御殿場石川酒造(酒蔵ガイド)
― 富士山の雪解け水が数十年をかけて育てた伏流水と、御殿場こしひかり・令和誉富士を生かし、「雪解」「榮」「来光」を醸す御殿場の新世代酒蔵。1882年創業の石川酒造の酒造事業を受け継ぎ、2025年に富士山東麓で本格始動した“オール御殿場”志向のテロワール蔵。 ―

① 一行定義
御殿場石川酒造は、静岡県御殿場市印野の「御厨榮蔵」で「雪解」「榮」「来光」を醸す、富士山伏流水・御殿場こしひかり・令和誉富士・静岡酵母・純米吟醸・純米大吟醸・地域農業との連携・オール御殿場構想を強みとする、令和に誕生した富士山麓のテロワール型酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 静岡県御殿場市印野1388-37
会社名: 御殿場石川酒造株式会社
酒蔵名: 御厨榮蔵
現法人創業: 2019年
御殿場での蔵開業: 2025年1月
継承元: 1882年に静岡県御前崎市で創業した石川酒造の酒造事業
代表者: 坪口 弘樹
杜氏: 植村 正彦
代表銘柄: 雪解・榮・来光
地域: 御殿場市・富士山東麓・標高約500m
水: 富士山の雪解け水由来の伏流水
水質: 軟水・まろやか
主要原料米: 御殿場こしひかり・令和誉富士・五百万石・山田錦・美山錦・ひとごこち・山恵錦
酵母: 静岡酵母 New-5・HD-1、小川酵母など
酒質構成: 純米吟醸・純米大吟醸が中心
将来構想: 静岡県産・御殿場産酒米による酒造りの比率拡大
👉 “歴史を引き継ぎながら、酒そのものは御殿場の水・米・人から新しく造り直す蔵。”
御殿場石川酒造は、1882年に御前崎市で創業し、その後休眠していた石川酒造の酒造事業を引き継ぎ、現法人として2019年に新生した。
2025年1月、富士山東麓の御殿場市印野に「御厨榮蔵」を開設。
つまり、
1882年から同じ場所で連続して造り続ける老舗蔵
ではなく、
歴史ある酒造事業を受け継ぎ、御殿場で新しい酒造りを始めた酒蔵
と捉えるのが正確である。
③ 味ポジション
香り :★★★★☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
キレ :★★★★☆
コク :★★★☆☆〜★★★★★
👉 “富士山伏流水の柔らかさを土台に、フルーティーな吟醸香と米ごとの旨味を描き分ける現代純米型。”
御厨榮蔵の酒質は、銘柄ごとに役割が分かれている。
雪解
=御殿場こしひかり・柔らかさ・軽快・食中酒
榮 五百万石
=爽やか・すっきり・飲み飽きしない
榮 令和誉富士
=旨味・厚み・コク・熟成適性
来光
=山田錦・華やか・柔らか・プレミアム
という構造である。
富士山由来の伏流水が軟水であるため、全体として口当たりは柔らかい。
一方、原料米と酵母を変えることで、
軽快
+華やか
+旨味
+厚み
まで幅を持たせている。
④ 強み
① 富士山東麓・御殿場という圧倒的な地域ブランド
② 富士山の雪解け水由来の軟水伏流水
③ 標高約500mの冷涼な高原環境
④ 御殿場こしひかりを日本酒原料へ活用
⑤ 静岡県独自酒米「令和誉富士」を積極採用
⑥ 五百万石・山田錦・美山錦・ひとごこち・山恵錦まで酒米を拡張
⑦ 静岡酵母New-5・HD-1など県独自酵母を活用
⑧ 米と酵母の組み合わせを変えて酒質を明確に設計
⑨ 純米吟醸・純米大吟醸へ集中した現代的商品構成
⑩ 地元農業と連携して酒米栽培を開始
⑪ 将来的な“オール御殿場”酒造りを明確に掲げる
⑫ 御殿場産コシヒカリ「雪解」が2025年ふじのくに新商品セレクション金賞
⑬ 2025年開業の新蔵ならではの柔軟な商品開発
⑭ 1882年創業の石川酒造の酒造事業を継承
⑮ 富士山・御厨・酒神伝承までブランド物語へ統合
👉 “御殿場の強い地名資産を、単なる観光酒ではなく、米・水・酵母まで酒質へ落とし込める。”
特に重要なのが「雪解」。
御殿場産コシヒカリを100%使用し、静岡酵母で醸す純米吟醸で、
米の旨味・甘味
+穏やかな香り
+爽やかな後口
を持つ。
