を邪魔しない酒
という方向へ酒質を設計しています。
公式自身も、
「超軟水による酸味の少ない酒質」
を目標に掲げています。
飛騨・萩原の環境
萩原町は、
- 飛騨山地
- 飛騨川
- 山間盆地
- 豪雪・寒冷な冬
- 昼夜の寒暖差
- 米作地帯
を持ちます。
酒造りと酒米栽培双方に適した自然環境です。
テロワール構造
飛騨山脈
↓
雪・雨
↓
地下水
↓
超軟水
↓
萩原町の水田
↓
ひだほまれ・山田錦
↓
自家精米
↓
天領
となります。
現在はさらに、
「水だけ飛騨」から「米も水も飛騨」
へ地域性を深めています。
⑥ 原料米・農業戦略
天領酒造の原料戦略は、
「ひだほまれを企業母艦、山田錦を高級・テロワール開発軸」
とする構造です。
公式では現在、
原料米全量が酒造好適米
としています。
| 酒米 | 主な用途 | 役割 |
|---|---|---|
| ひだほまれ | 天領・飛切り・純米吟醸・純米大吟醸 | 飛騨基幹米 |
| 山田錦 | 天禄拝領・鑑評会酒 | 高級酒 |
| 萩原町産山田錦 | 天ロワール | テロワール |
| 萩原町産ひだほまれ | 天ロワール | 地域農業 |
| 日野町産山田錦 | 日野ロワール | 祖先地域連携 |
ひだほまれ
天領酒造を代表する米です。
「純米大吟醸 ひだほまれ 天領」では、
岐阜県産ひだほまれ
を使用し、華やかな吟醸香、上品な甘味、旨味と酸味の調和を狙います。
ひだほまれは、
大粒
心白が大きい
米旨が出やすい
という特徴を持ち、天領酒造の地域性を最も明確にする原料です。
山田錦
高級酒・出品酒の中心です。
2026年全国新酒鑑評会入賞記念酒は、
兵庫県産山田錦35%精米
の純米大吟醸。
華やかな吟醸香と切れのよい辛さを持ちます。
萩原町産山田錦
2021年から、
飛騨地域初となる山田錦栽培
へ挑戦。
天領酒造自身がこれを、
「究極のテロワール」
と位置づけています。
萩原町産ひだほまれ
「天ロワール」では、萩原町羽根地区のひだほまれも使用。
公式は、
「100%完全地元産による究極のテロワール」
を目標として掲げています。
日野町産山田錦
2026年には、
「日野ロワール」
も販売。
天領酒造の祖である滋賀県日野町の山田錦を使い、約340年を超える歴史の起点と現在の酒造りを結び直しています。
⑦ 酒造技術・製造思想
天領酒造最大の技術的特徴は、
自家精米から酒質を作ること
です。
1. 自家精米
公式は、
「自社精米による精密な精米」
を品質の重要要素として挙げています。
精米が不十分であれば雑味が出るため、原料処理段階から蔵自身が品質を管理します。
2. 全量酒造好適米
現在は全原料米を酒造好適米へ切り替えています。
日常酒まで原料米品質を高く保つ構造です。
3. 超軟水仕込み
飛騨山脈地下水の超軟水を使用。
酒質の方向は、
低酸・柔らかい・食中
です。
4. 「和醸良酒」
片桐一成杜氏は、
「和醸良酒」
を掲げ、蔵人全員の力を合わせて酒を醸すことを重視しています。
5. 手搾り・斗瓶
最高級酒「天禄拝領」では、
丹念な仕込みと手搾り
を重ねた商品があります。
さらに斗瓶取り商品も展開し、鑑評会系高級酒では圧力や搾り部分まで細かく選別します。
6. 生貯蔵
「天涼」では生貯蔵製法を採用。
搾りたての爽やかさを残し、
軽い香り
さらり
キレ
を作ります。
7. 生酛
「日野屋」では、
純米生酛
も展開。
2025年全国燗酒コンテストで金賞を受賞しています。
8. 無濾過生原酒・にごり
「日野屋 ささにごり」は2025年ワイングラスでおいしい日本酒アワードで、
最高金賞
を獲得。
伝統的食中酒だけでなく、フレッシュ・濃醇な現代酒質にも対応しています。
9. 低アルコール
近年は、
- 日野屋 純米大吟醸低アルコール
- 純米吟醸低アルコールうすにごり
- ANDANTE
などを開発。
飲酒量・嗜好変化へ対応しています。
技術 → 酒質
酒造好適米
+
自家精米
+
超軟水
+
発酵管理
+
搾り・貯蔵設計
↓
雑味の少なさ
↓
柔らかさ
↓
米旨
