静岡平喜酒造(酒蔵ガイド)
― 安倍川伏流水と静岡酵母、山田錦・誉富士・雄町・五百万石を使い、「喜平 静岡蔵」を醸す2011年設立の復活酒蔵。約50年の空白を経て静岡で酒造りを再開し、純米酒中心・少量高品質・県内流通に徹する“静岡地酒特化型”の実力蔵。 ―

① 一行定義
静岡平喜酒造は、静岡県静岡市駿河区丸子新田で「喜平 静岡蔵」を醸す、安倍川伏流水・静岡酵母・山田錦・誉富士・雄町・五百万石・純米酒中心・少量仕込み・県内流通・高い鑑評会実績を強みとする、静岡の食文化に特化した復活型酒蔵。
② ブランド要約
所在地: 静岡県静岡市駿河区丸子新田1-1
会社名: 静岡平喜酒造株式会社
設立: 2011年9月7日
酒造免許取得: 2012年11月1日
代表者: 戸塚 堅二郎
杜氏: 戸塚 堅二郎
代表ブランド: 喜平 静岡蔵
地域: 静岡市・安倍川流域
水: 安倍川の豊富な伏流水
酒質: 純米酒中心
主要酒米: 山田錦・誉富士・雄町・五百万石
酵母: 静岡酵母を中心に使用
生産規模: 約200石規模
流通: 約99%が静岡県内
蔵見学: 一般訪問不可
特徴: 少量生産・近代設備・品質重視・地域密着
👉 “全国へ大量に売るのではなく、静岡で飲まれる高品質地酒を磨く蔵。”
静岡平喜酒造は2011年に設立され、2012年から酒造りを開始した比較的新しい酒蔵である。
しかし、その背景は明治初期まで遡る。
創業者・戸塚喜平が米穀商として「平喜」の屋号を構え、やがて酒類流通から酒造業へ進出。静岡で酒を造ったのち、より良い酒造環境を求めて岡山へ生産拠点を移した。
静岡での清酒製造は一度途絶えたが、約50年を経て安倍川沿いの現在地で復活。
つまり静岡平喜酒造は、
新しい酒蔵でありながら、酒造文化そのものは過去からつながっている。
という二重の歴史を持つ。
③ 味ポジション
香り :★★★★☆〜★★★★★
甘味 :★★★☆☆
旨味 :★★★★☆
透明感 :★★★★★
キレ :★★★★☆〜★★★★★
コク :★★★☆☆〜★★★★☆
👉 “静岡酵母の穏やかな果実香と、安倍川伏流水の透明感を生かす爽やかな食中酒型。”
喜平 静岡蔵の基本は、
派手すぎない香り。
きれいな口当たり。
米の旨味。
爽やかな後口。
である。
蔵が目指すのは、静岡の自然や食文化を連想できる爽やかな酒質。
特に麹造りを重視し、
雑味を抑える
+米を適度に溶かす
+旨味を残す
というバランスを追求している。
純米吟醸では山田錦と静岡酵母による上品な吟醸香。
雄町では柔らかな甘味とふくらみ。
誉富士では果実感と穏やかな旨味。
五百万石では軽快さとキレ。
原料米ごとの違いを残しながら、
最後は静岡型のきれいな食中酒へまとめる
ことが共通している。
④ 強み
① 約50年の空白を経て静岡で酒造りを復活
② 安倍川の豊富な伏流水を使用
③ 純米酒中心・約200石の小規模高品質生産
④ 静岡酵母を積極的に使用
⑤ 山田錦・誉富士・雄町・五百万石の使い分け
⑥ 空調設備・サーマルタンクによる徹底した温度管理
⑦ 総米200kg級の小仕込みによる細かな管理
⑧ 麹造りを酒質の中心に置く品質思想
⑨ 99%が静岡県内で消費される徹底した地域流通
⑩ 蔵と流通会社が近く、鮮度管理に強い
⑪ 2026年全国新酒鑑評会 金賞
⑫ 2025・2026年 静岡県清酒鑑評会で県知事賞
⑬ SAKE COMPETITION 2026で純米大吟醸「赤」「青」が上位入賞
⑭ 2026年ワイングラスでおいしい日本酒アワードで「赤」「青」が評価
⑮ 復活から十数年で静岡県有力蔵の一角へ成長
👉 “歴史の長さではなく、短期間で品質を積み上げたこと自体が競争力。”
特に2026年は重要な年となった。
全国新酒鑑評会では「喜平」が金賞。
さらに静岡県清酒鑑評会でも県知事賞を受賞し、2025年に続く高評価となった。
SAKE COMPETITION 2026では、
喜平 静岡蔵 純米大吟醸 赤
喜平 静岡蔵 純米大吟醸 青
の両方が純米大吟醸部門の上位入賞酒に選ばれている。
設立から十数年という短期間で、
県内評価
→ 国税局
→ 全国新酒鑑評会
→ 市販酒コンテスト
まで評価軸を広げていることは、この蔵の技術成長の速さを示している。
⑤ 向いている人
・静岡市の地酒を飲みたい人
