天領酒造(酒蔵ガイド)

目次(Table of Contents)

― 飛騨・下呂の山里で、ひだほまれと地元栽培山田錦を生かし、「天領」「日野屋」「天ロワール」を醸す1680年創業の老舗酒蔵。伝統的な純米・燗酒から、低アル、スパークリング、どぶろく体験、地域農業までつなぐ“酒・人・まちづくり型”の蔵。 ―

① 一行定義

天領酒造は、岐阜県下呂市萩原町で「天領」「日野屋」を醸す、1680年創業・飛騨産ひだほまれ・地元栽培山田錦・純米大吟醸・生酛・燗酒・低アルコール・スパークリング・天ロワール・酒造体験を強みとする、地域農業と日本酒文化を次代へつなぐ老舗酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 岐阜県下呂市萩原町萩原1289番地1
会社名: 天領酒造株式会社
創業: 延宝8年・1680年
法人化: 1955年
代表者: 上野田 又輔
現蔵元: 第9代
代表ブランド: 天領
新世代ブランド: 日野屋
地域テロワールブランド: 天ロワール
主要酒米: ひだほまれ・山田錦など
地域米: 下呂市萩原町羽根地区産ひだほまれ・山田錦
主力酒質: 純米大吟醸・大吟醸・純米吟醸・純米・本醸造・生酒
別領域: スパークリング・どぶろく・焼酎・リキュール
体験: 酒蔵見学・体験学習・どぶろく体験
経営思想: 「酒をつくり、まちをつくり、人をつくる」

👉 “340年以上の伝統を、地域農業と新しい飲み方へつなぐ蔵。”

天領酒造は1680年創業。

現在は単に日本酒を造るだけでなく、

酒造り
→ 地域農業
→ 人づくり
→ まちづくり
→ 日本酒文化の継承

までを企業の役割として掲げている。

特に近年は、萩原町産山田錦・ひだほまれを用いる「天ロワール」を展開。

地域の米・水・気候・風土を一杯へ集約する

というテロワール型酒造りを明確に打ち出している。


③ 味ポジション

香り  :★★★☆☆〜★★★★★
甘味  :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
キレ  :★★★★☆〜★★★★★
コク  :★★★★☆

👉 “華やかな吟醸香と、ひだほまれのふくらみ、食中酒らしいキレを両立する飛騨型純米酒。”

天領酒造の酒質は、一方向ではない。

「天禄拝領」などの上位酒では、

華やかな吟醸香
+柔らかな含み香
+透明感
+上品な余韻

を重視。

一方、「純米酒 天領」「日野屋 純米生酛」では、

米の旨味
+穏やかな酸
+食中性
+燗上がり

が前面に出る。

さらに現在の「日野屋」では、

低アルコール
+生貯蔵
+甘味と酸味
+華やかな香り

という現代的な酒質へも広げている。

したがって基本構造は、

上品な香り
+米の旨味
+酸
+柔らかさ
+キレ

である。


④ 強み

① 1680年創業、340年以上の歴史
② 現在まで9代続く家業
③ 飛騨産酒造好適米「ひだほまれ」を積極活用
④ 下呂市萩原町で山田錦栽培に挑戦
⑤ 2021年から飛騨地域初の山田錦栽培を推進
⑥ 地域100%を目指す「天ロワール」構想
⑦ 兵庫県産山田錦を35%まで磨く鑑評会酒
⑧ 2024・2025年 全国新酒鑑評会2年連続金賞
⑨ 2026年 全国新酒鑑評会入賞
⑩ 2025年ワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞
⑪ 2025年全国燗酒コンテスト金賞
⑫ 2025年名古屋国税局酒類鑑評会で複数酒が優等賞
⑬ 「日野屋」による現代型ブランド再構築
⑭ 低アル・生貯蔵・スパークリングまで幅広い商品開発
⑮ どぶろく体験など参加型観光コンテンツ

👉 “鑑評会レベルの高級酒と、地域農業・燗酒・低アルを同時に成立させる。”

