浪乃音酒造(酒蔵ガイド)
― 琵琶湖西岸・堅田で1805年から酒を醸す家族蔵。「浪乃音」「ええとこどり」を軸に、小仕込み・手仕事を守りながら、滋賀の酒米「渡船」、愛山、雄町、山田錦、滋賀県産米を酒へ映す。さらに11代目による「Te to Te」、36種類の滋賀米を使う「湖の辺にして」へ挑戦。“古壷新酒”と“くつろぎを呑む”を掲げ、伝統を今日の食卓へ更新する琵琶湖畔の酒蔵。

① 一行定義
琵琶湖畔・堅田で「浪乃音」を小仕込みする、1805年創業の家族蔵。
② ブランド要約
所在地: 滋賀県大津市本堅田1-7-16
会社名: 浪乃音酒造株式会社
創業: 文化2年・1805年
代表取締役: 中井 孝・10代目蔵元
次世代醸造: 中井充也・11代目
代表銘柄: 浪乃音
主要ブランド: 浪乃音・ええとこどり・Te to Te
地域: 大津市堅田・琵琶湖西岸
酒造体制: 家族中心・小仕込み・手作業
酒造思想: 古壷新酒・和醸良酒
酒のテーマ: 「くつろぎを呑む」
主要酒米: 山田錦・愛山・雄町・渡船・吟吹雪など
主力酒質: 大吟醸・純米大吟醸・純米吟醸・純米酒・本醸造・生酒・無濾過生原酒
季節酒: 桜・花火・月・雪・風・湖・新走り
直営料理店: 余花朗
量り売り: 毎月第4金曜・土曜
アクセス: JR湖西線堅田駅から車で約5分
オンライン販売: あり
浪乃音酒造は1805年、琵琶湖西岸の堅田で創業した。
「浪乃音」という名は、比叡山の高僧によって名付けられたと伝えられる。
蔵が掲げる言葉は、
「古壷新酒」。
古い壷に、新しい酒を入れる。
つまり、
伝統を残すだけではなく、受け継いだものを使って新しい酒を生み出す。
それが浪乃音酒造の基本姿勢である。
そして、もう一つの言葉が、
「くつろぎを呑む」。
強烈なインパクトだけを狙うのではなく、
一日の終わり。
家族との食卓。
静かな時間。
そんな場面へ寄り添う酒を目指している。
👉 “200年の家族蔵が、琵琶湖畔の暮らしへ『くつろぎの一杯』を届ける。”
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★★
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
酸 :★★★☆☆〜★★★★☆
キレ :★★★★☆
コク :★★★☆☆〜★★★★★
👉 “柔らかな甘味と米の旨味を軸に、生酒の瑞々しさと食中酒のキレを重ねる『湖畔・やわらか旨口型』。”
浪乃音の酒質は、一つに固定されない。
ただし共通して見えるのは、
やさしい甘味
+米の旨味
+まろやかな口当たり
+フルーティーな香り
+料理へつなぐキレ
である。
「古壷新酒」は愛山100%で、
きれい
+ジューシー
+甘旨。
「備前雄町」は、
芳醇
+深いコク
+麹由来の酸。
「渡船」は、
やさしい甘味
+米の深い旨味。
「ええとこどり 超辛口」は、
旨味を残しながら、最後はシャープ。
👉 “甘旨と辛口を分けるのではなく、どちらにも『米の味』を残すのが浪乃音。”
④ 強み
① 1805年創業、220年を超える酒造史
② 琵琶湖西岸・堅田という明確な地域性
③ 家族中心の小規模酒蔵
④ 小仕込みを徹底した丁寧な酒造り
⑤ 手作業を重視する醸造体制
⑥ 「古壷新酒」という明確な伝統革新思想
⑦ 「くつろぎを呑む」という生活提案型ブランド思想
⑧ 山田錦35%精米の最高峰「金井泰一流」
⑨ 愛山100%「古壷新酒」
⑩ 雄町の厚みを生かす純米大吟醸
⑪ 滋賀の復活酒米「渡船」を使用
⑫ 滋賀県産米36種類を使う「湖の辺にして」