2025年には静岡県の「ふじのくに新商品セレクション」で金賞を獲得している。
これは、
御殿場の食用米を、地域ブランド日本酒へ転換した
という意味でも重要である。
⑤ 向いている人
・静岡、御殿場の地酒を飲みたい人
・富士山の伏流水に興味がある人
・柔らかな軟水仕込みの酒が好きな人
・御殿場こしひかりの日本酒を試したい人
・令和誉富士に興味がある人
・静岡酵母の酒を飲み比べたい人
・フルーティーな純米吟醸が好きな人
・純米大吟醸を楽しみたい人
・酒米ごとの違いを比較したい人
・日本酒初心者でも飲みやすい酒を探している人
・富士山観光と地酒を結びつけたい人
・新しい酒蔵の成長過程を追いたい人
・地域農業型テロワール酒に興味がある人
👉 “完成された老舗ブランドより、地域とともに育っていく酒蔵を楽しみたい人向け。”
御厨榮蔵は商品数を増やしながら、
山田錦
五百万石
令和誉富士
ひとごこち
美山錦
山恵錦
御殿場こしひかり
を比較できる体制へ進んでいる。
⑥ 向かない人
・何百年も同じ土地で続く老舗蔵だけを求める人
・熟成古酒中心の蔵を好む人
・山廃・生酛だけを追う人
・超辛口だけを基準に酒を選ぶ人
・巨大な商品ラインを持つ総合酒類蔵を求める人
・伝統的普通酒・本醸造を中心に飲みたい人
・大規模な酒蔵見学施設を期待する人
👉 “古典的な完成形より、御殿場という土地から新しい地酒ブランドを作る過程に価値を感じる人向け。”
静岡県酒造組合の案内では、一般向けの酒蔵見学は「無」とされている。
そのため現時点では、
観光施設型酒蔵
というより、
酒・土地・原料を軸にブランドを育てている段階
と考えるのが適切である。
⑦ 商品カテゴリ
■ 来光 純米大吟醸
御厨榮蔵のプレミアム酒。
原料米:山田錦100%
精米歩合:40%
アルコール:16%
上品な香りと柔らかな口当たりを特徴とし、
フルーティーな香り
+米の旨味
+飲みごたえ
を両立する。
👉 “御厨榮蔵の技術力を最も分かりやすく表す王道プレミアム。”
■ 榮 令和誉富士 純米大吟醸
静岡県独自の酒米「令和誉富士」を使用。
御厨榮蔵が将来目指す、
静岡県産米中心の酒造り
を象徴する純米大吟醸。
👉 “富士山麓の新しい酒米文化を高級酒へつなぐ一本。”
■ 榮 山恵錦 純米大吟醸
山恵錦を40%まで磨く純米大吟醸。
公式飲み比べセットでは、
まろやかな口当たり
が特徴として紹介されている。
👉 “山田錦とは異なる柔らかな表情を見せるプレミアム酒。”
■ 雪解 純米吟醸
御殿場石川酒造を象徴する地域酒。
原料米:御殿場こしひかり100%
精米歩合:60%
酵母:静岡酵母
アルコール:16%
特徴は、
柔らかな口当たり
+米本来の旨味
+穏やかな香り
+爽やかな後味
である。
2025年ふじのくに新商品セレクション金賞。
👉 “御殿場の米と富士山の水を最も直接的に感じられる一本。”
■ 榮 五百万石 純米吟醸
原料米:五百万石
精米歩合:50%
酵母:静岡酵母
アルコール:15.7%
酒質は、
爽やか
+すっきり
+清涼感
+程よい酸
+米の旨味
という食中酒型。
👉 “飲み飽きしにくい、榮の軽快・食中側。”
■ 榮 令和誉富士 純米吟醸
原料米:令和誉富士
精米歩合:60%
アルコール:16%
令和誉富士の旨味を前面に出すタイプ。
公式では、
旨味
+コク
+厚み
+個性的な味わい
を特徴とし、熟成にも向くと紹介されている。
👉 “軽快さより、酒米の旨味と厚みを楽しむ上級者寄りの榮。”
■ 榮 ひとごこち 純米吟醸
原料米:ひとごこち
精米歩合:50%
酵母:小川酵母
アルコール:16%
特徴は、
軽やかな口当たり
+米の旨味
+ふくらみ
+余韻のあるキレ
である。
ぬる燗では柔らかさ、熱燗ではコクが増すとされる。
👉 “冷酒中心の新世代蔵に、燗酒という奥行きを加える一本。”
■ 榮 美山錦 純米吟醸
2026年3月発売。
美山錦を使う新しい純米吟醸。
公式の飲み比べセットでは、
キリッとした旨辛口
として位置づけられている。
👉 “榮の商品群に辛口・シャープ側の軸を加える一本。”
■ 榮 山田錦 純米吟醸
