神の井酒造(酒蔵企業分析)

目次(Table of Contents)

― 安政3年・1856年創業。日本武尊と草薙剣の神話、熱田神宮との縁を残す名古屋・大高で、地元杜氏と少人数の蔵人が手造りを守る酒蔵。兵庫県産山田錦35%の大吟醸から、大高産「あいちのかおり」を使う特別純米までを造り、「柔らかな口当たり・芳醇な旨味・爽やかな後口」と“料理がおいしくなる酒”を追求する、“大高歴史文化型・地域密着型・少量手造り型・食中酒深化型酒蔵” ―

※本稿は2026年9月時点で確認できる愛知県酒造組合、日本酒造組合中央会、酒類総合研究所、名古屋市観光情報、全国新酒鑑評会、Sakenomy等の公開情報を基に整理しています。公式サイトは現在ウェブ検索から安定して取得できない状態のため、現行情報は複数の公的・業界資料を照合しています。


① 導入・一行定義

愛知県名古屋市緑区大高町字高見25番地。

JR東海道本線「大高」駅から徒歩約8分。

江戸時代末期の、

安政3年・1856年創業

の酒蔵が、

神の井酒造株式会社

です。

代表銘柄は、

「神の井」

です。

現在確認できる酒蔵情報では、代表者は、

久野正彦氏

杜氏は、

杉浦弘吉氏

です。

愛知県酒造組合は神の井酒造を、

「地元で愛されるお酒」を目標に、地元出身杜氏のもと少人数で手造りする蔵

と紹介しています。

神の井の企業姿勢を最もよく表す言葉は、

「くつろぎの時間の朋としてのお酒」

です。

高級酒だけを追うのではなく、

日常
食卓
地域
家族・友人との時間

の中に酒を置くことを重視しています。

一行定義

「安政3年・1856年創業。草薙剣神話と熱田神宮との縁を持つ名古屋・大高で、兵庫県産山田錦と地元産『あいちのかおり』を使い分け、地元杜氏・杉浦弘吉氏を中心とした少人数の手造りによって、柔らかな口当たり、ふくよかな旨味、爽やかな後口を持つ“料理がおいしくなる酒”を醸す、大高歴史文化型・地域原料型・少量手造り型・食中酒深化型酒蔵」


② 結論・企業ポジション

神の井酒造最大の企業価値は、

「名古屋という大都市の中で、地域に根差した小規模手造り蔵を現在まで守っていること」

です。

神の井酒造は、

全国大量流通型
でも、
海外ラグジュアリー特化型
でもありません。

企業ポジションは明確です。

地元大高・名古屋の人が日常で飲める酒を丁寧に造る。

その一方で、

大吟醸 荒ばしり

では兵庫県産山田錦を35%まで精米し、全国新酒鑑評会でも複数回金賞を獲得してきました。

現在確認できる資料では、2000年以降の全国新酒鑑評会金賞受賞は12回と紹介され、2010・2011・2012・2015年の金賞、2020年の入賞も確認できます。

そして2026年・令和7酒造年度全国新酒鑑評会でも、

「神の井」=入賞

となりました。

さらに2026年愛知県新酒品評会では、

本醸造酒部門 県組合会長賞

を受賞。

杜氏は杉浦弘吉氏です。

つまり神の井酒造は、

高級出品酒だけでなく、地元の日常酒にも技術を落とし込める蔵

です。

評価軸内容
正式社名神の井酒造株式会社
所在地愛知県名古屋市緑区大高町字高見25
創業1856年・安政3年
代表者久野正彦
杜氏杉浦弘吉
主銘柄神の井
酒名由来熱田神宮との縁・御神井
地域軸大高・熱田神宮・草薙剣神話
基本経営少人数・手造り
基本酒質柔らか・芳醇・爽やか
酒質思想料理がおいしくなる酒
高級米兵庫県産山田錦
地域米大高産あいちのかおり
地域酵母愛知県開発酵母を使用した商品あり
高級酒大吟醸 荒ばしり
純米大吟醸寒九の酒
地域純米吟醸山田錦純米吟醸 大高
地域純米あいちのかおり使用特別純米
2026全国新酒鑑評会入賞
2026愛知県品評会本醸造部門 県組合会長賞
過去全国金賞2000年以降12回と紹介
観光見学会実績あり・通常は要確認
最大資産名古屋大高の地域性
本質地元の食卓を支える小規模高品質蔵

