本田商店|酒蔵企業分析

― 兵庫県姫路市網干区高田361-1。1921年、大正10年に本田新二が清酒「龍力」の醸造を開始した播州・姫路の酒蔵。家系としては元禄時代から播州杜氏の総取締役として酒造りに携わり、現代では「米の酒は米の味」を基本理念に、使用米を酒造好適米へ特化。原料米の約85%を山田錦とし、使用する山田錦は兵庫県特A地区産に限定する。1979年に「大吟醸 米のささやき」を発売し、吟醸酒を冷やして楽しむ文化の普及に早期から取り組み、1981年には3代目・本田武義氏が日本吟醸酒協会初代理事長に就任。さらに特A地区の土壌研究、秋津地区の農家との契約栽培、社・東条・吉川のテロワール比較、神力米の復活、新酒米「神龍錦」の育成まで、酒米そのものを研究対象としてきた。現在は5代目・本田龍祐氏のもと、「米のささやき」「秋津」「龍力テロワール」「神力」「神龍錦」「ドラゴン」「玄妙」などを展開。2026年全国新酒鑑評会では「龍力 米のささやき」がダブル金賞となり、8年連続・通算31件目の金賞を達成。IWC 2026でも「米のささやき YK-35」がゴールドメダルと大吟醸トロフィー、Kura Master 2026では「玄妙甘蜜」がプラチナ賞を獲得した。酒米・土壌・熟成・生酒・発泡・ワイン樽・アートまで領域を拡張する、山田錦特化型・テロワール研究型・高級吟醸型・熟成酒開拓型・クラフト革新型酒蔵である。


目次(Table of Contents)

① 導入・一行定義

兵庫県姫路市網干区高田361-1。

播州・姫路で、

「龍力」

を醸す酒蔵が株式会社本田商店です。

清酒醸造開始は、

1921年・大正10年。

現在の代表取締役社長は、

5代目・本田龍祐氏。

公式会社概要でも代表者を本田龍祐氏としています。日本酒造組合中央会は設立年を1921年として掲載し、2026年3月時点の公的職場情報では従業員数28名が確認できます。

本田商店を一言で定義するなら、

「山田錦を、米ではなく“土地”から研究する播州の吟醸酒蔵」

です。


② 結論・企業ポジション

本田商店最大の特徴は、

「酒造技術より先に、原料米を研究すること」

です。

龍力の基本理念は、

「米の酒は米の味」

です。

1992年以降、使用原料米を100%酒造好適米へ移行。現在、原料米の約85%を山田錦が占め、龍力で使用する山田錦は兵庫県特A地区産に限定されています。玄米からの精米も自社で行い、栽培法・乾燥法・肥料・土壌まで研究対象としています。

企業構造は、

最高品質の米を探す
↓
農家と契約する
↓
土壌を調べる
↓
自社精米する
↓
酒米ごと・産地ごとに醸す
↓
吟醸・純米・熟成・発泡へ展開する

という流れです。

評価軸内容
会社名株式会社本田商店
所在地姫路市網干区高田361-1
清酒醸造開始1921年
代表者本田龍祐
当主5代目
代表銘柄龍力
主力商品米のささやき
最高級酒純米大吟醸 秋津等
基本理念米の酒は米の味
主力酒米山田錦
山田錦兵庫県特A地区産100%
原料米全量酒造好適米
山田錦比率約85%
独自性土壌・テロワール研究
復活米神力・山田穂等
独自育成米神龍錦
2026全国評価8年連続・通算31件目の金賞
2026国際評価IWC大吟醸トロフィー
熟成酒玄妙・玄妙甘蜜
観光・直売テロワール館・姫路駅店・玄妙庵
本質酒米から日本酒を設計する酒蔵

③ 基本情報

項目内容
社名株式会社本田商店
所在地〒671-1226 兵庫県姫路市網干区高田361-1
TEL079-273-0151
FAX079-274-2454
清酒醸造開始1921年
代表取締役社長本田龍祐
当主5代目
法人番号6140001061542
事業酒類製造・販売
代表銘柄龍力
主力商品米のささやき
製造場親龍蔵・尚龍蔵
直売龍力テロワール館
姫路駅直営店タツリキショップ
熟成酒専門店玄妙庵
飲食連携きこう×龍力
ECTatsuriki Online Shop
従業員公的職場情報で28名・2026年3月時点
資本金現行公式公開情報では確認できず
売上高現行公式公開情報では非公表