↓
低酸
↓
料理を邪魔しない余韻
が天領酒造の基本です。
⑧ ブランド構造
天領酒造は、
「天領」を母艦に、役割の異なる複数ブランドを持つ構造
です。
| ブランド | 役割 | 主なターゲット |
|---|---|---|
| 天領 | 企業母艦 | 地元・全国 |
| 天禄拝領 | プレミアム | 贈答・高級 |
| 日野屋 | 新世代・技術 | 愛好家・若年 |
| 天ロワール | 飛騨テロワール | 地域・自然派 |
| 日野ロワール | 祖先地域連携 | 物語・地域 |
| 飛切り | 食中純米 | 日常・燗 |
| 天涼 | 夏酒 | 地元・季節 |
| すますま | スパークリング | 初心者 |
| ANDANTE | 軽量酒質 | 新規層 |
| 飛騨の梅酒 | リキュール | 日本酒外市場 |
| 飛騨 米焼酎 | 焼酎 | 蒸留酒層 |
ブランド構造の本質
天領=信頼
天禄拝領=技術頂点
日野屋=革新
天ロワール=未来の地域性
です。
⑨ 商品ポートフォリオ
1. 上撰 天領
地元の日常酒。
公式は、
ほのかな熟成香
程よい旨味と酸
ぬる燗向き
飲み飽きない
と説明しています。
2026年全国燗酒コンテストでも金賞。
2. 純米酒 天領
食中酒の中核。
令和7年度名古屋国税局酒類鑑評会、
燗酒の部 優等賞
です。
3. 特別純米 飛切り
昭和40年発売。
米の味幅を持たせながら、
料理の味を損なわない控えめな甘さと香り
を追求する、天領酒造を象徴する食中酒です。
4. 本醸造 天領
令和7年度名古屋国税局、
燗酒の部 優等賞
です。
5. 天涼
- 飛騨産ひだほまれ
- 精米65%
- 14度
- 日本酒度+2
の夏向け生貯蔵酒。
鮎の塩焼きなどとの相性を公式が推奨しています。
6. 純米吟醸 ひだほまれ
飛騨の酒米を中核にする定番上位酒。
国内外で長期にわたり受賞歴があります。
7. 純米大吟醸 ひだほまれ 天領
飛騨産米・飛騨の水を使う地域型純米大吟醸。
- 720ml 3,036円
- 1.8L 5,693円
で販売されています。
8. 大吟醸 天禄拝領
兵庫県産山田錦を用いる最高級ライン。
手搾りを含む丁寧な造りで、
香り高い
シャープ
上品
な大吟醸へ仕上げます。
2026年Kura Master大吟醸酒部門金賞です。
9. 純米大吟醸 天禄拝領
現在の国際評価上の中核。
Kura Masterで、
- 2018 プラチナ
- 2022 プラチナ
- 2024 金賞
- 2026 金賞
を獲得しています。
10. 全国新酒鑑評会入賞酒 2026
2026年発売商品は、
- 兵庫県産山田錦
- 精米35%
- 純米大吟醸
で、令和7酒造年度全国新酒鑑評会入賞酒です。
11. 日野屋 純米大吟醸 infinity
現行商品の最高価格帯の一つ。
720ml相当商品で約1万9千円級の高付加価値商品を持ち、Vintageセットも展開します。
12. 天ロワール
下呂市萩原町産、
- 山田錦
- ひだほまれ
を使う地域限定型純米吟醸です。
「米も水も地域」という方向へブランドを進化させています。
13. 日野ロワール
滋賀県日野町産山田錦による純米吟醸。
企業の発祥地と現在地を酒でつなぐ商品です。
14. すますま
スパークリング日本酒。
2019年Kura Masterスパークリング・ソフト部門金賞。水・米・酵母を岐阜県産で構成する商品もあります。
15. 飛騨の梅酒
2024年Kura Masterプラチナ、2026年同梅酒部門金賞。
| 商品 | 分類 | 主な特徴 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 上撰 天領 | 普通酒 | 熟成香・燗 | 地元母艦 |
| 天領 純米 | 純米 | 柔旨・燗 | 食中 |
| 飛切り | 特純 | 低香・米旨 | 中核 |
| 天涼 | 本醸造生貯 | 軽快・夏 | 季節 |
| 純吟ひだほまれ | 純吟 | 地域米 | 上位 |
| 純大ひだほまれ | 純大 | 飛騨米・水 | 地域高級 |