・静岡酵母の酒が好きな人
・安倍川伏流水の酒に興味がある人
・きれいで透明感のある酒が好きな人
・華やかすぎない吟醸酒を好む人
・刺身や魚料理に合わせたい人
・山田錦の純米大吟醸を楽しみたい人
・誉富士を飲み比べたい人
・雄町の柔らかな旨味が好きな人
・五百万石の軽快な食中酒が好きな人
・少量生産の地酒を好む人
・地域密着型ブランドを評価する人
・鑑評会受賞酒を重視する人
👉 “全国ブランドより、その土地で飲まれている本当の地酒を探す人に向く蔵。”
特に喜平 静岡蔵は、
静岡県外で広く売ること
を最優先していない。
約99%が県内消費とされ、静岡市を中心とした飲食店・酒販店へ流通している。
そのため、
現地で出会う価値そのものがブランドになる酒
と考えると分かりやすい。
⑥ 向かない人
・全国どこでも買える酒を求める人
・大量生産ブランドを好む人
・超濃醇甘口だけを求める人
・熟成古酒だけを追う人
・超高酸系のモダン酒だけを好む人
・山廃・生酛中心の蔵を探している人
・大型観光酒蔵を期待する人
・酒蔵見学を最優先する人
👉 “観光・派手なブランド展開より、酒質と地域流通を評価する人向け。”
日本酒造組合中央会では、静岡平喜酒造について一般訪問・試飲は不可としている。
したがって、
酒蔵へ行って体験するタイプ
ではなく、
静岡の酒販店や飲食店で出会うタイプ
の酒蔵である。
⑦ 商品カテゴリ
■ 喜平 静岡蔵 純米大吟醸 赤
現在の静岡平喜酒造を象徴する最高峰の一つ。
精米歩合:40%
全国新酒鑑評会を意識した仕上げで、
きれいな香り
+透明感
+すっきりした後味
を重視する。
2026年SAKE COMPETITION純米大吟醸部門で上位入賞。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード2026でも評価対象となった。
👉 “鑑評会技術を市販酒へ落とし込む、喜平の技術側フラッグシップ。”
■ 喜平 静岡蔵 純米大吟醸 青
「赤」と並ぶプレミアム純米大吟醸。
原料米:山田錦
精米歩合:40%
酵母:静岡酵母HD101
アルコール度:16%
生しらす、太刀魚の刺身、塩焼きなど、静岡の魚料理との組み合わせを意識した酒質。
爽やかな吟醸香と透明感を持つ。
👉 “静岡吟醸らしい香りと魚料理への適性を高級酒へ磨いた一本。”
■ 喜平 静岡蔵 純米吟醸
蔵の基本酒質を理解しやすい中核酒。
原料米:兵庫県産山田錦
精米歩合:50%
酵母:静岡酵母
日本酒度:+3
酸度:1.4
山田錦の旨味と静岡酵母の香りを、
透明感
+穏やかな果実香
+キレ
でまとめる。
👉 “初めて喜平 静岡蔵を飲むなら、最も蔵の方向性を理解しやすい一本。”
■ 喜平 静岡蔵 純米酒 五百万石
原料米:五百万石
精米歩合:60%
酵母:静岡酵母
日本酒度:+4
酸度:1.4
五百万石らしい軽快さを生かし、
すっきり
+米の旨味
+キレ
へ仕上げる。
👉 “静岡の魚料理に寄り添う軽快な食中純米。”
■ 喜平 静岡蔵 純米酒 雄町
原料米:雄町100%
精米歩合:60%
雄町を毎年少量仕込みで醸す限定性の高い商品。
特徴は、
ほのかな果実香
+柔らかな甘味
+米の膨らみ
+滑らかな口当たり
である。
安倍川の伏流水が、雄町の太い旨味を柔らかくまとめる。
👉 “喜平の中でも、旨味とふくらみを最も楽しみやすい酒。”
■ 喜平 静岡蔵 特別純米酒 誉富士
静岡県独自の酒造好適米「誉富士」を使う地域型純米酒。
原料米:誉富士
精米歩合:60%
酵母:静岡酵母
日本酒度:+3
酸度:1.3
静岡の米。
静岡の酵母。
安倍川の水。
三つをつなぐことで、静岡らしい地酒構造を明確にする。
👉 “喜平を『静岡の酒』として最も分かりやすく表現する一本。”
■ 喜平 静岡蔵 純米吟醸 誉富士 新米新酒
誉富士の新米で醸す季節限定酒。
原料米:誉富士100%
精米歩合:55%
酵母:静岡酵母HD-101
特徴は、
果実感のある吟醸香
+しぼりたてのフレッシュ感
+米の旨味
+程よい酸
である。
👉 “誉富士と静岡酵母の若々しい表情を楽しむ新酒。”
■ 喜平 静岡蔵 誉富士 夏酒
誉富士限定シリーズの夏向け商品。
新酒期の酒を低温管理し、
果実感
+爽やかさ
+軽快さ
