三和酒造(酒蔵ガイド)
三和酒造
― 清流・興津川の伏流水と10種類以上の酒米を使い、「臥龍梅」を醸す1686年創業の清水の老舗酒蔵。山田錦・五百万石・誉富士など酒米ごとの個性を吟醸小仕込みで描き分け、純米大吟醸からスパークリングまで展開する“酒米比較×芳醇吟醸”型の実力蔵。 ―

① 一行定義
三和酒造は、静岡県静岡市清水区西久保で「臥龍梅」を醸す、1686年創業・興津川伏流水・10種類以上の酒米・吟醸小仕込み・山田錦・五百万石・誉富士・袋吊り・ブレンド技術・スパークリング・国内外の高評価を強みとする、清水を代表する革新型老舗酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 静岡県静岡市清水区西久保501-10
会社名: 三和酒造株式会社
創業: 貞享3年・1686年
法人設立: 1971年5月
代表者: 鈴木 克昌
代表銘柄: 臥龍梅
歴史銘柄: 鶯宿梅・静ごころ・羽衣の舞
地域: 静岡市清水区・興津川流域
水: 清流・興津川水系の伏流水
主要酒米: 山田錦・五百万石・誉富士ほか10種類以上
主力酒質: 純米大吟醸・純米吟醸・吟醸・無濾過原酒
製法: 吟醸小仕込み・限定吸水・低温長期発酵・袋吊り
新領域: スパークリング日本酒・酒米ブレンド
流通: 静岡県内+全国特約店・オンライン
蔵見学: 一般向け見学なし
👉 “老舗の技を守りながら、酒米・造り・泡まで日本酒の幅を広げる蔵。”
三和酒造の始まりは1686年。
初代・市兵衛が酒造用の良水を求め、現在の静岡市清水区西久保で酒造りを始めた。
最初の銘柄は、
「鶯宿梅」
だった。
1971年に三和酒造株式会社を設立。
1985年には静岡県清酒鑑評会で県知事賞を受賞したことを契機に「羽衣の舞」を発売。
そして2002年、
新しい時代の日本酒として、
「臥龍梅」
を立ち上げた。
現在のブランド構造は、
330年以上の酒造史
→ 静岡の水
→ 多品種酒米
→ 吟醸小仕込み
→ 臥龍梅
→ 全国・海外市場
という流れを持つ。
③ 味ポジション
香り :★★★★☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆〜★★★★☆
旨味 :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆
キレ :★★★★☆〜★★★★★
コク :★★★★☆〜★★★★★
👉 “華やかな吟醸香と豊かな米の旨味を、明快な酸とキレでまとめる芳醇型。”
臥龍梅は、従来の静岡酒に多い
穏やか
+淡麗
+軽快
だけを目指して生まれた酒ではない。
三和酒造は、食生活の変化や濃い味の料理、外食市場、海外市場を見据え、
より香りがあり、
より旨味があり、
料理の強さにも負けない酒
へ方向転換した。
それが「臥龍梅スタイル」である。
基本構造は、
華やかな香り
+米の旨味
+滑らかさ
+酸
+キレ
である。
一方で、使用する酒米によって酒質を大きく変える。
山田錦
=豊か・滑らか・バランス
五百万石
=爽快・軽快・キレ
誉富士
=酸・香り・骨格
と、違いを明確に見せる。
④ 強み
① 1686年創業、340年近い歴史
② 興津川水系の良質な伏流水
③ 2002年に「臥龍梅」を立ち上げブランドを刷新
④ 10種類以上の酒米を使う圧倒的な酒米表現力
⑤ 山田錦・五百万石・誉富士を同条件で比較できる商品設計
⑥ 吟醸小仕込みをブランドの中心に置く
⑦ 限定吸水・低温長期発酵による高精度な造り
⑧ 袋吊りによる雑味の少ない上位酒
⑨ 酒米別原酒のブレンド「三味和醸」を商品化
⑩ 静岡県初の「awa酒」認定スパークリングを開発