公式サイトでは本田龍祐氏を代表者として掲載。本社併設のテロワール館はJR網干駅から徒歩約3分です。


④ 歴史・企業形成

本田商店の歴史は、

酒屋 → 問屋 → 酒蔵 → 吟醸酒 → 山田錦 → テロワール

という流れで整理できます。

元禄時代

本田家は播州杜氏の総取締役として酒造りに関与。

酒造業の背景そのものは、1921年より前へ遡ります。

明治末期

初代・本田新二氏が現在のJR網干駅付近で酒類小売業を開始。

網干駅が貨物物流拠点であったことから、周辺酒販店向けの酒類卸へ発展しました。

1921年

庄屋から米の提供を受け、龍野の事業者から清酒製造権を借り、

「龍力」の醸造を開始。

1976年

搾りたて生酒「蔵出し新酒」発売。

公式沿革では「業界初」としています。

1979年

大吟醸「米のささやき」発売。

当時まだ一般的ではなかった「吟醸酒を冷やして楽しむ」という飲用文化の普及へ取り組みます。

1981年

3代目・本田武義氏が、

日本吟醸酒協会初代理事長

に就任。

吟醸酒を日本酒の一カテゴリーとして広める活動を進めました。

1985年

全国新酒鑑評会で、姫路酒造組合初の金賞を受賞。

1992年

原料米を100%酒造好適米へ。

同時期に、消滅していた「神力」の復活にも成功します。

1996年

特A地区の中でも名高い、

秋津地区

で山田錦の契約栽培を開始。

「純米大吟醸 秋津」を発売します。

2021年

創業100周年。

本田龍祐氏が5代目蔵元・代表取締役社長へ就任しました。

2022年

復活させた「神力」と「山田錦」を交配して研究してきた、

「神龍錦」

が酒造好適米として認定されました。

2026年

全国新酒鑑評会で、

8年連続金賞。

しかも同年は、

ダブル金賞。

会社発表では通算31件目まで金賞記録を伸ばしています。


⑤ ブランド構造

本田商店のブランドは、次のように整理できます。

ブランド・商品役割
龍力企業母艦
米のささやき大吟醸・技術中核
YK-35鑑評会・最高吟醸
秋津山田錦最高産地・プレミアム
テロワール土壌・産地比較
神力復活酒米
神龍錦独自育成酒米
ドラゴン現代型・若年・飲用提案
玄妙熟成古酒
玄妙甘蜜甘口熟成酒
誠龍地域食中・本醸造
播州辛口地域日常酒
ドラゴンスパークリング発泡・新市場
IRIS Garden日本画×純米大吟醸
°Ondo007ワイン樽・越境商品

ブランド構造は、

米のささやき=醸造技術

秋津=原料最高峰

テロワール=研究

神力・神龍錦=酒米継承

玄妙=時間

ドラゴン=新市場

と整理できます。


⑥ 水・風土・播州テロワール

本田商店の場合、地域性の中心は、

「水」よりも「米を育てる土地」

にあります。

龍力は兵庫県特A地区の山田錦産地を、

社・東条・吉川

へ分け、それぞれの土壌構造を分析しています。

社地区ではイライト系の土壌、東条・吉川ではスメクタイトを主体とする粘土質土壌など、産地間の違いを研究。3代目・本田武義氏は約20年間、京都大学大学院農学研究科の土壌研究室で山田錦産地の土壌研究を続けました。

