ハクレイ酒造(酒蔵ガイド)

― 京都・丹後由良で1832年から酒を醸す老舗酒蔵。眼前の由良ヶ岳から湧く超軟水「不動山水」と、京都・丹後の契約栽培山田錦を軸に、「白嶺」「酒呑童子」「香田」「真名井」を展開する。山廃・生酛・無濾過原酒から白麹を使う「Vivid」、熟成酒、スパークリングまで酒質を広げ、2026年IWCでは「白吟のしずく」が京都トロフィを獲得。“米・水・人の調和”を守りながら、丹後の食・観光・地域産業へ酒をつなぐ、由良ヶ岳麓の地域共創型酒蔵。


① 一行定義

由良ヶ岳の超軟水と丹後米で「白嶺」を醸す、1832年創業の酒蔵。


② ブランド要約

所在地: 京都府宮津市字由良949番地
会社名: ハクレイ酒造株式会社
創業: 天保3年・1832年10月1日
会社設立: 1950年10月31日
代表取締役: 友田 諭
代表銘柄: 白嶺・酒呑童子
主要ブランド: 白嶺・酒呑童子・香田・真名井・Vivid
地域: 宮津市由良・丹後由良・由良ヶ岳麓
仕込水: 由良ヶ岳中腹、不動の滝の湧水「不動山水」
水質: 超軟水
酒造思想: 米・水・人との調和
主要原料米: 京都丹後産山田錦・京都府産米ほか
契約栽培: 「香田」で丹後産山田錦100%
主力酒質: 純米大吟醸・大吟醸・純米吟醸・特別純米・純米・本醸造・普通酒・生酛・山廃・無濾過原酒・熟成酒
その他: リキュール・スパークリング・和洋菓子
観光施設: 直売店「天の蔵」
酒蔵見学: 予約制、木〜日曜、約50分、無料
直売店営業時間: 9:00〜17:00
アクセス: 京都丹後鉄道 丹後由良駅から徒歩約7分

「ハクレイ」は漢字で、

白嶺。

蔵の正面にそびえる「丹後富士」こと由良ヶ岳が、冬の朝に真っ白な雪をまとった姿を九代目・六右衞門が詠み、その情景から名付けられた。

一方、

酒呑童子

は、大江山の鬼伝説に由来する。

蔵が使う「不動山水」も大江山連峰に連なる由良ヶ岳から湧く水であり、

山
+水
+鬼伝説
+酒

が地域の物語として一つにつながっている。

さらに、

香田

は契約栽培の京都丹後産山田錦100%。

真名井

は、天橋立近くの籠神社にある「天の真名井」と同系統とされる水に着想を得た銘柄。

つまりハクレイ酒造は、

銘柄そのものが丹後の山・水・神話・農業を映す蔵

である。

👉 “丹後の山、水、米、物語を、一杯の酒へつなぐ蔵。”


③ 味ポジション

香り  :★★★☆☆〜★★★★★
甘味  :★★☆☆☆〜★★★★★
旨味  :★★★★☆〜★★★★★
透明感 :★★★★☆〜★★★★★
酸   :★★★☆☆〜★★★★★
キレ  :★★★★☆〜★★★★★
コク  :★★★☆☆〜★★★★★

👉 “超軟水のやわらかさを核に、辛口・甘酸・熟成まで振幅を持たせる『丹後・多層食中型』。”

ハクレイ酒造の基本は、

すっきり
+やわらか
+料理を邪魔しない
+後口が軽い。

公式は、不動山水を使うことで「酔いざめの良さ」が際立つと説明している。

ただし酒質は一方向ではない。

白嶺
=日常・すっきり・海の幸

酒呑童子
=辛口・山廃・キレ

香田
=丹後山田錦・旨味・上質

Vivid 赤
=全量白麹・甘酸・ジューシー

Vivid 青
=AK12酵母・辛口・爽快

熟成酒 SINCE2014
=熟成・深み

と、同じ蔵の中で酒質を大きく変えている。

👉 “水はやわらかく、酒質は自在。そこがハクレイの面白さ。”