③ 基本情報

項目内容
会社名神の井酒造株式会社
所在地〒459-8001 愛知県名古屋市緑区大高町字高見25
TEL052-621-2008
FAX052-621-0210
創業安政3年・1856年
代表者久野正彦
杜氏杉浦弘吉
主力銘柄神の井
主要事業清酒製造・販売
最寄駅JR東海道本線 大高駅
徒歩約8分
営業案内9:00~17:00とする観光案内あり
休業日・祝等、来訪前確認推奨
見学事前予約制の案内・見学会実績あり
法人番号6180001027969

日本酒造組合中央会・愛知県酒造組合・gBizINFOの所在地はいずれも一致しています。


④ 歴史・企業沿革

1. 1856年 ― 創業

安政3年。

江戸時代末期に、

尾張・大高

で酒造りを開始しました。


2. 大高という土地

大高は古くから、

海と陸を結ぶ交通の要衝
桶狭間周辺の歴史地域
熱田神宮文化圏

として発展してきました。

現在も神の井酒造のすぐ近くには山盛酒造があり、萬乗醸造も同じ大高地区に蔵を構えています。

つまり大高は、

名古屋市内でも酒蔵文化が集中して残る地域

です。


3. 神の井の命名

酒名「神の井」は、

熱田神宮との縁

に由来します。

日本武尊が東征の途中で大高に立ち寄り、宮簀媛命に草薙剣を預けたという伝承が、この地域と熱田神宮をつないでいます。

さらに三代目当主・久野友一氏が熱田神宮の御斎田を寄進した縁から、

「御神井の水のような酒を」

という意味で「神の井」と命名されました。


4. 全国新酒鑑評会

神の井酒造は長年にわたり吟醸技術を磨き、

2000年以降、

金賞12回

と紹介されています。

2009~2011年には少なくとも3年連続金賞の記録があります。


5. 地元米への転換

2010年代から、

大高の農家が育てた「あいちのかおり」

を使う酒造りを進めました。

久野正彦氏は、

「地元で生まれた酒」

という考え方を重視しています。


6. 現在

現在は、

山田錦による高級吟醸
と
大高産米による地域酒

の両方を持ちます。

2026年全国新酒鑑評会入賞、愛知県新酒品評会本醸造部門受賞と、

小規模ながら現在進行形で品質評価を維持しています。


⑤ 自然環境・水・テロワール

神の井酒造のテロワールを理解するうえで重要なのは、

「大高」という土地そのもの

です。

大高は名古屋市南東部にあり、

丘陵
旧街道
田畑
熱田神宮文化圏
伊勢湾に近い土地

という複数の要素を持ちます。


仕込み水

神の井酒造は、

地元の仕込み水

を酒造りの重要要素として扱っています。

大高産あいちのかおりを使う特別純米では、

地元米
+
愛知県開発酵母
+
地元の仕込み水
+
地元杜氏

を組み合わせ、

地産地消型の酒

として説明されています。


水だけで語らないテロワール

神の井の強みは、

「有名水源を使う」という単純な水ブランドではありません。

むしろ、

大高の米

大高の人

大高の歴史

熱田神宮との縁

まで含めた、

文化型テロワール

にあります。

テロワール構造

尾張・大高
↓
地域の水
↓
大高の田んぼ
↓
あいちのかおり
↓
地元杜氏
↓
神の井
↓
名古屋の食卓

です。

本質

「名古屋市内で、地元の米と人と歴史を一杯へ残す酒」

です。


⑥ 原料米・農業戦略

神の井酒造の原料戦略は、

「山田錦=高級酒」

「あいちのかおり=地域酒」

