竜王町弓削 × 松瀬酒造(地域ブランド分析)
① 一行定義
湖東平野・竜王町の田園、鈴鹿山系愛知川伏流水、契約農家と30年以上育ててきた竜王産山田錦を、1860年創業の松瀬酒造が「松の司」へ醸し、米・水・土壌・微生物まで土地の個性として表現する、“水田・酒米・土壌・醸造一体型”地域ブランド。
松瀬酒造株式会社は、
滋賀県蒲生郡竜王町弓削475番地。
創業は、
万延元年・1860年。
2026年時点で、
166年。
代表銘柄は、
「松の司」
です。
現在の代表取締役は、
松瀬忠幸。
杜氏は、
石田敬三。
酒造りでは、
地下120mから汲み上げる、
鈴鹿山系愛知川伏流水
と、
契約栽培による酒米を重視します。
松瀬酒造の地域ブランドを最も特徴づけるのは、
単に、
「滋賀県産米を使う」
ことではありません。
「同じ竜王町でも、田んぼによって米が違う。」
というところまで、
酒として表現することです。
竜王。
弓削。
橋本。
林。
それぞれの土地。
土壌。
農家。
米。
その違いを、
「松の司」の酒質へ変える。
ここに、
松瀬酒造の地域ブランドの核心があります。
② 成立構造
鈴鹿山系
↓
愛知川水系
↓
地下120m
↓
仕込み水
↓
湖東平野
↓
竜王町
↓
田園
↓
近江米
↓
1988年 酒米契約栽培開始
↓
竜王町産山田錦
+
吟吹雪
+
渡船
↓
農家との長期連携
↓
土壌ごとの違い
↓
自社精米
↓
箱麹
+
速醸酒母
+
生酛
↓
小仕込み
↓
低温完全発酵
↓
低温瓶貯蔵
↓
松の司
↓
竜王山田錦[土壌別仕込]
+
AZOLLA
+
弓削竜王
+
オーガニック渡船
+
楽
↓
竜王の土地を酒質として表現
↓
「田んぼの違いまで飲める地域ブランド」
1988年に始めた竜王町での契約栽培は、現在では土壌別仕込みや有機栽培まで発展しています。
石井醸造が、
山 → 水 → 平野 → 農 → 梅 → 酒
なら、
松瀬酒造は、
山 → 水 → 田 → 土壌 → 米 → 酒
です。
さらに、
農家 → 米 → 酒蔵 → 酒 → 土地の個性
という、
人まで含めた循環が成立します。
③ 自然
松瀬酒造の自然資産で、
最も重要なのは、
「水」と「土」
です。
酒造りの仕込み水は、
地下120mの大きな岩盤下を流れる、
鈴鹿山系愛知川伏流水。
松瀬酒造は、
この水を、
酒質を構成する主要原料として明確に位置付けています。
もう一つの自然資産が、
竜王町の田園
です。
竜王町は、
琵琶湖と鈴鹿山系の間、
湖東平野の中央部に位置します。
水田では近江米。
果樹園では、
梨。
ぶどう。
桃。
など。
畜産では、
近江牛。
農畜産業の強い町です。
松瀬酒造がさらに踏み込んでいるのが、
「土壌」
です。
同じ竜王町の山田錦でも、
田んぼの場所によって、
土質が違う。
米が違う。
酒にしたときの表情も違う。
その差を、
消して均一化するのではなく、
酒として分けて見せるのが、
「竜王山田錦[土壌別仕込]」
です。
蔵がある弓削地区は、
日野川が大きく蛇行する南側に位置し、
祖父川など複数の河川が集まる低地です。
蔵元は、
弓削の山田錦について、
粘土質に砂を含む土壌や、
河川由来の砂利・鉱物的要素を背景に、
骨格のしっかりした酒質として表現しています。
つまり松瀬酒造の自然テロワールは、
単純な、
「名水+良米」
ではありません。
水 × 土 × 米
です。
👉 「竜王の田んぼごとの差異を、日本酒の味へ変換する“湖東田園型テロワール”」
と整理できます。
④ 歴史
松瀬酒造の創業は、
1860年・万延元年。
幕末です。
現在まで、
竜王町弓削で、