| 天禄拝領 大吟醸 | 大吟醸 | 山田錦 | 高級 |
| 天禄拝領 純大 | 純大 | 国際受賞 | プレミアム |
| 日野屋 | 純大等 | 新酒質 | 革新 |
| 天ロワール | 純吟 | 萩原産米 | テロワール |
| すますま | 発泡 | 軽快 | 初心者 |
| 飛騨の梅酒 | リキュール | 果実 | 非清酒 |
⑩ 味わい・酒質ポジション
天領酒造の中心酒質は、
「超軟水柔旨・低酸食中型」
です。
公式自身が、超軟水によって酸を抑え、食事を邪魔しない酒質を重視しています。
ただし現在は、
日常酒
=柔らかい・燗・穏やか
純米吟醸
=米旨・吟醸香
天禄拝領
=華やか・精緻・シャープ
日野屋
=フレッシュ・生・低アル・にごり
天ロワール
=地域米の個性
へ広がっています。
| 味覚軸 | 評価 |
|---|---|
| 香り | ★★★★☆ |
| 甘味 | ★★★☆☆ |
| 酸 | ★★★☆☆ |
| 旨味 | ★★★★☆ |
| 柔らかさ | ★★★★★ |
| 透明感 | ★★★★★ |
| コク | ★★★★☆ |
| キレ | ★★★★☆ |
| 軽快感 | ★★★★☆ |
| フレッシュ感 | ★★★★☆ |
| 燗適性 | ★★★★★ |
| 食中適性 | ★★★★★ |
| 高級吟醸力 | ★★★★★ |
| 酒質多様性 | ★★★★★ |
酒質定義
「超軟水柔旨・食中吟醸両立型」
です。
⑪ 品質評価・受賞実績
全国新酒鑑評会
公式受賞歴では、
- 1992 金賞
- 2001 金賞
- 2004 金賞
- 2007~2010 4年連続金賞
- 2012 金賞
- 2013 金賞
- 2017 金賞
- 2019 金賞
- 2021 金賞
- 2023 金賞
- 2024 金賞
- 2025 金賞
など、多数の金賞実績があります。
2026年・令和7酒造年度は、
入賞
です。
販売中の記念酒も「令和8年全国新酒鑑評会 入賞受賞酒」と明記されています。
名古屋国税局酒類鑑評会
令和7年度は、
純米吟醸酒の部
純米大吟醸 天禄拝領=優等賞
燗酒の部
天領 純米酒=優等賞
天領 本醸造=優等賞
です。
つまり、
最高級酒と日常燗酒の双方で評価
されています。
岐阜県新酒鑑評会
2025年・第32回では、
- 純米吟醸酒「天禄拝領」
- 吟醸酒「天禄拝領」
- 純米酒「天領」
- 本醸造酒「天領」
の4部門すべてで連合会長賞。
2026年第33回でも連合会長賞を獲得しています。
Kura Master 2026
純米大吟醸酒部門
純米大吟醸 天禄拝領=金賞
大吟醸酒部門
大吟醸 天禄拝領=金賞
梅酒部門
飛騨の梅酒=金賞
です。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード
2026年、
純米大吟醸 天禄拝領=金賞
です。
2025年には、
日野屋 ささにごり純米吟醸無濾過生原酒=最高金賞
を獲得しています。
全国燗酒コンテスト
2026年、
上撰 天領=金賞
です。
品質評価構造
天領酒造は、
「鑑評会高級酒+市販純米大吟醸+日常燗酒+リキュール」
のすべてで評価される酒蔵です。
⑫ 地域ブランド・食文化
1. 自然
飛騨・萩原には、
- 飛騨山脈
- 飛騨川
- 山林
- 雪
- 超軟水地下水
- 水田
があります。
2. 歴史
萩原は、
飛騨街道の宿場町
として発展。
天領酒造は近江日野商人の商業文化と飛騨宿場文化を同時に持つ酒蔵です。
3. 風土
飛騨は、
寒い冬
標高
昼夜寒暖差
清水
という酒・米双方に適した条件を持ちます。
4. 産業
地域には、
- 酒造
- 酒米農業
- 飛騨牛
- 林業
- 観光
- 温泉
- 鮎などの川魚
があります。
天領酒造は現在、地元酒米栽培へ直接関与し、
酒蔵と農地の距離を縮める企業
へ進んでいます。
5. 食文化
相性の良い地域食は、
- 飛騨牛
- 鮎
- 朴葉味噌
- 鶏ちゃん
- 山菜
- 川魚
- 漬物ステーキ
- 飛騨そば
