山田商店(酒蔵ガイド)

― 八百津の「玉の井戸」から汲み上げる柔らかな軟水と、山田錦・ひだほまれを使い、「玉柏」を全量手造りで醸す1868年創業の小規模実力蔵。 ―

① 一行定義

山田商店は、岐阜県八百津町で「玉柏」を醸す、1868年創業・玉の井戸の軟水・全量手造り・山田錦・ひだほまれ・飲み飽きしない酒質・高い鑑評会実績・Kura Master最高賞受賞を強みとする八百津の小規模老舗酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 岐阜県加茂郡八百津町八百津3888の2
創業: 明治元年・1868年
会社名: 合資会社 山田商店
屋号: 蔵元やまだ
代表ブランド: 玉柏
別銘柄: 吉宝
地域: 八百津町・木曽川中流域
水: 「玉の井戸」由来の堀井戸水
水質: 柔らかな軟水
主要酒米: 山田錦・ひだほまれ・五百万石など
製法: 冬季中心・全量手造り
酒質思想: 喉ごしがよく、飲み飽きせず、長く付き合える酒
特徴: 少量生産・食中性・大吟醸から燗酒まで幅広い

👉 “派手さではなく、長く飲み続けられることを磨く八百津の酒。”

山田商店は1868年創業。

蔵がある場所は、かつて**「玉井」**と呼ばれた土地。

その地名は、古くから湧いていた「玉の井戸」に由来する。

現在も、その系統の井戸から汲み上げる柔らかな軟水を仕込み水として使う。

蔵が掲げる理想は、

甘いか辛いか。
淡麗か濃醇か。

という単純な分類ではない。

目指すのは、

「喉ごしが良く、飲み飽きせず、とにかく長く付き合える酒」

である。


③ 味ポジション

香り  :★★★☆☆〜★★★★☆
甘味  :★★★☆☆
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ  :★★★★☆
コク  :★★★★☆

👉 “軟水らしい柔らかさに、米の旨味と爽やかな酸を重ねる穏やかな食中酒型。”

玉柏の基本酒質は、

柔らかい。
丸い。
しかし、ぼやけない。

純米玉柏は、

米のまろやかな風味
+爽やかな酸味

を基本とする。

純米大吟醸では、山田錦を35%まで磨き、

華やかさ
+繊細さ
+品格

を加える。

一方、本醸造や「あんどん燗」では、

旨味
+辛さ
+燗上がり

を楽しめる。

つまり山田商店の基本構造は、

軟水の柔らかさ
+米の旨味
+穏やかな酸
+飲み飽きしない後味

である。


④ 強み

① 1868年創業、150年以上の歴史
② 八百津の旧地名「玉井」と結びつく地域性
③ 「玉の井戸」由来の柔らかな軟水
④ 冬季中心・全量手造りの小規模生産
⑤ 山田錦を35%まで磨く純米大吟醸
⑥ ひだほまれを使う純米・本醸造・原酒
⑦ 日常酒から鑑評会酒まで一貫した品質
⑧ Kura Master 2023で「玉柏 純米大吟醸」がプレジデント賞
⑨ 令和6酒造年度 全国新酒鑑評会で「玉柏」金賞
⑩ 2026年名古屋国税局酒類鑑評会・純米吟醸酒の部 優等賞
⑪ 同鑑評会・燗酒の部で「玉柏 本醸造」「玉柏 純米」が優等賞
⑫ 2019年までフランスで3年連続プラチナ賞実績
⑬ 地元農家と休耕田を活用した酒米づくりへの取り組み
⑭ 八百津の店舗で地域と直接つながる小規模経営

👉 “世界最高評価の純米大吟醸と、日常の燗酒を同じ思想で造れる。”

山田商店で特に重要なのが、

高級酒と日常酒が分断されていないこと。

純米大吟醸「玉柏」は、2023年のKura Masterで最高賞にあたるプレジデント賞を受賞。

一方、2026年の名古屋国税局酒類鑑評会では、

玉柏 純米大吟醸
→ 純米吟醸酒の部 優等賞

に加え、

玉柏 本醸造
玉柏 純米
→ 燗酒の部 優等賞

となった。

つまり、

冷酒の高級酒だけが強い蔵ではない。

日常の純米・本醸造まで品質が高い。

ここが山田商店の大きな強みである。


⑤ 向いている人

・岐阜、八百津の地酒を飲みたい人
・柔らかな軟水仕込みの酒が好きな人
・米の旨味を感じたい人
・派手すぎない食中酒を好む人
・純米酒を普段の食事と合わせたい人
・燗酒を楽しみたい人
・山田錦の純米大吟醸を飲みたい人
・ひだほまれに興味がある人
・鑑評会受賞歴を重視する人
・Kura Master最高賞受賞酒を試したい人
・小規模蔵の手造りを評価する人
・地元農業と酒造りの関係に興味がある人
・冷酒から燗まで一蔵で楽しみたい人

👉 “一杯目の派手さより、二杯目・三杯目まで自然に飲める酒を求める人向け。”