⑬ 生酒を主力商品として多彩に展開
⑭ 無濾過生原酒の力強い酒質
⑮ 純米酒・本醸造まで食中酒を重視
⑯ 季節を桜・花火・月・雪で表現する商品設計
⑰ 「風」「湖」など琵琶湖を想起させる季節酒
⑱ 11代目による次世代ブランド「Te to Te」
⑲ Te to Teで滋賀県産米を重視
⑳ 2025年SAKE COMPETITIONでTe to Te吟吹雪が純米吟醸部門予審通過
㉑ 2026年全国新酒鑑評会「浪乃音」入賞
㉒ 過去には全国新酒鑑評会金賞実績
㉓ 直営料亭「余花朗」と日本酒のペアリング
㉔ 鰻専用酒「うな純」の商品化
㉕ 毎月第4金曜・土曜の限定量り売り
👉 “最大の強みは、小さな家族蔵だからこそ、伝統酒から実験的商品まで手の届く距離で造り分けられること。”
象徴的なのが、
「ALMOST SHIGA 湖の辺にして」。
滋賀県産の米を36種類使って醸し、個々の品種を際立たせるのではなく、滋賀という土地全体を一つの酒へまとめている。
さらに11代目は、
「Te to Te」
を立ち上げた。
二十代の感性と従来の浪乃音の技術を融合し、
フルーティー
+軽やか
+米の旨味
を持つ現代型の酒へ展開している。
⑤ 向いている人
・滋賀・大津・堅田の地酒を飲みたい人
・琵琶湖文化に興味がある人
・小さな家族蔵が好きな人
・生酒が好きな人
・フルーティーな日本酒を好む人
・甘旨系を楽しみたい人
・旨味のある辛口が好きな人
・愛山を飲みたい人
・雄町の厚みが好きな人
・滋賀の酒米「渡船」に興味がある人
・滋賀県産米を重視する人
・酒米違いを飲み比べたい人
・季節酒を楽しみたい人
・燗酒も楽しみたい人
・鰻と日本酒を合わせたい人
・若い造り手の新しい日本酒を追いたい人
👉 “昔ながらの地酒と、次世代のフルーティー酒を一つの蔵で楽しみたい人向け。”
選び方は、
金井泰一流
→ 最高峰・山田錦・35%
古壷新酒
→ 愛山・ジューシー・甘旨
備前雄町
→ 芳醇・厚み・コク
渡船
→ 滋賀・米旨・やさしい甘味
湖の辺にして
→ 滋賀米・食中・地域性
ええとこどり
→ 定番・食中・燗
Te to Te
→ 次世代・フルーティー・軽快
と整理すると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・超淡麗辛口だけを求める人
・熟成古酒だけを重視する人
・生酛・山廃だけを追う人
・巨大設備型の酒蔵を期待する人
・すべての商品を同じ酒質で求める人
・全国大量流通の均一商品だけを重視する人
・華やかな香りが苦手な人
👉 “一方向の味より、酒米・生/火入れ・季節ごとの変化を楽しめる人向け。”
浪乃音酒造は、
純米大吟醸
+生酒
+超辛口
+本醸造
+季節酒
+次世代ブランド
まで幅広い。
一本だけで蔵の性格を決めるより、
複数の酒を飲み比べることで『浪乃音らしさ』が見えてくる蔵
である。
⑦ 商品カテゴリ
■ 浪乃音 大吟醸「金井泰一流」生酒
浪乃音の最高峰。
使用米:山田錦
精米歩合:35%
山田錦を35%まで磨き、
フルーティー
+上品な甘味
+繊細さ
を引き出す。
商品名は、先代杜氏から受け継いだ技術を示すもの。
👉 “浪乃音の伝統的吟醸技術を最も高い次元で表す一本。”
■ 浪乃音 純米大吟醸
使用米:山田錦
精米歩合:50%
特徴は、
上品な香り
+きれいな甘味
+滑らかさ。
👉 “浪乃音の純米大吟醸を知る基準酒。”
■ 浪乃音 純米大吟醸「古壷新酒」生酒
蔵の思想そのものを酒名にした一本。
使用米:愛山100%
特徴は、
きれい
+ジューシー
+柔らかな甘味