「松の司」を醸してきました。
1860年
↓
創業
↓
竜王町弓削で酒造り
↓
地域酒として継承
↓
酒米品質への取り組み
↓
1988年
↓
竜王町で山田錦契約栽培開始
↓
農家との長期的な試行錯誤
↓
自社精米
↓
小仕込み・箱麹
↓
生酛・速醸
↓
2007年
↓
IWCトロフィー
↓
AZOLLA展開
↓
土壌別仕込
↓
オーガニック栽培
↓
2024年産
↓
弓削産山田錦を有機栽培へ
↓
2026年
↓
全国新酒鑑評会 金賞
↓
IWC Gold
↓
SAKE COMPETITION 3商品GOLD
↓
現在
という流れです。
松瀬酒造の歴史で重要なのは、
創業166年という長さだけではありません。
1988年から地元農家と酒米を育て続けていること
です。
当初から、
完成された山田錦が存在したわけではありません。
農家と試行錯誤しながら、
竜王という土地に合う山田錦を育ててきました。
そして現在は、
酒米を、
「原料」
だけではなく、
「土地の違いを伝える媒体」
として扱っています。
166年の酒造史と、
約40年の酒米研究。
この二つが、
現在の「松の司」を形づくっています。
⑤ 風土
竜王町を構成するものは、
湖東平野
鈴鹿山系
日野川
田園
近江米
山田錦
果樹
近江牛
農家
集落
寺社
街道
酒
です。
この地域最大の特徴は、
「農業が景観ではなく、現在も地域産業の中心にあること」
です。
竜王町は、
良質な米。
果物。
近江牛。
を生産する、
農畜産業の盛んな地域です。
つまり、
松瀬酒造の地域ブランドは、
「酒蔵だけが地域性を語る」
構造ではありません。
田んぼがある。
農家がいる。
酒米を育てる。
酒蔵が醸す。
食卓へ戻る。
という、
現役の農業文化の中に酒蔵があります。
特に、
松瀬酒造が契約農家の個性まで酒へ反映しようとする姿勢は、
竜王町の農業文化と深く一致します。
酒米を、
均一な工業原料として見るのではなく、
「誰が、どこで、どう育てたか」
まで価値にする。
これは、
ワインの畑や区画に近い発想ですが、
それを日本酒の田んぼへ置き換えています。
さらに、
竜王町には、
果樹狩り。
農業体験。
近江牛。
農産物直売。
など、
農業そのものを観光へ変える仕組みがあります。
👉 「農産物を作るだけでなく、土地・人・食まで価値化する竜王型農文化」
です。
⑥ 産業
竜王町には、
農業
畜産
果樹
工業
物流
商業
観光
酒造
があります。
松瀬酒造との関係で、
特に重要なのは、
「農業+酒造+食」
です。
第一は、
近江米。
竜王町は、
良質な近江米の産地です。
松瀬酒造では、
山田錦。
吟吹雪。
渡船。
など、
地元で育つ酒米を、
商品ごとに使い分けます。
第二は、
契約栽培
です。
酒米を、
単に市場で仕入れるのではありません。
栽培方法を定める。
農家と話す。
田を見る。
米を確認する。
自社で精米する。
というところまで、
酒蔵が関与します。
第三は、
有機農業。
AZOLLAでは、
栽培期間中、
無農薬・無化学肥料の山田錦。
「オーガニック純米酒 渡船」では、
有機栽培された竜王町産渡船を使用し、
酒造工程も有機JAS認証を受けています。
第四は、
近江牛。
竜王町は、
近江牛との関係も深い地域です。
米。
肉。
酒。
を、
同じ町の食として組み合わせられます。
つまり、
「田んぼで酒を造り、地域の食卓で完成させる。」
という構造です。
⑦ 酒文化
鈴鹿山系愛知川伏流水
↓
竜王町の田
↓
山田錦
+
吟吹雪
+
渡船
↓
契約栽培
↓
自社精米
↓
箱麹
↓
速醸
+
生酛
↓
小仕込み
↓