龍力が着目するのは、

標高
日照
昼夜の寒暖差
排水性
粘土鉱物
保肥力
マグネシウム含有量

です。

その成果を、

「龍力テロワール 社・東条・吉川」

として商品化。

同じ山田錦、同じ精米歩合65%で産地だけを変え、味の違いを比較できる設計になっています。

つまり、

「山田錦」という品種ではなく、「どこの山田錦か」を酒にする蔵

です。


⑦ 独自技術・酒造技術

本田商店の独自性は、

酒造工程だけでなく、原料研究まで含めて「醸造技術」と考えること

です。

① 自社精米

玄米の状態から自社で精米。

原料米の品質を、精米前から管理します。

② 特A地区山田錦

龍力で使用する山田錦は、

100%兵庫県特A地区産。

さらに「米のささやき」では特等・特上クラスを中心に使います。

③ YK-35

一般に、

Y=山田錦
K=協会9号系酵母
35=精米歩合35%

を意味する吟醸酒設計。

「米のささやき YK-35」は全国新酒鑑評会の中核商品です。

④ 袋搾り・斗瓶取り

YK-35には、

荒走り・袋搾り・斗瓶取り

の限定生酒も存在。

加圧を抑えた高品質酒領域を商品化しています。

⑤ 発酵を「見守る」造り

コロナ禍を契機に製造工程を再検討。

早朝5時開始だった作業を8時開始へ変更し、仕込み本数を減らして、酵母の状態に合わせて発酵を見守る方向へ移行しました。

その結果、香りの高い醪は大吟醸へ、旨味の強い醪は純米大吟醸へと、原料特性を見て仕上げを変える柔軟な製造体制を採っています。

⑥ 酵素剤へ頼らない麹づくり

2025年の全国新酒鑑評会では硬い米への対応として、外部酵素剤に頼らず製麹時間を延ばし、麹そのものの力を高めて金賞につなげたと会社側が説明しています。

⑦ 熟成技術

約40年にわたり熟成古酒へ取り組み、

玄妙

玄妙甘蜜

を育成。

燗酒・国際コンテスト双方で評価されています。

⑧ ワイン樽熟成

2026年には、

°Ondo007 Meursault Cask -3℃ 2023 純米大吟醸

を発表。

ワイン樽由来の香りと日本酒の滑らかさを組み合わせる試みに踏み込みました。

技術構造は、

自社精米+高品質山田錦+吟醸技術+土壌研究+熟成+越境醸造

です。


⑧ 原料・酒米戦略

本田商店の企業戦略の中心は、

酒米そのもの

です。

山田錦

原料米の約85%。

すべて兵庫県特A地区産。

高級酒からテロワール商品まで使用します。

秋津山田錦

特A地区でも特に評価される秋津地区。

1996年に契約栽培を開始し、

純米大吟醸 秋津

をフラッグシップ級商品へ育てています。

神力

1877年に兵庫県御津町中島で発見された品種。

全国的に広く栽培された後、姿を消しました。

本田商店は7年をかけ、

1992年に約100年ぶりの復活

を実現しています。

神龍錦

復活させた神力と山田錦を交配。

12年の研究を経て、

2022年に酒造好適米として認定。

本田商店自身が原料品種開発へ踏み込んだ象徴です。

兵庫錦

兵庫県が温暖化対策などを意識して育成した酒米。

「ドラゴン黒 Episode2」では兵庫錦100%を使用し、香りを抑えたキレの良い辛口を設計しています。

五百万石

誠龍やドラゴンシリーズ等で使用。

山田錦より軽快な酒質を作る役割があります。

山田穂

山田錦の母系品種。

龍力はこうした古い兵庫酒米の継承にも取り組んでいます。

原料戦略は、

山田錦=最高品質

神力=歴史復活

神龍錦=独自未来

兵庫錦=気候対応・辛口

です。


⑨ 商品・商品戦略

大吟醸 米のささやき YK-35

特A地区山田錦。

35%精米。

全国新酒鑑評会の中核。

2026年IWCで、

Gold+大吟醸トロフィー。

役割:醸造技術頂点。


大吟醸 米のささやき YK40-50

1979年から続く主力大吟醸。

兵庫県特A地区山田錦100%。

40〜50%精米。

役割:龍力を代表するロングセラー。


純米大吟醸 米のささやき

精米歩合50%。

大吟醸の香り方向とは異なり、

「旨味とスッキリ」

を重視します。


純米大吟醸 秋津

龍力の最高価格帯を担う商品。

現行720ml税込16,500円。

特A地区の中でも秋津の山田錦を象徴する一本です。


龍力 純米大吟醸20

精米を極限まで進める超高級ライン。

720ml税込22,000円で現行販売されています。


龍力テロワール 社・東条・吉川

同一品種。

同一精米歩合。

産地だけを変える。

日本酒版クリュ比較

のような商品設計です。


神力

復活米による地域・歴史商品。