⑪ 瓶内二次発酵による天然ガスのスパークリング技術
⑫ 2025年全国新酒鑑評会 金賞
⑬ 2025年名古屋国税局酒類鑑評会 局長賞
⑭ IWC・Kura Masterなど海外コンクールで多数受賞
⑮ 全国特約店まで販路を広げたブランド力
👉 “一つの酒米を極めるのではなく、酒米の違いそのものをブランド価値に変える。”
三和酒造が特に重視しているのは、
酒米の違いを飲み比べてもらうこと。
同じ45%精米・同じ袋吊りで、
山田錦
五百万石
を仕込む商品もあり、
製法条件を揃えたうえで酒米差を体験できる。
さらに「三味和醸」では、
山田錦
五百万石
誉富士
など、複数の酒米で醸した原酒をブレンド。
日本酒を単一米表現だけでなく、
ワインのアッサンブラージュに近い発想
へ拡張している。
⑤ 向いている人
・静岡、清水の地酒を飲みたい人
・華やかな吟醸酒が好きな人
・米の旨味もしっかり感じたい人
・山田錦を飲みたい人
・五百万石との違いを比較したい人
・誉富士に興味がある人
・酒米ごとの個性を学びたい人
・純米大吟醸を楽しみたい人
・袋吊りの繊細な酒を飲みたい人
・ブレンド日本酒に興味がある人
・スパークリング日本酒を楽しみたい人
・濃い味の料理と合わせたい人
・国内外で評価された酒を選びたい人
・昔ながらの蔵と新しい商品開発の両方を評価する人
👉 “一つのブランドの中で、酒米・造り・泡まで比較したい人に向く蔵。”
臥龍梅は、
純米大吟醸
→ 酒米比較
純米吟醸
→ 日常的な吟醸酒
三味和醸
→ ブレンド
Sparkling
→ 発泡
と、日本酒の選び方そのものを広げている。
⑥ 向かない人
・非常に軽い淡麗酒だけを求める人
・香りを極力抑えた酒だけを好む人
・超低アルコール酒だけを追う人
・熟成古酒だけを好む人
・生酛・山廃だけを基準に選ぶ人
・商品数が少ない蔵を好む人
・地域限定流通だけの小規模地酒を求める人
・大型酒蔵観光施設を期待する人
👉 “静かな淡麗一本型より、芳醇さ・酒米差・商品展開を楽しむ人向け。”
現在の三和酒造は、
伝統的な地域酒蔵
というより、
臥龍梅という全国型ブランドを持つ吟醸蔵
と考えた方が理解しやすい。
⑦ 商品カテゴリ
■ 臥龍梅 大吟醸
三和酒造の醸造技術を象徴する最高峰の一つ。
原料米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール度:15%
酒造りは、
限定吸水
+低温長期発酵
+小仕込み
+袋搾り
を基本とする。
2025年には、
全国新酒鑑評会 金賞
さらに、
名古屋国税局酒類鑑評会 局長賞
を受賞した。
👉 “東海圏でも最高水準の評価を得た臥龍梅の技術酒。”
■ 臥龍梅 純米大吟醸 山田錦45 袋吊り
原料米:兵庫県産山田錦
精米歩合:45%
アルコール度:16%
袋吊りで上槽することで雑味を抑える。
特徴は、
豊かな味
+滑らかさ
+キレ
+芳醇な含み香
のバランス。
👉 “山田錦らしい総合力を、臥龍梅流に磨いた一本。”
■ 臥龍梅 純米大吟醸 五百万石45 袋吊り
山田錦45と同条件で造る酒米比較型商品。
原料米:五百万石
精米歩合:45%
山田錦に比べ、
すっきり
+シャープ
+キレ
が前面に出る。
👉 “同じ造りだからこそ、五百万石そのものの違いが分かる一本。”
■ 臥龍梅 純米大吟醸 無濾過原酒
臥龍梅の中核上位酒。
山田錦40%精米の商品では、
日本酒度+1
酸度1.4
という設計を持つ。
無濾過原酒らしい、
香り
+米の厚み
+旨味
+キレ
を楽しむ。
👉 “臥龍梅の『芳醇』側を最も直接的に感じる上位酒。”
■ 臥龍梅 純米吟醸55 山田錦