という非常に分かりやすい二層構造です。

酒米主な用途役割
山田錦大吟醸・純米大吟醸・純米吟醸高級・吟醸
あいちのかおり特別純米・地域酒大高テロワール
酒造好適米純米吟醸原酒等商品別
国産米定番酒日常酒

山田錦

「大吟醸 荒ばしり」は、

兵庫県産山田錦100%

精米歩合35%

です。

アルコール16~17度、日本酒度+3.5。

蔵の最高技術を集約する商品です。


純米大吟醸 寒九の酒

こちらも、

山田錦

を使用。

「大寒」の時期に仕込み、

爽やかな香り
純米酒らしいふくらみ
繊細さ

を併せ持つ酒です。


山田錦純米吟醸 大高

720ml商品では、

  • 山田錦
  • 15.5度
  • 日本酒度+3

という情報が確認できます。

やや辛口で、

爽やかな口当たり

を特徴とします。


あいちのかおり

特に重要なのが、

大高産「あいちのかおり」

です。

地元農家が育てた米を、

精米60%

まで磨き、特別純米へ仕上げています。

地域米に、

愛知県酵母
地元水
地元杜氏

を組み合わせることで、

神の井のテロワールを最も分かりやすく表現する商品

になっています。

原料戦略の本質

山田錦=全国品質

あいちのかおり=大高地域性

です。


⑦ 酒造技術・製造思想

神の井酒造の技術を一言で表すなら、

「小規模だからできる、手造りと細かな管理」

です。

愛知県酒造組合・名古屋市観光情報はいずれも、

少人数・手造り

を蔵の特徴として紹介しています。


1. 地元杜氏制

杜氏・杉浦弘吉氏は、

地元出身

です。

外部季節杜氏だけに頼るのではなく、

地域内部で技術を保持する構造です。


2. 高精白

大吟醸では、

山田錦35%

まで精米。

小規模蔵ながら高度な吟醸酒製造能力を持ちます。


3. 寒造り

「寒九の酒」は、

寒中仕込み

そのものを商品価値へ変えています。

低温期のゆっくりした発酵によって、

香りとふくらみの調和を狙います。


4. 地元米60%精米

地域酒でも、

あいちのかおり60%

まで磨きます。

「地元米だから粗く造る」のではなく、一定水準以上の精米を行う点が重要です。


5. 麹・蒸米・タンク管理

2023年の見学会紹介では、

  • 大きなせいろ
  • 麹室
  • 蒸米
  • 冷水
  • 酵母
  • 発酵タンク

という、伝統的な清酒製造設備が紹介されています。


6. 基本酒質を守りながら革新

代表・久野正彦氏は、

「杜氏は基本の味を守りながら、新しいことにも挑戦している」

と述べています。

その一例が、

NAGOYAクラウド

です。

大高産「あいちのかおり」と愛知県産酵母を使い、商品設計・ラベルまで地域性を高めた酒として展開されました。


技術 → 酒質

少人数
+
手造り
+
地元杜氏
+
山田錦35%
+
寒造り
+
地元米60%
↓
柔らかな入口
↓
ふくよかな旨味
↓
爽やかな香り
↓
きれいな喉越し
↓
料理へなじむ後口

です。


⑧ ブランド構造

神の井酒造は、

単一ブランド「神の井」を中心に、商品階層で役割を分ける構造

です。

商品・シリーズ役割
神の井企業母艦
大吟醸 荒ばしり技術頂点
純米大吟醸 寒九の酒高級純米
純米吟醸 大高中核吟醸
純米吟醸原酒濃醇・酒通
特別純米 あいちのかおり地域酒
本醸造 神の井日常
普通酒 神の井地元晩酌
NAGOYAクラウド地域新商品

