招德酒造(酒蔵ガイド)

― 京都・伏見で純米酒を追求する、1645年創業の老舗酒蔵。洛中で酒造業を始め、大正期に伏見へ移転。昭和40年代から「純米酒こそ清酒本来の姿」と考え、米・米麹・水だけの酒造りを磨いてきた。京都産米100%の「花洛」、最高級の「延寿万年」「延寿千年」、蔵付き乳酸菌を生かす生酛、オーガニック酒まで展開。“燗でよし、冷でよし”の最高の食中酒を目指す、伏見の純米酒専攻型酒蔵。


① 一行定義

京都米と伏見の水で、食卓に寄り添う純米酒を磨く1645年創業の酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 京都府京都市伏見区舞台町16
会社名: 招德酒造株式会社
創業: 正保2年・1645年
設立: 1945年
代表取締役社長: 木村 紫晃
杜氏: 國石 直
代表銘柄: 招德
主力ブランド: 招德・花洛・延寿万年・延寿千年
地域: 京都・伏見
創業地: 京都・洛中
伏見移転: 大正中期
酒造思想: 「純米酒こそ清酒本来の姿」
目標酒質: 最高の食中酒
主要原料米: 京都産米・祝・京の輝き・旭4号・五百万石ほか
契約農家: 京都府綾部市・丹波西山農場など
仕込水: 伏見の地下水
主力酒質: 純米大吟醸・純米吟醸・特別純米・純米酒・生酛・季節酒
オーガニック: 有機JAS認定酒あり
リキュール: にごり梅酒・にごり柚子酒ほか
蔵元売店: あり
営業時間: 8:30〜12:00/13:00〜16:30
定休日: 土・日・祝日(11〜2月は土曜営業)
蔵見学: 原則非公開
アクセス: 京阪丹波橋駅徒歩約12分/近鉄丹波橋駅徒歩約13分

招德酒造は1645年、洛中で酒造業を始めた。

その後、大正中期に良質な水を求めて伏見へ移転。1943年には伏見の4酒蔵が合併し、のちに現在の招德酒造へとつながった。

現在の招德を理解するうえで最も重要なのは、

「純米酒への早い回帰」

である。

大量生産やアルコール添加酒が主流だった昭和40年代から、

米
+米麹
+水

だけで造る純米酒へ力を入れ、純米酒の普及にも取り組んできた。

酒名「招德」は、

「福以德招」
= 福は徳をもって招く

という仏教語に由来する。

👉 “徳を積み、米を磨き、食卓へ福を招く純米酒。”


③ 味ポジション

香り  :★★★☆☆〜★★★★☆
甘味  :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
酸   :★★★★☆
キレ  :★★★★☆
コク  :★★★★☆

👉 “穏やかな香り、柔らかな米旨、自然な酸を調和させる『伏見・食中純米型』。”

招德酒造が公式に掲げる酒質は、

穏やかな芳香
+柔らかな味わい
+米の旨さ
+自然な酸味。

そして目指すのは、

「最高の食中酒」。

香りだけを強くするのではなく、

香りと味が調和し、
上品なふくらみがあり、
爽やかな余韻へ消えていく。

この設計を重視している。

伏見酒造組合が推奨する「純米吟醸 花洛」も、

旨味と酸味のバランスが良く、冷酒・常温・燗まで幅広く楽しめる食中酒

として紹介されている。

👉 “一口で驚かせるより、一皿食べるたびにもう一杯飲みたくなる酒。”