④ 強み

① 1832年創業、190年を超える酒造史
② 丹後富士・由良ヶ岳という明確な地域景観
③ 由良ヶ岳中腹から湧く「不動山水」
④ 全国でも珍しい超軟水の仕込水
⑤ 超軟水で甘口・辛口双方を造り分ける技術
⑥ 米・水・人の調和を重視する酒造思想
⑦ 京都丹後産山田錦の契約栽培
⑧ 減農薬有機栽培米を使う「香田」
⑨ 山廃仕込みの辛口「酒呑童子」
⑩ 生酛系商品も展開
⑪ 無濾過生原酒・原酒・にごりまで幅広い
⑫ 全量白麹によるVivid赤
⑬ AK12酵母による爽快辛口Vivid青
⑭ 10年以上の熟成酒を商品化
⑮ 純米大吟醸・大吟醸で国際評価
⑯ 2026年IWC「白吟のしずく」京都トロフィ
⑰ 同IWCで金メダル2品・銀1品・推奨酒2品
⑱ 2025年Kura Master「白嶺Platinum」金賞
⑲ 2025年Kura Master「香田 Special Edition」金賞
⑳ 2025年Kura Master「純米吟醸 初搾り」金賞
㉑ 2026年Kura Master「白嶺ゼロスリー さんきあまざけもと」金賞
㉒ 2024年IWC「酒呑童子熟成酒 SINCE2014」GOLD
㉓ 「酒呑童子」が大阪国税局燗酒用清酒部門で複数年優秀賞
㉔ 酒蔵見学・直売・試飲を備える観光酒蔵
㉕ 蔵Sweets白嶺舎など、酒以外へ地域価値を展開

👉 “最大の強みは、超軟水という土地の個性を、辛口・甘酸・熟成・吟醸へ自在に翻訳できること。”

2026年IWCでは、

「白嶺 純米大吟醸 白吟のしずく25/26」

が純米大吟醸部門の京都トロフィを獲得した。

公式によると、この年は酒造工程、とりわけ麹造りを全面的に見直し、「酒造りの原点」へ立ち返ったという。

古い技を守るだけではなく、

一度立ち止まり、造りそのものを再設計する。

この姿勢が現在のハクレイ酒造をよく表している。


⑤ 向いている人

・京都・丹後の地酒を飲みたい人
・日本海側の食文化に興味がある人
・超軟水の日本酒を味わいたい人
・山田錦の地域栽培に興味がある人
・辛口酒が好きな人
・山廃の旨味が好きな人
・冷酒だけでなく燗も楽しみたい人
・白麹系の甘酸酒を試したい人
・無濾過原酒が好きな人
・熟成酒に興味がある人
・酒米・酵母・製法違いを比較したい人
・松葉がにや魚介と合わせたい人
・酒蔵見学や試飲も楽しみたい人
・地域と酒蔵の関係を重視する人

👉 “丹後の土地を感じながら、辛口から甘酸・熟成まで横断して飲みたい人向け。”

選び方は、

白吟のしずく
→ 最高峰・純米大吟醸・IWC京都トロフィ

白嶺Platinum
→ 純米大吟醸・国際評価

香田
→ 丹後山田錦・旨味・地域性

酒呑童子
→ 辛口・山廃・燗

白嶺
→ 地元・日常・魚介

Vivid 赤
→ 甘酸・白麹・現代型

Vivid 青
→ 爽快・辛口・AK12

熟成酒 SINCE2014
→ 長期熟成・深み

と整理すると分かりやすい。


⑥ 向かない人

・単一の酒質だけを求める人
・超華やかな吟醸香だけを評価する人
・巨大設備型の観光酒蔵を期待する人
・超淡麗だけを好む人
・地域性や物語に関心がない人
・熟成酒や酸味の強い酒を避けたい人

👉 “一本の味だけでなく、水・米・酵母・熟成による変化を楽しめる人向け。”

ハクレイ酒造は、

白嶺
+酒呑童子
+香田
+真名井
+Vivid

と、ブランドごとに役割が違う。

したがって、

一本だけではなく、複数の方向性を飲み比べることで本質が見える酒蔵

である。


⑦ 商品カテゴリ

■ 白嶺 純米大吟醸 白吟のしずく

現在のハクレイ酒造を象徴する最高峰。

2026年IWC純米大吟醸部門で、

京都トロフィ

を獲得。

純米大吟醸部門で全国2位、京都府最高賞となった。

👉 “ハクレイ史上最高水準の評価を得た一本。”


■ 白嶺 Platinum

純米大吟醸の上位商品。

2024・2025年Kura Masterで連続して金賞を獲得。

👉 “白嶺の透明感と吟醸技術を磨いたプレミアム酒。”


■ 香田 純米大吟醸 50磨き

使用米:契約栽培 京都丹後産山田錦100%

減農薬有機栽培の山田錦を使い、不動山水と組み合わせる。

米そのものの旨味を重視する「香田」の上位酒。

👉 “丹後の田んぼと由良ヶ岳の水を一つにした純米大吟醸。”