山田商店の酒は、

強烈に主張するタイプ

というより、

料理や時間の中でじわじわ良さが分かるタイプ

と考えると理解しやすい。


⑥ 向かない人

・超華やかな吟醸香だけを求める人
・極端な甘旨酒だけを好む人
・低アルコール・微発泡酒だけを追う人
・強烈な酸味を持つモダン酒だけを好む人
・無濾過生原酒だけを基準に選ぶ人
・大型観光酒蔵を期待する人
・大量流通でどこでも買える酒を求める人

👉 “奇抜さより、柔らかさ・旨味・食中性・長く飲めることを評価する人向け。”

ただし、

しぼりたて原酒
澄酒
恋度
OUTUS

など、現代的・季節的な入口もある。

したがって、

玉柏=昔ながらの地酒だけ

という理解も正確ではない。


⑦ 商品カテゴリ

■ 玉柏 純米大吟醸

山田商店の最高峰。

原料米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール度:16%

山田錦の特性を最大限に引き出し、麹・酵母・杜氏技術を重ねる。

ラベルには、美濃和紙に笹葉を漉き込んだ紙を採用。

2023年Kura Masterでは、

プレジデント賞

を受賞した。

👉 “世界評価と地域文化を一本にまとめた玉柏の象徴。”


■ 玉柏 大吟醸

山田錦を40%まで精米。

槽口から滴る酒を直接瓶詰めし、低温貯蔵する上位酒。

華やかな香り
+繊細さ
+すっきりした後口

を楽しむ。

全国新酒鑑評会では過去に3年連続金賞など、多数の受賞実績を持つ。


■ 玉柏 純米吟醸

山田錦を40%まで精米。

穏やかな香り
+柔らかできめ細かな旨味

を持つ上品な純米吟醸。

👉 “玉柏の高級酒と日常酒の中間を担う一本。”


■ 玉柏 純米

ひだほまれを55%まで精米する蔵の中核食中酒。

まろやかな米の風味
+爽やかな酸味

が特徴。

名古屋国税局酒類鑑評会では純米酒部門首位の実績も持つ。

👉 “初めて玉柏を飲むなら、蔵の思想を最も理解しやすい一本。”


■ 玉柏 本醸造

ひだほまれを使用。

まろやかな口当たり
+芳醇な旨味
+やや辛口

を持つ日常酒。

2026年名古屋国税局酒類鑑評会では燗酒の部優等賞。


■ 玉柏 あんどん燗

燗酒専用の思想を明確にした本醸造。

日本酒度+15

と辛口で、温めることで旨味とのバランスを整える。

商品名は、江戸時代に行灯の熱を利用して酒を温めたという故事から付けられている。

👉 “冷酒偏重ではない玉柏の燗文化を象徴する一本。”


■ しぼりたて原酒 玉柏

酒造期限定の生原酒。

・濁り槽口
・ささ濁り
・澄酒

と、濁り具合の異なる酒を展開。

アルコール度19%。

👉 “普段の穏やかな玉柏とは違う、若く力強い季節の顔。”


■ 澄酒

夏にも楽しめる原酒。

氷を浮かべてロックで飲む提案もされている。

👉 “伝統蔵ながら飲み方まで柔軟に広げる商品。”


■ 純米原酒 玉柏 招き猫

ひだほまれを55%まで精米。

米のまろやかさ
+原酒の力強さ

を両立。

アルコール度17%。


■ 玉柏 OUTUS

アウトドア向けに設計した純米吟醸。

岐阜県産素材で、

肉料理に負けない旨味
+キレ
+ふくらみ

を目指した商品。

500mlという持ち運びやすいサイズも特徴。

👉 “伝統地酒をアウトドア市場へ再設計した現代型玉柏。”


■ 純米玉柏「ヤオロズ」

八百津町の地域企画と連動した純米酒。

米のまろやかさと爽やかな酸を持ち、

冷酒
+燗

の両方に対応する。

👉 “八百津という地域そのものを商品へ結びつけた一本。”


■ 恋度

軽さと爽やかさを重視した本醸造。

アルコール度14%

で、5〜10℃程度に冷やして楽しむ設計。

五百万石・てんこもりを使用する。


■ むかしのまんま

岐阜県産酒米を使う特別純米。

山吹色を帯びた酒で、

純米らしい旨味
+熟成感

を楽しむ。

現在は完売表示だが、山田商店の伝統的な純米酒思想を理解するうえで重要な商品である。


■ ひやおろし

山田錦50%精米の純米吟醸。

一夏を越して熟成させ、

丸み
+旨味
+秋酒らしい落ち着き

を楽しむ季節酒。


■ 甘酒・酒粕商品

玉柏の酒粕を使った甘酒も展開。

仕込みには酒造りと同じ井戸水を使用する。

👉 “日本酒だけでなく、酒粕まで八百津の水を生かす。”


