玉乃光酒造(酒蔵ガイド)
― 京都・伏見で1673年から酒を醸す老舗酒蔵。全国でも珍しい「純米吟醸蔵」として、醸造アルコールや糖類に頼らず、米・米麹・水だけで酒を造ることを貫く。「味吟醸」を掲げ、山田錦・雄町・祝・短稈渡船など酒米ごとの個性を、自社精米・低温発酵・食中酒設計で磨く。1982年には雄町復活にも関わり、近年は有機米、ワイン酵母、オーガニックスパークリングまで広げる、“伏見・純米吟醸専業型”の酒蔵。

① 一行定義
米・米麹・水だけで「味吟醸」を磨く、1673年創業の伏見の純米吟醸蔵。
② ブランド要約
所在地: 京都市伏見区東堺町545-2
会社名: 玉乃光酒造株式会社
創業: 延宝元年・1673年
代表取締役会長: 丸山 恒生
代表取締役社長: 羽場 洋介
代表ブランド: 玉乃光
酒造思想: 純米吟醸蔵・味吟醸
主要酒米: 山田錦・雄町・祝・短稈渡船・美山錦ほか
代表商品: Black Label・備前雄町100%・播州久米産山田錦100%・京の朱・京の紫・短稈渡船・酒鵬・酒魂・酒楽・TAMA
有機酒: 有機純米大吟醸 備前雄町100%・有機純米吟醸 GREEN雄町・GREEN山田錦
自社精米: 実施
主力酒質: 純米大吟醸・純米吟醸
事業: 清酒・焼酎・リキュール・酒粕の製造販売
アクセス: 京阪・近鉄「丹波橋駅」から徒歩約15分
蔵見学: 実施していない
玉乃光酒造最大の特徴は、
「純米吟醸蔵」
であること。
伏見には多くの酒蔵があるが、玉乃光は吟醸・大吟醸を中心に、醸造アルコールや糖類を加えず、
米
+米麹
+水
だけで造る酒を軸としている。公式も、全国的に見ても珍しい純米吟醸蔵と位置づけている。
そして、玉乃光が掲げるのが、
「味吟醸」。
吟醸酒を「香りの華やかさ」だけで見せるのではなく、
米の旨味が料理を引き立て、食事の途中から食後まで飲み続けられる酒
へ仕上げる思想である。
👉 “香りで主役になるのではなく、料理と一緒に完成する純米吟醸を造る蔵。”
③ 味ポジション
香り :★★★☆☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
酸 :★★★★☆
キレ :★★★★☆〜★★★★★
コク :★★★★☆
👉 “華やかさを抑えすぎず、米旨・酸・キレを料理へつなぐ『伏見・味吟醸型』。”
玉乃光の基準となる「酒魂」は、
米の旨味
+酸味
+キレ
のバランス型。
主張しすぎず、料理を引き立てることが明確に意識されている。
一方、
備前雄町100%
=やわらかな香り・自然な酸・旨味・厚み
Black Label
=華やか・すっきり・高精白
播州久米産山田錦100%
=香り高い・キレ・端正
祝100%
=気品・華やか・京都らしさ
TAMA
=ワイン酵母由来の甘味・酸味
と、酒米や酵母によって酒質を明確に変える。
👉 “香りを競う吟醸ではなく、米と料理の間をつなぐ吟醸。”
④ 強み
① 1673年創業、350年以上の酒造史
② 伏見でも珍しい純米吟醸蔵
③ 醸造アルコールや糖類に頼らない酒造り
④ 「味吟醸」という明確な酒質哲学
⑤ 自社精米による原料管理
⑥ 山田錦・雄町・祝・短稈渡船・美山錦の使い分け
⑦ 1982年から雄町復活に関与
⑧ 2014年から雄町の無農薬栽培へ取り組む
⑨ 雄町を純米大吟醸の中核へ育てている
⑩ 35%精米「Black Label」
⑪ 特A地区・播州久米産山田錦39%精米
⑫ 京都産「祝」100%商品を複数展開
⑬ 山田錦の親系統「短稈渡船」まで商品化