- 豆腐料理
です。
6. 地域構造
飛騨山脈=水
萩原=宿場
ひだほまれ=米
地元農家=農業
下呂温泉=観光
天領=酒
です。
⑬ 食中酒・ペアリング戦略
| 酒 | 料理 | 理由 |
|---|---|---|
| 上撰 天領 | 煮物・鍋 | 柔らか・燗 |
| 純米 天領 | 焼魚・和食 | 米旨・低酸 |
| 飛切り | 懐石・豆腐 | 香り控えめ |
| 天涼 | 鮎・夏魚・そば | 軽快・キレ |
| 純吟ひだほまれ | 山菜・魚 | 米旨・吟醸 |
| 純大ひだほまれ | 白身魚・会席 | 上品・甘味 |
| 天禄拝領 | 刺身・甲殻類 | 華やか・シャープ |
| 天ロワール | 飛騨牛・地域料理 | 地域米の厚み |
| 日野屋生酒 | チーズ・前菜 | フレッシュ |
| すますま | 前菜・軽食 | 泡・軽快 |
「天涼」は公式でも、
鮎の塩焼き
との相性を明記しています。
食中酒の本質
「酒だけで完成させず、料理の中で完成させる」
ことが天領酒造の基本思想です。
⑭ 観光・直売・顧客接点
天領酒造は、
「酒蔵見学+試飲+醸造体験型」
です。
岐阜県観光公式では、
- 酒蔵見学
- 地酒試飲
- JR飛騨萩原駅から徒歩約5分
- 見学要予約
と案内しています。
酒蔵見学
蔵内を見学し、日本酒造りを学ぶことができます。
大型観光工場型ではなく、
実際の酒蔵を理解する見学型
です。
どぶろく体験
特徴的なのが、
どぶろく醸造体験
です。
公式では、
- 月~土
- 午前1回・午後1回
- 約1.5時間
- 利き酒30分を含む
- 1~6名
で実施しています。
単なる見学より一段深い、
参加型酒文化体験
です。
蔵開き
2026年3月29日には年1回の蔵開きを開催。
- 特別酒
- 秘蔵酒
- 試飲販売
- 抽選
- ショットバー
などを展開しています。
下呂温泉との接続
下呂駅から高山本線で飛騨萩原駅へ約10分。
下呂温泉宿泊+酒蔵
という観光動線を組みやすい立地です。
観光類型
「宿場町実蔵見学型+試飲型+醸造参加型酒蔵」
です。
⑮ 流通・販売戦略
天領酒造の販売構造は、
地域+専門酒販+百貨店+EC+観光+海外+航空
です。
2026年にも、
- 大丸札幌
- 阪急
- 名古屋三越
- 百貨店
- 地酒イベント
など全国で試飲販売を実施しています。
EC
公式ストアは、
139商品規模
の商品ページを持つ非常に広い直販構造です。
清酒だけでなく、
- 焼酎
- リキュール
- 甘酒
- 季節セット
- 限定酒
まで販売しています。
航空
2026年、
シンガポール航空スイート/ファーストクラス
へ「TENRYO HIDAHOMARE JUNMAI DAIGINJO50」が採用。
これは単なる輸出ではなく、
世界の富裕旅行者とのブランド接点
です。
過去の航空実績
JAL国際線・国内線上級クラスへの採用実績もあり、
航空サービス市場との接続は一過性ではありません。
| 流通 | 主な役割 |
|---|---|
| 地元酒販 | 日常酒 |
| 飲食店 | 食中酒 |
| 百貨店 | 贈答・全国 |
| EC | 全商品 |
| 蔵元直売 | 観光 |
| 試飲会 | 新規顧客 |
| 航空 | 国際高級市場 |
| 海外 | ブランド拡張 |
流通の本質
「飛騨で飲む酒」から「飛騨を世界へ運ぶ酒」
へ拡張しています。
⑯ ターゲット
| ターゲット | 適合度 | 主な商品・理由 |
|---|---|---|
| 日本酒初心者 | ★★★★★ | すますま・低アル |
| 地元晩酌層 | ★★★★★ | 上撰・本醸造 |
| 純米酒ファン | ★★★★★ | 飛切り・天領純米 |
| 吟醸酒ファン | ★★★★★ | 純吟ひだほまれ |
| 大吟醸ファン | ★★★★★ | 天禄拝領 |
| 生酒ファン | ★★★★★ | 日野屋・生原酒 |
| 燗酒ファン | ★★★★★ | 上撰・飛切り |
| 食中酒層 | ★★★★★ | 最大の中核 |