役割:播州酒米史の再生。


神龍錦

本田商店が育成に関わった独自酒米。

役割:未来の自社原料資産。


ドラゴン黒 Episode2

兵庫錦100%。

60%精米。

新感覚の辛口。

役割:現代型食中酒。


ドラゴン緑

減農薬五百万石。

新酒+熟成酒のブレンド。

役割:熟成の入口・常温酒。


ドラゴンスパークリング

特A地区山田錦100%。

2026年フェミナリーズ金賞。

役割:乾杯・非従来型日本酒層。


熟成古酒 玄妙

長期熟成による香味を追求。

IWCや燗酒コンテストでも評価。

役割:熟成日本酒市場。


熟成古酒 玄妙甘蜜

甘味を強く残す熟成酒。

2026年、

Kura Masterプラチナ賞。

フェミナリーズでも金賞。


誠龍 Seiryu

麹・酒母に山田錦。

掛米に五百万石。

出汁との相性を意識した特別本醸造。

役割:播州の日常食中酒。


IRIS Garden

2026年、ニッポン画家・山本太郎氏と協業。

東条産特A山田錦による純米大吟醸。

役割:日本酒×現代アート。


⑩ 味わい・酒質設計

龍力は一つの味ではなく、

「米の違いを酒質差として残す」

ことを重視しています。

味覚軸主な商品
華やか・精緻YK-35
香り+旨味米のささやき
上品・深い秋津
米旨・透明感純米大吟醸 米のささやき
土地差テロワール3地区
歴史米・骨格神力
新酒米・独自性神龍錦
辛口・軽快ドラゴン黒
熟成・複雑ドラゴン緑
甘熟・濃密玄妙甘蜜
発泡・爽快ドラゴンスパークリング
旨味+キレ誠龍

本田商店自身も「米のささやき」を、単なる香り型大吟醸ではなく、

「香りも、味も、味わう大吟醸」

へ再設計しています。


⑪ 受賞・品質評価

本田商店の品質評価は、兵庫県内でも特に継続性が高い部類に入ります。

2026年 全国新酒鑑評会

「龍力 米のささやき」ダブル金賞

会社発表では、

8年連続・通算31件目。

全国では793点が出品され、411点が入賞、そのうち217点が金賞でした。


2025年 全国新酒鑑評会

金賞。

7年連続。

硬い米質に対して酵素剤へ依存せず、麹造りを延長して対応したと公式に説明しています。


2024年 全国新酒鑑評会

親龍蔵・尚龍蔵 ダブル金賞。

6年連続・通算28件目でした。


IWC 2026

**大吟醸 米のささやき YK-35

Gold Medal+Daiginjo Trophy**


Kura Master 2026

**熟成古酒 玄妙甘蜜

プラチナメダル**


フェミナリーズ2026

ドラゴンスパークリング 金賞

玄妙甘蜜 金賞


2021年

IWCでは、

「米のささやき YK-35」がGold+兵庫大吟醸トロフィー。

「玄妙」も古酒部門Gold。

品質領域が、

新酒と熟成酒の両端

に広がっています。


⑫ 地域ブランド

本田商店の地域ブランドは、

**兵庫県

↓
播磨
↓
姫路
↓
酒米産地
↓
山田錦
↓
龍力**

です。

本社は姫路市網干。

しかし原料の中心は、

社。

東条。

吉川。

秋津。

など北東播磨の山田錦特A地区です。

したがって、

「姫路の蔵」と「北播磨の田んぼ」を一つの商品で結ぶ企業

と見ると理解しやすくなります。

さらに、

神力は現在のたつの市御津町に由来。

神龍錦はその神力を未来へ発展させた酒米。

つまり、

播州の酒米史そのものを商品資産へ変えています。


⑬ 人・組織・継承

現在の代表取締役社長は、

本田龍祐氏。

1979年生まれ。

東京農業大学醸造科学科卒業後、酒造関連業務を経て2005年に本田商店へ入り、2021年に5代目を継承しました。


3代目・本田武義氏

龍力の現在のブランド思想を形成した重要人物です。

吟醸酒普及。

山田錦。

土壌研究。

を進め、

日本吟醸酒協会初代理事長も務めました。


5代目・本田龍祐氏

現在の方向は、

テロワール
酒米育種
熟成
新商品
アート
ワイン文化との融合

へ広がっています。

一方、製造改革では勤務開始時間まで見直し、

「人が酒に合わせる」のではなく「酒の発酵に人が合わせる」

製造思想へ転換しています。


組織規模

公的職場情報では28名。

小規模ながら、

研究。

酒造。

直売。

EC。

姫路駅店舗。

熟成酒専門店。

飲食コラボ。

まで運営しています。


⑭ 観光・酒蔵ツーリズム

本田商店は、

酒蔵内部見学より「米・土壌・試飲」を中心とする体験型

です。

龍力テロワール館

本社1階。

所在地:

姫路市網干区高田361-1

営業時間:

平日9:00〜17:00

JR網干駅から徒歩約3分。

山田錦の土壌標本「モノリス」を展示し、試飲・購入が可能です。


新酒利酒会

2026年2月〜3月に開催。

約90分。

新酒。

テロワール。

熟成酒。

などを試飲。

本社3階で最大40名規模です。


プレミアム利酒会

2026年夏には、

金賞酒。

純米大吟醸 秋津。

スパークリング。

ドラゴンシリーズ。

を組み合わせた有料試飲会を開催。

5代目・本田龍祐氏または杜氏が担当する回も設定されています。


呑切り会

2026年秋には商品化前の大吟醸を含む、

呑切り体験

を開催。

通常の試飲より蔵人の品質管理へ近づいた体験です。


蔵内部

2026年現在、コロナ後の施設管理上、

一般客の製造蔵への立ち入りは原則不可

と案内されています。


タツリキショップ

姫路駅地下街。

10:00〜20:00。

観光客が最も利用しやすい直営接点です。


玄妙庵

イーグレひめじ1階。

熟成古酒専門。

有料試飲だけでなく、

熟成酒を自分でブレンドする体験

も可能です。


きこう×龍力

イーグレひめじ4階。

姫路城を望みながら日本料理と龍力を合わせる予約制飲食拠点。

観光構造は、

姫路城 → 熟成酒 → 日本料理 → 網干の蔵

まで広げられます。


⑮ 流通・販売

本田商店は、

専門酒販+百貨店+直営+EC+海外

の高付加価値型流通です。

2026年にも、

伊勢丹新宿。

阪神梅田。

高島屋大阪。

大丸神戸。

山陽百貨店。

などで継続的に試飲販売を行っています。


直営

本社テロワール館。

姫路駅タツリキショップ。

玄妙庵。

飲食連携店。

と、姫路市内に複数の顧客接点があります。


EC

公式オンラインショップを展開。

2026年3月から会員向けポイントサービスも開始しています。


海外

2020年時点の報道では香港・米国を中心に約20か国へ輸出。

近年も米国は重要市場で、兵庫県の2025年度海外展開支援では、

米国での龍力超高価格帯商品の販路開拓

が採択されています。

これは、

「量を輸出する」より、「秋津等の高価格酒を海外へ売る」

方向性を示しています。


⑯ 事業構造

事業内容
大吟醸米のささやき
鑑評会酒YK-35
純米大吟醸秋津・米のささやき等
テロワール酒社・東条・吉川
純米吟醸神力・神龍錦・ドラゴン
純米酒山田錦・五百万石等
本醸造誠龍
生酒YK-35生・荒走り等
熟成酒玄妙
甘口熟成玄妙甘蜜
発泡酒ドラゴンスパークリング
リキュール梅等
焼酎吟のわけまえ等
コラボ酒IRIS Garden等
樽熟成°Ondo007
食品酒粕等
EC公式オンライン
直売テロワール館
都市型直売姫路駅店
熟成酒専門玄妙庵
飲食きこう×龍力
体験利酒会・呑切り会

公式オンラインショップだけでも純米大吟醸、大吟醸、純米吟醸、純米酒、本醸造、焼酎、リキュール、熟成酒、食品まで商品カテゴリーが設定されています。


⑰ 競合比較

項目本田商店灘菊酒造山陽盃酒造下村酒造店
地域姫路・網干姫路市宍粟市姫路市安富
主銘柄龍力灘菊播州一献奥播磨
最大資産山田錦・テロワール姫路観光・食地域食中酒濃醇食中酒
高級酒非常に強い強い強い強い
酒米研究非常に強い地域米地域米山田錦等
熟成酒非常に強い限定的限定的一部
直営体験土壌・試飲飲食・蔵蔵元型酒蔵型
一言米を研究する蔵姫路酒文化を見せる蔵播州の食中酒熟成旨口を磨く蔵