2025年の全国新酒鑑評会では金賞を受賞し、前年に続く2年連続金賞となった。2026年は令和7酒造年度の全国新酒鑑評会で入賞酒を販売しており、高級酒領域の醸造力を継続して示している。

一方で、全国燗酒コンテストでは「日野屋 純米生酛」が2025年に金賞。

つまり、

冷酒の華やかな酒だけではない。

燗で旨い純米酒まで評価されている。


⑤ 向いている人

・岐阜、下呂、飛騨の地酒を飲みたい人
・ひだほまれの酒が好きな人
・山田錦の純米大吟醸を楽しみたい人
・華やかな吟醸酒が好きな人
・米の旨味も重視する人
・純米酒を食事と合わせたい人
・燗酒を楽しみたい人
・低アルコール日本酒にも興味がある人
・スパークリング日本酒を試したい人
・生酛に興味がある人
・地元産山田錦の酒を飲みたい人
・テロワール型日本酒に興味がある人
・酒蔵体験を楽しみたい人
・鑑評会受賞酒を重視する人
・日本酒初心者と愛好家が一緒に楽しみたい人

👉 “高級酒だけでなく、地域・食・温度・体験まで日本酒を広く楽しみたい人向け。”

特に天領酒造は、

天領
→ 王道・定番・高級酒

日野屋
→ 現代型・季節・生酛・低アル

天ロワール
→ 地域テロワール

と入口が明確に分かれている。


⑥ 向かない人

・単一銘柄だけを深く追いたい人
・商品数が非常に少ない小規模蔵を好む人
・完全な超辛口酒だけを求める人
・無濾過生原酒だけを追う人
・ナチュラル系低アルだけを求める人
・観光・体験要素を不要と考える人
・極端に濃厚な酒だけを好む人

👉 “一方向の酒質より、伝統と現代を幅広く楽しみたい人向け。”

現在の天領酒造は、日本酒だけでも

大吟醸
純米大吟醸
純米吟醸
純米
生酛
生酒
低アル
スパークリング
どぶろく

まで非常に広い。

そのため、銘柄を一本に絞って理解するより、

用途と飲み方で選ぶ蔵

と考える方が分かりやすい。


⑦ 商品カテゴリ

■ 純米大吟醸 天禄拝領

天領酒造の最高級定番酒を代表する一本。

兵庫県産山田錦を高度精米し、

華やかな吟醸香
+柔らかな含み香
+上品な旨味

を表現する。

ワイングラスで楽しむ酒としても推奨され、IWCやワイングラス系アワードでも評価されている。

👉 “天領酒造の王道プレミアムを象徴する一本。”


■ 大吟醸 天禄拝領

兵庫県産山田錦を用いる高級大吟醸。

香り・透明感・キレを重視した贈答・特別用途向け。


■ 全国新酒鑑評会 出品酒

2026年販売の入賞酒は、

兵庫県産山田錦
+精米歩合35%
+純米大吟醸

で醸造。

華やかな吟醸香とキレの良い辛さが特徴。

👉 “現在の天領酒造の醸造技術を最も直接的に示す酒。”


■ 純米大吟醸 ひだほまれ 天領

岐阜県産「ひだほまれ」を使う純米大吟醸。

旨味
+酸
+豊かなふくらみ

を持つ。

兵庫山田錦による上位酒とは別に、岐阜の酒米を高級酒へ昇華した地域型商品。

👉 “飛騨の米を高精白で表現する天領のテロワール側フラッグシップ。”


■ 日野屋 純米大吟醸 infinity

現在の日野屋ブランド最高峰。

限定200本規模で展開する特別酒。

Vintage展開も行われ、

酒を時間とともに味わう

という新しい価値を加える。

👉 “天領酒造の伝統を、熟成・限定・現代的高級酒へ再構築した一本。”


■ 日野屋 純米大吟醸 生貯蔵原酒「天」

飛騨産ひだほまれ100%。

精米歩合45%。

華やかな香り
+甘味
+酸味
+ふくよかな旨味
+キレ

を持つ。

👉 “現在の日野屋を理解する入口となるモダン純米大吟醸。”