| プレミアム層 | ★★★★★ | 天禄拝領・infinity |
| ギフト需要 | ★★★★★ | 純大・大吟醸 |
| 地酒マニア | ★★★★★ | 天ロワール |
| 観光客 | ★★★★★ | 見学・試飲 |
| 体験志向 | ★★★★★ | どぶろく体験 |
| 若年層 | ★★★★★ | ANDANTE・低アル |
| 海外客 | ★★★★★ | TENRYO・航空採用 |
⑰ 競合比較
A. 同地域競合:奥飛騨酒造
B. 飛騨観光型競合:舩坂酒造店
C. 飛騨販売型競合:渡辺酒造店
D. 地域農業型比較:吉田酒造
| 項目 | 天領酒造 | 奥飛騨酒造 | 舩坂酒造店 | 渡辺酒造店 |
|---|---|---|---|---|
| 創業 | 1680 | 1720 | 1703 | 1870 |
| 地域 | 下呂・萩原 | 下呂・金山 | 高山 | 飛騨古川 |
| 水 | 超軟水 | 伏流水 | 中軟水 | 飛騨地下水 |
| 主米 | ひだほまれ | ひだほまれ | ひだほまれ | ひだほまれ |
| 自家精米 | 強い | ― | ― | 強い |
| 主ブランド | 天領 | 奥飛騨・初緑 | 深山菊・四ツ星 | 蓬莱 |
| テロワール | 天ロワール | 飛騨金山 | 観光食文化 | 飛騨古川 |
| 観光 | 見学+醸造体験 | 資料館+見学 | 飲食+観光 | 蔵まつり |
| 低アル | 強化中 | 発泡酒 | リキュール等 | 商品多数 |
| 高級軸 | 天禄拝領 | 初緑・奥飛騨 | 四ツ星 | 蓬莱プレミアム |
| 2026全国 | 入賞 | 金賞 | 入賞 | 入賞 |
| 2026 Kura Master | 3カテゴリー金賞 | 金賞 | 金賞 | 高評価 |
| 最大差 | 超軟水+自家精米+地域農業 | 酒類幅 | 観光統合 | 販売力 |
差別化
奥飛騨酒造が「日本酒から蒸留酒まで酒類を広げる蔵」、舩坂酒造店が「観光と飲食を収益へ変える蔵」、渡辺酒造店が「商品開発と販売力を極限まで高める蔵」であるのに対し、天領酒造は「超軟水・自家精米・ひだほまれという原料品質を核に、日常食中酒から地元農業・世界航空市場まで一本につなぐ蔵」です。
⑱ SWOT分析
| 区分 | 要素 | 評価 | 意味 |
|---|---|---|---|
| Strength | 1680年創業 | 非常に強い | 歴史 |
| Strength | 超軟水 | 極めて強い | 酒質差別化 |
| Strength | 全量酒造好適米 | 非常に強い | 原料品質 |
| Strength | 自家精米 | 非常に強い | 品質管理 |
| Strength | ひだほまれ | 強い | 飛騨性 |
| Strength | 山田錦35% | 強い | 高級技術 |
| Strength | 天禄拝領 | 強い | プレミアム |
| Strength | 天ロワール | 極めて強い | 地域農業 |
| Strength | 燗酒 | 強い | 日常市場 |
| Strength | 低アル・発泡 | 強い | 新規需要 |
| Strength | 航空採用 | 極めて強い | 世界市場 |
| Strength | 醸造体験 | 強い | 観光 |
| Weakness | 商品数が多い | 高 | 選択複雑 |
| Weakness | ブランド数が多い | 中 | 認知分散 |
| Weakness | 天領と日野屋の関係が伝わりにくい | 中 | ブランド整理 |
| Weakness | 下呂温泉本体から一駅 | 中 | 観光導線 |
| Weakness | テロワール商品の認知 | 伸びしろ | 新しい |
| Opportunity | シンガポール航空 | 最大 | 国際PR |
| Opportunity | 下呂温泉 | 最大 | 観光 |
| Opportunity | 天ロワール | 最大 | 地域農業 |
| Opportunity | 低アル市場 | 大 | ANDANTE等 |