本田商店の独自位置は、

「播州の地酒」よりも、「兵庫山田錦の研究酒蔵」

という点にあります。


⑱ 経営課題・成長余地

① 「龍力=高級酒」の入口拡大


② 秋津の世界ブランド化


③ テロワール


④ 神龍錦


⑤ 熟成古酒


⑥ 飲食・観光


⑦ 研究コンテンツ化


⑲ SWOT分析

区分診断評価対応方向
Strengths山田錦特A地区最大級高級化
Strengths原料米100%酒造好適米最大級品質
Strengths山田錦約85%強い専門性
Strengths自社精米強い原料管理
Strengths土壌研究最大級テロワール
Strengths契約農家最大級原料確保
Strengths秋津最大級世界高級酒
Strengths神力復活最大級歴史
Strengths神龍錦最大級独自原料
Strengths米のささやき最大級ブランド
Strengths8年連続全国金賞最大級品質証明
StrengthsIWCトロフィー最大級海外
Strengths熟成酒最大級市場独自性
Weaknesses小規模組織生産制約高付加価値
Weaknesses山田錦依存度高い神龍錦等
Weaknesses高級イメージ初心者障壁ドラゴン
Weaknesses製造蔵見学制限観光制約体験会
OpportunitiesプレミアムSAKE最大級秋津
Opportunities米国高級市場最大級超高価格帯
Opportunitiesテロワール需要大きい飲み比べ
Opportunities熟成酒市場大きい玄妙
OpportunitiesクラフトSAKE大きいドラゴン
Opportunitiesアート・ワイン連携大きいコラボ
Threats山田錦価格上昇高い契約
Threats気候変動最大課題品種育成
Threats農家高齢化最大課題農家支援
Threats国内清酒市場縮小長期課題海外・新規
Threats高級SAKE競争増加土壌差別化

⑳ PEST分析

区分外部環境本田商店への影響対応方向
Political酒類輸出支援大きな追い風米国高級市場
Political農業政策山田錦に直結農家連携
Political地方創生姫路に有利観光
Political文化輸出日本酒に有利アート連携
Economic米価格上昇大きいプレミアム化
Economic円相場輸出に影響高価格帯
Economic富裕層市場機会秋津
Economic観光消費姫路に有利直営店
Socialテロワール志向最大級土壌研究
Social生産者重視有利契約農家
Social熟成酒再評価有利玄妙
Socialスパークリング需要有利Dragon
Socialワイン層のSAKE流入有利樽・テロワール
Technological酒米育種最大資産神龍錦
Technological土壌分析最大資産地区別商品
Technological発酵制御品質米のささやき
Technological低温流通生酒YK35生
TechnologicalEC・CRM成長公式通販

㉑ 4P分析

区分現状評価戦略
Product龍力母艦播州
Product米のささやき中核大吟醸
ProductYK35技術頂点鑑評会
Product秋津原料頂点プレミアム
Productテロワール土地比較
Product神力復活米歴史
Product神龍錦独自米未来
ProductDragon現代型若年
Product玄妙熟成新市場
Productスパークリング発泡乾杯
Productコラボ酒文化新規層
Price日常誠龍等食卓
Price中価格Dragon・純吟地酒
Price高価格YK35贈答
Price超高価格秋津・20%富裕層
Place専門酒販強い説明販売
Place百貨店強い高級・贈答
Place直営4拠点型体験
PlaceEC全国D2C
Place海外成長高価格SAKE
Promotion山田錦最大資産原料
Promotion8年連続金賞最大資産技術
Promotionテロワール独自性教育
Promotion神力・神龍錦独自性酒米文化
Promotion玄妙時間価値熟成
Promotionアート新規価値文化

㉒ ターゲット

ターゲット適合商品・価値
山田錦ファン龍力全般
大吟醸ファン米のささやき
鑑評会酒層YK35
プレミアム層秋津
富裕層秋津・純米大吟醸20
酒米研究層テロワール
ワイン層テロワール・樽熟成
神力ファン神力
希少酒米層神龍錦
辛口層Dragon黒
常温酒層Dragon緑
燗酒層誠龍・玄妙
熟成酒ファン玄妙
甘口熟成層玄妙甘蜜
発泡酒層Dragon Sparkling
日本酒初心者Dragon
生酒ファンYK35生
ギフト需要米のささやき・秋津
日本文化層IRIS Garden
姫路観光客駅店・玄妙庵
食文化層きこう×龍力
海外富裕層秋津・高級大吟醸
農業関心層テロワール
酒造技術層利酒会・呑切り会

㉓ ブランドコピー・見せ方

メインコピー

「米の違いを、酒の違いへ。」

サブコピー

兵庫の山田錦を、土壌から醸す。


企業型コピー

「米の酒は、米の味。」


山田錦型コピー

「山田錦を使うのではない。山田錦を知り尽くす。」


テロワール型コピー

「同じ山田錦でも、土地が変われば酒が変わる。」


秋津型コピー

「一枚の田んぼから、世界の一杯へ。」


技術型コピー

「八年連続、全国金賞。」


酒米型コピー

「消えた米を復活させ、まだない米をつくる。」


熟成型コピー

「新酒だけが、日本酒ではない。」


短い説明文

株式会社本田商店は、兵庫県姫路市網干区高田361-1にある1921年創業の酒蔵です。代表銘柄は「龍力」。基本理念「米の酒は米の味」のもと、1992年から原料米を100%酒造好適米とし、原料米の約85%を山田錦が占めます。使用する山田錦はすべて兵庫県特A地区産で、自社精米、契約栽培、土壌研究まで行います。1979年発売の「大吟醸 米のささやき」を主力に、秋津地区の山田錦による「純米大吟醸 秋津」、社・東条・吉川の産地差を比較する「龍力テロワール」、約100年ぶりに復活させた神力、その神力と山田錦を交配して生まれた独自酒米「神龍錦」、約40年取り組む熟成古酒「玄妙」などを展開。2026年全国新酒鑑評会ではダブル金賞・8年連続・通算31件目となり、IWC 2026では「米のささやき YK-35」がゴールドメダルと大吟醸トロフィーを獲得しています。