■ 日野屋 純米大吟醸 生貯蔵原酒「涼」

同じくひだほまれを高度精米。

生貯蔵によるフレッシュ感を生かした季節型純米大吟醸。


■ 日野屋 純米大吟醸 低アルコール

ひだほまれ100%。

精米歩合45%。

アルコール14%
日本酒度−2

と比較的軽やか。

低アルながらボディを残し、

甘味
+酸
+香り

のバランスを取る。

👉 “従来の日本酒の重さを抑えた、新しい入口。”


■ 日野屋 純米生酛

伝統的な生酛造りを取り入れた純米酒。

2025年全国燗酒コンテスト・プレミアムぬる燗部門で金賞。

冷酒ではなく、

常温
+ぬる燗

で真価を発揮する。

👉 “日野屋のモダンさと伝統製法をつなぐ重要商品。”


■ 日野屋 純米酒「恵」

春に搾った酒を一夏熟成。

穏やかな香り
+ふくらんだ米の旨味
+柔らかな口当たり
+キレ

を特徴とする秋型商品。


■ 天ロワール 山田錦

2021年から取り組む地域プロジェクト。

下呂市萩原町羽根地区で栽培された山田錦を使用。

飛騨地域では新しい山田錦栽培への挑戦で、

米
+水
+気候
+風土

を地域内でつなぐことを目指す。

👉 “天領酒造の将来を最も象徴するテロワール酒。”


■ 天ロワール ひだほまれ

下呂市萩原町羽根地区産ひだほまれを使用。

地域農業と酒造りを直接つなぐ商品。


■ 純米吟醸 ひだほまれ

岐阜の酒米らしい、

旨味
+柔らかさ
+酸

を楽しむ定番純米吟醸。


■ 純米酒 天領

天領ブランドの中核食中酒。

華やかな上位酒より、

米の旨味
+日常性
+燗適性

を重視する。


■ 特別純米 飛切り

辛口・食中型を担う純米酒。

焼魚、山菜、鍋、味噌料理など飛騨の食卓に合わせやすい。


■ 上撰 天領

長年地域の晩酌を支えてきた定番酒。

👉 “高級酒だけではなく、地元の日常酒を持つことが老舗の強さ。”


■ 天涼

夏向け本醸造生貯蔵酒。

搾りたての爽やかさを閉じ込め、

みずみずしい香り
+軽快な飲み口

を特徴とする。


■ ANDANTE

「もっと気軽に日本酒を楽しみたい」という発想から開発された新しい低アルコール系商品。

👉 “伝統蔵が若年・ライトユーザーへ入口を広げる現在形。”


■ スパークリング日本酒「すますま」

岐阜県産の水・米・酵母を使うスパークリング日本酒。

名称は飛騨弁の「すま」をもとにしたもの。

乾杯酒、日本酒初心者、軽い食事に向く。


■ どぶろく

天領酒造では、どぶろくを商品として販売するだけでなく、

どぶろく体験

そのものを観光コンテンツとして展開。

1回約1.5時間で、利き酒も組み込まれている。

👉 “飲む酒から、造る酒へ体験を広げる。”


■ 飛騨の梅酒・リキュール

地域果実などを使うリキュールを展開。

「飛騨の梅酒」は国際的評価実績も持ち、2025年には世界TOP5選出商品として再販された。


■ 焼酎

麦・米系などの焼酎も展開。

日本酒だけに限定しない総合酒類メーカーとしての商品幅を持つ。


⑧ 飲み方

冷酒     :◎◎
常温     :◎◎
ぬる燗    :◎◎
熱燗     :◎
ワイングラス :◎◎
低アル    :◎◎
スパークリング:◎
食中酒    :◎◎