⑭ 有機雄町・有機山田錦を商品化
⑮ 有機JAS認証の純米大吟醸を展開
⑯ ワイン酵母を使う「TAMA」
⑰ オーガニックスパークリング「京の星」
⑱ 純米大吟醸から定番純米吟醸まで一貫した純米設計
⑲ 「酒魂」で燗酒コンテスト最高金賞実績
⑳ 2025年Kura Master「Black Label」プラチナ賞
㉑ 2026年全国新酒鑑評会 金賞
㉒ 2026年ミラノ酒チャレンジ「京の星」プラチナ賞
㉓ 雄町の純米大吟醸が2022〜2026年モンドセレクション連続金賞
㉔ 高級酒と食中酒を同じ哲学でつなぐ商品構成
👉 “最大の強みは、純米吟醸に特化しながら、酒米・精米・有機・酵母で味の幅を広げられること。”
象徴的なのが、
「雄町」。
玉乃光は1982年に雄町の復活へ関わり、2014年からは農薬を使わない栽培にも取り組んだ。
現在では、
備前雄町100%
Black Label
有機純米大吟醸 備前雄町100%
有機純米吟醸 GREEN 雄町
と、同じ酒米を精米歩合や栽培方法まで変えて多層展開している。
⑤ 向いている人
・京都・伏見の地酒を飲みたい人
・純米酒だけを選びたい人
・純米吟醸が好きな人
・料理との相性を重視する人
・香りだけでなく米の旨味を求める人
・雄町が好きな人
・山田錦の産地差を楽しみたい人
・京都の酒米「祝」に興味がある人
・短稈渡船を飲んでみたい人
・オーガニック日本酒を選びたい人
・燗酒も楽しみたい人
・酒米違いを比較したい人
・ワイン酵母など新しい日本酒も試したい人
👉 “純米吟醸を軸に、米・酸・旨味・料理の関係を深く楽しみたい人向け。”
選び方は、
Black Label
→ 雄町・35%・最高峰
播州久米産山田錦
→ 特A地区・39%・端正
備前雄町100%
→ 旨味・厚み・食中
京の朱/京の紫
→ 祝・京都・華やか
短稈渡船
→ 希少米・芳醇・キレ
GREEN
→ 有機・環境・酒米
酒魂
→ 定番・食中・燗
酒楽
→ 淡麗辛口・料理
TAMA
→ ワイン酵母・甘酸
と整理すると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・醸造アルコール添加酒を幅広く飲み比べたい人
・超濃醇甘口だけを求める人
・派手な吟醸香だけを重視する人
・生酛・山廃だけを追う人
・酒蔵見学を主目的に訪れたい人
・一種類の酒質だけを求める人
👉 “華やかさの強さではなく、料理との調和や米の個性を楽しめる人向け。”
玉乃光は、
「純米吟醸」という狭い領域へ閉じた蔵
ではない。
むしろ、
雄町。
山田錦。
祝。
短稈渡船。
有機米。
ワイン酵母。
スパークリング。
という方法で、
純米吟醸という軸を保ちながら酒質を広げる蔵
である。
⑦ 商品カテゴリ
■ 純米大吟醸 Black Label
玉乃光の最高峰クラス。
使用米:雄町100%
精米歩合:35%
アルコール:15度
雄町を35%まで磨き、低温でじっくり醸す。
特徴は、
華やかな香り
+すっきりした飲み口
+雄町の旨味。
2025年Kura Master純米大吟醸酒部門プラチナ賞。
👉 “雄町を極限まで磨いて表現する、玉乃光の最上級酒。”
■ 純米大吟醸 播州久米産山田錦100%
使用米:特A地区・播州久米産山田錦100%
精米歩合:39%
山田錦の中でも最高格付け地域の米を、自社で39%まで精米。
特徴は、
高い香り
+透明感
+キレ。
👉 “雄町とは違う、山田錦の端正さを極める一本。”
■ 有機純米大吟醸 備前雄町100%