+愛山らしい旨味。
👉 “『古きを継ぎ、新しい酒を造る』という浪乃音の思想を一本にした酒。”
■ 浪乃音 純米大吟醸「備前雄町」生酒
雄町を使う純米大吟醸。
特徴は、
芳醇
+深いコク
+厚い旨味
+麹由来の酸。
👉 “浪乃音の中で、より厚みと奥行きを楽しむ一本。”
■ 浪乃音 純米大吟醸「渡船」生酒
滋賀らしさを強く表す一本。
使用米:渡船100%
精米歩合:50%
アルコール:16度
渡船は滋賀で復活した酒米で、山田錦の親系統にあたる品種。
特徴は、
優しい甘味
+米の深い旨味。
👉 “琵琶湖の土地と酒米の歴史を味わう浪乃音。”
■ ALMOST SHIGA 純米吟醸「湖の辺にして」生酒
浪乃音で最も実験性と地域性が高い一本。
滋賀県産米36種類を使用。
複数の米の旨味を、
まとまり
+バランス
+食中性
へ整えている。
👉 “一つの酒米ではなく、『滋賀そのもの』を酒にしようとする一本。”
■ 浪乃音 新走り 生酒
毎年最初に仕込む仕込み一号。
特徴は、
濃醇
+ささにごり
+新酒の鮮度。
地元でも人気の高い季節酒。
👉 “浪乃音の一年の始まりを飲む酒。”
■ ええとこどり 純米吟醸901酵母
使用米:山田錦
精米歩合:60%
特徴は、
まろやかな口当たり
+キレ。
👉 “吟醸香より、食事とのバランスを重視する純米吟醸。”
■ ええとこどり 純米酒 超辛口
生原酒と火入れを展開。
単に辛くするのではなく、
旨味
+キレ
を両立する。
火入れは常温や燗にも向く。
👉 “辛さの中に米の味を残す、浪乃音の食中酒。”
■ ええとこどり 純米酒
浪乃音の日常酒側の基準。
生酒・無濾過生原酒・火入れを展開。
火入れは、
穏やか
+料理を選ばない
+常温・燗向き。
👉 “『くつろぎを呑む』を日常で最も感じやすい一本。”
■ ええとこどり 本醸造
特徴は、
丸み
+さらり
+飲み飽きしなさ。
食中酒としての使いやすさを重視。
👉 “高級酒だけではない、浪乃音の日常を支える酒。”
■ 浪乃音 四季シリーズ「桜・花火・月・雪」
季節ごとに酒質を変える純米吟醸生酒。
桜
→ 華やか・1401酵母・春
花火
→ 爽やか・低アルコール・夏
月
→ 穏やか・901酵母・秋
雪
→ ささにごり・香り・冬
👉 “日本の四季を、そのまま酒質へ置き換えるシリーズ。”
■ 夏吟醸「風」/冬純米吟醸「湖」
風は、香りが良く爽やかな夏酒。
湖は、穏やかな香りと柔らかな味わいの冬酒。
👉 “琵琶湖畔の季節感を、風と湖という名前で表現する酒。”
■ Te to Te
11代目・中井充也が手掛ける次世代ブランド。
テーマは、
手仕込みした酒を、人の手から人の手へ。
滋賀県産米を中心に使い、
フルーティー
+軽快
+華やかな香り
+米の旨味
を目指す。
2025年SAKE COMPETITIONでは「Te to Te 吟吹雪 火入」が純米吟醸部門の予審を通過した。
👉 “200年の家族蔵へ、11代目の感性を重ねる新しい浪乃音。”
■ うな純
直営料亭「余花朗」で、
鰻に合う酒
を来店客へ尋ね、最も支持された酒を商品化。
👉 “造り手だけで決めず、食卓から酒をつくる商品。”
■ 梅酒・ゆず酒・かぼす酒
清酒をベースに、
梅
+柚子
+かぼす
を合わせた和リキュールも展開。
日本酒を普段飲まない人への入口を広げている。
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :◎
ワイングラス :◎◎
生酒 :◎◎