| Opportunity | 海外食中酒 | 大 | 超軟水酒 |
| Threat | 酒米価格 | 高 | 原価 |
| Threat | 農家減少 | 高 | 地元米 |
| Threat | 日本酒市場縮小 | 高 | 新商品 |
| Threat | 多品種による製造負荷 | 高 | SKU管理 |
| Threat | 気候変動 | 中~高 | 酒米 |
⑲ PEST分析
| 区分 | 外部環境 | 影響 | 方向 |
|---|---|---|---|
| Political | 地方創生 | 追い風 | 天ロワール |
| Political | 農業振興 | 追い風 | 地元米 |
| Political | 酒類輸出支援 | 追い風 | 海外 |
| Economic | 米価上昇 | コスト増 | 高付加価値 |
| Economic | インバウンド増 | 大きな機会 | 下呂 |
| Economic | 富裕旅行市場 | 大 | 航空 |
| Social | 地産地消 | 最大機会 | 萩原米 |
| Social | 低アル需要 | 強い | ANDANTE |
| Social | 燗酒再評価 | 強い | 上撰・純米 |
| Social | テロワール志向 | 強い | 天ロワール |
| Technological | 自家精米 | 強み | 品質 |
| Technological | 冷蔵・生酒管理 | 強み | 日野屋 |
| Technological | スパークリング | 新市場 | すますま |
| Technological | EC | 強い | 139商品 |
| Environmental | 地域農業維持 | 重要 | 契約・栽培 |
| Environmental | 水資源保全 | 重要 | 超軟水 |
⑳ 4P分析
| 区分 | 現状 | 評価 |
|---|---|---|
| Product | 日常酒~世界級純大・低アル・リキュール | ★★★★★ |
| Price | 日常~1万円超 | ★★★★★ |
| Place | 地元・飲食・百貨店・EC・航空・海外 | ★★★★★ |
| Promotion | 受賞+地域+航空実績 | ★★★★★ |
Product
天領酒造は非常に広い商品階層を持ちます。
上撰
↓
本醸造
↓
純米
↓
純米吟醸
↓
大吟醸
↓
純米大吟醸
↓
限定酒
↓
低アル
↓
発泡
↓
リキュール
まで一社で対応できます。
Price
1,000円台の日常酒から、
天禄拝領
日野屋 infinity
など1万円を超える高級酒まで多層です。
Place
地方酒蔵でありながら、
シンガポール航空最高位クラス
まで接点があります。
Promotion
歴史だけでなく、
飛騨産ひだほまれ
超軟水
天ロワール
Kura Master
航空採用
という具体的な品質・地域資産を持っています。
㉑ 成長戦略・課題
1. 「天領」の企業母艦化
商品数が多いため、
天領=企業の中心
という認識を明確に維持することが重要です。
2. 天禄拝領
高級酒の技術・評価を集約する、
プレミアム母艦
です。
2026年Kura Masterで純米大吟醸・大吟醸の双方が金賞を獲得しています。
3. 日野屋
日野屋は、
- 生酛
- ささにごり
- 生原酒
- 低アルコール
- Vintage
- infinity
など、伝統ブランド「天領」では表現しにくい新酒質を担います。
4. 天ロワール
今後の天領酒造で最も重要な地域資産の一つです。
米・水・醸造を萩原町内へ集約する
ことで、「飛騨の酒」という言葉を実体化できます。
5. 地元山田錦
山田錦の飛騨栽培は2021年開始。
今後品質が安定すれば、
兵庫山田錦=全国品質
飛騨山田錦=地域個性
という二本立てが可能です。
6. 低アルコール
ANDANTEや日野屋低アル酒は、
飲酒人口減
若年層
食中軽量化
海外
への対応になります。
7. 航空市場