④ 強み

① 1645年創業、380年を超える酒造史
② 洛中創業から伏見へ移った京都酒文化の系譜
③ 昭和40年代から純米酒へ注力
④ 「純米酒こそ清酒本来の姿」という明確な哲学
⑤ 純米酒普及のため純粋日本酒協会の活動にも参加
⑥ 伏見の水を使う柔らかな酒質
⑦ 京都産米100%「花洛」シリーズ
⑧ 京都酒米「祝」を積極活用
⑨ 京の輝き・旭4号など京都独自米も活用
⑩ 綾部・丹波西山農場との契約栽培
⑪ 米づくりから酒質を考える原料志向
⑫ 有機栽培・新品種研究へ農家と連携
⑬ 有機JAS認定オーガニック酒を展開
⑭ 純米大吟醸「延寿万年」「延寿千年」を上位に配置
⑮ 蔵付き乳酸菌を生かす生酛シリーズ
⑯ 冷酒・常温・燗の幅広い温度適性
⑰ 季節酒を四季ごとに展開
⑱ 搾りたて・無濾過生原酒も商品化
⑲ 和リキュールにも純米酒を使用
⑳ Kura Master 2024「延寿千年」プラチナ賞
㉑ Kura Master 2024「特別純米 花洛 生もと」金賞
㉒ IWC 2026「延寿万年」SILVER
㉓ IWC 2026「純米吟醸 花洛 祝」SILVER
㉔ 令和6酒造年度全国新酒鑑評会「純米大吟醸 招德」入賞
㉕ 売店・蔵開き・ファンクラブイベントで飲み手との接点を持つ

👉 “最大の強みは、『純米酒』を商品カテゴリーではなく蔵の思想として380年の歴史へ組み込んでいること。”

さらに現在は、農家との関係が重要になっている。

京都府綾部市の丹波西山農場では、

祝
旭4号
京の輝き
五百万石

などを栽培し、有機栽培や新品種の研究も進める。

つまり招德は、

酒米を買って酒を造るだけの蔵ではなく、
米づくりから京都の純米酒を考える蔵

へ進んでいる。


⑤ 向いている人

・京都・伏見の地酒を飲みたい人
・純米酒が好きな人
・食中酒を重視する人
・華やかすぎない日本酒を好む人
・米の旨味を感じたい人
・自然な酸のある酒が好きな人
・冷酒から燗まで楽しみたい人
・京都産米の酒を飲みたい人
・酒米「祝」に興味がある人
・生酛に興味がある人
・オーガニック日本酒を選びたい人
・季節酒を楽しみたい人
・京料理と合わせたい人
・酒米づくりまで含めて蔵を知りたい人

👉 “香りだけではなく、米・酸・料理・温度の関係を楽しみたい人向け。”

選び方は、

延寿万年
→ 最高級・純米大吟醸・端正

延寿千年
→ 純米大吟醸・芳醇・国際評価

花洛 純米大吟醸
→ 京都米・上品

花洛 純米吟醸 祝
→ 祝・食中・IWC評価

花洛 生もと
→ 乳酸・旨味・燗

花洛 純米酒
→ 日常・京都米

オーガニック
→ 京都・有機・繊細

四季の純米吟醸
→ 季節・デザイン・軽快

と整理すると分かりやすい。


⑥ 向かない人

・強烈な超華やか吟醸酒だけを求める人
・極端な高酸モダン酒だけを追う人
・醸造アルコール添加酒を幅広く比較したい人
・超辛口だけを好む人
・熟成古酒を中心に飲みたい人
・観光施設型の大型酒蔵を期待する人

👉 “インパクトより、食事の中で徐々に良さが分かる酒を好む人向け。”

招德酒造は、

純米大吟醸だけを評価する蔵

でもなければ、

古典的な純米酒だけを守る蔵

でもない。

純米酒を軸に、

京都米。

生酛。

有機。

季節酒。

無濾過生原酒。

へと広げている。

そのため、

「純米」という一本の思想を、異なる酒質で飲み比べると本質が見える蔵

である。


⑦ 商品カテゴリ

■ 招德 純米大吟醸 延寿万年

招德酒造の最高峰を担う純米大吟醸。

伝統を守りながら、杜氏の新しい挑戦を重ねる純米大吟醸シリーズの中核商品。

2026年IWC SAKE部門でSILVER賞を受賞した。

特徴は、

上品な香り
+透明感
+米の旨味
+長い余韻。

👉 “招德の純米酒哲学を、最も精緻に磨いた一本。”