ブランド構造の本質

神の井=地域

その中で、

荒ばしり=最高技術

寒九=季節・高級

大高=地域+吟醸

あいちのかおり=地産地消

という構造です。


⑨ 商品ポートフォリオ

1. 大吟醸 荒ばしり

  • 兵庫県産山田錦100%
  • 精米35%
  • 16~17度
  • 日本酒度+3.5

神の井酒造の最高峰級商品です。

2010・2011・2012・2015年全国新酒鑑評会金賞、2020年入賞の実績が確認できます。


2. 純米大吟醸 寒九の酒

神の井純米酒の最高峰。

  • 山田錦
  • 15.5度
  • 日本酒度+5

大寒期に仕込み、

爽やかな香り

ふくらみ

繊細さ

を併せ持ちます。


3. 山田錦純米吟醸 大高

  • 山田錦
  • 15.5度
  • 日本酒度+3

やや辛口。

冷酒・燗の双方に対応します。


4. 純米吟醸原酒

高精白した酒造好適米を使い、

原酒らしい芳醇な香りと豊かな味わい

を持つ商品です。


5. 特別純米 あいちのかおり系商品

大高の農家が育てた「あいちのかおり」を60%まで磨き、

愛知県酵母と地元水で醸します。

柔らかな口当たり

ふくよかな味

優しい喉越し

が特徴です。


6. 本醸造 神の井

2026年愛知県新酒品評会、

本醸造酒部門 県組合会長賞

です。

高級吟醸だけでなく、

日常価格帯の完成度

を示す重要商品群です。


7. 普通酒 神の井

酒類総合研究所の銘柄資料でも、

普通酒・本醸造・純米・吟醸まで一通りのカテゴリーを持つことが確認できます。


8. NAGOYAクラウド

大高産「あいちのかおり」と愛知県産酵母を組み合わせ、

ラベルなども名古屋の人が関わる、

地域完結性を強く意識した商品

として紹介されています。


⑩ 味わい・酒質ポジション

神の井酒造の酒質を一言で表すなら、

「柔旨爽切・食中型」

です。

蔵元紹介では、

柔らかな口当たり

軽やかな後味

が基本とされています。

さらに、

芳醇
ふくよか
やや辛口
爽やか

という要素が商品全体に共通します。

味覚軸評価
香り★★★★☆
甘味★★★☆☆
酸★★★☆☆
旨味★★★★☆
柔らかさ★★★★★
膨らみ★★★★☆
透明感★★★★☆
キレ★★★★☆
食中適性★★★★★
燗適性★★★★★
冷酒適性★★★★★
高級吟醸力★★★★★
地域酒力★★★★★
初心者適性★★★★☆

酒質定義

「名古屋型・柔旨辛口食中酒」

です。


⑪ 品質評価・受賞実績

2026 全国新酒鑑評会

令和7酒造年度、

神の井=入賞

です。

愛知県から14場が入賞し、その一つに神の井酒造が入りました。


2026 愛知県新酒品評会

神の井=本醸造酒部門 県組合会長賞

杜氏:

杉浦弘吉氏

です。


全国新酒鑑評会

日本酒関連資料では、

2000年以降12回金賞

と紹介されています。

確認できる代表例は、

  • 2009
  • 2010
  • 2011
  • 2012
  • 2015

などです。

2006酒造年度にも金賞が確認できます。


2020

大吟醸荒ばしりが、

全国新酒鑑評会 入賞

です。


名古屋国税局酒類鑑評会

平成30年度には、

神の井

が優等賞受賞者として掲載されています。

品質評価の本質

「小規模地酒蔵なのに、全国鑑評会で繰り返し結果を残す」

ことです。

さらに2026年は、

全国=吟醸技術

県品評会=本醸造

の両方で評価されています。

これは酒蔵全体の基礎技術が高いことを示します。


⑫ 地域ブランド・食文化

神の井酒造の地域ブランドは、

名古屋・大高

です。


1. 大高

大高は現在名古屋市緑区ですが、

古くから独立した町場・街道・農村文化を持っていました。

現在も複数の酒蔵が近接しており、

名古屋酒造文化の重要地域

です。


2. 日本武尊

大高には、

草薙剣伝承

があります。

日本武尊・宮簀媛命・熱田神宮という神話文化が、酒名「神の井」の背景です。


3. 熱田神宮

三代目当主が御斎田を寄進したことから、

熱田神宮との実際の縁

が酒名へつながっています。

単なる観光上の借景ではありません。


4. 大高菜

御酒印帳では、

大高菜のおひたし

が神の井との肴例として紹介されています。

地域野菜との接続が非常に自然です。


5. 名古屋めし

周辺には、

  • 味噌煮込み
  • どて煮
  • 手羽先
  • 味噌カツ
  • きしめん
  • ひつまぶし

という濃い味の食文化があります。

柔らかな旨味とやや辛口の神の井は、

味の強い名古屋料理を受け止める食中酒

として相性があります。


地域構造

大高=酒蔵文化

熱田神宮=由来

草薙剣=神話

あいちのかおり=農業

大高菜=食

神の井=酒

です。


⑬ 食中酒・ペアリング戦略

神の井酒造の企業思想として重要なのが、

「料理がおいしくなる酒」

です。

久野正彦氏は、

「いろんな料理に添えられる酒でありたい」

と語っています。

したがって酒単体で強烈な香味を出すより、

料理と一緒に飲んだときの完成度

が重要です。

酒合わせたい料理理由
大吟醸 荒ばしり白身魚繊細・香り
大吟醸 荒ばしり会席透明感
寒九の酒刺身ふくらみ・切れ
寒九の酒天ぷら柔らかな旨味
純米吟醸 大高焼魚やや辛口
純米吟醸 大高鶏料理食中性
特別純米大高菜のおひたし地域性
特別純米煮物柔らかさ
本醸造どて煮後口の切れ
本醸造味噌おでん辛旨
普通酒焼鳥日常性
燗酒味噌煮込み温度・旨味