山田錦を使う純米吟醸。
純米大吟醸「来光」より日常側で、
山田錦の旨味
+吟醸香
+飲みやすさ
を楽しむ位置づけ。
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎
ぬる燗 :◎
熱燗 :○〜◎
ワイングラス:◎◎
食中酒 :◎◎
👉 来光・雪解は冷酒、五百万石は冷酒〜常温、ひとごこちは燗まで。米ごとに温度を変えると違いが分かりやすい。
■ 料理との合わせ方
来光 純米大吟醸
→ 白身魚、寿司、ローストビーフ、上質な和食
榮 令和誉富士 純米大吟醸
→ 魚介、鶏料理、出汁料理
榮 山恵錦 純米大吟醸
→ 白身魚、野菜料理、前菜
雪解 純米吟醸
→ 刺身、豆腐、焼魚、和食全般
榮 五百万石
→ 寿司、天ぷら、蕎麦、魚料理
榮 令和誉富士 純米吟醸
→ 肉料理、味噌料理、熟成チーズ
榮 ひとごこち
→ 焼鳥、煮物、鍋、燗酒料理
榮 美山錦
→ 刺身、焼魚、天ぷら
御殿場なら、
御殿場こしひかり
御殿場わさび
富士山麓の野菜
富士山麓牛
鶏料理
豆腐
川魚
蕎麦
などとの組み合わせが分かりやすい。
👉 “富士山の水で醸した酒を、富士山麓の食と合わせる。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ○ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ◎ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ◎ 甘旨口
日常酒 ← ○ → ◎ プレミアム
県外米 ← ◎ → ◎ 地域米
老舗継承 ← ◎ → ◎ 新設蔵
地域酒 ← ◎ → ◎ テロワール構想
👉 “1882年の酒造史を受け継ぎながら、2025年の御殿場でゼロから地域酒を再構築する『新生テロワール型』酒蔵。”
御殿場石川酒造を理解するうえで重要なのは、
「老舗」か「新設蔵」か
のどちらか一方で整理しないこと。
構造は、
1882年・石川酒造創業
→ 休眠
→ 酒造事業継承
→ 2019年・御殿場石川酒造
→ 2025年・御厨榮蔵開業
→ 富士山伏流水
→ 御殿場こしひかり
→ 令和誉富士
→ 地域酒米栽培
→ オール御殿場
という流れである。
したがって、この蔵の本質は、
古いブランドをそのまま復活させること
ではない。
酒造免許と歴史を受け継ぎながら、御殿場の土地に合う酒を新しく作り直していること
にある。
静岡県内で比較すると、
磯自慢・初亀・開運など既存名門蔵
=「長年の蓄積・完成されたブランド」
に対し、
御殿場石川酒造
=「富士山・御殿場・新酒米・新設蔵・地域農業をこれから一体化する成長型ブランド」
という差別化が明確である。
■ コピー
メイン
「富士山の水から、御殿場の酒をつくる。『御厨榮蔵』。」
サブ
静岡県御殿場市、富士山東麓の標高約500メートルに、2025年、新しい酒蔵「御厨榮蔵」が誕生した。1882年創業の石川酒造の酒造事業を受け継ぎ、富士山の伏流水と御殿場こしひかり、令和誉富士などの米、静岡酵母を使って酒を醸している。
代表銘柄「雪解」は、富士山の水、御殿場の米、静岡の酵母を生かした地域の酒。将来は米・水・人すべてを御殿場でまかなう「オール御殿場」を目指している。歴史を受け継ぎながら、富士山麓の風土から新しい百年の地酒を造り始めた酒蔵である。
■ 結論
富士山の雪解け水と御殿場の米が、受け継いだ酒造りを新たな一滴へ。
「雪解」「榮」「来光」に、富士山麓の風土と静岡の酵母が息づく。
歴史を受け継ぎ、御殿場の地酒を、次の百年へ。
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御殿場石川酒造 |
御殿場石川酒造は、静岡県御殿場市印野の「御厨榮蔵」で「雪解」「榮」「来光」を醸す、富士山伏流水・御殿場こしひかり・令和誉富士・静岡酵母・純米吟醸・純米大吟醸・地域農業との連携・オール御殿場構想を強みとする、令和に誕生した富士山麓のテロワール型酒蔵。 |