■ 招德 純米大吟醸 延寿千年

「延寿万年」と並ぶ上位純米大吟醸。

2024年Kura Masterでは、

純米大吟醸部門プラチナ賞
+二次審査進出

という評価を獲得した。

👉 “伝統的な純米酒を、国際評価へつなげる上位酒。”


■ 招德 純米大吟醸 花洛

京都産米と伏見の水で造る「花洛」シリーズの最高級側。

公式は「花洛」を、

京都産米100%+伏見の水

で醸す純米酒シリーズとして位置づける。

👉 “京都の原料を、純米大吟醸へ磨く『花洛』の頂点。”


■ 招德 純米吟醸 花洛 祝

京都を象徴する酒米「祝」を使う純米吟醸。

2026年IWC SAKE部門でSILVER賞。

旨味と酸味のバランスを重視し、

冷酒
+常温
+燗

まで幅広く楽しめる。

👉 “京都米『祝』を、招德の食中酒哲学へ落とした一本。”


■ 招德 純米吟醸 花洛

伏見酒造組合が「おすすめの一本」として紹介。

特徴は、

旨味
+酸味
+食中性。

温度帯の対応力も高く、

冷酒から燗まで楽しめる。

👉 “招德を初めて飲むなら、蔵の考え方が最も分かりやすい一本。”


■ 特別純米 花洛 生もと

招德の生酛系を代表する一本。

2024年Kura Masterクラシック酛部門で金賞。

招德の生酛シリーズでは、蔵付き乳酸菌を生かし、

酸
+米旨
+豊かな余韻

を引き出す。

👉 “冷酒だけでは見えない、温度と発酵の奥行きを味わう招德。”


■ 花洛 純米酒シリーズ

京都産米100%と伏見の水を使う、招德の日常酒側。

純米大吟醸や純米吟醸ほど華やかさへ寄せず、

米の旨味
+自然な酸
+食中性

を中心に据える。

👉 “京都の米を、毎日の晩酌へ。”


■ 純米大吟醸 無濾過生原酒 祝50%

2026年夏には、

R7BY 純米大吟醸 無濾過生原酒 祝50%

をオンライン限定で販売。

搾りたての、

柔らかさ
+フレッシュ感
+原酒の厚み

を楽しむ限定酒である。

👉 “整った定番酒とは違う、蔵の酒をそのまま味わう一本。”


■ 四季の純米吟醸

春・夏・秋・冬を意識した季節商品。

2026年秋には人気デザインを復刻した**「純米吟醸 四季の酒 秋」**を数量限定発売している。

👉 “食中酒という招德の軸へ、季節の情景を重ねるシリーズ。”


■ 秋の酒 ひやおろし原酒

ひと夏を越えて熟成させた秋酒。

2026年も8月末から蔵出しされている。

特徴は、

丸み
+熟成による旨味
+原酒の厚み。

👉 “秋の京料理へ合わせたい、落ち着いた純米系季節酒。”


■ PureDrops

その年度最初の仕込みを、搾った日の鮮度を重視して届ける企画。

2026年9月には、今年度最初の初しぼりとして予約受付が始まった。

👉 “伏見の酒造りが始まる瞬間を、そのまま飲む新酒企画。”


■ オーガニック純米酒

有機JAS認定。

公式では、

米・水とも京都の風土を表現する、繊細で柔らかな味わい

として位置づけられている。

👉 “純米という思想を、原料の育て方まで広げた酒。”


■ 京のにごり梅酒・京のにごり柚子酒

純米酒をベースに、国産果汁・果実を使う和リキュール。

伏見酒造組合も主要商品として、

京のにごり梅酒
京のにごり柚子酒

を掲載している。

👉 “純米酒を入口に、日本酒を飲まない人へも京都の酒文化を開く。”


⑧ 飲み方

冷酒     :◎◎
常温     :◎◎
ぬる燗    :◎◎
熱燗     :◎
ワイングラス :◎
生酒     :◎◎
生酛     :◎◎
食中酒    :◎◎