■ 香田 大吟醸 35磨き

使用米:京都丹後産山田錦100%
精米歩合:35%
アルコール:17〜18度未満

公式は「贅沢でとろりとした感覚」と表現する。

👉 “契約栽培山田錦を35%まで磨く、香田の最高級側。”


■ 香田 特別純米酒

「香田」の基準となる一本。

契約栽培山田錦100%。

上位酒より精米を進めすぎず、良質な米そのものの味を生かす。

👉 “米を磨きすぎず、丹後山田錦そのものを味わう酒。”


■ 香田 純米吟醸無濾過生原酒

通称、

香田プレミアム。

無濾過・生・原酒によって、

米旨
+鮮度
+厚み

を強く残す。

👉 “整えすぎない香田を、そのまま味わう一本。”


■ 大辛口 酒呑童子

ハクレイ酒造で最も出荷量の多い商品。

山廃仕込み
+辛口本醸造。

天然乳酸菌の力で米の旨味を引き出しながら、すっきりと切れる。

👉 “丹後の魚介へ合わせる、蔵を代表する辛口酒。”


■ 酒呑童子 辛口純米

「酒呑童子」の純米版。

本醸造よりも、

米旨
+厚み
+辛口のキレ

を楽しみやすい。

👉 “辛口だけではなく、米味まで残す酒呑童子。”


■ 酒呑童子 生酛吟醸/生酛吟醸 純米

伝統的な生酛系酒母を使う吟醸系。

酸
+旨味
+奥行き

を持たせ、冷酒だけでなく温度変化でも楽しめる。

👉 “酒呑童子の辛口へ、生酛の深みを加える一本。”


■ 酒呑童子 熟成酒 SINCE2014

長期熟成純米吟醸。

2024年IWC古酒部門でGOLDを受賞。

👉 “時間そのものを味へ変えた、ハクレイの熟成表現。”


■ 白嶺 純米酒

創業以来の地元ブランド「白嶺」の日常酒側。

公式は、丹後の、

松葉がに
牡蠣
鳥貝
ハタハタ
干物
練り物

との相性を強く打ち出している。

👉 “丹後の海の幸と一緒に飲む、地元の白嶺。”


■ 白嶺 ひや原酒/しぼりたて新酒

ひや原酒:17〜18度未満
しぼりたて:18〜19度未満

定番酒よりも原酒らしい力強さと、新酒の鮮度を楽しむ。

👉 “普段着の白嶺とは違う、力強い季節の表情。”


■ 純米大吟醸 真名井

宮津・天橋立の「天の真名井」にちなむブランド。

ハクレイの仕込水が同質同系とされることから命名された。

無濾過生原酒
+生原酒
+瓶囲い原酒

と複数の状態で展開する。

👉 “宮津の水文化を、純米大吟醸へ落とし込む一本。”


■ Vivid With passion! 赤

純米吟醸 無濾過原酒
精米歩合:60%
アルコール:15度
全量白麹仕込み

白麹由来のクエン酸を使い、

甘酸
+ジューシー
+赤い果実感

を表現する。

👉 “伝統的なハクレイから意図的に振った、現代型甘酸酒。”


■ Vivid Like the blue sky 青

純米吟醸 無濾過原酒
精米歩合:60%
アルコール:16度
日本酒度目標:+7

酵母「AK12」を使い、

爽快
+ドライ
+鋭いキレ

を追求。

2024年Milano Sake Challengeでダブルゴールド。

👉 “ハクレイ伝統の辛口を、現代的に研ぎ澄ました一本。”


■ 白嶺ゼロスリー さんきあまざけもと

クラシック酛系の挑戦酒。

2023年・2026年Kura Masterクラシック酛部門で金賞。

👉 “古い発酵技術を、現代の酒質へ再構築するハクレイ。”


■ HAKUREI SPARKLING

スパークリングタイプも展開。

現在はVivid系スパークリングも商品化され、日本酒を普段飲まない層へ入口を広げている。

👉 “丹後の酒を、乾杯の一杯へ広げる。”


⑧ 飲み方

冷酒     :◎◎
常温     :◎◎
ぬる燗    :◎◎
熱燗     :◎
ワイングラス :◎◎
生原酒    :◎◎
熟成酒    :◎◎
スパークリング:◎
食中酒    :◎◎