山田錦を55%まで精米。
バランスの良さが特徴で、
香り
+旨味
+酸
+キレ
を総合的に楽しめる。
👉 “酒米比較の基準にしやすい臥龍梅。”
■ 臥龍梅 純米吟醸55 五百万石
五百万石を55%まで精米。
爽やかな香り
+軽快さ
+すっきりした後味
が特徴。
👉 “刺身や魚料理と合わせやすいシャープな臥龍梅。”
■ 臥龍梅 純米吟醸55 誉富士
静岡県産酒造好適米「誉富士」を使用。
精米歩合:55%
誉富士らしい、
しっかりした吟醸香
+酸
+酒質の輪郭
を楽しむ。
👉 “静岡の酒米を、臥龍梅らしい芳醇吟醸へ仕上げる一本。”
山田錦・五百万石・誉富士を同じ55%精米で比較するセットも展開している。
■ 臥龍梅 純米吟醸 三味和醸
三和酒造らしさを最も象徴する革新的商品。
使用米:
静岡県産誉富士
兵庫県産山田錦
富山県産五百万石
精米歩合:55%
アルコール度:16%
それぞれ別に醸した酒をブレンド。
五百万石=爽やかな香り
誉富士=酸とキレ
山田錦=全体のバランス
を組み合わせる。
👉 “酒米を競わせるのではなく、混ぜることで『臥龍梅らしさ』を造る一本。”
■ 臥龍梅 純米大吟醸 三味和醸
同じブレンド思想を、
純米大吟醸領域
まで引き上げた商品。
三和酒造は10種類以上の酒米を使うため、酒米ごとの原酒を組み合わせる余地が大きい。
👉 “単一酒米信仰とは別の、日本酒の新しい設計思想。”
■ Garyubai Sparkling Sake
三和酒造を他の静岡蔵と大きく差別化する商品。
純米大吟醸「臥龍梅」をベースに、
瓶内二次発酵
を行う。
使用する炭酸は添加ガスではなく、
発酵によって自然発生したガス。
さらに滓を除去し、透明なスパークリング酒へ仕上げる。
2020年には、
静岡県初のawa酒
として認定された。
IWC 2021では、
Gold+トロフィー
Kura Master 2021では、
プラチナ+TOP16+審査員賞
を獲得している。
👉 “静岡吟醸を、世界の乾杯酒へ変えた一本。”
■ Garyubai Sparkling ExtraDry
臥龍梅独自の辛口スパークリング。
精米歩合:60%
アルコール度:13%
特徴は、
程よい酸
+すっきりした飲み口
+明快なキレ
で、濃い味の料理とのペアリングにも向く。
👉 “甘いスパークリング日本酒とは逆側の食中泡。”
■ 臥龍梅 吟醸 無濾過原酒
吟醸造りと無濾過原酒を組み合わせる定番系。
香りを持たせながら、
原酒らしい厚み
+旨味
+力
を残す。
👉 “臥龍梅ブランドが生まれた当初の『芳醇吟醸』思想に近い酒。”
■ 臥龍梅 純米 原酒二度火入れ
純米酒の旨味を中心に置いた日常寄りの商品。
二度火入れで安定感を持たせ、
常温
+燗
にも対応しやすい。
👉 “純米大吟醸だけではない、臥龍梅の日常食中酒側。”
■ 静ごころ・羽衣の舞
「臥龍梅」以前から三和酒造を支えた歴史ブランド。
静ごころ
→ 1971年、一般公募で命名。
羽衣の舞
→ 1985年、静岡県清酒鑑評会の県知事賞受賞を契機に発売。
👉 “臥龍梅が突然生まれたのではなく、静岡地酒の蓄積の上に成立していることを示すブランド。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎
ぬる燗 :◎
熱燗 :○〜◎
ワイングラス :◎◎
スパークリング:◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・吟醸は冷酒、純米は常温〜燗、Sparklingはしっかり冷やして。酒米別に料理を変えると違いが分かりやすい。
■ 料理との合わせ方
大吟醸
→ 鯛、鮪、寿司、会席料理