👉 純米大吟醸は冷酒〜ワイングラス。花洛の純米吟醸・純米酒は冷酒〜常温。生酛や日常純米はぬる燗まで上げると米の旨味と酸が広がる。

■ 料理との合わせ方

延寿万年・延寿千年
→ 京懐石、白身魚、寿司、湯葉

花洛 純米大吟醸
→ 鱧、天ぷら、上品な出汁料理

花洛 祝
→ 西京焼き、焼魚、鶏料理

花洛 純米吟醸
→ 湯豆腐、煮物、京野菜

花洛 生もと
→ 鴨、焼鳥、発酵食品、味噌料理

ひやおろし
→ 秋刀魚、茸、根菜

無濾過生原酒
→ 刺身、天ぷら、軽い肴

公式サイトでは、酒蔵スタッフによる多数の「招徳おつまみレシピ」も公開されており、招德が酒単体より料理との関係を強く意識していることが分かる。

京都なら、

湯豆腐
湯葉
鱧
西京焼き
京野菜
おばんざい
漬物
鴨・鶏料理

との組み合わせが分かりやすい。

👉 “京都米の純米酒を、京都の出汁とともに飲む。”


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか   ← ◎ → ○ 華やか
淡麗    ← ◎ → ○ 米旨
辛口    ← ◎ → ○ 甘旨口
日常酒   ← ◎ → ◎ 最高級酒
速醸    ← ◎ → ◎ 生酛
慣行栽培  ← ◎ → ◎ 有機
冷酒    ← ◎ → ◎ 燗
酒単体   ← ○ → ◎ 食中酒

👉 “京都米・伏見水・純米・食中酒を一本の思想で貫く『伏見・純米食中酒型』酒蔵。”

伏見の主要酒蔵と比較すると、

月桂冠
=「研究開発・大規模・全国/世界展開」

黄桜
=「家庭酒・商品革新・ビール・ウイスキー」

玉乃光酒造
=「純米吟醸・酒米表現・味吟醸」

齊藤酒造
=「京都府産米・祝・吟醸技術」

招德酒造
=「純米酒・京都米・食中・生酛・有機・燗」

と整理できる。

招德酒造のブランド構造は、

洛中
→ 1645年創業
→ 伏見へ移転
→ 招德
→ 純米酒復活
→ 京都米
→ 契約農家
→ 花洛
→ 生酛
→ 有機JAS
→ 最高の食中酒

という流れを持つ。

重要なのは、

「純米酒だけを造ること」が目的ではないこと。

米の味を残す。

自然な酸を残す。

料理を引き立てる。

冷やしてもよい。

温めてもよい。

そして、

酒が食卓の中で主張しすぎない。

そのために純米酒を選んでいる。

つまり招德酒造は、

“伏見の古い純米酒蔵”

ではない。

“米と水だけの酒を磨き、京都の食卓で完成する一杯を380年以上追い続ける蔵”

と捉えるのが最も適切である。


■ コピー

メイン

「米と水を、京都の食卓へ。『招德』。」

サブ

京都・伏見。

1645年から続く酒造り。
京都の米と伏見の水を、米麹とともに純米酒へ。

華やかさを競うのではなく、料理に寄り添い、冷やしても燗でも旨い。

一杯で目立つより、一晩の食卓を美味しくする酒へ。


■ 結論

京都・伏見で1645年から続く招德酒造。
昭和40年代から「純米酒こそ清酒本来の姿」と掲げ、京都産米、伏見の水、生酛、有機栽培まで酒造りを深めてきた。現在も「延寿万年」「花洛」などで国内外の評価を得ながら、目指す軸は変わらない。

米の旨味と自然な酸を、京都の料理に寄り添う一杯へ――それが招德酒造である。

招德酒造のテロワールを味わう👇

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招德酒造

京都米と伏見の水で、食卓に寄り添う純米酒を磨く1645年創業の酒蔵。

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