2026年のシンガポール航空採用は、
TENRYO=世界のプレミアム移動体験
へ位置づけられる大きな実績です。
8. 観光
単なる蔵見学ではなく、
どぶろくを造る
ところまで体験できるのが特徴です。
9. 地域農業
代表挨拶では、
地域農業を守ること
を企業使命に明確に含めています。
天ロワールは単なる限定商品ではなく、企業の地域経営そのものです。
10. 成長資産
超軟水
+
ひだほまれ
+
自家精米
+
天ロワール
+
天禄拝領
+
シンガポール航空
+
どぶろく体験
です。
短期:1~2年
- 2026 Kura Master三部門金賞の定着
- シンガポール航空採用実績の国際認知
- 天ロワールの商品群拡充
- ANDANTE等低アル市場育成
中期:3~5年
- 萩原町産山田錦の品質安定
- 下呂温泉との体験型観光強化
- 航空・ホテル・高級飲食販路拡大
- 日野屋と天領のブランド役割明確化
長期:5~10年
「飛騨の老舗地酒蔵」から「飛騨の農業・酒文化・観光を世界へ運ぶ地域酒類企業」へ
という成長方向を持ちます。
㉒ ブランドコピー・見せ方
メインコピー
飛騨の水を、世界の一杯へ。
地域型コピー
飛騨の米、飛騨の水、萩原の酒。
水型コピー
超軟水が、酒をやわらかくする。
食中酒型コピー
料理の隣で、静かにうまい。
高級酒型コピー
山田錦を35%まで磨き、天禄拝領へ。
テロワール型コピー
米まで地元へ。天領流テロワール「天ロワール」。
歴史型コピー
延宝八年から、飛騨と醸す。
海外型コピー
TENRYO — Hida rice, Hida water, sake for the world.
㉓ この酒蔵をどう見せるべきか
① 最大の自然資産
日本でも稀な超軟水
です。
② 最大の原料資産
ひだほまれ+全量酒造好適米
です。
日常酒まで原料品質を上げていることが重要です。
③ 最大の製造資産
自家精米
です。
米を仕入れた後からではなく、磨きの段階から酒質を管理します。
④ 地域成長資産
天ロワール
です。
「飛騨の酒」を、地元産米まで含めた実際の生産構造へ進めています。
⑤ 高級ブランド
天禄拝領
です。
2026年Kura Masterでは大吟醸・純米大吟醸の双方で金賞です。
⑥ 日常酒資産
上撰・純米・本醸造・飛切り
です。
2026全国燗酒コンテスト、令和7年度名古屋国税局燗酒部門でも評価されています。
⑦ 世界市場資産
シンガポール航空スイート/ファーストクラス採用
です。
高級酒評価だけでなく、実際に世界の最上位顧客へ提供される実需実績を持ちます。
㉔ 最終評価
| 評価軸 | 評価 | コメント |
|---|---|---|
| 歴史性 | 5.0/5 | 1680年創業 |
| 地域性 | 5.0/5 | 飛騨・萩原 |
| 水資産 | 5.0/5 | 希少な超軟水 |
| 原料力 | 5.0/5 | 全量酒造好適米 |
| 精米力 | 5.0/5 | 自家精米 |
| テロワール | 5.0/5 | 天ロワール |
| 製法独自性 | 4.8/5 | 多酒質設計 |
| 技術力 | 5.0/5 | 全国・国際継続評価 |
| 酒質完成度 | 5.0/5 | 日常~高級 |
| 食中酒力 | 5.0/5 | 企業酒質の核 |
| 燗酒力 | 5.0/5 | 全国・国税局評価 |
| 商品力 | 5.0/5 | 100種類超 |
| ブランド力 | 4.9/5 | 天領+天禄拝領 |
| プレミアム力 | 5.0/5 | 山田錦35%・航空 |
| 国内評価 | 5.0/5 | 全国金賞多数 |
| 国際評価 | 5.0/5 | Kura Master・航空 |
| 流通力 | 5.0/5 | 百貨店・EC・航空 |
| 観光力 | 4.9/5 | 見学+醸造体験 |
| 初心者導入力 | 5.0/5 | 発泡・低アル |
| 若年層適合 | 4.9/5 | 日野屋・ANDANTE |
| 地域農業連携 | 5.0/5 | 萩原山田錦 |
| 海外適合 | 5.0/5 | SIA最高位クラス |