使用米:有機栽培 岡山県産雄町100%
精米歩合:45%
アルコール:16度
有機JAS認証を取得。
雄町そのものの旨味と、有機栽培による原料への思想を重ねる。
👉 “雄町の復活から、有機栽培へ。玉乃光の米づくり思想を示す一本。”
■ 純米大吟醸 備前雄町100%
玉乃光を代表する雄町酒。
使用米:雄町100%
精米歩合:50%
アルコール:16度
特徴は、
自然でやわらかな香り
+天然の酸味
+旨味
+ふっくらした厚み。
2022〜2026年モンドセレクション金賞。
👉 “『味吟醸』という玉乃光の考え方が最も分かりやすい一本。”
■ 純米大吟醸 備前雄町100% 熟成古酒シルバー
雄町純米大吟醸を低温で長期熟成。
特徴は、
落ち着き
+なめらかさ
+熟成による奥行き。
👉 “雄町を若いうちだけでなく、時間でも味わう一本。”
■ 純米大吟醸 祝100% 京の朱
使用米:京都産「祝」100%
特徴は、
気品ある香り
+華やかさ
+柔らかな旨味。
朱と鳳凰を用いた意匠も含め、祝いの席を意識した商品。
👉 “京都の酒米『祝』を、祝いの日の純米大吟醸へ。”
■ 純米大吟醸 祝100% 京の紫
同じ京都産「祝」を使いながら、
華やかさ
+キレ
+優雅さ
を前面に出す。
👉 “京都産米を、気品ある現代的な純米大吟醸へ。”
■ 純米大吟醸 こころの京
京都限定酒。
京都産「祝」100%。
特徴は、
淡麗
+独特の芳香
+京都らしい奥ゆかしさ。
👉 “京都で飲む意味を、原料米と限定流通に持たせた一本。”
■ 純米大吟醸 短稈渡船
山田錦の親にあたる希少な酒米、
渡船2号100%
を使用。
特徴は、
芳醇な香り
+キレ。
👉 “酒米の系譜そのものを楽しむ純米大吟醸。”
■ 純米大吟醸 美山錦100%
使用米:滋賀県産美山錦100%
特徴は、
上品な香り
+酸味
+やや辛口。
👉 “酒米が変わると酒も変わることを明確に見せる一本。”
■ 有機純米吟醸 GREEN 雄町
有機栽培雄町100%を使う純米吟醸。
環境との調和と味わいの両立を狙う。
👉 “雄町の魅力を、有機農法という次の視点へ広げる酒。”
■ 有機純米吟醸 GREEN 山田錦
有機栽培山田錦100%。
雄町とは異なる、
端正さ
+透明感
+食中性
を有機米で表現する。
👉 “酒米と栽培方法の両方から、純米吟醸を選ぶ時代へ。”
■ 純米大吟醸 酒鵬
純米大吟醸の入口として位置づける商品。
特徴は、
ふくらみ
+飲み飽きしにくさ
+食中性。
👉 “純米大吟醸を、特別な日だけの酒にしない一本。”
■ 純米吟醸 酒魂
玉乃光の定番。
精米歩合:60%
アルコール:15度
特徴は、
米の旨味
+酸
+キレ
+料理を引き立てるバランス。
全国燗酒コンテスト2019・2023最高金賞、2022金賞。
👉 “玉乃光を初めて飲むなら、基準になる一本。”
■ 純米吟醸 酒楽
淡麗辛口タイプ。
特徴は、
すっきり
+さらり
+シャープなキレ。
料理を引き立てる方向へ設計されている。
👉 “辛口でも、食事を主役にする玉乃光。”
■ 純米吟醸 TAMA
ワイン酵母使用。
一般的な日本酒酵母とは異なる、
多彩な甘味
+酸味
を持つ。
👉 “純米吟醸蔵が、酵母から味の常識を崩す一本。”
■ オーガニックスパークリング 京の星
有機原料を軸にしたスパークリング日本酒。
2026年ミラノ酒チャレンジ・スパークリング部門でプラチナ賞。
👉 “純米吟醸の思想を、泡とオーガニックへ広げる次世代酒。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎◎
熱燗 :○〜◎
ワイングラス :◎◎
熟成酒 :◎
スパークリング:◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸は冷酒〜ワイングラス。酒魂は冷酒から燗まで。酒楽は冷酒〜常温。熟成雄町は温度を上げすぎず、ゆっくり香味を開かせる。
■ 料理との合わせ方
Black Label
→ 寿司、白身魚、京懐石
播州久米産山田錦
→ 刺身、天ぷら、上品な出汁料理
備前雄町
→ 鰻、鴨、煮魚、肉料理
祝100%
→ 京料理、湯葉、鱧、祝い膳
短稈渡船
→ 焼魚、鶏料理、煮物
GREEN
→ 野菜料理、豆腐、発酵食品
酒魂
→ おばんざい、焼魚、鍋、湯豆腐
酒楽
→ 刺身、天ぷら、串焼き
TAMA
→ チーズ、前菜、洋食
京都なら、
湯豆腐
湯葉
鱧
京野菜
西京焼き
おばんざい
漬物
鶏料理
との相性が分かりやすい。
👉 “純米吟醸を、京都の出汁と料理の中で完成させる。”
⑨ 位置づけ
クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ○ 華やか
淡麗 ← ◎ → ◎ 旨味
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
日常酒 ← ◎ → ◎ 最高級酒
伝統 ← ◎ → ◎ 有機・新酵母
単一酒米 ← ◎ → ◎ 多酒米表現
冷酒 ← ◎ → ◎ 燗
香り吟醸 ← ○ → ◎ 味吟醸
👉 “純米吟醸だけに軸足を置き、酒米と料理の関係を磨き続ける『伏見・味吟醸専門型』酒蔵。”
京都・伏見の主要酒蔵を比較すると、
月桂冠
=「研究開発・大規模・全国流通・低アル・海外」
黄桜
=「家庭酒・ブランド開発・ビール・ウイスキー・観光」
玉乃光酒造
=「純米吟醸・雄町・酒米表現・自社精米・食中酒」
と整理できる。
玉乃光酒造のブランド構造は、
伏見
→ 1673年創業
→ 純米酒
→ 純米吟醸
→ 味吟醸
→ 自社精米
→ 雄町復活
→ 酒米別純米大吟醸
→ 有機栽培
→ TAMA
→ 京の星
という流れを持つ。
重要なのは、
“純米だけを造る”ことそのものが目的ではないこと。
余計なものを加えない。
米を見る。
精米を見る。
酸を見る。
料理を見る。
そして、
どうすれば米の旨味が食事をもっとおいしくするか
を突き詰めている。
つまり玉乃光酒造は、
“伏見の老舗純米酒メーカー”
ではない。
“純米吟醸という一つの世界を、酒米・有機・酵母・料理から掘り下げ続ける蔵”
と捉えるのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「香りだけではない。米を味わう吟醸へ。『玉乃光』。」
サブ
京都・伏見。
1673年から続く酒造り。
米と米麹と水だけで、雄町、山田錦、祝、短稈渡船を醸し分ける。
目指すのは、香りだけの吟醸ではない。
料理とともに、米の旨味がほどける「味吟醸」。
■ 結論
京都・伏見で1673年から続く玉乃光酒造。
純米吟醸蔵として、雄町・山田錦・祝・短稈渡船など酒米の個性を、自社精米と発酵技術で食中酒へ磨いてきた。
香りで目立つのではなく、料理と米を引き立てる――それが玉乃光の「味吟醸」である。
玉乃光酒造のテロワールを味わう👇
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米・米麹・水だけで「味吟醸」を磨く、1673年創業の伏見の純米吟醸蔵。 |

