渡辺酒造店(酒蔵ガイド)
― 北アルプス・飛騨山脈の伏流水と飛騨ほまれ、復活酒米「ひだみのり」を生かし、「蓬莱」を醸す1870年創業の飛騨古川を代表する酒蔵。純米大吟醸から日常酒、生酛、燗酒、限定生酒まで展開し、国内外の酒類コンクールで高い評価を積み重ねる“飛騨×品質×発信力”型の実力蔵。 ―

① 一行定義
渡辺酒造店は、岐阜県飛騨市古川町で「蓬莱」を醸す、1870年創業・飛騨山脈伏流水・飛騨ほまれ・山田錦・雄町・復活酒米ひだみのり・寒造り・手仕事・純米大吟醸・燗酒・圧倒的な国内外受賞実績・酒蔵観光を強みとする飛騨古川の代表的酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 岐阜県飛騨市古川町壱之町7-7
会社名: 有限会社 渡辺酒造店
創業: 明治3年・1870年
渡邉家当地創業: 1732年
代表者: 渡邉久憲
代表ブランド: 蓬莱
地域ブランド: 飛騨古川・飛騨
水: 飛騨山脈・北アルプス由来の井戸伏流水
主要酒米: 飛騨ほまれ・山田錦・雄町・吟風など
希少酒米: ひだみのり
酒造期: 主に10月〜翌4月
年間製造量: 約99万L
製法: 吟醸・純米・生酛・袋しぼり・無濾過・生酒など
体験: 直営店・試飲・仕込水・酒蔵見学・蔵まつり
建築: 直営店舗は国登録有形文化財
👉 “飛騨の米・水・寒さを、圧倒的な商品力と世界評価へつなぐ蔵。”
渡辺酒造店の酒造りは1870年、5代目久右衛門章が始めた。
京都で飲んだ酒の旨さが忘れられず、飛騨古川へ戻って自ら酒造りを始めたことが原点である。
出来上がった酒は高く評価され、宴席で謡われた謡曲「鶴亀」に登場する理想郷、
「蓬莱」
を酒名とした。
現在も、
飛騨山脈の伏流水
+飛騨の米
+冬の寒さ
+蔵人の手仕事
を酒造りの土台としている。
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
キレ :★★★★☆〜★★★★★
コク :★★★★☆〜★★★★★
👉 “柔らかな旨味を核に、華やかな吟醸から燗向き旨口まで広げる総合型。”
蓬莱の酒質は、一つではない。
最高峰「心白18」は、
白桃・林檎を思わせる香り
+絹のような滑らかさ
+ふくよかな甘味
+雑味のない透明感
を持つ。
一方、「奥伝寒造り」は、
飛騨ほまれの旨味
+梨・白桃系の穏やかな香り
+軽快さ
+滑らかさ
が中心。
「家伝手造り」は、
柔らかさ
+奥深いコク
+五味の調和
を特徴とする。
さらに「蓬莱 上撰」「小町桜」は、
旨口
+ふくらみ
+燗上がり
を持つ日常酒。
つまり蓬莱全体では、
華やか
+透明感
+米の旨味
+ふくらみ
+キレ
を商品ごとに振り分けている。
④ 強み
① 1870年創業、150年以上の酒造史
② 渡邉家は1732年から飛騨古川で事業を継承
③ 北アルプス・飛騨山脈由来の豊富な伏流水
④ 岐阜県を代表する酒造好適米「飛騨ほまれ」を大量活用
⑤ 兵庫県・岡山県産山田錦を高級酒へ使用
⑥ 岡山県産雄町を産地別に商品化
⑦ 絶滅した酒米「ひだみのり」を2017年に復活
⑧ ひだみのりを使う「飛騨テロワール40」を商品化
⑨ 18%精米「心白18」など高度精米技術
⑩ 袋しぼり・生酛・無濾過・生酒など幅広い製法
⑪ Kura Master・IWC・全国新酒鑑評会など国内外で多数受賞
⑫ 2026年Kura Masterで5商品が金賞
⑬ 2025年IWCで本醸造・純米吟醸部門など複数ゴールド
⑭ 「家伝手造り」はANA国際線ファーストクラス採用実績
⑮ 直営店・試飲・平日酒蔵見学・蔵まつりまで観光接点が強い
👉 “高級酒だけでなく、純米・吟醸・普通酒まで受賞できる総合的な醸造力。”
渡辺酒造店の強さは、
一本の超高級酒だけが強いことではない。
2025年IWCでは、
蔵元の隠し酒 番外品
→ 本醸造部門 GOLD