| 独自性 | 5.0/5 | 超軟水×自家精米×天ロワール |
| 成長可能性 | 5.0/5 | 地域・航空・低アル |
㉖ 最終結論
天領酒造株式会社は、岐阜県下呂市萩原町萩原1289番地1にある、延宝8年・1680年創業の酒蔵です。
祖は近江日野商人。現在は代表取締役社長・第9代蔵元の上野田又輔氏が経営を担い、片桐一成氏を杜氏として「天領」「天禄拝領」「日野屋」「天ロワール」などを展開しています。
その本質は単なる、
「下呂の老舗地酒蔵」
ではありません。
飛騨山脈から地下へ浸透した、日本でも稀とする超軟水を酒質の基盤に置き、原料米を全量酒造好適米とし、岐阜県を代表する酒米ひだほまれと兵庫県産山田錦を中心に、自家精米によって雑味の原因となる部分を精密に除去。超軟水による低酸・柔らかな口当たりを活かし、昭和40年発売の「飛切り」では料理を邪魔しない控えめな香りと米旨、「上撰 天領」「純米 天領」「本醸造 天領」では日常・燗酒、「天涼」では飛騨産ひだほまれを使った軽快な夏酒、「純米大吟醸ひだほまれ天領」では飛騨米と飛騨の水による華やかな純米大吟醸へ展開する。一方、最高級「天禄拝領」では山田錦を高度精米し、手搾り・斗瓶取りを含む精密な吟醸技術によって国内外の高級酒市場へ対応。2026年Kura Masterでは純米大吟醸天禄拝領・大吟醸天禄拝領がそれぞれ金賞、飛騨の梅酒も梅酒部門金賞。令和7年度名古屋国税局酒類鑑評会では純米大吟醸天禄拝領、天領純米、天領本醸造が優等賞となり、高級酒と燗酒双方の品質を証明している。さらに2021年から飛騨地域で山田錦栽培へ挑み、下呂市萩原町産山田錦・ひだほまれを使った「天ロワール」によって、米・水・醸造を地域内で完結させる“天領流テロワール”を構築。祖先の地・滋賀県日野町産山田錦を使う「日野ロワール」では、近江商人としての起源と現在の醸造を再接続している。商品面では日野屋の生酛・無濾過・ささにごり・低アルコール酒、ANDANTE、スパークリング「すますま」、焼酎、梅酒、甘酒など100種類を超える商品群へ拡張。観光では酒蔵見学・試飲だけでなく約1.5時間のどぶろく醸造体験まで実施し、下呂温泉宿泊客との接続性を持つ。国際市場では過去のJAL上級クラス採用に続き、2026年8月には「TENRYO HIDAHOMARE JUNMAI DAIGINJO50」がシンガポール航空国際線スイートクラス/ファーストクラスの機内酒へ採用され、飛騨産ひだほまれと飛騨の酒造技術を世界最高位の航空サービス市場へ届けている。
したがって天領酒造を最も正確に定義するなら、
「飛騨・萩原宿の希少な超軟水と、ひだほまれ・山田錦を中心とする全量酒造好適米を自家精米し、低酸・柔旨の食中酒から山田錦35%の鑑評会級純米大吟醸まで醸し分け、さらに地元米100%の『天ロワール』、生酛・無濾過・低アル・スパークリング・体験醸造を通じて市場を広げ、飛騨の酒を世界航空市場まで届ける、“飛騨超軟水型・ひだほまれ基幹型・自家精米品質型・地域テロワール進化型・世界市場接続型酒蔵”」
です。
同じ岐阜県の有力蔵と比較すると、
小坂酒造場=文化財の中で多様な新酒質を開発する蔵
山田商店=食中酒を磨き世界最高評価へ到達した蔵
舩坂酒造店=観光・飲食・輸出を高山で統合する蔵
奥飛騨酒造=伝統日本酒からウォッカまで酒類を広げる蔵
に対し、
天領酒造=「飛騨の超軟水と酒米を自家精米から磨き、日常の食中酒・地域農業・高級吟醸・世界の空まで一本につなぐ蔵」
という独自ポジションを持っています。
天領酒造のテロワールを味わう👇
| イメージ | 酒蔵 | 説明 | リンク |
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天領酒造 |
天領酒造は、岐阜県下呂市萩原町で「天領」「日野屋」を醸す、1680年創業・飛騨産ひだほまれ・地元栽培山田錦・純米大吟醸・生酛・燗酒・低アルコール・スパークリング・天ロワール・酒造体験を強みとする、地域農業と日本酒文化を次代へつなぐ老舗酒蔵。 |