㉔ この酒蔵をどう見せるべきか・最終評価

本田商店は、以下の7資産で整理すると企業像が最も明確になります。

① 山田錦

最大の原料資産。

しかも、

特A地区産だけを使う。

という明確な基準があります。


② 米のささやき

最大のブランド資産。

1979年から続き、

吟醸酒。

冷酒文化。

全国新酒鑑評会。

IWC。

を一本でつなぎます。


③ 秋津

最大のプレミアム資産。

「兵庫県産」よりさらに細かい、

一産地単位の価値

を持っています。


④ 土壌研究

最大の研究資産。

日本酒で通常語られる、

米。

水。

酵母。

だけでなく、

粘土鉱物まで説明できる

酒蔵です。


⑤ 神力・神龍錦

最大の未来原料資産。

失われた米を復活させ、

さらにそこから新しい米を作っています。


⑥ 全国金賞8年連続

最大の現在品質資産。

研究型酒蔵でありながら、鑑評会技術でも結果を出し続けている

ことを示します。


⑦ 玄妙

最大の時間資産。

新酒中心の日本酒市場で、

熟成そのものを価値へ変える

第二の軸を持ちます。


最終評価

評価軸分析評価コメント
歴史性4.9/51921年・家系酒造歴はさらに長い
播州地域性5.0/5姫路・播磨
山田錦力5.0/5特A地区限定
原料品質5.0/5酒造好適米100%
契約農家力5.0/5秋津等
土壌研究力5.0/5最大の独自性
テロワール力5.0/5社・東条・吉川
酒米復活力5.0/5神力
酒米開発力5.0/5神龍錦
吟醸技術力5.0/58年連続全国金賞
国際評価力5.0/5IWC Trophy
プレミアム力5.0/5秋津
生酒力4.9/5YK35生等
熟成酒力5.0/5玄妙
商品開発力5.0/5Dragon・樽熟成
食中酒力4.9/5誠龍等
直販力5.0/5姫路複数拠点
観光体験力4.8/5試飲・土壌・呑切り
海外適性5.0/5超高価格帯展開
ブランド独自性5.0/5米×土壌×熟成
成長可能性5.0/5海外・酒米・熟成