を引き出す。
👉 “静岡の夏と魚料理に合わせやすい季節酒。”
■ 喜平 静岡蔵 誉富士 秋あがり
春前に搾った酒を低温で夏越しさせる秋酒。
時間によって、
口当たりの丸み
+深い甘味
+落ち着いた旨味
を引き出す。
👉 “静岡平喜酒造の鮮度だけでなく、熟成管理の技術も見せる一本。”
■ 喜平 静岡蔵 純米 ひやおろし
雄町100%使用。
精米歩合:60%
一夏熟成することで、
雄町のふくよかな甘味
+丸み
+円熟感
を引き出す秋季限定酒。
👉 “フレッシュな喜平とは逆側にある、秋の熟成旨口。”
⑧ 飲み方
冷酒 :◎◎
常温 :◎◎
ぬる燗 :◎
熱燗 :○
ワイングラス:◎◎
食中酒 :◎◎
👉 純米大吟醸・純米吟醸は冷酒、雄町・純米は常温〜ぬる燗。基本は静岡の魚料理と合わせる。
■ 料理との合わせ方
純米大吟醸 赤
→ 白身魚、寿司、会席料理
純米大吟醸 青
→ 生しらす、太刀魚、刺身、塩焼き
純米吟醸 山田錦
→ 鰹、刺身、天ぷら、焼魚
純米 五百万石
→ 生しらす、桜えび、寿司、豆腐
純米 雄町
→ 鰹、焼魚、鶏料理、煮物
特別純米 誉富士
→ 静岡おでん、焼魚、山葵料理
誉富士 新米新酒
→ 刺身、貝類、白身魚、春野菜
ひやおろし
→ 秋刀魚、きのこ、煮物、焼物
静岡なら、
生しらす
桜えび
鰹
太刀魚
金目鯛
静岡おでん
わさび
黒はんぺん
鮪
茶料理
などとの組み合わせが分かりやすい。
👉 “安倍川の水で醸した酒を、駿河湾の魚で飲む。”
これが喜平 静岡蔵を最も土地に近い形で楽しむ方法である。
⑨ 位置づけ
クラシック ← ○ → ◎ モダン
穏やか ← ◎ → ○ 華やか
淡麗 ← ◎ → ○ 濃醇
辛口 ← ◎ → ○ 甘旨口
軽快 ← ◎ → ○ コク
大量生産 ← ○ → ◎ 少量生産
全国流通 ← ○ → ◎ 県内流通
観光蔵 ← ○ → ◎ 品質特化
👉 “安倍川伏流水・静岡酵母・少量純米仕込み・県内流通を一本につなぐ『静岡ローカル品質特化型』酒蔵。”
直前の御殿場石川酒造と比較すると、
御殿場石川酒造・雪解/榮/来光
=「富士山伏流水・新設蔵・地域農業・オール御殿場」
に対して、
静岡平喜酒造・喜平 静岡蔵
=「安倍川伏流水・静岡酵母・純米中心・約200石・99%県内流通・品質研究」
と整理できる。
静岡平喜酒造のブランド構造は、
静岡市
→ 安倍川
→ 伏流水
→ 静岡酵母
→ 山田錦・誉富士・雄町・五百万石
→ 小仕込み
→ 徹底した温度管理
→ 喜平 静岡蔵
→ 静岡県内の飲食店・酒販店
という非常に明快な構造を持つ。
特に重要なのは、
99%県内消費
という販売思想である。
これは全国展開ができないのではなく、
「まず静岡で信頼される酒になる」
という経営方針に近い。
したがって静岡平喜酒造は、
“全国ブランドになるための地酒”
ではなく、
“静岡で飲み続けてもらうために品質を磨く地酒”
と評価するのが適切である。
■ コピー
メイン
「静岡で醸し、静岡で飲む。安倍川の地酒『喜平』。」
サブ
静岡平喜酒造は、安倍川の伏流水と静岡酵母、山田錦・誉富士・雄町・五百万石を使い、少量仕込みで「喜平 静岡蔵」を醸す酒蔵です。明治時代から続く酒造りの歴史を持ち、約50年の空白を経て2011年に静岡で復活しました。
目指すのは、派手さよりも透明感と米の旨味を生かした、静岡の魚や郷土料理に合う食中酒。生産量は約200石と少なく、約99%を静岡県内で販売しています。2026年には全国新酒鑑評会で金賞、静岡県の鑑評会で知事賞を受賞しました。
全国展開よりも、静岡で長く飲み続けてもらうことを重視し、毎年品質を磨き続ける地域密着型の酒蔵です。
■ 結論
安倍川の伏流水に、静岡酵母が静かに息づく。
途絶えた五十年を越え、喜平はふたたび故郷の地で醸される。
広く売るより、深く根づく――静岡の食卓に寄り添う酒。
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静岡喜平酒造 |
静岡平喜酒造は、静岡県静岡市駿河区丸子新田で「喜平 静岡蔵」を醸す、安倍川伏流水・静岡酵母・山田錦・誉富士・雄町・五百万石・純米酒中心・少量仕込み・県内流通・高い鑑評会実績を強みとする、静岡の食文化に特化した復活型酒蔵。 |