純米吟醸 家伝手造り
→ 純米吟醸部門 GOLD
初汲み
→ 純米吟醸部門 GOLD
を獲得。
さらに普通酒・純米酒・吟醸・純米大吟醸・大吟醸でも幅広くメダルを得ている。
2026年Kura Masterでも、
心白18
色おとこ
極意傳
飛騨テロワール40
大吟醸しずく
の5商品が金賞。
👉 “カテゴリーをまたいで品質を出せることが、渡辺酒造店最大の技術的強み。”
⑤ 向いている人
・岐阜、飛騨古川の地酒を飲みたい人
・飛騨ほまれの酒を楽しみたい人
・山田錦の高級酒が好きな人
・雄町の酒を飲み比べたい人
・純米大吟醸を楽しみたい人
・華やかな吟醸酒が好きな人
・米の旨味を感じる純米酒が好きな人
・燗酒を楽しみたい人
・生酒・無濾過原酒に興味がある人
・生酛造りに興味がある人
・酒米の復活やテロワールに興味がある人
・鑑評会・国際コンクール受賞酒を重視する人
・酒蔵で試飲してから買いたい人
・酒蔵見学を楽しみたい人
・日本酒初心者と愛好家が一緒に楽しみたい人
👉 “一本の酒を極めるより、飛騨酒の幅を一蔵で体験したい人向け。”
特に、
初心者
→ 上撰・家伝手造り・奥伝寒造り
愛好家
→ 雄町・生酛・無濾過・初汲み
高級酒ユーザー
→ 心白18・極意傳・しずく
と、入口を分けやすい。
⑥ 向かない人
・一銘柄・一酒質だけを追いたい人
・商品数の非常に少ない小規模蔵を好む人
・超ナチュラル系低アル酒だけを求める人
・極端な酸味主体のモダン酒だけを追う人
・完全な淡麗辛口だけを求める人
・静かな非観光型酒蔵だけを好む人
👉 “単一の美学より、多彩な商品・飲み方・体験を楽しむ人向け。”
渡辺酒造店は、
純米大吟醸
大吟醸
純米吟醸
吟醸
純米
普通酒
生酛
生酒
にごり
季節限定
まで極めて商品幅が広い。
したがって、
「蓬莱はこの味」
と一言で括るより、
目的別に選ぶ酒蔵
として見る方が実態に近い。
⑦ 商品カテゴリ
■ 蓬莱 純米大吟醸 心白18
渡辺酒造店の最高峰。
兵庫県三木地区産・特等山田錦を使用。
精米歩合は、
18%。
心白部分を中心に高度に磨き、
袋しぼり
+早瓶火入れ
+0℃低温貯蔵
で仕上げる。
味わいは、
白桃
+林檎
+滑らかな甘味
+ふくよかな旨味
+透明感
が中心。
👉 “150年以上の蓬莱酒造りを、18%精米へ凝縮した最高峰。”
■ 蓬莱 純米大吟醸 極意傳
蓬莱を代表するプレミアム純米大吟醸。
Kura Masterをはじめ国内外で継続的に評価されている。
2023年には名古屋国税局長賞を受賞。
👉 “鑑評会だけでなく、商品として完成度を高めた蓬莱の王道上位酒。”
■ 蓬莱 純米大吟醸 色おとこ
華やかで美しい酒質を狙った純米大吟醸。
発想の原点は、
「最高にキレイな日本酒」
という注文。
香り・滑らかさ・見た目のブランド性を含め、従来の地酒イメージとは異なる商品設計を持つ。
Kura Masterでは複数回プラチナ・金賞を受賞。
👉 “蓬莱のモダン・華やか側を象徴する一本。”
■ 蓬莱 大吟醸 しずく
酒袋から自然に滴る酒を集める高級大吟醸。
圧力を抑え、
香り
+透明感
+雑味の少なさ
を磨く。
2026年Kura Master大吟醸酒部門金賞。
👉 “蓬莱の吟醸技術を、最も繊細な形で味わう酒。”
■ 蓬莱 酒造鑑札 斗瓶選抜大吟醸
斗瓶採りで良質部分を選抜する高級大吟醸。
2026年Kura Masterでも金賞を獲得している。
👉 “鑑評会型の技術をそのまま商品へ落とした一本。”
■ 蓬莱 純米大吟醸 飛騨テロワール40
現在の渡辺酒造店を語るうえで特に重要な商品。
使用するのは、
飛騨古川産「ひだみのり」。
ひだみのりは2005年に一度姿を消した酒米。
2017年、JA南吉城酒米組合・岩塚吉郎氏の協力で復活した。
現在、全国でこの米を酒造りに使用するのは渡辺酒造店のみ。
精米歩合は40%。
田植え
→ 稲刈り