純米大吟醸 山田錦
→ 鰹、鴨、牛肉、天ぷら
純米大吟醸 五百万石
→ 白身魚、刺身、鮨、冷菜
純米吟醸 山田錦
→ 焼魚、鶏料理、出汁料理
純米吟醸 五百万石
→ 生しらす、白身魚、寿司
純米吟醸 誉富士
→ 静岡おでん、焼魚、黒はんぺん
三味和醸
→ 和洋問わず前菜・魚・肉料理
Sparkling Sake
→ 前菜、魚介、チーズ、祝い膳
Sparkling ExtraDry
→ 揚げ物、肉料理、濃い味の洋食
清水・静岡なら、
鮪
鰹
桜えび
生しらす
太刀魚
金目鯛
黒はんぺん
静岡おでん
干物
わさび
寿司
などとの組み合わせが分かりやすい。
👉 “興津川の水で醸した酒を、駿河湾の魚で飲む。”
臥龍梅が芳醇型へ進化したことで、
魚だけでなく肉・洋食まで合わせられる
ことも大きな特徴である。
⑨ 位置づけ
クラシック ← ○ → ◎ モダン
穏やか ← ○ → ◎ 華やか
淡麗 ← ○ → ◎ 芳醇
辛口 ← ◎ → ◎ 甘旨口
単一酒米 ← ○ → ◎ 多品種酒米
単一原酒 ← ○ → ◎ ブレンド
静酒 ← ◎ → ◎ スパークリング
地域酒 ← ◎ → ◎ 全国・海外展開
👉 “340年の歴史を土台に、酒米・ブレンド・泡で静岡酒を拡張する『芳醇吟醸革新型』酒蔵。”
静岡県内で比較すると、
御殿場石川酒造・雪解/榮/来光
=「富士山・御殿場・新設蔵・テロワール構築」
静岡平喜酒造・喜平 静岡蔵
=「安倍川・少量純米・県内流通・地域密着」
初亀醸造・初亀
=「1636年・東条山田錦・高級酒・熟成・食中クラシック」
英君酒造・英君
=「由比・静岡酵母・淡麗豊潤・酒米別食中酒」
三和酒造・臥龍梅
=「清水・興津川・多品種酒米・芳醇吟醸・酒米比較・ブレンド・スパークリング」
と整理できる。
三和酒造の特徴は、
静岡酒の伝統を、そのまま守るだけではなかったこと。
2002年、
食生活の変化を見据え、
より濃い料理にも負けない日本酒
として「臥龍梅」を立ち上げた。
そして現在は、
酒米を変える。
精米歩合を揃える。
造りを揃える。
味の差を見せる。
さらに原酒をブレンドする。
最後には泡へ展開する。
というところまでブランドを広げている。
つまり三和酒造は、
“清水の老舗酒蔵”
というより、
“酒米という素材を軸に、日本酒の味の可能性を広げ続ける蔵”
と評価するのが最も適切である。
■ コピー
メイン
「酒米を変え、酒の景色を変える。清水『臥龍梅』。」
サブ
静岡県、清水。
1686年、良い水を求めて始まった酒造りは、三百年以上の時を重ねてきた。
その伝統から生まれた「臥龍梅」は、山田錦・五百万石・誉富士など多彩な酒米の個性を引き出し、さらに原酒を重ねる「三味和醸」や、瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒にも挑んでいる。
守るべきものを守りながら、同じ酒にとどまらない。
三和酒造は、長い歴史を力に変え、日本酒の新しい味を追い続ける蔵である。
■ 結論
興津川の伏流水と十余種の酒米が、三百余年の時を越えて臥龍梅に咲く。
山田錦、五百万石、誉富士――米ごとの香りと旨味を重ね、ひとつの調和へ。
伝統は深く、酒は自由に、清水から次の一杯へ。
三和酒造のテロワールを味わう👇
| イメージ | 酒蔵 | 説明 | リンク |
|
1
![]() |
三和酒造 |
三和酒造は、静岡県静岡市清水区西久保で「臥龍梅」を醸す、1686年創業・興津川伏流水・10種類以上の酒米・吟醸小仕込み・山田錦・五百万石・誉富士・袋吊り・ブレンド技術・スパークリング・国内外の高評価を強みとする、清水を代表する革新型老舗酒蔵。 |