低温完全発酵
↓
低温瓶貯蔵
↓
松の司
↓
透明感
+
奥行き
+
米の旨味
+
酸
+
余韻
↓
料理
+
日常酒
+
高級酒
👉 「土地の違いを、米・水・発酵を通して酒質へ翻訳する“竜王テロワール型酒文化”」
松瀬酒造の酒文化で、
最も重要なのは、
「米を見ること」
です。
第一の特徴|「松の司」
中心銘柄は、
松の司。
商品全体に共通する方向は、
派手さだけではなく、
透明感。
旨味。
酸。
奥行き。
料理との調和。
です。
第二の特徴|自社精米
契約農家から届いた米は、
すべて同じように扱われません。
その年の気候。
米の状態。
田んぼの場所。
品種。
を見ながら、
酒ごとに使い分けます。
さらに、
自社で精米。
つまり、
米づくりから酒造りまでの間に、
判断を外部へ切り離しません。
第三の特徴|小仕込み
醪は、
1.2t以下の小仕込み。
低温に抑えながら、
完全発酵を目指します。
つまり、
香りだけを残して甘く止めるのではなく、
米の味・酸・キレを一つに整える。
酒造りです。
第四の特徴|箱麹
麹造りでは、
箱麹法
を採用。
大量処理より、
小さな単位で状態を見る。
これが、
松の司の味わいを形成する、
重要な技術要素です。
第五の特徴|「Blue」土壌別仕込
地域ブランド上、
最も重要な商品群の一つが、
純米大吟醸 竜王山田錦[土壌別仕込]
です。
約30年間、
契約農家と育ててきた、
竜王町産山田錦だけを使用。
さらに、
地区ごとの土壌を分けて仕込みます。
つまり、
竜王町という一括りから、
さらに、
弓削。
橋本。
林。
と、
地域を細分化します。
「竜王産」から「田んぼの土地」へ。
ここまで踏み込むことが、
松瀬酒造の独自性です。
第六の特徴|「弓削竜王」
現在の地域性を、
さらに明確にした一本が、
松の司 純米大吟醸 弓削竜王
です。
使用するのは、
竜王町弓削産 有機山田錦。
精米歩合35%。
2024年産から、
弓削産山田錦のオーガニック栽培へ進みました。
つまり、
蔵の所在地そのもの、
「弓削」
を、
最高級酒の名前へ出しています。
第七の特徴|AZOLLA
AZOLLA
は、
松瀬酒造の自然への考え方を、
酒として表現するシリーズです。
竜王町産山田錦を、
栽培期間中、
無農薬・無化学肥料で育てる。
さらに、
培養酵母を添加せず、
生酛で醸す商品があります。
つまり、
「自然な米」だけでなく、「発酵まで自然との関係を深くする。」
酒です。
第八の特徴|オーガニック純米酒 渡船
オーガニック純米酒 渡船
では、
竜王町産の、
有機渡船。
生酛。
蔵付酵母。
を組み合わせます。
さらに、
酒造工程も、
有機JAS認証。
地域農業と醸造を、
有機という一つの思想でつないでいます。
第九の特徴|「楽」
日常酒を象徴するのが、
純米吟醸 楽
です。
原料米は、
竜王町産の、
山田錦。
吟吹雪。
精米歩合60%。
穏やかな香り。
柔らかな口当たり。
適度なコク。
冷酒から燗まで対応します。
つまり、
松の司は、
土壌別純米大吟醸だけの蔵ではありません。
「普段の食卓まで竜王の米でつなぐ。」
ブランドでもあります。
第十の特徴|「みずき」
松瀬酒造が、
米の次に深く向き合い始めたのが、
水
です。
「純米吟醸 みずき」は、
松瀬酒造自身が、
「水の酒」
と位置付ける商品です。
米・土壌を表現する酒に対し、
水そのものの個性を理解し、
酒へ落とし込む試みです。
第十一の特徴|「産土」
産土
は、
土地との関係を、
日常酒へ落とし込んだ酒です。
「この土地で育まれた米から生まれた酒で、
土地へ感謝を還す」
という思想を持ちます。