→ 醸造
→ 瓶詰め
→ 瓶燗
まで手掛ける。
酒質は、
淡麗
+透明感
+すっきりしたキレ
が中心。
2026年Kura Master金賞。
👉 “飛騨の土地を最も直接的に表す、現在の蓬莱テロワール酒。”
■ 蓬莱 純米大吟醸 高島雄町
岡山県高島地区産雄町を使用。
古来の生酛造りも取り入れ、
雄町の旨味
+酸
+骨格
を楽しむ。
👉 “高級吟醸だけではない、蓬莱のクラシック側。”
■ 蓬莱 赤磐雄町 純米大吟醸
岡山県赤磐地区の雄町を使用。
同じ雄町でも産地違いを商品化することで、
酒米の土地差
を見せる。
👉 “高島雄町との飲み比べで、雄町の産地表現を楽しめる。”
■ 蓬莱 純米吟醸 家伝手造り
渡辺酒造店を代表する中核商品。
契約栽培の飛騨ほまれ
を使用。
少量仕込みによる吟醸造り。
特徴は、
柔らかさ
+奥深いコク
+五味の調和
である。
ANA国際線ファーストクラス採用実績を持ち、2025年IWCでは純米吟醸部門GOLD。
👉 “初めて蓬莱を飲むなら、最もブランドを理解しやすい一本。”
■ 蓬莱 初汲み
しぼりの初期の酒を生かした純米吟醸。
フレッシュさと勢いを持つ。
2024年Kura Masterで純米酒部門プラチナ賞・上位選出、2025年IWC純米吟醸部門GOLD。
👉 “蓬莱のフレッシュ・現代側を代表する一本。”
■ 蓬莱 純米酒 奥伝寒造り
飛騨ほまれの魅力を素直に表現する代表純米酒。
目指すのは、
毎晩楽しめる酒。
味わいは、
梨
+白桃
+穏やかな甘味
+滑らかさ
+軽快さ
が中心。
2025年Kura Masterでは純米酒部門プラチナ賞。
👉 “高級酒ではなく、日常酒でも世界評価を取る蓬莱の底力。”
■ 蓬莱 無濾過の酒
純米原酒。
濾過による味の調整を抑え、
米の旨味
+原酒の厚み
を直接味わう。
生酒版「生々」も展開する。
■ 蓬莱 蔵元の隠し酒 番外品
吟醸酒。
新聞紙で瓶を包み光を遮断する独特の外観を持つ。
2025年は、
ワイングラスでおいしい日本酒アワード最高金賞
IWC本醸造部門GOLD
の2冠を獲得。
👉 “価格・飲みやすさ・受賞力を兼ね備える高コストパフォーマンス酒。”
■ 蓬莱 吟醸 伝統辛口
辛口系を担う吟醸酒。
華やかさだけでなく、
キレ
+食中性
を重視する。
👉 “蓬莱の辛口側を明確に担う一本。”
■ 蓬莱 上撰
飛騨で長く愛される定番酒。
まろやかな口当たり
+柔らかく膨らむ旨味
が特徴。
IWCでも複数回評価され、燗酒コンテストでは最高金賞実績を持つ。
👉 “観光客向けではなく、飛騨の日常を支える蓬莱。”
■ 小町桜
昔ながらの味わいを持つ日常酒。
冷酒でもコクを感じ、
燗にすると旨味が増す。
「小町桜 別囲い」も展開する。
👉 “飛騨の晩酌文化を残すクラシックライン。”
■ 天才杜氏の入魂酒
複数の酒質を生かした独自設計の商品。
普通酒カテゴリーながら多数のコンテストで評価されている。
👉 “特定名称酒だけが高品質という常識を崩す商品。”
■ 生々シリーズ
通常商品を火入れせず、
生酒のまま
数量限定で出荷するシリーズ。
・家伝手造り 生々
・奥伝寒造り 生々
・色おとこ 生々
・無濾過の酒 生々
・小町桜 生々
・天才杜氏の入魂酒 生々
などを展開。
👉 “定番酒と生酒を比較できる、蓬莱ならではの商品設計。”
■ 季節・限定酒
・槽場直詰め
・おりがらみ
・しぼりたて
・父の日しぼり
・ひやおろし
・蔵まつり限定酒
・酵母まつり限定酒
など。
👉 “通年商品を核に、蔵でしか出会えない鮮度型商品を重ねる。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :◎◎
ワイングラス:◎◎
生酒 :◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・しずくは冷酒、家伝手造り・奥伝寒造りは冷酒〜常温、上撰・小町桜は燗まで。