食中酒の本質

「酒を主役にし過ぎず、食卓全体を良くする」

ことです。


⑭ 観光・直売・顧客接点

神の井酒造は、

大型観光施設型ではありません。

少人数で造る酒蔵であるため、

常時大量の観光客を受け入れる構造とは異なります。


酒蔵見学

名古屋市観光情報では、

要予約で見学可

と紹介されていました。

また2023年には、

4年ぶりの見学会

が開催され、

  • 大きなせいろ
  • 麹室
  • 発酵タンク
  • 大正元年築の木造蔵

などが公開されています。

したがって現在の扱いとしては、

「常設観光蔵ではなく、予約・イベント型。最新条件は事前確認必須」

と整理するのが適切です。


御酒印帳

神の井酒造は、

御酒印帳公認酒蔵

でもあります。

酒蔵巡りとの相性があります。


アクセス

JR大高駅から徒歩約8分。

名古屋駅方面から鉄道でアクセスできるため、

都市型酒蔵としての立地条件は良好

です。

観光類型

「都市近接・予約見学・歴史文化型酒蔵」

です。


⑮ 流通・販売戦略

神の井酒造は、

地元酒販+飲食+地域卸+酒蔵直結型

が中心とみられます。

全国大量流通より、

地元での認知と継続購入

を重視する構造です。


地域酒販

「あいち銘酔会」等を通じ、

純米吟醸 大高

が地元酒販流通で扱われています。


高級酒

「大吟醸 荒ばしり」「寒九の酒」は、Sakenomy等でも取り扱われており、

県外消費者が購入できる流通

も確保されています。


地元ブランド

企業としての最大の販売思想は、

「地元で愛されるお酒」

です。

大量広告ではなく、

地域酒販店
飲食店
口コミ
酒蔵イベント

との相性が良い構造です。

流通の本質

「広く大量に売る」より「地域で長く飲み続けてもらう」

酒蔵です。


⑯ ターゲット

ターゲット適合度理由
名古屋市民★★★★★地元酒
大高住民★★★★★地域母艦
日本酒初心者★★★★☆柔らかい
純米酒ファン★★★★★寒九・特純
吟醸酒ファン★★★★★荒ばしり
山田錦ファン★★★★★35%高精白
食中酒層★★★★★最大中核
辛口好き★★★★☆+3~5系
燗酒好き★★★★★定番酒
地産地消層★★★★★あいちのかおり
地域文化関心層★★★★★熱田神宮
神社・歴史観光層★★★★★日本武尊
酒蔵巡り層★★★★☆御酒印
高級酒層★★★★☆荒ばしり
ギフト需要★★★★☆寒九・大吟醸
酒通★★★★★小規模手造り

⑰ 競合比較

大高・名古屋地区の比較対象として、

萬乗醸造
山盛酒造
金虎酒造
東春酒造

が分かりやすい位置です。

項目神の井酒造萬乗醸造山盛酒造金虎酒造
地域大高大高大高名古屋北区
創業1856164718871845
主ブランド神の井醸し人九平次鷹の夢金虎・虎変
規模小規模全国・海外小規模中小
酒質柔旨・食中洗練・酸旨口食中モダン
地域米あいちのかおり自社栽培等夢山水等愛知米
手造り非常に強い高度管理非常に強い強い
全国評価複数金賞国際型商品別2026全国金賞
地域性非常に強い世界志向非常に強い名古屋型
最大差熱田神宮×地元手造り世界高級酒大高地酒都市型革新

差別化

萬乗醸造が「大高から世界へ出る酒蔵」なら、神の井酒造は「大高へ深く根を張る酒蔵」です。

これは優劣ではなく、

ブランド戦略が正反対

です。

また山盛酒造とは同じ大高・小規模手造り型ですが、

神の井には、

熱田神宮・御斎田・日本武尊

という固有の文化資産があります。


⑱ SWOT分析

区分要素評価戦略的意味
Strength1856年創業強い歴史
Strength神の井名称非常に強い固有ブランド
Strength熱田神宮との縁極めて強い文化
Strength大高立地強い地域
Strength少人数手造り極めて強い品質物語
Strength杉浦杜氏強い技術
Strength山田錦35%強い高級
Strength全国金賞実績非常に強い品質
Strengthあいちのかおり強い地域原料
Strength地元酵母強い愛知性
Strength食中酒思想非常に強い日常
Weakness生産規模高拡大制約
Weakness全国知名度中~高認知
Weakness公式デジタル発信高情報接点
WeaknessEC導線中D2C
Weakness観光常設性中来訪
Opportunity大高酒蔵群最大酒蔵巡り
Opportunity熱田神宮観光最大歴史
Opportunity地産地消大あいちのかおり
Opportunity名古屋インバウンド大地酒
Opportunity食中酒再評価大基本思想
Opportunity御酒印中~大来訪
Threat米価格上昇高原価
Threat小規模人材不足最大技術承継
Threat日本酒人口減高顧客
Threat大高の強豪蔵高比較競争
Threat建物維持費中~高古蔵

⑲ PEST分析

区分外部環境影響対応
Political地方創生追い風大高
Political日本酒文化振興追い風地酒
Political観光振興機会熱田・大高
Economic米価上昇リスク高付加価値
Economic小規模生産コストリスク直販
Economic名古屋観光機会観光酒
Social地産地消最大あいちのかおり
Social小規模蔵人気強い手造り
Social食中酒志向強い神の井
Social地域史への関心強い日本武尊
Technological温度管理必須吟醸品質
TechnologicalEC課題全国販売
TechnologicalSNS機会若年
Environmental地域水資源重要酒造
Environmental農地維持重要大高米