高級酒だけで、
テロワールを語らない。
普段飲む酒にも、土地との関係を持たせる。
ことが特徴です。
第十二の特徴|「huit」
huit(ユイット)
では、
日本酒そのものの原初的な姿を問い直します。
竜王町産山田錦。
竜王町産もち米。
生酛。
酵母無添加。
松瀬酒造井水。
を組み合わせます。
つまり、
松瀬酒造は、
最先端の土壌表現だけでなく、
「そもそも日本酒とは何か」
まで掘り下げています。
第十三の特徴|2026年全国新酒鑑評会
2026年、
令和7酒造年度全国新酒鑑評会で、
「松の司」が金賞
を受賞しました。
第十四の特徴|IWC 2026
IWC 2026では、
松の司 純米大吟醸 弓削竜王
松の司 オーガニック純米酒 渡船
が、
ともに、
Goldメダル
を受賞。
さらに、
オーガニック純米酒 渡船は、
滋賀純米トロフィー
も受賞しています。
第十五の特徴|SAKE COMPETITION 2026
2026年SAKE COMPETITIONでは、
松の司 生酛純米酒 純米酒部門5位
松の司 純米吟醸 楽 純米吟醸部門9位
松の司 純米大吟醸 黒 純米大吟醸部門8位
の3商品が、
GOLDを受賞しました。
つまり、
高級酒だけでなく、
生酛純米。
日常型純米吟醸。
純米大吟醸。
という異なる価格帯・酒質で、
評価されています。
したがって、
松瀬酒造の酒文化は、
「地下120mから汲み上げる鈴鹿山系愛知川伏流水と、1988年以来契約農家と育ててきた竜王町産酒米を酒造りの根幹に、自社精米・箱麹・生酛・速醸・小仕込み・低温熟成を組み合わせ、『Blue』では土壌、『AZOLLA』『オーガニック渡船』では自然環境、『弓削竜王』では蔵の所在地そのもの、『みずき』では水、『楽』『産土』では日常の食卓を表現する“竜王・水田テロワール型酒文化”」
と定義できます。
⑧ 観光資源
松瀬酒造
弓削の田園
日野川
竜王町の酒米田
近江米
近江牛
道の駅アグリパーク竜王
果樹園
農業体験
苗村神社
鏡神社
竜王山周辺
三井アウトレットパーク滋賀竜王
などがあります。
松瀬酒造の観光上の特徴は、
「観光蔵ではなく、生産地そのものに価値があること」
です。
2026年9月時点、
松瀬酒造は、
一般向けの蔵見学を、
実施していません。
公式にも、
観光蔵として設計していないため、
一般の蔵見学を断っていることが明記されています。
また、
蔵元での直接小売販売も行っていません。
商品は、
特約販売店を通じて購入する方式です。
したがって、
松瀬酒造の地域ブランド観光は、
一般的な、
「蔵へ行く → 見学 → 試飲 → 購入」
ではありません。
「酒を飲む → 米を知る → 竜王へ行く → 田園を見る → 農業を知る」
という逆方向が適しています。
特に、
道の駅アグリパーク竜王では、
果樹狩り。
農業体験。
地域農産物。
を楽しめます。
さらに、
近江牛。
近江米。
地元野菜。
果物。
まで含めれば、
「竜王を食べ、その土地の酒を飲む。」
観光が成立します。
👉 観光タイプは、
「酒米田園+農業体験+近江牛+地酒」型
です。
⑨ ターゲット
◎ 最優先
滋賀・竜王地酒ファン
松の司ファン
日本酒ファン
酒米・農業に関心がある層
山田錦ファン
テロワール型日本酒に関心がある層
土壌と酒質の違いを知りたい層
生酛ファン
オーガニック日本酒に関心がある層
料理と日本酒を楽しむ層
○ 相性が良い
純米大吟醸ファン
渡船ファン
吟吹雪ファン
農家・生産者ストーリーに関心がある層
ワインのテロワール概念に親しむ層
近江牛・近江米目的の旅行者