👉 天禄拝領・純米大吟醸は冷酒、純米・生酛は常温〜燗。日野屋・すますまは現代的な飲み方と好相性。

■ 料理との合わせ方

純米大吟醸 天禄拝領
→ 白身魚、寿司、飛騨牛、会席料理

純米大吟醸 ひだほまれ
→ 鮎、山菜、天ぷら、出汁料理

日野屋 純米大吟醸「天」
→ 海老、ホタテ、塩焼き、BBQ

日野屋 低アル
→ 焼鳥、おでん、朴葉味噌、山菜天ぷら

日野屋 純米生酛
→ 煮物、味噌料理、肉料理、発酵食品

天ロワール 山田錦
→ 鮎、山菜、きのこ、寒ブリ、鰻

純米酒 天領
→ 焼魚、煮物、豆腐、家庭料理

特別純米 飛切り
→ 朴葉味噌、鶏ちゃん、漬物

すますま
→ 前菜、チーズ、軽い洋食

飛騨・下呂なら、

飛騨牛
朴葉味噌
鶏ちゃん
鮎
山菜
きのこ
寒ブリ
豆腐
漬物
飛騨そば

との組み合わせが分かりやすい。

👉 “飛騨の米で醸した酒を、飛騨の山・川・発酵食と合わせる。”


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか   ← ◎ → ◎ 華やか
淡麗    ← ◎ → ○ 濃醇
辛口    ← ◎ → ○ 甘旨口
日常酒   ← ◎ → ◎ 高級酒
冷酒    ← ◎ → ◎ 燗酒
伝統酒   ← ◎ → ◎ 低アル・泡
地域酒   ← ◎ → ◎ テロワール

👉 “340年の酒造技術を、地域農業・生酛・低アル・体験まで広げる『地域循環型』老舗酒蔵。”

直前までの岐阜県蔵と比較すると、

小坂酒造場・百春
=「美濃・文化財町家・無濾過生・白麹・革新」

山田商店・玉柏
=「八百津・軟水・全量手造り・燗酒・世界評価」

舩坂酒造店・深山菊/四ッ星
=「飛騨高山・古い町並・飛騨牛・酒蔵観光」

奥飛騨酒造・奥飛騨/初緑
=「飛騨金山・300年・無濾過生・総合酒類・ウォッカ」

天領酒造・天領/日野屋
=「飛騨萩原・1680年・ひだほまれ・天ロワール・生酛・低アル・地域農業」

と整理できる。

特に現在の天領酒造は、

萩原町
→ 地域農家
→ ひだほまれ・山田錦
→ 天ロワール
→ 酒造り
→ 飲用
→ 酒蔵体験
→ 地域経済

までを一本につなげようとしている。

これは同社が掲げる、

「酒をつくり、まちをつくり、人をつくる」

という考えと一致する。

つまり天領酒造は、

“下呂の地酒を造る老舗”

から、

“日本酒を核に地域を持続させる酒蔵”

へ進化している。


■ コピー

メイン

「飛騨の米を醸し、次の百年へ。萩原『天領』。」

サブ

岐阜県下呂市・飛騨萩原で、1680年から酒造りを続ける天領酒造。飛騨産ひだほまれや萩原産山田錦を使い、伝統の純米・大吟醸・生酛・燗酒に加え、低アルコールやスパークリング、どぶろくも展開している。

地域の米・水・気候・風土を生かす「天ロワール」に取り組み、酒造りを通じて農業、人、町を次世代へつなぐ蔵である。


■ 結論

飛騨の米と水、風土を醸し、三百四十年の時を「天領」に重ねる。
ひだほまれと山田錦、生酛と燗酒、日野屋と天ロワールが、伝統を次代へつなぐ。
酒をつくり、人を育て、まちを支える――天領酒造は、飛騨の未来を醸している。

天領酒造のテロワールを味わう👇

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天領酒造

天領酒造は、岐阜県下呂市萩原町で「天領」「日野屋」を醸す、1680年創業・飛騨産ひだほまれ・地元栽培山田錦・純米大吟醸・生酛・燗酒・低アルコール・スパークリング・天ロワール・酒造体験を強みとする、地域農業と日本酒文化を次代へつなぐ老舗酒蔵。

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