⑳ 4P分析

区分現状評価
Product普通酒~純大・地域酒★★★★☆
Price日常~高級★★★★☆
Place地元・専門店・一部EC★★★★☆
Promotion地域史・手造り・受賞★★★★★

Product

商品階層は、

普通酒
↓
本醸造
↓
純米
↓
純米吟醸
↓
純米吟醸原酒
↓
純米大吟醸
↓
大吟醸

まで揃います。

小規模蔵としては十分な幅があります。


Price

日常酒と高級酒を両方持ちます。

大吟醸荒ばしりは720mlで5,500円級、純米大吟醸寒九の酒は4,400円級の流通例が確認できます。


Place

全国大量流通より、

地域酒販

専門店

直結販売

との相性が強い蔵です。


Promotion

最大の訴求材料は、

安政3年

大高

熱田神宮

少人数手造り

全国金賞

あいちのかおり

です。


㉒ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

大高で、百七十年。

食中型コピー

料理がおいしくなる酒。

地域型コピー

名古屋・大高の米と水を、一杯へ。

歴史型コピー

草薙の剣の里で、神の井を醸す。

酒名型コピー

御神井のごとく、澄んだ一滴を。

手造り型コピー

少人数だから、一仕込みずつ向き合える。

高級酒型コピー

山田錦35%。小さな蔵の大吟醸。

海外型コピー

KAMINOI — Handcrafted sake from historic Odaka, Nagoya.


㉓ この酒蔵をどう見せるべきか

① 最大の歴史資産

安政3年・1856年創業

です。

名古屋市内で170年続くこと自体が大きな価値です。


② 最大の文化資産

熱田神宮との縁

です。

酒名の由来が文化・宗教史と直接つながっています。


③ 最大の人物資産

地元杜氏・杉浦弘吉氏

です。

地域の人が地域の酒を造るという神の井の思想そのものです。


④ 最大の高級酒資産

大吟醸 荒ばしり

です。

山田錦35%・全国金賞実績を持ちます。


⑤ 最大の地域原料資産

大高産あいちのかおり

です。

酒米専用品種ではなく、

地元の日常米を地酒へ変える

ところに価値があります。


⑥ 最大の企業思想

「料理がおいしくなる酒」

です。

華美な言葉より、神の井の立ち位置を正確に表します。


⑦ 最新の品質証明

2026全国新酒鑑評会 入賞

+

2026愛知県新酒品評会 本醸造部門県組合会長賞

です。


㉔ 最終評価

評価軸評価コメント
歴史性5.0/51856年
地域性5.0/5大高
文化性5.0/5熱田神宮
酒名物語5.0/5御神井
原料力4.7/5山田錦+地域米
地域米5.0/5あいちのかおり
手造り5.0/5少人数
杜氏力5.0/5杉浦弘吉
吟醸技術5.0/5全国金賞実績
酒質完成度4.9/5柔旨・爽切
食中酒力5.0/5企業思想そのもの
燗酒力4.9/5日常酒向き
高級酒力4.9/5山田錦35%
地域酒力5.0/5大高産米
商品力4.6/5必要十分
ブランド力4.5/5地域では強い
国内品質評価5.0/5多数金賞
最新評価4.9/52026全国入賞
観光力4.0/5予約・イベント型
アクセス5.0/5JR大高駅徒歩圏
流通力4.2/5地域中心
D2C3.5/5強化余地
初心者導入力4.5/5柔らかい
地産地消5.0/5非常に明確
独自性5.0/5神話×地域×手造り
成長可能性4.8/5地域深化余地大