農業体験旅行者
日本酒初心者
贈答酒ユーザー
海外日本酒ファン
△ 条件付き
蔵元で自由に試飲・購入したい層
常設酒蔵見学を求める層
全商品を竜王町産米だけで造る酒蔵を求める層
■ 想定ユーザー
竜王町産山田錦の酒を飲みたい人
同じ山田錦でも土壌で味が変わるのか知りたい人
農家と酒蔵の関係に興味がある人
有機栽培米の日本酒を探している人
生酛・蔵付酵母の酒を飲みたい人
松の司のBlueとAZOLLAの違いを知りたい人
普段の食事に合う「楽」を探している人
竜王町の農業そのものを知りたい人
⑩ 導線
■ 王道モデル
竜王町
↓
田園
↓
山田錦
↓
松瀬酒造
↓
松の司
👉 「竜王を、酒米から飲む。」
■ 水モデル
鈴鹿山系
↓
愛知川水系
↓
地下120m
↓
仕込み水
↓
松の司
👉 「鈴鹿の水を、竜王の一献へ。」
■ 土壌モデル
竜王町
↓
弓削
+
橋本
+
林
↓
異なる土壌
↓
山田錦
↓
Blue
👉 「同じ町、違う土、違う酒。」
■ 弓削モデル
弓削の田
↓
有機山田錦
↓
35%精米
↓
弓削竜王
👉 「蔵のある土地を、そのまま最高峰へ。」
■ AZOLLAモデル
田んぼ
↓
無農薬・無化学肥料
↓
山田錦
↓
生酛
↓
蔵付酵母
↓
AZOLLA
👉 「自然を整えすぎず、酒へ。」
■ 渡船モデル
竜王町
↓
有機渡船
↓
生酛
↓
蔵付酵母
↓
有機JAS清酒
👉 「田から醪まで、オーガニック。」
■ 日常酒モデル
竜王町産山田錦
+
吟吹雪
↓
純米吟醸 楽
↓
冷酒・燗
↓
家庭料理
👉 「竜王の米を、いつもの食卓へ。」
■ 農業観光モデル
アグリパーク竜王
↓
田園・果樹園
↓
近江米
↓
近江牛
↓
松の司
👉 「竜王を食べて、竜王を飲む。」
■ 評価モデル
竜王の米
↓
弓削竜王
+
オーガニック渡船
+
楽
↓
IWC
+
SAKE COMPETITION
👉 「土地の酒を、品質で証明する。」
⑪ 強み
① 1860年創業
160年以上続く、
明確な時間資産があります。
② 竜王町弓削での継続醸造
蔵の所在地と、
酒米産地が重なります。
③ 地下120mの仕込み水
鈴鹿山系愛知川伏流水という、
明確な水資産があります。
④ 1988年からの契約栽培
農家との関係が、
短期的な商品企画ではありません。
⑤ 100%契約栽培を基本とする酒米管理
原料段階から、
品質を把握できます。
⑥ 自社精米
米づくりと醸造の間を、
自社でつなぎます。
⑦ 竜王産山田錦
地域と高級酒を、
直接結び付けられます。
⑧ 土壌別仕込
同じ町の中の違いまで、
酒で表現できます。
⑨ 「弓削竜王」
蔵所在地を、
商品名と最高級酒へ昇華しています。
⑩ 有機山田錦
農業の環境価値を、
高級酒へ展開できます。
⑪ AZOLLA
自然環境・米・発酵を、
一つの思想でまとめています。
⑫ 有機渡船
酒米から醸造まで、
有機JASという明確な基準があります。
⑬ 生酛・蔵付酵母
微生物まで含め、
土地との関係を深めています。
⑭ 小仕込み
米ごとの差異を、
細かく酒質へ反映できます。
⑮ 自社保存酵母・複数酵母
商品ごとに、
発酵表現を変えられます。
⑯ 「楽」
高級酒だけでなく、
日常の食中酒に強い商品があります。
⑰ 「みずき」
米・土だけでなく、
水そのものを研究対象へ広げています。
⑱ 2026年全国新酒鑑評会金賞
現在の吟醸技術が評価されています。
⑲ IWC 2026 Gold
弓削竜王とオーガニック渡船という、
地域性の強い2商品がGoldを受賞しています。
⑳ SAKE COMPETITION 2026 3商品GOLD