👉 純米大吟醸・香田・Vividは冷酒〜ワイングラス。白嶺は冷酒〜常温。酒呑童子は常温〜燗まで。熟成酒は温度を少し上げると奥行きが出やすい。

■ 料理との合わせ方

白吟のしずく・Platinum
→ 白身魚、寿司、天橋立周辺の魚介、会席料理

香田
→ 松葉がに、鳥貝、牡蠣、焼魚

酒呑童子 大辛口
→ 刺身、干物、天ぷら、練り物

酒呑童子 生酛
→ 焼魚、煮物、鍋、発酵食品

白嶺
→ ハタハタ、ちくわ、かまぼこ、干物

真名井
→ 白身魚、貝類、淡い出汁料理

Vivid 赤
→ チーズ、甘辛料理、中華前菜

Vivid 青
→ 天ぷら、刺身、塩焼き

熟成酒 SINCE2014
→ 肉料理、燻製、熟成チーズ

丹後なら、

松葉がに
牡蠣
丹後とり貝
ハタハタ
干物
ちくわ・かまぼこ
ブリ
岩牡蠣
へしこ

との組み合わせが分かりやすい。白嶺シリーズも、公式に日本海の魚介との相性を重視している。

👉 “由良ヶ岳の水で醸した酒を、日本海の海の幸で飲む。”


⑨ 位置づけ

クラシック ← ◎ → ◎ モダン
穏やか   ← ◎ → ◎ 華やか
淡麗    ← ◎ → ◎ 濃醇
辛口    ← ◎ → ◎ 甘旨口
日常酒   ← ◎ → ◎ 最高級酒
速醸    ← ◎ → ◎ 生酛・山廃
伝統酒   ← ◎ → ◎ 白麹・新酵母
若酒    ← ◎ → ◎ 長期熟成
地元酒   ← ◎ → ◎ 国際評価
酒蔵    ← ◎ → ◎ 観光・地域共創

👉 “超軟水・丹後山田錦・鬼伝説・海の幸を核に、伝統からVividまで広げる『丹後由良・地域共創多層型』酒蔵。”

京都府の主要酒蔵と比較すると、

伏見の大手蔵
=「地下水・大規模生産・全国流通」

玉乃光酒造
=「純米吟醸・酒米表現・味吟醸」

招德酒造
=「純米・食中・京都米」

齊藤酒造
=「京都府産米・祝・吟醸」

ハクレイ酒造
=「丹後由良・超軟水・丹後山田錦・山廃・海の幸・観光・地域共創」

と整理できる。

ハクレイ酒造のブランド構造は、

由良ヶ岳
→ 不動山水
→ 1832年創業
→ 白嶺
→ 大江山の鬼伝説
→ 酒呑童子
→ 丹後山田錦
→ 香田
→ 真名井
→ 生酛・山廃
→ Vivid
→ IWC京都トロフィ
→ 地域共創

という流れを持つ。

重要なのは、

“丹後の古い地酒蔵”だけではないこと。

超軟水を守る。

契約栽培米を使う。

山廃を続ける。

熟成酒を出す。

白麹を使う。

酵母を変える。

スパークリングも造る。

さらに、

直売。

酒蔵見学。

菓子。

地域商品の開発。

まで広げている。

つまりハクレイ酒造は、

“由良ヶ岳の水で酒を造る老舗”

ではない。

“丹後の山・水・米・海・物語を、酒と観光へつなぐ蔵”

と捉えるのが最も適切である。


■ コピー

メイン

「丹後の山から、日本海の食卓へ。『白嶺』。」

サブ

京都・丹後由良。

由良ヶ岳から湧く超軟水と、丹後で育てる山田錦。

白嶺、酒呑童子、香田。

山の水を、海の幸に寄り添う一杯へ。


■ 結論

京都・丹後由良で1832年から続くハクレイ酒造。
由良ヶ岳の超軟水「不動山水」と丹後産山田錦を基礎に、「白嶺」「酒呑童子」「香田」を育て、山廃・生酛・白麹・熟成酒まで酒質を広げてきた。2026年には「白吟のしずく」がIWC純米大吟醸部門で京都トロフィを獲得している。

丹後の山の水を、日本海の食と地域の未来へつなぐ――それがハクレイ酒造である。

ハクレイ酒造のテロワールを味わう👇

イメージ 酒蔵 説明 リンク
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ハクレイ酒造

由良ヶ岳の超軟水と丹後米で「白嶺」を醸す、1832年創業の酒蔵。

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