■ 料理との合わせ方
心白18
→ 白身魚、寿司、飛騨牛、会席料理
極意傳
→ 飛騨牛、鮎、寿司、和食
色おとこ
→ 前菜、魚介、洋食、チーズ
大吟醸しずく
→ 刺身、白身魚、蟹、繊細な料理
飛騨テロワール40
→ 鮎、山菜、川魚、野菜料理
高島雄町
→ 鰻、肉料理、発酵食品
家伝手造り
→ 焼魚、天ぷら、鶏料理、朴葉味噌
奥伝寒造り
→ 刺身、豆腐、煮物、家庭料理
蔵元の隠し酒
→ 焼鳥、揚物、居酒屋料理
上撰
→ 朴葉味噌、漬物、煮物、鍋
小町桜
→ 飛騨の家庭料理、燗酒料理
飛騨古川なら、
飛騨牛
朴葉味噌
鮎
川魚
山菜
飛騨そば
漬物
こも豆腐
きのこ
鶏ちゃん
などとの相性が良い。
👉 “高級酒だけでなく、晩酌酒まで飛騨の食とつなげられる。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ◎ 華やか
淡麗 ← ◎ → ◎ 濃醇
辛口 ← ◎ → ◎ 甘旨口
日常酒 ← ◎ → ◎ 最高級酒
火入れ ← ◎ → ◎ 生酒
地域酒 ← ◎ → ◎ 世界評価
製造蔵 ← ◎ → ◎ 観光・発信
👉 “飛騨古川の米・水・寒造りを核に、日常酒から18%精米酒、復活酒米、世界市場、酒蔵観光まで展開する『総合ブランド型』酒蔵。”
これまで整理した岐阜県の蔵と比較すると、
小坂酒造場・百春
=「美濃・文化財町家・無濾過生・白麹・革新」
山田商店・玉柏
=「八百津・軟水・全量手造り・燗酒・世界評価」
舩坂酒造店・深山菊/四ッ星
=「飛騨高山・古い町並・飛騨牛・酒蔵観光」
奥飛騨酒造・奥飛騨/初緑
=「飛騨金山・300年・無濾過生・総合酒類・ウォッカ」
天領酒造・天領/日野屋
=「飛騨萩原・ひだほまれ・天ロワール・地域農業」
中島醸造・小左衛門
=「瑞浪・多品種酒米・雄町・愛山・生酛・熟成」
渡辺酒造店・蓬莱
=「飛騨古川・伏流水・飛騨ほまれ・ひだみのり・圧倒的受賞力・商品開発・酒蔵観光」
と整理できる。
渡辺酒造店のブランド構造は、
北アルプス
→ 飛騨山脈伏流水
→ 飛騨古川
→ 飛騨ほまれ
→ ひだみのり
→ 寒造り
→ 蓬莱
→ 国内外コンクール
→ 直営店・酒蔵見学
→ 世界市場
まで非常に広い。
中でも注目すべきなのが、
ひだみのり。
一度絶滅した地域酒米を復活させ、
飛騨テロワール40
として高級純米大吟醸へ育てた。
つまり渡辺酒造店は、
受賞数の多い酒蔵
というだけではない。
飛騨の土地に根ざした酒を、商品開発力と発信力で全国・世界へ届ける蔵
と位置づけるのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「飛騨の米と水を、世界へ。古川『蓬莱』。」
サブ
岐阜県・飛騨古川で1870年に創業した渡辺酒造店は、北アルプスの伏流水と飛騨の米を生かし、「蓬莱」を醸している。飛騨ほまれや山田錦、雄町に加え、復活した酒米「ひだみのり」を使い、「飛騨テロワール40」や「心白18」などを展開。日常酒から高級酒、冷酒から燗酒まで幅広く造り、国内外で高く評価されている。飛騨の水、米、寒さ、人の手を大切にし、地域に根ざした酒造りで世界へ届ける酒蔵である。
■ 結論
飛騨古川の伏流水と米を、百五十年余り「蓬莱」へ醸す。
消えた酒米ひだみのりを甦らせ、土地の記憶を一滴に結ぶ。
深く飛騨を醸すほど、その香りは世界の彼方まで届く。
渡辺酒造店のテロワールを味わう👇
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渡辺酒造店 |
渡辺酒造店は、岐阜県飛騨市古川町で「蓬莱」を醸す、1870年創業・飛騨山脈伏流水・飛騨ほまれ・山田錦・雄町・復活酒米ひだみのり・寒造り・手仕事・純米大吟醸・燗酒・圧倒的な国内外受賞実績・酒蔵観光を強みとする飛騨古川の代表的酒蔵。 |