純米・純米吟醸・純米大吟醸という、
異なるカテゴリーで結果を残しています。
⑫ 弱点
第一の弱点は、
「松の司」という酒名だけでは竜王町が伝わりにくいこと。
松の司は、
全国流通するブランドです。
一方、
弓削。
竜王。
湖東平野。
契約農家。
まで、
酒名だけでは見えません。
第二に、
商品体系が非常に多層であること。
黒。
陶酔。
Blue。
AZOLLA。
弓削竜王。
みずき。
楽。
産土。
huit。
渡船。
初めて見る人には、
関係が分かりにくい構造です。
地域ブランド上は、
Blue=土壌
AZOLLA・渡船=自然・有機
弓削竜王=所在地
みずき=水
楽・産土=日常
と整理できます。
第三に、
全商品が竜王町産米ではないこと。
竜王町産米を非常に重視しますが、
「黒」やUltimusなどでは、
兵庫県東条産山田錦も使用します。
したがって、
「全量地元米」ではなく、「竜王米を地域表現の中心に据える酒蔵」
です。
第四に、
土壌別という価値が初心者には理解しにくいこと。
山田錦。
精米歩合。
酵母。
までは理解できても、
土壌。
地区。
農家。
による差は、
日本酒初心者には、
まだ馴染みの薄い概念です。
第五に、
蔵元直売がないこと。
2026年9月時点、
松瀬酒造では、
蔵元での直接小売、
オンライン直販ともに行っていません。
購入は、
特約販売店が基本です。
第六に、
一般酒蔵見学を行っていないこと。
観光蔵として設計されていないため、
一般向け蔵見学は受け付けていません。
つまり、
現地で、
醸造設備を見て、
試飲し、
買う、
という通常の酒蔵観光には向きません。
第七に、
竜王町が全国的な酒どころとして認識されていないこと。
近江米。
近江牛。
果物。
アウトレット。
の認知はあります。
一方、
「竜王=酒米産地」
という認識は、
まだ限定的です。
第八に、
地域ブランドの深さが、説明量を必要とすること。
松瀬酒造の本当の価値は、
単に、
「滋賀の名酒」
だけでは見えません。
水。
契約農家。
土壌。
自社精米。
有機栽培。
微生物。
まで見て、
初めて全体像が見えます。
⑬ 本質
👉 「竜王という町を一枚の産地として扱うのではなく、田んぼ・土壌・農家・米・水・微生物まで細かく見つめ、その違いを消さずに『松の司』という酒へ翻訳すること。」
松瀬酒造を、
単なる、
「松の司を造る滋賀の名醸蔵」
として捉えるだけでは、
本質を十分に表現できません。
最大の特徴は、
「酒造りの起点が、蔵の中ではなく田んぼにあること」
です。
第一の本質は「水」
地下120m。
鈴鹿山系愛知川伏流水。
酒の約80%を構成する水を、
単なる無味の原料とは考えません。
「みずき」では、
水そのものを主役にしました。
第二の本質は「田」
松瀬酒造にとって、
田んぼは、
米を仕入れる場所ではありません。
栽培を見る。
農家と話す。
気候を見る。
土を見る。
米を見る。
酒造りの最初の工程が、田んぼです。
第三の本質は「農家」
竜王山田錦は、
酒蔵だけでは成立しません。
契約農家との、
約40年の関係があります。
つまり、
「松の司」は、農家との共同作品
でもあります。
第四の本質は「土」
松瀬酒造が、
日本酒の地域性を、
最も深い場所まで掘り下げた部分です。
同じ竜王町。
同じ山田錦。
それでも、
弓削と林では違う。
「県」でも「町」でもなく「田の場所」まで地域を細分化する。
ここに、
土壌別仕込の意味があります。
第五の本質は「自社精米」
農家が作った米を、
そのまま外部へ任せません。
自分たちで米を確認し、
自分たちで削る。
つまり、