酒米飲み比べ :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・Te to Te・季節生酒は冷酒〜ワイングラス。ええとこどり純米は常温〜燗。超辛口は食中酒として温度帯を広く楽しめる。
■ 料理との合わせ方
金井泰一流・純米大吟醸
→ 白身魚、寿司、会席料理
古壷新酒・愛山
→ 鶏料理、チーズ、甘辛い料理
備前雄町
→ 肉料理、煮込み、鰻
渡船
→ 鮎、湖魚、焼魚、和食
湖の辺にして
→ 湖魚、野菜料理、日常の惣菜
ええとこどり 超辛口
→ 焼魚、天ぷら、串焼き
ええとこどり 純米
→ 煮物、鍋、豆腐、発酵食品
Te to Te
→ 前菜、魚介、鶏料理、軽い洋食
滋賀・琵琶湖周辺なら、
鮒寿司
鮎
湖魚佃煮
鰻
近江牛
赤こんにゃく
近江野菜
発酵食品
との組み合わせが分かりやすい。
特に直営料亭「余花朗」では、琵琶湖を眺めながら鰻料理と浪乃音を楽しめる。
👉 “琵琶湖畔の酒を、湖魚と近江の食で味わう。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ◎ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ◎ 甘旨口
軽快 ← ◎ → ◎ 米旨
日常酒 ← ◎ → ◎ 高級酒
伝統 ← ◎ → ◎ 次世代
地元米 ← ◎ → ◎ 多酒米表現
生酒 ← ◎ → ◎ 燗酒
地域密着 ← ◎ → ○ 全国展開
👉 “琵琶湖畔の小仕込みと家族醸造を核に、酒米・季節・世代をつなぐ『堅田・古壷新酒型』酒蔵。”
滋賀県の酒蔵の中で見ると、浪乃音酒造の特徴は、
大規模生産ではなく小仕込み。
香りだけではなく食中性。
一銘柄集中ではなく酒米ごとの表現。
そして、
10代目から11代目への世代継承
にある。
ブランド構造は、
琵琶湖
→ 堅田
→ 1805年創業
→ 浪乃音
→ 小仕込み
→ 家族醸造
→ 古壷新酒
→ 愛山・雄町・渡船
→ 湖の辺にして
→ Te to Te
という流れを持つ。
重要なのは、
新しい酒を造るために、古いものを捨てていないこと。
小仕込み。
手仕事。
家族。
食中酒。
それらを残しながら、
滋賀米36種類。
若い11代目。
新しいデザイン。
新しい飲み手へと広げている。
つまり浪乃音酒造は、
“200年以上続く昔ながらの地酒蔵”
ではない。
“受け継いだ器へ、時代ごとの新しい酒を注ぎ続ける蔵”
と捉えるのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「琵琶湖のほとりで、くつろぎを醸す。『浪乃音』。」
サブ
滋賀・堅田。
琵琶湖のほとりで、1805年から続く小さな酒蔵。
家族で米を蒸し、麹を育て、小さく仕込む。
酒の名は、
浪乃音。
愛山。
雄町。
渡船。
滋賀の米。
そして次の世代へ続く、
Te to Te。
古い壷を守るだけではない。
その中へ、
今の酒を注ぎ続ける。
「古壷新酒」。
一日の終わりに、
肩の力がほどけるような一杯を。
琵琶湖のほとりで、
くつろぎを醸す。
それが、浪乃音である。
■ 結論
琵琶湖西岸・堅田で1805年から続く浪乃音酒造。
家族による小仕込みを守りながら、愛山・雄町・渡船・滋賀米、そして11代目の「Te to Te」へ酒造りを広げている。
古い器へ、時代ごとの新しい酒を注ぎ、人のくつろぎへ届ける――それが浪乃音酒造である。
浪乃音酒造のテロワールを味わう👇
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琵琶湖畔・堅田で「浪乃音」を小仕込みする、1805年創業の家族蔵。 |