⑧ 飲み方

冷酒    :◎◎
常温    :◎◎
ぬる燗   :◎◎
熱燗    :◎
ロック   :○〜◎
ワイングラス:◎
食中酒   :◎◎

👉 純米大吟醸・吟醸は冷酒、純米・本醸造は常温〜燗。玉柏の本質は温度を変えると分かりやすい。

■ 料理との合わせ方

純米大吟醸 玉柏
→ 鮎、白身魚、寿司、会席料理

大吟醸 玉柏
→ 刺身、川魚、天ぷら、前菜

純米吟醸 玉柏
→ 焼魚、鶏料理、出汁料理

純米 玉柏
→ 煮物、焼魚、鍋、家庭料理

本醸造 玉柏
→ 味噌料理、焼鳥、魚料理

あんどん燗
→ 朴葉味噌、煮込み、鍋、漬物

しぼりたて原酒
→ 肉料理、濃い味の料理、チーズ

OUTUS
→ BBQ、ステーキ、炭火焼

ひやおろし
→ 秋刀魚、きのこ、栗、秋の煮物

八百津・岐阜なら、

鮎
飛騨牛
朴葉味噌
鶏ちゃん
五平餅
山菜
川魚
豆腐
栗料理

などとの組み合わせが分かりやすい。

👉 “八百津の水で醸した酒を、木曽川流域の食と合わせる。”

これが玉柏を最も地域に近い形で楽しむ方法である。


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ○ モダン
穏やか   ← ◎ → ○ 華やか
淡麗    ← ◎ → ○ 濃醇
辛口    ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快    ← ◎ → ○ コク
大量生産  ← ○ → ◎ 小規模手造り
冷酒    ← ◎ → ◎ 燗酒
地域酒   ← ◎ → ◎ 世界評価

👉 “八百津の軟水と全量手造りを核に、日常燗酒から世界最高評価の純米大吟醸までつなぐ小規模総合酒蔵。”

直前の小坂酒造場と比較すると、

小坂酒造場・百春
=「長良川・文化財町家・無ろ過生原酒・白麹・生酛・革新」

に対して、

山田商店・玉柏
=「八百津・玉の井戸・軟水・全量手造り・飲み飽きしない酒・燗酒・国際評価」

と整理できる。

山田商店のブランド構造は、

八百津の山々
→ 玉の井戸
→ 柔らかな軟水
→ 山田錦・ひだほまれ
→ 全量手造り
→ まろやかな旨味
→ 飲み飽きしない後味
→ 玉柏
→ 国内外の評価

という非常に一貫した流れを持つ。

さらに6代目は、酒造りだけでなく営業・広報まで担う小規模ワンストップ型経営を続け、地元農家と休耕田を使った酒米づくりにも取り組んでいる。

つまり山田商店は、

小さいから弱い蔵ではない。

むしろ、

小さいから米・水・仕込み・販売まで目が届く蔵

と評価するのが適切である。


■ コピー

メイン

「玉の井戸から、長く付き合える一杯を。八百津『玉柏』。」

サブ

岐阜県、八百津。

山に囲まれ、

木曽川が流れる町。

その町に、

かつて、

玉井

と呼ばれた土地があった。

名前の由来は、

玉の井戸。

地中から湧く、
柔らかな水。

1868年。

山田商店は、
この水のそばで酒造りを始めた。

酒の名は、

玉柏。

米を蒸す。

麹を育てる。

醪を見る。

酒を搾る。

小さな蔵だから、

一本一本に、
人の手が届く。

山田錦。

ひだほまれ。

五百万石。

酒米を変え、

酒の表情を変える。

純米大吟醸は、
繊細に。

純米は、
まろやかに。

本醸造は、
燗で旨く。

しぼりたては、
力強く。

けれど、

目指すものは同じ。

飲み飽きしないこと。

一杯目だけではない。

二杯目。

三杯目。

食事が続き、

会話が続き、

酒も続く。

2023年。

純米大吟醸 玉柏は、

フランスのKura Masterで、

プレジデント賞。

そして全国新酒鑑評会でも、
再び金賞。

けれど、

本醸造も、

純米も、

燗酒で高く評価された。

高級酒だけを造る蔵ではない。

日常酒だけの蔵でもない。

山田商店が造るのは、

長く、人のそばに置ける酒。

玉の井戸の水から始まり、

八百津の食卓へ。

そして、

世界へ。

山田商店は、

八百津の水と人の手から、
長く付き合える日本酒を醸す蔵である。


■ 結論

玉の井戸の軟水と米の恵みを、手のひらで醸す八百津の酒、玉柏。
晴れの日にも日々の食卓にも寄り添い、喉ごしよく、飲み飽きない。
世界に認められてなお、八百津の日常に根を張る山田商店。

山田商店のテロワールを味わう👇

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山田商店

山田商店は、岐阜県八百津町で「玉柏」を醸す、1868年創業・玉の井戸の軟水・全量手造り・山田錦・ひだほまれ・飲み飽きしない酒質・高い鑑評会実績・Kura Master最高賞受賞を強みとする八百津の小規模老舗酒蔵。

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