田から醪まで、判断をつなげる。
酒造りです。
第六の本質は「自然」
AZOLLA。
有機山田錦。
有機渡船。
生酛。
蔵付酵母。
これは、
単純な「自然派」という記号ではありません。
土地に存在する生態系や微生物まで、
酒造りの一部として見る。
自然を排除して均一化するのではなく、自然との関係を設計する。
方向です。
第七の本質は「弓削」
2026年の松瀬酒造を理解するうえで、
特に重要な名前です。
「滋賀」。
「竜王」。
から、
さらに、
「弓削」
まで酒名へ入りました。
純米大吟醸 弓削竜王は、
蔵がある土地そのものを、
ブランドの中心へ置いた酒です。
第八の本質は「日常」
松瀬酒造は、
高級テロワール酒だけの蔵ではありません。
楽。
産土。
生酛純米酒。
という、
普段の食事と飲む酒があります。
2026年SAKE COMPETITIONでも、
生酛純米酒と「楽」がGOLDを受賞しました。
土地の酒を、日常から最高級まで切れ目なくつなげています。
第九の本質は「食」
松の司は、
公式でも、
料理との組み合わせを継続的に紹介しています。
つまり、
酒単体の香味だけでなく、
食卓でどう機能するか
までが、
松の司の価値です。
第十の本質は「竜王を細かく見ること」
一般的な地域ブランドは、
「滋賀の酒」
で終わります。
さらに進んで、
「竜王の酒」。
松瀬酒造は、
その先へ行きます。
竜王
↓
集落
↓
田んぼ
↓
土壌
↓
農家
↓
米
↓
酒
つまり、
「地域を大きく語るのではなく、小さく分解して深く語る。」
これが、
松瀬酒造の地域ブランド上の本質です。
したがって、
松瀬酒造の地域ブランド上の本質は、
「湖東平野・竜王町弓削で、地下120mの鈴鹿山系愛知川伏流水と、1988年以来契約農家と育ててきた山田錦・吟吹雪・渡船などを酒造りの核に、自社精米・箱麹・生酛・小仕込み・低温熟成を組み合わせ、『Blue』では土壌差、『AZOLLA』『オーガニック渡船』では自然環境、『弓削竜王』では蔵の所在地、『みずき』では水、『楽』『産土』では日常の食卓を表現し、竜王という土地を田んぼ単位まで細分化して酒へ翻訳すること」
にあります。
松瀬酒造は、
「滋賀県の高品質酒『松の司』を造る蔵」
にとどまりません。
「竜王の水・田・土・農家・米・微生物を一つずつ見つめ、その違いを酒質として残す“竜王・水田テロワール型酒蔵”」
です。
⑭ コピー
「竜王を醸す、松の司。」
「竜王の田を、一献に。」
「水から酒へ。土から酒へ。」
「同じ町、違う土、違う酒。」
「田んぼの違いまで、飲む。」
「竜王山田錦を、竜王の水で。」
「弓削を醸す、松の司。」
「蔵のある土地を、最高峰の酒へ。」
「農家と育て、蔵で醸す。」
「四十年近く、田んぼから酒を考える。」
「米を買うのではなく、米と向き合う。」
「自然を整えすぎず、酒にする。」
「有機の田から、生酛の醪へ。」
「渡船を、竜王のオーガニックへ。」
「土を知り、水を知り、酒を知る。」
「高級酒にも、日常酒にも、竜王を。」
「土地の違いを、消さない。」
「酒蔵の仕事は、田んぼから始まる。」
「近江米の町から、松の司へ。」
「竜王の水と田を、酒の個性へ。」
■ 結論
滋賀県竜王町弓削・松瀬酒造を取り巻く地域は、
「琵琶湖と鈴鹿山系の間に広がる湖東平野、日野川流域の水田、近江米、果樹、近江牛、集落ごとに異なる農地が重なる“水・田・農・食一体型地域文化圏”」
です。
竜王町は、
単なる、
酒蔵所在地ではありません。
米を育てる。
果物を育てる。
牛を育てる。
農産物を販売する。
農業を観光へ変える。
という、
現在進行形の農業地域です。