㉖ 最終結論

神の井酒造株式会社は、愛知県名古屋市緑区大高町字高見25に蔵を構える、安政3年・1856年創業の酒蔵です。

現在の代表者は久野正彦氏、杜氏は地元出身の杉浦弘吉氏。愛知県酒造組合は「地元で愛されるお酒」を目標に、少人数で手造りを続ける蔵として紹介しています。

酒名「神の井」は単なる美称ではありません。

日本武尊が東征の途中、大高で宮簀媛命に草薙剣を託したとする地域伝承と、三代目当主・久野友一氏が熱田神宮の御斎田を寄進した実際の縁が結び付き、「御神井の水のような酒を」という意味から命名されたものです。

そのため神の井酒造は、

大高

熱田神宮

草薙剣

日本武尊

という、他蔵が容易に模倣できない文化資産を持っています。

一方、酒造技術は決して物語だけではありません。

最高級商品「大吟醸 荒ばしり」は兵庫県産山田錦100%を35%まで磨き、アルコール16~17度、日本酒度+3.5。全国新酒鑑評会では2010・2011・2012・2015年の金賞、2020年入賞等が確認でき、2000年以降では金賞12回と紹介されています。2026年・令和7酒造年度全国新酒鑑評会でも「神の井」が入賞しました。

さらに企業の本質をよりよく表すのは、

高級大吟醸ではなく、地域の日常酒です。

代表・久野正彦氏は「料理がおいしくなる酒」「いろんな料理に添えられる酒」を意識していると語り、大高の同級生農家が栽培する「あいちのかおり」を酒に採用。大高産米を60%まで磨き、愛知県が開発した酵母、地元の仕込み水、地元杜氏の技術を組み合わせることで、柔らかな口当たり、ふくよかな旨味、優しい喉越しを持つ地産地消酒へ仕上げています。

2026年愛知県新酒品評会では、

本醸造「神の井」=県組合会長賞

となりました。

つまり、山田錦35%の鑑評会級大吟醸だけでなく、

普段飲みの本醸造まで品質が評価されている

ことになります。

この構造が神の井酒造を理解するうえで最も重要です。

荒ばしり=技術の頂点

寒九の酒=純米大吟醸

純米吟醸 大高=吟醸と食中

あいちのかおり=地域農業

本醸造・普通酒=地元の日常

という役割があり、

すべてを、

「地元で愛される酒」

という一つの思想が貫いています。

したがって神の井酒造を最も正確に定義するなら、

「安政3年・1856年創業。草薙剣神話と熱田神宮との縁を残す名古屋・大高で、地元出身杜氏・杉浦弘吉氏を中心に少人数・手造りを守り、兵庫県産山田錦35%の全国鑑評会級大吟醸から、大高産『あいちのかおり』・愛知県酵母・地元水による特別純米までを造り分け、柔らかな口当たり、ふくよかな旨味、爽やかな後口を持つ“料理がおいしくなる酒”を地域へ届ける、“大高歴史文化型・地産地消型・少量手造り型・食中酒深化型酒蔵”」

です。

愛知県・名古屋地区の主要蔵と比較すると、

萬乗醸造=大高から世界のガストロノミー市場へ進む国際高級酒蔵

丸石醸造=「二兎」で甘・酸・旨の現代的均衡を追求するブランド型酒蔵

関谷醸造=奥三河の農業・酒・食・体験を統合する垂直統合型酒蔵

清洲桜醸造=全国の日常酒と総合酒類を大規模展開するメーカー型酒蔵

に対して、

神の井酒造=「全国金賞級の技術を持ちながら、世界や大量流通へ急いで拡大するのではなく、大高の米・人・歴史・食卓へ技術を戻し続ける、名古屋でも最も地域密着性の高い手造り酒蔵の一つ」

という、非常に明確な独自ポジションを持っています。

神の井酒造のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
1
神の井酒造

神の井酒造は、愛知県名古屋市緑区大高町で「神の井」を醸す、1856年創業・熱田神宮御斎田との深い縁・大高の歴史文化・地元の水・山田錦・あいちのかおり・少人数手造り・柔らかな口当たり・軽やかな後味・燗酒適性を強みとする、名古屋を代表する地域密着型の老舗酒蔵。

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です