㉖ 最終結論

株式会社本田商店は、兵庫県姫路市網干区高田361-1にある、1921年に清酒「龍力」の醸造を開始した酒蔵です。

しかし、その本質はそれ以上に、

元禄期から播州杜氏の総取締役として酒造りへ関わった本田家の歴史を背景に、初代・本田新二氏が明治末期に網干駅前で酒類小売を始め、鉄道貨物を利用する酒類卸へ発展し、庄屋から米を提供され、龍野の事業者から清酒製造権を借りることで1921年に自ら酒造業へ進出。その後、「米の酒は米の味」という思想を企業の中心へ置き、1970年代から大吟醸酒の可能性を追求し、1979年には兵庫県産山田錦による「大吟醸 米のささやき」を発売。当時まだ燗酒中心だった市場へ「吟醸酒を冷やして味わう」という新しい日本酒文化を提案し、1981年には3代目・本田武義氏が日本吟醸酒協会初代理事長となって吟醸酒普及へ取り組んだ。1992年には使用原料米を100%酒造好適米へ移行し、現在では原料米の約85%を山田錦が占め、しかも使用する山田錦を兵庫県特A地区産へ限定。高級酒「米のささやき」では特等・特上クラスを中心に使用し、玄米段階から自社精米することで原料管理を醸造工程の前まで遡らせている。さらに「酒米買うなら土地を見て買え」という兵庫の酒米文化を科学へ進め、3代目・本田武義氏が約20年間京都大学大学院農学研究科で山田錦産地の土壌を研究。社地区のイライト、東条・吉川地域のスメクタイト、保肥力、ミネラル、排水、標高、日照、昼夜の寒暖差などを比較し、同じ山田錦でも土地が違えば酒質が変わるという考えを「龍力テロワール 社・東条・吉川」として商品化した。特A地区の中でも秋津地区では農家との契約栽培を進め、有機肥料・低農薬・栽培法・自然乾燥まで踏み込み、その米を「純米大吟醸 秋津」という超高価格帯商品へ転換することで、農地そのものをブランド資産としている。一方で酒米文化を守るだけでなく、1877年に現在の兵庫県たつの市御津町で発見され、一時は日本の稲作付面積の大きな割合を占めながら姿を消した「神力」を7年かけて1992年に約100年ぶりに復活させ、さらに神力と山田錦を交配して12年に及ぶ研究を進め、2022年には本田商店独自の新酒米「神龍錦」を酒造好適米として成立させるなど、酒蔵でありながら酒米育種まで企業戦略へ組み込んでいる。醸造面では全国新酒鑑評会の中心商品「米のささやき YK-35」で山田錦35%精米、吟醸造り、袋搾り、荒走り、斗瓶取り等を使い分けながら最高品質を追求し、コロナ禍には販売減少を単なる危機で終わらせず、早朝5時開始だった酒造現場を朝8時開始へ変更し、一週間の仕込み本数を減らし、造りの期間を延ばして酵母の発酵状態へ人間側が合わせる製造体制へ改革。2025年の全国新酒鑑評会では原料米が硬い年でありながら外部酵素剤へ頼らず製麹時間を長く取り、麹そのものの力で対応して7年連続金賞、続く2026年には「龍力 米のささやき」がダブル金賞となり、龍力史上最長となる8年連続・通算31件目の金賞へ到達。同年IWCでは「大吟醸 米のささやき YK-35」がGold MedalとDaiginjo Trophyを獲得し、国際市場でも最高級吟醸の競争力を証明した。また、約40年続ける熟成酒研究から「玄妙」「玄妙甘蜜」を展開し、玄妙甘蜜はKura Master 2026でプラチナ、フェミナリーズ2026でも金賞、ドラゴンスパークリングも同コンクール金賞を獲得。新酒・吟醸だけに依存せず、時間によって価値を生み出す熟成酒市場まで育成している。2026年にはさらに東条産特A山田錦による純米大吟醸とニッポン画家・山本太郎氏を組み合わせた「IRIS Garden」、ブルゴーニュ・ムルソー由来のワイン樽を用いる「°Ondo007 Meursault Cask -3℃ 2023 純米大吟醸」を投入し、「米の産地」「熟成」「美術」「ワイン樽」という異分野を日本酒へ接続。販売面では蔵元直売の「龍力テロワール館」、姫路駅地下街の「タツリキショップ」、熟成古酒専門の「玄妙庵」、日本料理「きこう×龍力」、公式EC、百貨店試飲販売を組み合わせ、2025年度には兵庫県の海外展開支援で米国における龍力超高価格帯商品の販路開拓事業が採択されるなど、秋津をはじめとするプレミアムSAKEの海外展開も強化している。単に「良い山田錦を使う蔵」ではなく、農家を探し、土地を調べ、土壌を分析し、玄米を精米し、失われた酒米を復活させ、新しい酒米まで作り、醸造し、熟成させ、産地差まで飲み比べとして商品化することで、「米が生まれる土地」から「飲み手のグラス」までを一つのブランド設計へ統合する、兵庫山田錦特化型・テロワール研究型・酒米育種型・最高級吟醸型・熟成酒開拓型・海外プレミアム型の酒蔵企業

です。

■ コピー

「米の違いを、酒の違いへ。」

サブコピー

兵庫の山田錦を、土壌から醸す。

■ 結論

本田商店の最大の価値は、

全国新酒鑑評会で8年連続金賞を取ったことだけでも、兵庫県特A地区山田錦を使っていることだけでもありません。

山田錦を見る。

農家を見る。

田んぼを見る。

土を見る。

米を磨く。

酒を造る。

産地ごとに分ける。

神力を復活させる。

新しい酒米まで作る。

新酒を評価する。

熟成させる。

海外へ出す。

つまり、

「酒を造る前から、龍力の酒造りは始まっている。」

ということです。

多くの酒蔵が、

「どう醸すか」

を競う中で、

本田商店は、

「何を、どこで育てた米から醸すか」

まで競争領域にしています。

「山田錦を使う酒蔵」ではなく、
「山田錦という土地の価値を研究し続ける酒蔵」。

それが、

本田商店・龍力の企業としての本質です。

本田商店のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
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本田商店

特A山田錦の土壌まで醸す、1921年創業・姫路「龍力」の蔵。

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