松瀬酒造は、
「1860年創業、竜王町弓削で『松の司』を醸し、地下120mの鈴鹿山系愛知川伏流水と契約栽培酒米を基盤に、小仕込み・自社精米・箱麹・生酛などを組み合わせる酒蔵」
です。
しかし、
この蔵の価値は、
166年という歴史だけではありません。
1988年から、
地元農家と、
山田錦を育て続けてきた。
そして、
現在は、
竜王町産という単位を超えて、
「どの地区の、どの土で育った米なのか」
まで、
酒にしています。
地域ブランドの基本構造は、
「鈴鹿山系=自然の起点」
「愛知川水系=水」
「地下120m=仕込み水」
「湖東平野=農地」
「竜王町=酒米産地」
「弓削=蔵所在地」
「1860年=時間資産」
「1988年=契約栽培開始」
「契約農家=共同生産者」
「山田錦=中心酒米」
「吟吹雪=滋賀の酒米」
「渡船=地域酒米」
「自社精米=原料管理」
「箱麹=製麹技術」
「生酛=伝統発酵」
「小仕込み=精密な管理」
「Blue=土壌」
「AZOLLA=自然」
「弓削竜王=所在地」
「みずき=水」
「楽・産土=日常」
によって構成されています。
松瀬酒造最大の強みは、
「テロワールを、県名や町名で終わらせないこと」
です。
滋賀県産。
↓
竜王町産。
↓
弓削産。
↓
特定地区。
↓
田んぼ。
↓
土壌。
↓
農家。
ここまで、
地域の解像度を上げていきます。
これは、
単に、
「地元産山田錦を使っています」
という話ではありません。
同じ品種でも、
土地が違えば、
米が違う。
米が違えば、
酒も違う。
その違いを消すのではなく、
酒として残す。
これが、
松瀬酒造の地域ブランドです。
さらに、
地域性は、
米だけではありません。
地下120mの仕込み水。
水を主役にした「みずき」。
有機山田錦。
有機渡船。
生酛。
蔵付酵母。
自社精米。
つまり、
「土地を構成する要素を、一つずつ酒へ変えている。」
ことが特徴です。
そして、
2026年には、
全国新酒鑑評会で、
金賞。
IWCでは、
「弓削竜王」と、
「オーガニック純米酒 渡船」が、
Gold。
さらに、
オーガニック純米酒 渡船は、
滋賀純米トロフィー。
SAKE COMPETITIONでは、
生酛純米酒。
純米吟醸 楽。
純米大吟醸 黒。
の3商品が、
GOLD。
つまり、
地域性の強い酒だけでなく、
日常酒から高級酒まで、
現在の品質評価へつながっています。
松の司を飲む。
↓
竜王町を知る。
↓
山田錦を知る。
↓
契約農家を知る。
↓
田んぼを見る。
↓
土壌の違いを知る。
↓
Blueを飲み比べる。
↓
有機農業を知る。
↓
AZOLLAを飲む。
↓
渡船を知る。
↓
水を知る。
↓
みずきを飲む。
↓
竜王の近江米・近江牛を食べる。
この循環が成立すると、
松の司は、
単なる滋賀の地酒ではなく、
「竜王という農業地域を、田んぼの違いから理解する味覚の入口」
になります。
松瀬酒造は、
「松の司を造る166年の老舗酒蔵」
にとどまりません。
「鈴鹿山系愛知川伏流水、竜王町の田園、契約農家、山田錦・渡船、土壌、有機農業、微生物を一つずつ見つめ、その違いを『松の司』という酒質へ変換する“竜王・水田テロワール型酒蔵”」
です。
松瀬酒造を象徴する地域ブランド表現は、
「竜王の水と田を、酒の個性へ。」
です。
松瀬酒造のテロワールを味わう👇
| イメージ | 酒蔵 | 説明 | リンク |
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松瀬酒造 |
竜王の米・水・土を「松の司」へ映す、1860年創業の酒蔵。 |
